竜の花嫁〜最弱回復術師から世界最強の花嫁への道〜

本編

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｢リオ｡どうした？｣
｢…このこ…だれ？｣

ある朝､勝手に僕とサトのベッドに入り込んでいた女の子｡

｢…リオ｡フィオナに腹を見せてみろ｣
｢フィオナ…｣
｢番様｡その子は番様のお子ですわ｡…天使族…だとは思いますが…ノーウィーですね｣
｢…僕の？｣

この子が？僕の赤ちゃん？女の子なの？

｢腹を痛めずに産むだなんて…また新しく書き込まなくては｣
｢かきこむ…？｣
｢フィオナはいつか天使族が産まれてもいいようにとリオの記録をつけていたんだ｡リオは二度とガブリエラとは会いたくないのだろう？｣
｢うん…｣

…会っちゃダメ｡天使族が僕みたいなのに会うのは嫌がるんだって｡僕が他の種族と混ざっているからって…｡

｢リオ｡気に病むことは無い｡天使族は元々子育てなどせぬ｡会う会わないに関わらず手探りでやるしかないんだ｣
｢…うん｣

ぷにぷにしてる｡ほっぺ…指でつつくの楽しい｡

｢ふえっ｣
｢ど…どうしよう｣

つついてたらふぇって…泣いちゃう…分からないよぉ…僕も泣いちゃう…｡

｢あらあら｡番様､任せてくださいな｣
｢うぅ…｣

フィオナはその子を抱き上げあやしはじめた｡

｢こうやって抱っこして優しく撫でたり歌を歌ってあげたりするんです｣
｢…僕…出来ない…｣
｢ですからわたくしがいるんですの｡番様がやりたいのでしたら方法をお教えします｡怖いというのでしたらわたくしが代わりにやりますわ｣
｢…うん｣

僕はサトにしがみついた｡

赤ちゃん育てるなんて出来ない｡僕…サトと一緒にいたいだけ｡赤ちゃん可愛いけどどうしたらいいのか分からない｡

｢…リオ｡気を病むな｣
｢うん…｣
｢わからなくて当然だ｡リオは親を知らずに育ったんだからな｣
｢…おや｣
｢だが時々でいいから子に顔を見せてやろう｡親の顔を忘れられては困るからな｣

…よく分からない｡なんで忘れると困るの？