【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい

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12.求め合う二人 *

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「俺の知ることは全て話したよ。後は母上から話があるだろう。少しは納得出来たかな?」

「はい、安心しましたし、ラディアス様の気持ちが分かって嬉しかったです。」

「謝ることがある…」

ラディアスは、真面目な顔でミルゼを見つめた。

「ちゃんと話していないのに、初夜でいきなり抱いてすまない。それ以降も好き勝手して、本当にすまない…」

「もう、そのことは大丈夫です。いつも優しくしてくださったし…あの…そのぅ…私、嫌では…なかった、です…」

ラディアスは満面の笑みでミルゼを抱き寄せて、耳元で囁いた。

「それなら、これからは愛情をたくさん伝えながら抱くからな?」

「程々に、お願いします…」

「分かった。善処しよう。」

ラディアスは、この時点で『程々』は難しいかもと自覚していた。
愛しいミルゼ相手に、それは難しいかもと。
しかし、今の雰囲気を壊す訳にはいかない。

「今から抱いていい?」

「程々、に。ふふ。」

ミルゼはミルゼで、程々の意味はよく分かっていなかった。
ただラディアスが、自分を求めてくれることが嬉しいのだ。

「ミルゼ…」

甘く囁いて、ラディアスの唇がミルゼのそれに重なる。
下唇をそっと噛み、ミルゼの口を開けさせると、ラディアスの舌は歯列をなぞる。
体がゾクゾクしてきて、耐え切れなくなったミルゼがラディアスの舌を求めると、ラディアスはふっと笑って絡ませる。

一頻りお互いの唇を味わうと、ラディアスはミルゼの素肌を曝していく。
ほんのり薄紅色に染まったミルゼの体は、ラディアスにはどこも愛おしくて、大切にしたい気持ちと、めちゃくちゃにしてしまいたい気持ちが交錯する。

それでもラディアスは、ゆっくりと唇や舌でミルゼの体を隈なく愛撫していく。
脇の下に舌を這わせると、ミルゼがくすくす笑って照れたので、あまりの可愛さに達しそうになった。

「ミルゼ、俺の上に座って?」

ラディアスは、胡座をかいてミルゼを座らせた。
ミルゼはお尻にラディアスのものを感じて身を捩って逃げようとする。

「ふっ、ミルゼ、それは逆効果だ。」

ラディアスの陰茎はミルゼが身を捩った刺激で硬さを増した。
同時に、ミルゼは逆効果の意味を悟り、恥ずかしさに固まってしまう。

「ミルゼ、照れた顔が可愛いよ?挿れないで擦り合わせてみようか。」

ラディアスはミルゼの腰を掴んで、陰部同士をゆっくり擦り合わせる。
既に濡れていたミルゼの秘所は、ラディアスの陰茎をたっぷりと濡らし、ぬるぬるとお互いを刺激し、昂らせる。

「ラディアスさまぁ…」

甘く名前を呼ぶミルゼに、ラディアスの我慢が難しくなる。

「ミルゼ、煽らないで?挿れたくなる…」

ミルゼもどんどん切なくなる下腹に、無意識に腰が揺れて、ぬるりと陰茎を咥え込んでしまう。

「ミルゼ!ああ、いぃ…ミルゼから挿れてくれるなんて…はぁ、はぁ…」

「ちがっ、ラディアスさまっ、あぁん!」

夢中で腰を使う二人には、もうどちらからとか関係なくて、ただただお互いを貪るだけだ。

「ミルゼ、愛してる、口付けたい…」

「ラディアス様、私も…」

「このままミルゼと、とろとろに蕩けてしまいたいよ…気持ち良過ぎて、もう俺は狂いそうだ…」

噛み付くような口付けと獣のような交わりに、二人はただの雄と雌になった。
それは、愛し合うラディアスとミルゼが心からお互いを信頼し、どんな姿も見せられるという証でもあった。
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