竜の花嫁〜最弱回復術師から世界最強の花嫁への道〜

かーにゅ

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本編

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「…リオ?本当にそこでいいのか?」
「はい」

僕のいる場所は…サトの執務机の下。

近くにいると書斎に来た人が僕をじろじろ見るしサトが嫌がる。それに僕も見られるのは好きじゃないしここでいいの。サトにくっついていられるし誰にも見られることは無い。

「辛くないか?大丈夫か?」
「大丈夫…です。お仕事…してください」

もうクッションもたくさん貰ったしサトの足に頭乗せててもいいって言われたよ?飲み物や食べ物だって小さな机を置いてそこにフィオナが置いていってくれたし…フィオナの選んでくれる果物はすっごく美味しいの。前に他のメイドさんが選んだこともあったんだけど…そっちは酸っぱくて僕食べれなかったんだ。

「…そうか」

と、言いながらサトの左手は僕の頭に伸びている。

撫でてくれるの…?

思わず手にすり寄ると…優しく撫でてくれた。

「失礼します、竜王様。領地の件でお話が…」
「…緑の地か。何があった」

みどり…緑……ジェイドさん!!

ばっと頭を上げて、机に思いっきり打ち付けてしまった。

「っ…」
「なんすか今の音」
「リオ。大丈夫か?」

サトは僕を机の下から引っ張り出して自分の膝に乗せた。

「番様!?どうしてそんなところに!!」
「リオの希望だ。…強く打っただろう?見せてみろ」
「…もう…大丈夫…です」
「いやー…大丈夫じゃないっすよね」
「明らかに血の匂いがする。どこか切れたんじゃないか?」

血の匂い?僕には分からない…けど。

そっと頭に触れて…その手にはベッタリと血がついていた。

「…ぇ?」
「フィオナ」
「はい。どうされました?」
「お前は確か治癒魔法を使えたはずだろう?」
「えぇ…ですがまだ中級ですよ?」
「それでいい。リオの止血をして医師を呼んでくれ」
「番様の!?大変っ!!ほら、お前達早くなさい!!」
「「はい!!」」
「え?え?」

僕はメイドさん2人に抱えられて隣の寝室へ移動させられた。

「清潔な布と…医師はいつ来るの」
「メイド長。先程転移石で1人向かいましたからもうすぐかと」
「番様。そのベッドから動かないでくださいね!!あぁ、羽を潰さないでください。そうそう…クッションに持たれるようにして」

…僕…じんじんする痛みしか感じていないのになんか難病を抱えた病人になった気分です。フィオナの治癒魔法…暖かい…。

「到着しました!!」
「先生、番様の手当てを!!」

…あれ…ぼーっとしてきちゃった。頭が上手く…働かない。目が霞んで…。

「番様っ!!しっかりしてください!!」

フィオナの声もだんだんと遠くなり…ふっと意識が遠ざかった。
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