愛して愛して壊れるくらい

塚口悠良

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1話

1-4

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 ぐっと押し込まれ、指とは比べ物にならない質量が襲ってくる。息が詰まって上手く呼吸ができない。臓器が臓器が押しつぶされるような圧迫感がある。
「っ、ぐ……かはっ……!」
「マネージャー、ちゃんと息して。ゆっくりでいいから」
 落ち着かせるように頭を撫でながら声をかけてくれるハルトに従ってできるだけゆっくり呼吸をする。私がちゃんと慣れるまで動きを止めて待ってくれているようだった。
「上手に息できてるよ。大丈夫。えらいねぇ」
「はふっ……う……あ、りがと」
「ん? なに」
 少しずつ、初めての圧迫感にも慣れ、状況が把握できるようになった。よく見るとハルトのものはまだ半分ほどしか収まりきっておらず、こんな状態で待たされるのはかなりきついだろう。それなのに、私が苦しまないようにと気を使ってくれるなんて。そう思ってのお礼だったのだが、ハルトはあまりピンと来ていないようだった。
「辛いでしょう? もう、大丈夫だから。奥まできてください」
「はぁ……。ったくもぉ……」
 胎の中でぐぐっとハルトのものが硬度を増した気がして目を見開く。どうして今そんな反応を……? 解決されない疑問が頭をもたげたとき、今まで届いていなかった場所まで一気に腰を進められ、苦しさと快感が一気に突き抜けてくる。
「あ゛あ゛っ♡」
「はー……マジでさ、今日は無理そうだったら入れなくてもいっかなとか思ってたんだぜ? なのに、マネージャーが煽るからさぁ。我慢できそうにないなぁ」
「はう゛っ♡ う゛♡ ん゛~っ♡♡」
 ゆっくりと、しかし力強く奥に押し込まれ、濁った喘ぎ声が出てしまう。苦しい、息ができない。でも、気持ちいい。
「きもち……」
「あ♡ ん゛ん゛っ♡ はぁっ……♡」
 ぼそりとこぼされたハルトの言葉が嬉しくて余計に中を締めてしまう。やっと、ハルトの欲求を満たす手伝いができている。その事実が快楽物質を多く分泌させていく。
「ハルト……♡ きもちい? ちゃんと、できてますか……?」
「あぁ……んっ……気持ちいよ。アンタは?」
「ん゛っ♡ き、もちい……♡ おく、とんとんされるの、すきぃ♡」
「そ? じゃ、っ……こっちと、どっちが、いい……?」
 奥に奥に進んでいくような小さな腰の動きを、ぐっと引いて大きなストロークに変えたハルトの切っ先が先程刺激されていた場所めがけて押し込まれる。その瞬間、背中が弓なりに反って眼の前がチカチカとした。
「ひぁ♡ あ゛っ……♡ お゛っ♡」
「すっげえしまる……っ、はぁ……」
「そ、こ……♡ らめ、おかひ……♡♡」
「やっぱここ好きだよね」
 にやりと広角を上げたハルトは私からの抵抗なんて聞こえていないと言わんばかりの態度で重点的にそこを突き始める。ただでさえ回らない頭が余計にふわふわとしてきて、どんどん何かが高まっていくのを感じる。
「や、だめっ……♡ なんか、なんか、くる……♡」
「ん? イきそ?」
「はぇ、わかんな……♡ あ゛う゛っ♡ ん゛♡ だめ、だめだめだめっ♡ やばっ♡♡ ん゛ぅ~~~っ♡♡♡」
 ガクンと身体が大きく跳ねて、意識がふわりと浮く。突然まぶたが重くなって意識を保っていられない。やばい、これ……気絶、する……。

 ふと目が覚めた。目を開けた先にはこちらを見つめているハルトがいて、飛び退るように起き上がる。
「うお……びっくりしたぁ」
「す、すいません……。完全に気絶した……」
「良すぎてトんじゃったんでしょ? 男冥利に尽きるねぇ」
 にやにやとした表情でこちらを見つめるハルトに改めて頭を下げる。
「性処理を、という話だったのに、途中で気絶してしまって申し訳なかったです」
「だからいいって言ってんのに。オレもちゃんと満足できたよ? マネージャーのかわいいとこいっぱい見れたしね?」
「っ、く……私で、お役に立てそうですか?」
「ん、どういう意味?」
「その……ハルトの相手をするには、不足があるんじゃないかと」
「ん~……別にオレ、いたれりつくせりで寝っ転がってたいタイプじゃねえし、一から仕込めるほうが好みかも」
「え、っと……」
「要するに、アンタをオレ好みに躾けてあげるってこと」
「は!? なにを……!」
 とんでもないことを言うハルトに思わず抗議の声を上げるが、腕を思い切り引かれ、またベッドに逆戻りになってしまう。
「オレの要望には、なんて応えるんだっけ?」
「……はい」
「だよね? じゃ、今日からマネージャーはオレのペットってことで。いいね?」
「な、それは……」
「返事は」
「っ……はい」
 見たことが無いようなハルトからの圧に身が竦む。こんなこと、本当に許していいのか。そう思う自分がいないわけではない。しかし、自分がハルトの言いなりになれば、ハルトを満足させられれば、ハルトを、みんなを、もっと高いステージまで連れて行ってあげられる。そのためになら、なんだってしてやると決めたのだ。
「その代わり、今後仕事場での態度は改めてください。約束できますね?」
「はーい」
 間延びした返事に眉根を寄せるとふわりと笑ったハルトにくすりと笑われる。
「おっかない顔。大丈夫。ちゃんと分かってんよ。いい子にしてたらご褒美として、オレの相手してくれるんでしょ? 任せろ」
「頼みますよ。あなたの態度がヴィクトルの今後を左右するんですから」
「へいへーい」
 私の小言を聞き流しつつも、真剣な顔で頷いたハルトに嘘や誤魔化しがないことは感じ取れた。今日はそれだけでもう大収穫といえる。今後ハルトにより満足してもらえるように知識を増やしていかなければと思いつつ、ふと綺麗にされた己の身体に気づいて悲鳴を上げるまで、あと数秒。
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