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椙本孝思のイサカ・トト・ミグス

作家、椙本孝思のメールマガジン。連載小説、書評、サラリーマンと二足ワラジな日常をマイペースに配信します。小説が好きな人も、そうでない人も、知的好奇心に忙殺される青年におつき合いください。
発行者名 椙本孝思
発行部数273部
発行周期毎週月曜日
カテゴリ 小説
バックナンバー 最新号のみ公開

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        ◆椙本孝思のイサカ・トト・ミグス◆


             -椙本 孝思-
            (Sugimoto Takashi)
                       2018年11月12日 Vol.872
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[お知らせ]

『読んではいけない殺人事件』

著者 椙本孝思
出版 実業之日本社
価格 741円+税
発売日 2018年10月4日

紹介ページ:http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-55441-9

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[本日の他人言(ひとごと)]

相手方の言い分を聞いてやろう、という気持ちがなくなったら、
もうその人の負けである。

-ラ・ロシュフコー(貴族・モラリスト)-

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[ネットワーク・ポエムワーク] その616

サイト:クボタ LOVE米プロジェクト
https://www.kubota.co.jp/0000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000/


- 砂食いのバカヤ -

バカヤは ムツヤという名前の青年だが

馬鹿なので 皆からバカヤと呼ばれていた

広い広い大陸の 小さな小さな村のひとつ

バカヤはそこで暮らしていた

大人になっても働きもせず あれこれ言い訳をして生きている

小さくて 痩せていて 頭が悪くて のろま それがバカヤだった

同じ歳の男たちは 毎日狩猟に出かけている

バカヤは弱くて鈍臭いので 彼らにはついて行けなかった

女たちも木の実を取ったり 子どもたちの世話をしている

バカヤはおかしなことばかり言うので 近づくなと言われていた

バカヤは皆に説いて回った

獣を追ったり 木の実を取ったりしているから

人は常に飢えを恐れて 移動しなければならなくなる

石や土や砂が食べられたら 人は同じ場所で留まり続けられるのだと

人々は バカヤは本格的におかしくなったと言い合った

獣も追わず 木の実も取らないバカヤは

皆のおすそ分けしかもらえないので いつもお腹が減っていた

いくらバカヤでも 本当に石や土を食べられるはずもなく

近くに生える雑草の さらに小さな種を食べるしかなかった

地面に落ちる種を拾い集めて ガリガリと食べている

それを見た人々は バカヤがまた砂を食っていると呆れていた

砂食いのバカヤの噂は 大陸のあちこちにまで広がっていた

それでもバカヤは 一人で真面目に考え続けていた

その雑草はそこら中にあり いくらでも増え続けている

いかし葉は堅く 種は小さく 花も果実もなく 味も何もなかった

バカヤはそれでもなんとか食べようと 種の皮をむいて中身を食べた

それでも堅いので たくさん集めて鍋で煮て柔らかくした

すると すごくいい匂いのする塊ができた

獣や木の実と比べると薄味だが 充分にお腹いっぱいになれた

バカヤの大発明は またたく間に村中に広がった

これを作れば 長年の食糧問題が解決できる

獣が取れない日でも 木の実の採れない冬でも 飢え死にしない

今まで馬鹿にしてきた者たちも バカヤを神のように崇めた

そしてバカヤが見つけた種をコメ 煮た物をメシと呼ぶようになった

しかしバカヤは それだけでは満足しなかった

この世界には 飢えている人々が大勢いる

私はこの発明を世界に広めて 皆を救いたい

バカヤはそう言って 世界中を旅して回った

そして行く村々にコメを教えて 人々から感謝されるようになった

もう彼をバカヤと呼ぶ者のは誰もいなくなった

その代わりに 世界中の人々を救った彼は

皆から救世主メシヤと呼ばれて尊敬されるようになった

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[本日の独言(ひとこと)]

昨年の12月4日に配信した本メールマガジンVol.824で、天体「A/2017 U1」
通称「オウムアムア」について書いた。天体観測史上初めて確認された、太
陽の引力に捕らわれずに移動する恒星間の天体として、大きな話題となって
いるという話だった。

オウムアムアに関してはその珍しさもさることながら、その独特の形状にも
注目していた。それは長さ160~400メートル、幅40メートルほどで、UFOの
形状としてよく知られる「葉巻型」だったことだ。これらの特徴をもって、
私はこの天体が太陽系の外からやって来た宇宙人の乗り物であると結論付け
た。

さて、そんなこともすっかり忘れて、およそ一年後の先日7日、ハーバード
大学の研究者たちがオウムアムアについて、地球外生命体から送り込まれた
探査機の可能性もあるという論文を発表した。その理由は、かの天体が太陽
系から離れていく速度が想定よりも速いことが確認されたからだという。こ
れは太陽光からの圧力を受けて進むソーラーセイル(太陽帆)によるものと
考えられるが、そのような機能を持つ物質は自然界には見られず、つまり異
星人の手が加わっているのではないかという話のようだ。

なお、この発表については既に多くの天文学者から異論が出ており真偽のほ
どは定かではない。私の予言が正しければ母星へと帰還したオウムアムアは、
やがて大宇宙船団を率いて地球の上空に現れることだろう。それはともかく、
研究者も天文学者も注目を集めるためには苦労も多いことだろうと思った。

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次号(Vol.873)は2018年11月19日(月)に配信予定です。

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◆椙本孝思のイサカ・トト・ミグス◆      2018年11月12日 Vol.872
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発 行 者 : 椙本孝思(Sugimoto Takashi)
e-mail  : hermit@post.email.ne.jp
URL   : http://hermit.nobody.jp/
購読中止 : http://hermit.nobody.jp/magazine.html

発行元 : まぐまぐ   (http://www.mag2.com/) ID:106676
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[椙本孝思の作品]

http://hermit.nobody.jp/books.html

○「ハイエナの微睡 刑事部特別捜査係」
○「君が何度死んでも」
○「へたれ探偵 観察日記 たちあがれ、大仏」
○「スパイダー・ウェブ」
○「幻双城事件 仮面の王子と移動密室」
○「へたれ探偵 観察日記」
○「庵谷高校の死神―閉ざされた校舎と見知らぬクラスメイト」
○「露壜村事件 -生き神少女とザンサツの夜- 」
○「バジリスク 寄生生物」
○「タイムカプセル」
○「昆虫部」
○「時間島」
○「天空高事件 -放課後探偵とサツジン連鎖-」
○「雨の降る夜、死霊メールが」
○「THE QUIZ」
○「SPOOKY」
○「魔神館事件 -夏と少女とサツリク風景-」
○「明日、キャロラインカフェで」
○「THE CHAT Ver.2.1」
○「THE CHAT」
○「やがて世界は詩に至る」

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        Copyright 2005 Takashi Sugimoto, All Rights Reserved.
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