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二章 憧れの先輩は陸上部 ~後押しする、豚キムチーズ~
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亡くなったおばあちゃんの影響……か。
悲しくさせてしまったかと隼斗君を見てみたら、むしろケロッと笑っていた。
「ばあちゃんが握るおにぎりは……みんなに笑顔と勇気を与えていたんだ!」
笑顔と勇気……。
確かに、こないだ隼斗君が握ったおにぎりは、クラスを一つにした。
おばあちゃんの影響で、あんなに愛情がこもったおにぎりが握られるようになったんだ。
私のためにどんどんお寿司を握っているお父さんの方を見てみると、ちょっぴり悲しそうな表情になっていた。
私はお父さんが可哀想に思えて、「お寿司にもそういう力はありますよ!」と言ってあげた。
「サヤちゃん、フォローありがとう。いいんだ、隼斗がやりたいようにやってくれたら」
隼斗君は悲しませてしまったことに気づいたのか、「もちろんお寿司も好きだよ!」と急いで付け足した。
お寿司よりもおにぎりが好きになって、お父さんは少し複雑だろうな……。
お父さんは気を取り直すように「いっちょあがり!」と言って、お皿の上に置かれたお寿司たちを食べるように促した。
マグロやサーモン、イクラ軍艦にエビにイカ……そのどれもが新鮮で美味しそう。
こんな贅沢なお寿司……この先食べることができるのだろうか。
お父さんも隼斗君も、私が美味しく食べているところを見て微笑んでいる。
このお店、すぐに人気が出るだろうな……店内を見渡しながらそう考えていた時、お父さんがお店の歴史を話してくれた。
「この店はな、最初は北海道でおにぎり屋として始めたんだ。隼斗のおばあちゃんがな」
「あ、そうなんですか?」
「そうだ。お父さんも小さい頃は、よく店を手伝わされたもんだ……」
じゃあ、お父さんも子供の時はおにぎりを握っていたってことか……。
今の隼斗君みたく、おにぎりを握っていたみたいだ。
「おばあちゃんのおにぎりは地域の人に愛されて、すごくすごく人気だった……だけど、コンビニやらスーパーやらがたくさんできて、徐々に客足が減っていってな……」
おにぎりが安く、手軽に食べられるようになったんだ……。
それで、お父さんがお寿司屋として店を継いだ……ってことか。
「ちょうど同じ地域にお寿司屋がなかったから、店はすぐに繁盛した。それと同時におばあちゃんは、隼斗におにぎりを教えたんだ」
隼斗君は「おばあちゃんのおにぎりの味は、俺が受け継ぐんだ」と言って私の方を見た。
おばあちゃん、おにぎりの愛を孫である隼斗君に伝えたんだ……。
おにぎり愛を、断ち切りたくなかったんだね。
隼斗君は強い目力だったのに、急にしょぼんとし始める。
「隼斗君? どうしたの?」
「半年前にばあちゃんが死んで……それで東京に来たんだけど、ばあちゃんのこと思い出しちゃって……」
隼斗君は泣きそうな顔をしている。
あんなに笑顔だったのに、悲しみが押し寄せてきたみたいだ……。
「泣くな隼斗。おばあちゃんが言っていただろう? この『わかさ』をもっともっと大きくしてほしいって」
「……そうだね。だからこっちに来たんだもんね」
「そうだ。父さんはお寿司頑張るから、隼斗もおばあちゃんの想いを継いで、日本一のおにぎりを作ろうな」
素敵な親子愛だ……この家族には、夢がある……。
私はお寿司を食べながら、感動してしまった。
お父さんも隼斗君も、おばあちゃんの想いを背負って、東京に来たんだね。
私も隼斗君の夢の助けになりたい。
二人の会話と、このお店の歴史を知ったら、そう思えてきた。
悲しくさせてしまったかと隼斗君を見てみたら、むしろケロッと笑っていた。
「ばあちゃんが握るおにぎりは……みんなに笑顔と勇気を与えていたんだ!」
笑顔と勇気……。
確かに、こないだ隼斗君が握ったおにぎりは、クラスを一つにした。
おばあちゃんの影響で、あんなに愛情がこもったおにぎりが握られるようになったんだ。
私のためにどんどんお寿司を握っているお父さんの方を見てみると、ちょっぴり悲しそうな表情になっていた。
私はお父さんが可哀想に思えて、「お寿司にもそういう力はありますよ!」と言ってあげた。
「サヤちゃん、フォローありがとう。いいんだ、隼斗がやりたいようにやってくれたら」
隼斗君は悲しませてしまったことに気づいたのか、「もちろんお寿司も好きだよ!」と急いで付け足した。
お寿司よりもおにぎりが好きになって、お父さんは少し複雑だろうな……。
お父さんは気を取り直すように「いっちょあがり!」と言って、お皿の上に置かれたお寿司たちを食べるように促した。
マグロやサーモン、イクラ軍艦にエビにイカ……そのどれもが新鮮で美味しそう。
こんな贅沢なお寿司……この先食べることができるのだろうか。
お父さんも隼斗君も、私が美味しく食べているところを見て微笑んでいる。
このお店、すぐに人気が出るだろうな……店内を見渡しながらそう考えていた時、お父さんがお店の歴史を話してくれた。
「この店はな、最初は北海道でおにぎり屋として始めたんだ。隼斗のおばあちゃんがな」
「あ、そうなんですか?」
「そうだ。お父さんも小さい頃は、よく店を手伝わされたもんだ……」
じゃあ、お父さんも子供の時はおにぎりを握っていたってことか……。
今の隼斗君みたく、おにぎりを握っていたみたいだ。
「おばあちゃんのおにぎりは地域の人に愛されて、すごくすごく人気だった……だけど、コンビニやらスーパーやらがたくさんできて、徐々に客足が減っていってな……」
おにぎりが安く、手軽に食べられるようになったんだ……。
それで、お父さんがお寿司屋として店を継いだ……ってことか。
「ちょうど同じ地域にお寿司屋がなかったから、店はすぐに繁盛した。それと同時におばあちゃんは、隼斗におにぎりを教えたんだ」
隼斗君は「おばあちゃんのおにぎりの味は、俺が受け継ぐんだ」と言って私の方を見た。
おばあちゃん、おにぎりの愛を孫である隼斗君に伝えたんだ……。
おにぎり愛を、断ち切りたくなかったんだね。
隼斗君は強い目力だったのに、急にしょぼんとし始める。
「隼斗君? どうしたの?」
「半年前にばあちゃんが死んで……それで東京に来たんだけど、ばあちゃんのこと思い出しちゃって……」
隼斗君は泣きそうな顔をしている。
あんなに笑顔だったのに、悲しみが押し寄せてきたみたいだ……。
「泣くな隼斗。おばあちゃんが言っていただろう? この『わかさ』をもっともっと大きくしてほしいって」
「……そうだね。だからこっちに来たんだもんね」
「そうだ。父さんはお寿司頑張るから、隼斗もおばあちゃんの想いを継いで、日本一のおにぎりを作ろうな」
素敵な親子愛だ……この家族には、夢がある……。
私はお寿司を食べながら、感動してしまった。
お父さんも隼斗君も、おばあちゃんの想いを背負って、東京に来たんだね。
私も隼斗君の夢の助けになりたい。
二人の会話と、このお店の歴史を知ったら、そう思えてきた。
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