竜の花嫁〜最弱回復術師から世界最強の花嫁への道〜

本編

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｢順調に育っていますわね｣
｢重たい…｣
｢そろそろ転移させてもいいのでは？｣
｢そうですわね…｣

転移…アリアが生まれた時みたいな？急に赤ちゃん出てくるの？

｢わたくしもできますけれど…赤子の移動はやったことがありませんし｣
｢私もやり方だけ聞いただけで…一応布に包んだお兄様を布から転移させることは出来たのですけれど…失敗するとお母様の肉まで外に出してしまう可能性が…｣
｢それは…いけませんわね｣

なんの話をしているの？怖い話？怖い話なら聞きたくないな｡

｢ママ､どうしたの？怖いの？｣
｢こあい？｣
｢…ちょっとだけ｣
｢カイね､赤ちゃん見えるの｣
｢ソラ､あかちゃ､の､こえ､きこえりゅ｣
｢カイ達がいるから大丈夫だよ｡ちゃんと教えてあげるからね｣
｢あかちゃ､でたくにゃい､て｣
｢ママのお腹気持ちいいもんね｣

よく分からない…けどカイとソラがいればお腹の中の赤ちゃんのことがわかるってこと？

｢出たくない…私はそうは思いませんでした｣
｢番様の胎内はそれ程までに居心地がいいのでしょうか…竜王様が気に入るのもそれが…？｣
｢確かにお父様なら私たちのいた所まで届いても不思議ではありませんけれど…｣

…どういうこと？

｢…なんだ｡今日は全員ここにいるのか｣
｢お子様方も番様と一緒にいたいそうなので｣
｢だが今からは私の時間だ｣
｢お父様がお母様に何かしないとも限りませんし私はここにいます｣
｢ではわたくしも｣
｢フィオナがいるならカイもー!!｣
｢ソラ､も｣
｢…ちっ｣

みんな一緒がいいの？僕サトのお膝に座りたいな｡早くこっちに来てくれないかな｡ベッドからおりるとね､フィオナに怒られちゃうの｡

｢どうした？リオ｣
｢…お膝乗せて｣
｢あぁ｣
｢番様もだいぶ望みを口にするようになりましたわね｣
｢小さなことですけれど｣
｢では番様今日のお茶のお菓子は何に致しましょうか？｣
｢なんでもいいよ｣

お菓子はフィオナに任せた方がいいと思うの｡いつもお茶にあうお菓子を選んでくれるから｡

｢これだけは変わりませんのね｣
｢…お母様が望めば世界だって手に入りますのに｣
｢…え？｣
｢｢え？｣｣

嘘だよね？え？僕が欲しいって言ったら…手に入るの？

｢サト…嘘だよね？｣
｢時間はかかるかもしれぬが必ず果たそう｣
｢…そう｣

変なお願いしないようにしないと｡