普通の学生だった〜番外編｡「吸血鬼」

ふぇぇ 1

柚琉視点

｢ままぁ…｣
｢まぁ､どうしたの？｣
｢かゆいよぉ…｣
僕は遊園地の翌日､全身が痒くてママのところに助けを求めに行った｡
｢あらあら､吸血鬼が蚊なんかに血を吸われちゃったのね｣
｢か…？｣
｢ちゅーって血を吸っちゃう虫のことよ｣
かゆい…｡
うぅ…かゆいよぉ｡
｢薬を塗りましょうか｡あまりしみないものあったかしら｣
｢えぇ…ある…にはありますけど…｣
｢どうしたの？｣
｢あまりでして…少しは｣
｢あぁ…柚…我慢出来る？｣
｢ふぇー…｣
｢無理そうね…｣
僕はママに抱きついてスリスリした｡
かゆいのぽりぽりしちゃうの…痛いの…｡
｢シールにしましょうか…｣
｢それでしたらこちらに｡猫とうさぎと無地がありますけれどどれにしましょうか｣
｢うしゃぎしゃん…｣
｢じゃあ柚､それを痒いところに貼ってあげるからちょっと服をぬぎぬぎしましょうか｣
｢にゅー｣
服を脱いで赤いところにシールをぺたって貼った｡
｢こっち…こっちもなの…｣
｢あらあら｡服の上からでも刺されちゃったのかしら？それともパーカーを脱いだ時かしら｣
｢ふにゅぅ…｣
胸に1個､腕に3個､背中に4個､足に2個シールが貼られた｡
｢痒かったわね｡痒くてもかいちゃうと血が出てきて痛い痛いなっちゃうからしちゃダメよ？｣
｢うー…｣
でもかゆいの!!
かゆいのー!!
｢…手袋つけましょうか｡可愛いのにしてあげるからちょこっとだけ我慢よ｣
｢うー…うー!!｣
おててに黄色い何かを付けられて指が動かせなくなった｡
｢取っちゃダメよ？｣
｢かゆい…｣
｢我慢できないわよね…｣
｢うー!!かゆいよ!!かゆい!!｣
｢…柚､ねんねしましょう｡寝て起きたら痒いのも少しは無くなっているわ｣
｢…うゅ…｣
ママのお膝に頭を乗せてころんってした｡
｢おやすみなさい｡柚｣
｢ぉやしゅみ…｣