12 / 36
12.求め合う二人 *
しおりを挟む「俺の知ることは全て話したよ。後は母上から話があるだろう。少しは納得出来たかな?」
「はい、安心しましたし、ラディアス様の気持ちが分かって嬉しかったです。」
「謝ることがある…」
ラディアスは、真面目な顔でミルゼを見つめた。
「ちゃんと話していないのに、初夜でいきなり抱いてすまない。それ以降も好き勝手して、本当にすまない…」
「もう、そのことは大丈夫です。いつも優しくしてくださったし…あの…そのぅ…私、嫌では…なかった、です…」
ラディアスは満面の笑みでミルゼを抱き寄せて、耳元で囁いた。
「それなら、これからは愛情をたくさん伝えながら抱くからな?」
「程々に、お願いします…」
「分かった。善処しよう。」
ラディアスは、この時点で『程々』は難しいかもと自覚していた。
愛しいミルゼ相手に、それは難しいかもと。
しかし、今の雰囲気を壊す訳にはいかない。
「今から抱いていい?」
「程々、に。ふふ。」
ミルゼはミルゼで、程々の意味はよく分かっていなかった。
ただラディアスが、自分を求めてくれることが嬉しいのだ。
「ミルゼ…」
甘く囁いて、ラディアスの唇がミルゼのそれに重なる。
下唇をそっと噛み、ミルゼの口を開けさせると、ラディアスの舌は歯列をなぞる。
体がゾクゾクしてきて、耐え切れなくなったミルゼがラディアスの舌を求めると、ラディアスはふっと笑って絡ませる。
一頻りお互いの唇を味わうと、ラディアスはミルゼの素肌を曝していく。
ほんのり薄紅色に染まったミルゼの体は、ラディアスにはどこも愛おしくて、大切にしたい気持ちと、めちゃくちゃにしてしまいたい気持ちが交錯する。
それでもラディアスは、ゆっくりと唇や舌でミルゼの体を隈なく愛撫していく。
脇の下に舌を這わせると、ミルゼがくすくす笑って照れたので、あまりの可愛さに達しそうになった。
「ミルゼ、俺の上に座って?」
ラディアスは、胡座をかいてミルゼを座らせた。
ミルゼはお尻にラディアスのものを感じて身を捩って逃げようとする。
「ふっ、ミルゼ、それは逆効果だ。」
ラディアスの陰茎はミルゼが身を捩った刺激で硬さを増した。
同時に、ミルゼは逆効果の意味を悟り、恥ずかしさに固まってしまう。
「ミルゼ、照れた顔が可愛いよ?挿れないで擦り合わせてみようか。」
ラディアスはミルゼの腰を掴んで、陰部同士をゆっくり擦り合わせる。
既に濡れていたミルゼの秘所は、ラディアスの陰茎をたっぷりと濡らし、ぬるぬるとお互いを刺激し、昂らせる。
「ラディアスさまぁ…」
甘く名前を呼ぶミルゼに、ラディアスの我慢が難しくなる。
「ミルゼ、煽らないで?挿れたくなる…」
ミルゼもどんどん切なくなる下腹に、無意識に腰が揺れて、ぬるりと陰茎を咥え込んでしまう。
「ミルゼ!ああ、いぃ…ミルゼから挿れてくれるなんて…はぁ、はぁ…」
「ちがっ、ラディアスさまっ、あぁん!」
夢中で腰を使う二人には、もうどちらからとか関係なくて、ただただお互いを貪るだけだ。
「ミルゼ、愛してる、口付けたい…」
「ラディアス様、私も…」
「このままミルゼと、とろとろに蕩けてしまいたいよ…気持ち良過ぎて、もう俺は狂いそうだ…」
噛み付くような口付けと獣のような交わりに、二人はただの雄と雌になった。
それは、愛し合うラディアスとミルゼが心からお互いを信頼し、どんな姿も見せられるという証でもあった。
526
あなたにおすすめの小説
パーキングエリアに置いていかれたマシュマロボディの彼女は、運ちゃんに拾われた話
狭山雪菜
恋愛
詩央里は彼氏と1泊2日の旅行に行くハズがくだらないケンカをしたために、パーキングエリアに置き去りにされてしまった。
パーキングエリアのフードコートで、どうするか悩んでいたら、運送会社の浩二に途中の出口に下ろすと言われ、連れて行ってもらう事にした。
しかし、2人で話していく内に趣味や彼に惹かれていって…
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
結婚したくない王女は一夜限りの相手を求めて彷徨ったら熊男に国を挙げて捜索された
狭山雪菜
恋愛
フウモ王国の第三王女のミネルヴァは、側室だった母の教えの政略結婚なら拒絶をとの言葉に大人しく生きていた
成人を迎える20歳の時、国王から隣国の王子との縁談が決まったと言われ人物像に反発し、結婚を無くすために策を練った
ある日、お忍びで町で買い物をしていると、熊男に体当たりされその行く先々に彼が現れた
酒場で話していると、お互い惹かれ合っている事に気が付き………
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
結婚式に結婚相手の不貞が発覚した花嫁は、義父になるはずだった公爵当主と結ばれる
狭山雪菜
恋愛
アリス・マーフィーは、社交界デビューの時にベネット公爵家から結婚の打診を受けた。
しかし、結婚相手は女にだらしないと有名な次期当主で………
こちらの作品は、「小説家になろう」にも掲載してます。
図書館の秘密事〜公爵様が好きになったのは、国王陛下の側妃候補の令嬢〜
狭山雪菜
恋愛
ディーナ・グリゼルダ・アチェールは、ヴィラン公国の宰相として働くアチェール公爵の次女として生まれた。
姉は王子の婚約者候補となっていたが生まれつき身体が弱く、姉が王族へ嫁ぐのに不安となっていた公爵家は、次女であるディーナが姉の代わりが務まるように、王子の第二婚約者候補として成人を迎えた。
いつからか新たな婚約者が出ないディーナに、もしかしたら王子の側妃になるんじゃないかと噂が立った。
王妃教育の他にも家庭教師をつけられ、勉強が好きになったディーナは、毎日のように図書館へと運んでいた。その時に出会ったトロッツィ公爵当主のルキアーノと出会って、いつからか彼の事を好きとなっていた…
こちらの作品は「小説家になろう」にも、掲載されています。
独身皇帝は秘書を独占して溺愛したい
狭山雪菜
恋愛
ナンシー・ヤンは、ヤン侯爵家の令嬢で、行き遅れとして皇帝の専属秘書官として働いていた。
ある時、秘書長に独身の皇帝の花嫁候補を作るようにと言われ、直接令嬢と話すために舞踏会へと出ると、何故か皇帝の怒りを買ってしまい…?
この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。
週1くるパン屋の常連さんは伝説の騎士様だった〜最近ではほぼ毎日ご来店、ありがとうございます〜
狭山雪菜
恋愛
パン屋に勤めるマチルダは平民だった。ある日、国民的人気の騎士団員に、夜遅いからと送られたのだが…
この作品は、「小説家になろう」にも掲載しています。
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
毎週金曜日、午後9時にホテルで
狭山雪菜
恋愛
柳瀬史恵は、輸入雑貨の通販会社の経理事務をしている28歳の女だ。
同期入社の内藤秋人は営業部のエースで、よく経費について喧嘩をしていた。そんな二人は犬猿の仲として社内でも有名だったけど、毎週金曜日になると二人の間には…?
不定期更新です。
こちらの作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる