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文芸同人「主婦と創作」

文芸同人「主婦と創作」は ・作品を誰でも気軽に無料で発表できる ・作品を誰でも気軽に無料で読める の2点をコンセプトとした、メルマガを会報として活用する文芸同人です。 あなたも仲間になりませんか?
発行者名 神光寺かをり
発行部数1184部
発行周期週刊・毎週土曜日発行
カテゴリ 小説
バックナンバー すべて公開

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┏テ┃キ┃ス┃ト┃系┃創┃作┃メ┃ー┃ル┃マ┃ガ┃ジ┃ン┃━━━━☆
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┃   文芸同人 主婦と創作                   ┃
┃             2009年 5月16日発行 通巻 たぶん323号 ┃
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 初めましてのかたは、初めまして。
 そうでない方は、お待たせいたしました。
「自称・文芸同人誌」主婦と創作の発行人、銀凰です。

 さて、今回より高野聖さま・白川莉子さまの新連載が始まります。

 まずはお久しぶりの白川様からご挨拶
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 お久しぶりです。白川莉子です。前回一作品上げたっきりでしたので、
 覚えている方はいないかもしれませんけど……。
 小鳥を軸にした、割りとほのぼのとしたお話が出来ました。
 ちょいと長めなので、連載形式にしました。

 最後まで読んで頂けると、有難いです。
 それでは、白川莉子でした。
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 それでは、本日の会報をお楽しみ下さい。
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◇本日の目次…
 ◆連載………風天マン  実録国際線乗務員の飛行(非行)日誌 22
 ◆新連載……高野聖  Neo horror Fantasy  黄龍(ウォン・ロン) 1
 ◆新連載……白川莉子  帰る場所 1
 ◆連載………神光寺かをり  フレキ=ゲー編によるガップ民話集 3-13
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◇連載  実録国際線乗務員の飛行(非行)日誌       作:風天マン
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☆☆ 実録! 国際線チーフパーサーの飛行(非行?)記録 ☆☆     
                                   
  「エッ、ウソ、ホント?」笑いと感動、痛快、恐怖の裏側を覗いてみる?
  
  航空会社志望の学生、外国事情やスッチーに興味あるヒト、飛行機を利用
  するヒトは必読!
 国際線2万時間のハチャメチャ乗務員が仕掛けた、笑いと涙、恐怖と珍事
  の打ち上げ花火。  

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 第22号 勝 新太郎さんとの出会い(その1)


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芸能人という職業の領域を、ここでは私流に決めさせてもらうことをお許し願って、
一芸に秀でて、プロとして収入を得ている人達とさせてもらいました。

また、お名前も本名ではなく芸名をそのまま使用させて頂くことにさせていただきます。

今回と次回は「勝 新太郎氏」のお話です。

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勝氏とはタイのバンコックから日本への帰りの便で一緒になりました。

その時、彼はイランのテヘランからの帰りだと言っていました。

私が「テヘランなんか珍しい所に行かれたのですね」と聞くと

「あそこで、ホテルをやる話があってね、その帰りなんだ」とのことでした。

私が「俳優さんでも、そんな事業をやるんですねー」と言うと、

「僕達の仕事はいつダメになるかわからいないんだから、仲間は殆ど飲食業と
かが多いけど、それぞれ事業をやってる」

と教えてくれました。

「余り、パッとしない俳優さんは、そうかも知れませんが、勝さんの場合は」
と、途中まで言ったところで、彼は

「僕は俳優じゃないよ。役者だよ。芸人だよ。君、この違いが分かるか?」

と言われたのです。

「分かりません、教えて下さい!」

「映画やTVしかやれないのが俳優、舞台もやれるのが役者であり、芸人!」

「その違いって何ですか?」

「映画やTVってのは演技のやり直しができるが、一旦舞台に上がった役者は、
やり直しが出来ないってことだ!」

「ナルホド、我々乗務員、特に機長なんかはまさに役者そのものですね」

「そういうことだな」

バンコックからは深夜便で、ほとんどのお客さんは機内で夕食を取って、
寝てしまいます。

彼はテヘランに1週間いたので時差の影響もあったのか、眠れないので2階の
ファーストクラス専用のラウンジで酒を飲むので付き合ってくれと言って、
2階にお供しました。

当時は2階にもバーがあり、そこでお客が自分で飲み物を飲めるようになって
いるのですが、彼に興味を抱いたので、付き合うことにしたのです。

噂では聞いてはいましたが、実に飲みっぷりのいい方でした。

お代わりを差し上げると「君も飲め!」と言われ、
「嫌いな方じゃないので、飲みたいのは山々ですが、勤務中なので・・・」
と断ると、突然「君、将棋はやれるか?」と聞かれ、

「ハイ、下手ですが」

「ヨシやろう!やろう!」ってことになり、彼の酒のお供で将棋を付き合うハ
メになったのです。

当時から、機内には簡易版の将棋と囲碁のセットがありました。

飛行機が揺れても大丈夫なように、いずれもマグネット(磁石)が付いてる仕
様のものです。

大体1局1時間で都合3局、彼の2勝1敗でした。

最後に彼は負けたのですが、それはウイスキーのロックを10杯ほど飲んで、
少し酔っ払ったせいだと思います。

当時の私は2級程度、彼は初段だということでした。

彼は最後に負けたのが悔しかったのか「オイ、もう1局!」と言っていたので
すが、そこに後部客室を統括しているパーサーが来て、

「チーフ、そろそろ朝食サービスの打ち合わせをお願いします」

と言うのを潮に将棋大会を終えることにしたのです。

結局、彼はその夜は一睡もしなかったわけです。

朝食のサービスを終えて、私が日本入国の際の税関書類を配布している時に、
彼が
「テヘランの王族から水パイプをもらったんだが、かなり高価なモノらしい、
どれほどのモノかわからないが申告したほうがいいかな?」

と聞いてきたので、その水パイプを見せてもらいました。

とても立派な彫りがあり、しかも金具部分は総金メッキでかなり高価なモノで
あることは察しがついたのですが、それよりアヘンの吸引専用のパイプだった
ので、その旨を説明して申告の必要があることを伝えたのです。

日本到着直前に彼は本名を記載した名刺を差し出し、

「君は面白い、東京で一度飲もう!」

と誘ってもらいました。

私も初めて彼と会ったのですが、彼の人柄が好きになったので、
「是非、飲みたいですね」と答えました。

一般的な芸能人に特有の傲慢で横柄なところが全く感じられず、紳士的で、
人なつっこい点が私は好きになったのでした。

何よりも温かさがかもし出されていて、好人物だという印象を強く感じました。

その後、彼のマネージャーから何度か飲み会の連絡があったのですが、
彼が指定してきた日時と私の日程とが合わず、結果的に飲み会が実現したのは
半年後のことでした。

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最後まで、読んでいただきありがとうございます。

  (筑後インターネット新聞  田中天元 )

 よかったら、コチラの新聞にも面白くて、ためになる記事がありますよ!
 ⇒ http://www.chikugo-cin.jp/


さて、次回は勝 新太郎さんとの再会して飲んだ時の話です。
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◇帰る場所 1                      作:白川莉子
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 スーパーから帰るところだった。向かいの家の玄関に、小鳥がいた。綺麗な
青い羽をした鳥だ。
 その辺にある石ころを口にくわえて、玄関の扉にぶつけていた。からんと、
扉は静かに音を立てた。暫く待っているみたいだったけど、家の人が顔を出す
ことはなかった。暫く待った後に、小鳥はもう一度石ころを口にくわえて、玄
関の扉にぶつけた。
 それを五回くらい繰り返すと、小鳥はふと、私の方を見た。私は、石ころを
投げつけるのを五回くらい繰り返すまで、小鳥を見ていたようだ。このまま見
ていたら次は声を掛けられるかもしれない。小鳥と話すことになるのはすこし
嫌なので、私は早々に自分の家に戻った。人見知りというわけではないのだけ
ど、鳥と話すのはすこし苦手だ。鳥のことを詳しく知らないから何を話せば良
いのか分からない。
 秋になると、いろんなものが訪れる気がする。秋とは、そういう季節なのだ
ろうか。

続く...

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■新連載 Neo horror Fantasy  黄龍(ウォン・ロン) by 高野聖■
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「式神」とは、闇の時代に陰陽師(おんみょうじ)が生み出した怪物。
 ヘビを食らわばヘビに。
 イヌを食らわはイヌに。
 形は変化自在なり。
============序章・輪廻(りんね)========

(思い出して……思い出して。
 君はわたしを救うために、炎の中で命を落とした。
 【最後までいっしょにいたい】と泣き叫ぶわたしに、
 【いつかまためぐり会う】と、そう誓ったよね
 わたしはおぼえているよ……君は、おぼえているかい?
 たとえ忘れていても、次に会う時思い出して)

 正歴四年(993年)春、平安京。

 視界を黒い影がよぎった。
 人より背丈のある猿に似た獣だった、そいつがわたしの頬をかすめ、切り
つけるような風を残して闇に消えた。死臭と邪悪な気配。
 実際、都ではなにものかに喰い殺される者が後を絶たなかった。
 かれらは常に飢えていた。

 言うまでもないが、陰陽師の稼業は祈祷(きとう)だけではない。
祈祷が表の顔なら、他人を呪い殺すは裏の顔……
 ここらをうろつく獣どもは【式神】といい、裏の稼業の道具だった。
 使用済みの道具が野放しにされていたのだ。

 わたしの師が、竜紋を描いた異国の小箱を目の前に置いた。
 この方こそ、都で随一と讃えられた陰陽師である。

「……まだ触れてはならぬ。おまえまで死神に取り憑かれてしまうぞ、
 封じるのが先だ……これでよい」

 師は指先で【封魔の印】を結んだ。
「ある高貴な方が、内大臣・藤原伊周(これちか)の死を望んでおられる。
だが内大臣家は結界が張られていて式神は立ち入ることができぬ。そこで
考えついたのだ。伊周が愛する姫君の名で、この箱を伊周に届けよ。
さすれば、かならずや手に取るはずだ」

 わたしの唇は凍りついた。
 師の力は絶大であり、命令を拒むのは不可能だった。
 いや、そもそも師は、先の飢饉で親を失い、応天門の下で倒れていた
わたしを引き取り、わが子のように慈しみ育てて下さった。
 最近では、わたしの才を認め「跡継ぎにも……」とすら言ってくれた、
親以上の恩人である。そのような方の命令に、どうして逆らえようか。

「封印はしばらくの間、効き目がつづく。ただ箱を届けるだけのおまえには
何も起こりはしない。だが万が一、この箱を長らく身近に置いたとしたら封
印は解け、おまえの身が危ない。……かならず速やかに届けよ」
 小箱の中から微かな邪気がにじみ出ていた。封印でも抑えきれない、小箱
を手に取る者を速やかに死に至らしめる闇の力。師の呪いに太刀打ちできる
者はいない。あらためて師の呪術に感じ入りながら、心のどこかで強く逃げ
たがっている自分がいた。

 いきなり、わたしの中の何かが目覚めた。
(いったい何だ?)

 知らない顔、知らない光景が次から次へと押しよせる。
 最初は炎、次は限りなく懐かしく愛おしい念のこもる輪郭だった、
 あまりにも時間を経ているので、輪郭しか記憶に残っていなかった。
 最後に【その人】が現れた。
(××……)
 【その人】はわたしを呼んでいた。
 はじめて聞いたのに、懐かしくてたまらない名前で。乾いた土に水がしみ
こむように、みるみる心をうるおしていく。
(×××……おいで。ずっと探していた。やっと見つけた)
(あなたは誰だ?)

 その人の背後は、まるで光に向かって扉を開け放ったように明るい。
 光は私にまとわりついた闇の力をなぎ払った。
(ああ……そうだったのか)

 わたしは、その人をよく知っていた。
 この世で生を受ける、はるか前から、その人を待っていた。
 前世での、生と死をくり返して。

(おいで……ずっと待っていたよ)
 わたしは前に進みかけて足を止めた。
 背後にいる師の存在を感じ、首をふった。
(行けない。師の命により、あなたを斃(たお)さなければならない)
 藤原伊周。現世でのあの人の名前。転生したわたしたちは敵同士だった。
 伸ばした指と指がかすかに触れあってまた離れた。
 涙が頬を濡らして意識を取り戻した。
                 (序章/終/To be continued)
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よかったら、こちらのサイトも覗いてみてくださいね

「英国歴史散歩~薔薇の王国~」
 http://www.kingdom-rose.net/
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◇連載小説  フレキ=ゲー編によるガップ民話集3-13  作:神光寺かをり
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※この小話はフィクションであり実在の人物・団体とは関係ありません。
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 地上に巨人が生まれて、そのあと絶えた訳 13


 畑にいたお父さんが、鍬を掴んだまま駆けてきました。
「今歌ったのはお前かい? なんて素敵な声だろう! 私の心が揺れるようだ」
 それから作業場にいたお母さんが、錘を掴んだまま駆けてきました。
「今歌ったのはあなたなの? なんて素敵な声でしょう! 私の心が揺れるよう」
 それから調剤部屋にいたフッラが、乳棒を掴んだまま駆けてきました。
「今歌ったのはあなたなの? なんて素敵な声でしょう! 私の心が揺れるよう」
 それから草原にいたマッハが、弓を掴んだまま駆けてきました。
「今歌ったのはあなたなの? なんて素敵な声でしょう! 私の心が揺れるよう」
 それから厨房にいたジョカが、包丁を掴んだまま駆けてきました。
「今歌ったのはあなたなの? なんて素敵な声でしょう! 私の心が揺れるよう」
 それから工房にいたポイベが、鋏を掴んだまま駆けてきました。
「今歌ったのはあなたなの? なんて素敵な声でしょう! 私の心が揺れるよう」
 それから牧場にいたディーヴィが、杖を掴んだまま駆けてきました。
「今歌ったのはあなたなの? なんて素敵な声でしょう! 私の心が揺れるよう」
 それから屋根の上にいたティアマトが、木槌を掴んだまま駆けてきました。
「今歌ったのはあなたなの? なんて素敵な声でしょう! 私の心が揺れるよう」
 そうして、みんなが揃って言いました。
「さあもっと歌っておくれ。悲しい歌ばかりでなく楽しい歌も。辛い歌ばかり
でなく嬉しい歌も。寂しい歌ばかりでなく幸せな歌も」
 こうしてこの世で最初にお母さんのお腹を裂いて取り出された赤ん坊のヌトは、
この世で最初の詩人になりました。
 しかし何分この世で最初の詩人さんですから、どの言葉が心に響いて、どの
音程が聞くに心地よいのか判りません。
 どのような旋律を付ければよいのか、どれほどの音量で歌えば良いのか判り
ません。
 何もかも一人で全部やらなければならないのです。何しろこの世に詩人さん
は一人きりしかいないのですからね。
 誰も知らぬことをこの世で最初に試すのですから、間違って聞くに堪えない
歌を作ることもありました。間違って喉を潰してしまうこともありました。
 そういったわけで、この世で最初のお母さんのお腹を裂いて取り出された赤
ん坊のヌトは、繊細な人になりました。
 この世で最初の詩人さんのヌトは、少しずつ美しい言葉を重ねることを憶え、
心地よく聞こえる旋律の紡ぎ方を覚え、遠くまで聞こえる歌い方を憶え、みな
をよろこばせる音楽の作り方を憶えました。
 ヌトは家族が聞き惚れる詩をたくさん作りますと、毎日みんなのために歌い
ました。

 昔々のその昔。
 天の御国の御使いが、天と地と人のために空と大地の間で舞い飛んでいた頃
のこと。
 広い広い大地には、人が最初の夫婦の二人と、最初の夫婦の最初の娘と、最
初の双子の娘と、この世で最初の逆子の娘と、この世で最初の掌に乗るほどに
小さな体で生まれた娘と、この世で最初の大人のように大きな体で生まれた娘
と、この世で最初のお母さんのお腹を裂いて取り出した最後の娘しかおりませ
んでした。
 最初の夫婦の最初の子どもより前には人はおらず、最初の夫婦の最後の子ど
もより後には人は生まれてきませんでした。
 広い広い広い、果てなく広い大地には、小さな一つの家族だけがおり、それ
ぞれおのおのの仕事をしてようやく暮らしておりました。
 さてこの頃、天と地との間にはいつも一つの大きな雲が浮かんでおりました。
 雲のその上はならされた地面のように平らで、銀の柱が立ち並ぶ立派な神殿
が建っておりました。
 神殿は、見張りの天使たちの住処でした。
 神殿の床には金が敷き詰められ、壁は白玉髄でできていました。
 玉髄の壁には十二の窓が開いていて、それぞれの窓枠は、碧玉(ジャスパー)と、
青玉(サファイア)と、瑪瑙(アゲート)と、緑玉(エメラルド)と、縞瑪瑙
(サードニクス)と、赤瑪瑙(カーネリアン)と、橄欖石(ペリドット)と、
緑柱石(ベリル)と、風信子石(ヒヤシンス)と、緑玉髄(クリソプレイス)と、
瑠璃(ラピスラズリ)と、紫水晶(アメシスト)で縁取られていました。
 それぞれの窓からを覗くと、世界の総てが見渡せました。
 見張りの天使たちは夜も眠らず世界を見渡し、世界で起きた総てのことを見
聞きしておりました。そのようにして、起きたこと総てを記録し、記録した総
てを天に運ぶのが、見張りの天使たちの役目でありました。
 見張りの天使が運んできた記録は、天の一番高いところにおられる、最も尊
い御方がご覧になって、良い行いを良いとし、悪い出来事を悪いとお裁きにな
られるのです。
 ですけれども、何分、大地と天の一番高いところは大変遠く離れております。
 大地の端の片隅でなにやら事が起きたとしたら、その度毎に天に戻り、最も
尊い御方より対処の術を授けてもらっておりましたなら、事が大事になるやも
知れません。
 ですから最も尊い御方は、見張りの天使たちに「自分で考え、自分で行う」
ことを許されました。
 この世で「自分で考え、自分で行う」ことができるのは、唯一無二なる最も
尊い御方と、大地の上の人々と、見張りの天使たちだけでありました。
                                 続く
─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
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