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第17話:
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話を少しだけ戻して反乱決行時。
「よし、俺達は魚雷管制室に行ってシステムPCを破壊する。砲雷科がくすねてくれた手榴弾がある。柳本は第一番砲塔に行ってレールガンの磁気増幅装置を壊すんだ! 吉沢も第二番砲塔に行き同じ装置を破壊するんだ。そうすればレールガンは使用不能だ」
橋山達は、殆ど誰も立ち入ることがない資料室で艦内の図面を広げて説明する。
「橋山さん、魚雷は任せて下さい! 信管を全部抜いて海に捨てますので使い物になりません。予備は一切ないので大丈夫です」
砲雷科、魚雷整備士の田口は自信たっぷりに橋山に言う。
「その信管の代わりになる他の物で代用できないのだな?」
念のために橋山は田口に聞くと自信たっぷりに頷く。
それを信じることにした橋山は、救護室を襲ってこの時代では手に入らない薬品を破壊するように担当の井手上に言う。
橋山の考えでは、この時代で手に入らない薬を破壊すれば艦長は困るはずでこちらの要求に応えるだろうと安易な考えでいたのである。
「それと食堂方面だが海水濾過装置を破壊するんだ。あの装置の上部に父上の製品なんだが濾過装置の心臓部に当たる特殊フィルターがあるんだがそれを壊せば二度と綺麗な真水として濾過することは出来ないから交渉もこちらが有利になる」
橋山の説明に反乱参加者は目を輝かせて成功することを疑っていない……。
真水が確保できなくなれば嫌でも元の時代(歪んだ世界)に帰らなければ死ぬ事になるのできっとなんとかするだろうと思っていたのである。
その時の反乱者全員の頭にはCICルームや核融合炉機関室を初めとする光学迷彩シールドやステルスシステム発生装置の事は全く浮かんでこなかったのである。
反乱は少なくとも初期の時点では成功ともいえたが富嶽を初めとする東郷等優秀な者達によって拍子抜ける程に反乱は直ぐに鎮圧されたのである。
各区画の天井口から強力な睡眠薬を気化させた気体を流し込んで一気に扉を解除して捕縛する。
「艦長、反乱者の奴らは眠っていますが強制的に起こしますか? 嬲り殺すぐらい暴行すれば起きると思いますが? その後の処分もお任せ頂けますでしょうか?」
東郷の不機嫌な表情を見た富嶽は少し考えたが大切な状況の中で下らない破壊工作をした者に腹がたっていたのもあって許可する。
富嶽の許可を得た東郷は敬礼をして治安部隊を引き連れて出ていく。
「前から思っていましたが東郷という人物……かなりの冷酷で容赦しない性格の持ち主で笑いながら人を殺すような雰囲気がします」
榊原が富嶽に小声で言うと富嶽は首を振りながら東郷のことを弁護する。
「いや、あいつは純粋なんだよ。少なくとも俺は東郷のことを信頼しているし友と思っている」
そこまで言うと富嶽は杉本に救護室の状況と被害を確かめてきて欲しいと頼むと杉本は敬礼して艦橋を飛び出していく。
被害状況が艦橋の富嶽の元に次々と入ってくるがその内容を聞いて頭を抱えてしまう。
それは榊原も同じである。
”雪風”最大の攻撃兵器であるレールガンは、磁気増幅装置が粉々になってしまい完全復旧は出来るが二月は必要であるとのこと。
魚雷管制室はCPUとマザーボードが壊滅的に破壊されていて完全復旧は可能だが三月はかかるとの事だが魚雷に関しては絶望的で信管が全て抜かれて海の底に捨てられてしまいただの鉄の筒と化していた。
最も信管自体は、完全防水で硫酸を初めとする各溶解液等には一切、効かない優秀であったが本体は無くなってしまう。
使用可能本数は初めから装填されていた八本のみであったがホーミング機能はCPUが破壊されたので事実上使用不可になってしまう。
救護室の状況だが幸いに破壊されたのが当時の日本でも手に入る物であったので少しは安心する富嶽だが
食堂からの報告に顔色を変える。
真水を作る海水濾過装置は完全に破壊されてしまい、致命的なのはそれと同じ能力を発揮する機械はこの時代の世界では作れない物で真水を常に供給することが不可能になってしまったのである。
「何たること……。何てことをしてくれたんだ!! 昔と違ってこの艦には女性も沢山乗っているし他にも必要な場面は沢山あるのに……」
その報告を聞いた他の乗員も絶望な表情をしている。
水がなければ生きていけない……。
「スコールとか利用しないといけないのか」
肩を落とす富嶽に今まで以上の凶報が届く。
それは、先の被害箇所の復旧作業についてだがそれを行うためには、核融合炉心を完全に止めて作業しなければならない事でその間は、艦の機能は一切、使用不可能という事である。
動かすことも照明を点けることも不可能な状態である。
最も、武器は自動機関砲のみであるが各シールド装置は全く異常なしで使用できるし羽柴管轄のドローンも全て無事であるため、偵察のみの行動に関して言えば何の問題も無いことである。
富嶽は凄い重大な決意を求められてしまい悩んでしまう。
少し経って東郷が艦橋に入ってきて橋山以下の反乱に参加した人物の処分をしたとの事。
それを聞いた艦橋の人達は真っ青になる。
先ず、全員を嬲り殺すつもりで警棒で叩いて起こし、他に仲間がいるかどうか拷問をしたがどうやら他にはいないという事で橋山以下全員を顔だけ出してドラム缶に入れてコンクリートを流し込んだとのことで固まった時点で海に沈めるつもりですと言う。
富嶽は流石に惨すぎると判断して首謀者の橋山と手榴弾で破壊した人物のみを海に沈めて処分することを決定したが他の物は別の手段を考えるので監禁しておくようにという。
東郷は頷いて艦長の指示に従いますといい、再度艦橋を出ていく。
「首謀者は流石に情けを掛けることは出来ない。見せしめとして処分する……」
それでも富嶽は苦い表情をしていた。
橋山の処刑の一部始終を公開させて決行する。
彼らの顔は誰だか分からないぐらい変形して膨れ上がっていた。
ドラム缶にコンクリート詰めされた橋山以下五人はそのまま海に落とされてしまう。
全員が泣き喚いていたが誰も同情することは無く、冷ややかな目で見ていたのである。
それを一部始終見ていた富嶽に通信士が駆けつけてきて報告する。
「小沢中将から電文です、貴官に感謝してもしきれない。是非、直接御礼をしたいのでサイパンが片づいたら横須賀で会いたいとの事です」
「よし、俺達は魚雷管制室に行ってシステムPCを破壊する。砲雷科がくすねてくれた手榴弾がある。柳本は第一番砲塔に行ってレールガンの磁気増幅装置を壊すんだ! 吉沢も第二番砲塔に行き同じ装置を破壊するんだ。そうすればレールガンは使用不能だ」
橋山達は、殆ど誰も立ち入ることがない資料室で艦内の図面を広げて説明する。
「橋山さん、魚雷は任せて下さい! 信管を全部抜いて海に捨てますので使い物になりません。予備は一切ないので大丈夫です」
砲雷科、魚雷整備士の田口は自信たっぷりに橋山に言う。
「その信管の代わりになる他の物で代用できないのだな?」
念のために橋山は田口に聞くと自信たっぷりに頷く。
それを信じることにした橋山は、救護室を襲ってこの時代では手に入らない薬品を破壊するように担当の井手上に言う。
橋山の考えでは、この時代で手に入らない薬を破壊すれば艦長は困るはずでこちらの要求に応えるだろうと安易な考えでいたのである。
「それと食堂方面だが海水濾過装置を破壊するんだ。あの装置の上部に父上の製品なんだが濾過装置の心臓部に当たる特殊フィルターがあるんだがそれを壊せば二度と綺麗な真水として濾過することは出来ないから交渉もこちらが有利になる」
橋山の説明に反乱参加者は目を輝かせて成功することを疑っていない……。
真水が確保できなくなれば嫌でも元の時代(歪んだ世界)に帰らなければ死ぬ事になるのできっとなんとかするだろうと思っていたのである。
その時の反乱者全員の頭にはCICルームや核融合炉機関室を初めとする光学迷彩シールドやステルスシステム発生装置の事は全く浮かんでこなかったのである。
反乱は少なくとも初期の時点では成功ともいえたが富嶽を初めとする東郷等優秀な者達によって拍子抜ける程に反乱は直ぐに鎮圧されたのである。
各区画の天井口から強力な睡眠薬を気化させた気体を流し込んで一気に扉を解除して捕縛する。
「艦長、反乱者の奴らは眠っていますが強制的に起こしますか? 嬲り殺すぐらい暴行すれば起きると思いますが? その後の処分もお任せ頂けますでしょうか?」
東郷の不機嫌な表情を見た富嶽は少し考えたが大切な状況の中で下らない破壊工作をした者に腹がたっていたのもあって許可する。
富嶽の許可を得た東郷は敬礼をして治安部隊を引き連れて出ていく。
「前から思っていましたが東郷という人物……かなりの冷酷で容赦しない性格の持ち主で笑いながら人を殺すような雰囲気がします」
榊原が富嶽に小声で言うと富嶽は首を振りながら東郷のことを弁護する。
「いや、あいつは純粋なんだよ。少なくとも俺は東郷のことを信頼しているし友と思っている」
そこまで言うと富嶽は杉本に救護室の状況と被害を確かめてきて欲しいと頼むと杉本は敬礼して艦橋を飛び出していく。
被害状況が艦橋の富嶽の元に次々と入ってくるがその内容を聞いて頭を抱えてしまう。
それは榊原も同じである。
”雪風”最大の攻撃兵器であるレールガンは、磁気増幅装置が粉々になってしまい完全復旧は出来るが二月は必要であるとのこと。
魚雷管制室はCPUとマザーボードが壊滅的に破壊されていて完全復旧は可能だが三月はかかるとの事だが魚雷に関しては絶望的で信管が全て抜かれて海の底に捨てられてしまいただの鉄の筒と化していた。
最も信管自体は、完全防水で硫酸を初めとする各溶解液等には一切、効かない優秀であったが本体は無くなってしまう。
使用可能本数は初めから装填されていた八本のみであったがホーミング機能はCPUが破壊されたので事実上使用不可になってしまう。
救護室の状況だが幸いに破壊されたのが当時の日本でも手に入る物であったので少しは安心する富嶽だが
食堂からの報告に顔色を変える。
真水を作る海水濾過装置は完全に破壊されてしまい、致命的なのはそれと同じ能力を発揮する機械はこの時代の世界では作れない物で真水を常に供給することが不可能になってしまったのである。
「何たること……。何てことをしてくれたんだ!! 昔と違ってこの艦には女性も沢山乗っているし他にも必要な場面は沢山あるのに……」
その報告を聞いた他の乗員も絶望な表情をしている。
水がなければ生きていけない……。
「スコールとか利用しないといけないのか」
肩を落とす富嶽に今まで以上の凶報が届く。
それは、先の被害箇所の復旧作業についてだがそれを行うためには、核融合炉心を完全に止めて作業しなければならない事でその間は、艦の機能は一切、使用不可能という事である。
動かすことも照明を点けることも不可能な状態である。
最も、武器は自動機関砲のみであるが各シールド装置は全く異常なしで使用できるし羽柴管轄のドローンも全て無事であるため、偵察のみの行動に関して言えば何の問題も無いことである。
富嶽は凄い重大な決意を求められてしまい悩んでしまう。
少し経って東郷が艦橋に入ってきて橋山以下の反乱に参加した人物の処分をしたとの事。
それを聞いた艦橋の人達は真っ青になる。
先ず、全員を嬲り殺すつもりで警棒で叩いて起こし、他に仲間がいるかどうか拷問をしたがどうやら他にはいないという事で橋山以下全員を顔だけ出してドラム缶に入れてコンクリートを流し込んだとのことで固まった時点で海に沈めるつもりですと言う。
富嶽は流石に惨すぎると判断して首謀者の橋山と手榴弾で破壊した人物のみを海に沈めて処分することを決定したが他の物は別の手段を考えるので監禁しておくようにという。
東郷は頷いて艦長の指示に従いますといい、再度艦橋を出ていく。
「首謀者は流石に情けを掛けることは出来ない。見せしめとして処分する……」
それでも富嶽は苦い表情をしていた。
橋山の処刑の一部始終を公開させて決行する。
彼らの顔は誰だか分からないぐらい変形して膨れ上がっていた。
ドラム缶にコンクリート詰めされた橋山以下五人はそのまま海に落とされてしまう。
全員が泣き喚いていたが誰も同情することは無く、冷ややかな目で見ていたのである。
それを一部始終見ていた富嶽に通信士が駆けつけてきて報告する。
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