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第1章 幼なじみの転生は気付けない(6) SIDE ケイン
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悲鳴が聞こえた場所へと駆けつけると、そこには一匹のオオカミ型魔獣がいた。
ただし、サイズは先程とは比べものにならない。
立ち上がる前で既に、頭の高さがオレの身長を超えている。
下手なクマより大きい。
さらに特徴的なのは、神々しくさえある銀色の毛並みだ。
魔獣の前には、三角帽子にローブといういかにも魔道士という姿の美少女が逆さ吊りになっていた。
狩猟用の罠にひっかかったらしい。
「氷結柱(フリーズピラー)!」
少女の杖が輝くと同時に、魔獣の足下から3メートルはありそうな氷のつららが生えた。
おお! 魔法だ!
この世界に魔法が存在することは聞いたが、攻撃魔法を使える者は稀らしい。
オレが見た同系統の魔法だと、拳ほどの氷を撃ち出す程度だった。
それでも人間に当たれば重傷を負わせられるが。
この娘、もしかしてすごい魔道士なんじゃ?
しかし魔獣は、完全に不意打ちだったはずの一撃をステップでかわして見せる。
「うそ!? 今のをよけられた!? やば……長旅でもう魔力が……」
少女の顔から生気が抜けていく。
まずいぞ。
予備の剣なんてものは持っていない。
オレはとりあえず持ってきていた折れた剣を魔獣に投げつけた。
「グルルル……」
魔獣がこちらに向き直る。
やば……この先のことは考えてなかった。
大型の獣は動きが遅いなんてのは嘘だ。
圧倒的筋肉量と、長い四肢から繰り出される攻撃は、恐ろしい速度を誇る。
「ガアァゥァッ!!」
魔獣がひと吠えして突っ込んで来た。
捉えられた獲物よりも優先されたか!?
時速にして100kmを超えているのではないか。
それも瞬間的にトップスピードになるのだ。
だが今のオレには見える!
オレは真上に跳び、宙返りをしながら魔獣に馬乗りになった。
首にまたがるが、当然鞍などないので不安定だ。
それでもオレは、両足で首をがっちりホールドする。
このまま締め落としたいところだが、首が太すぎて不可能だ。
ならば!
オレは手に持っていた折れた剣の柄を、魔獣の頭部目がけて全力で振り下ろした。
――ドゴオッ!
派手な音をたてた一撃は、魔獣の頭蓋骨を粉砕。
倒れ伏す魔獣の体から、オレはひょいと飛び降りた。
魔獣の体が赤い光の粒子に変わり、オレの体に吸い込まれていく。
これまでの比ではないほど、力が湧いてくる。
「その反応……まさか勇者様!?」
逆さ吊りの少女は必死でスカートを押さえつつ、キラキラした目をオレに向けてきた。
「そ、そうみたいだけど」
「あたしをお供にしてください!」
「昔話じゃないんだが!?」
思わずつっこんでしまったが、まずは彼女を下ろすのが先だろう。
ロープを切ってやると、彼女は意外にも軽やかに着地した。
しかし、ふらついたあとぐったりと横になってしまう。
「すいません、魔力が……もう……すやぁ……」
「おーい?」
頬をぺちぺち叩いてみるが、まったく起きる気配はない。
どうすんだこれ?
ただし、サイズは先程とは比べものにならない。
立ち上がる前で既に、頭の高さがオレの身長を超えている。
下手なクマより大きい。
さらに特徴的なのは、神々しくさえある銀色の毛並みだ。
魔獣の前には、三角帽子にローブといういかにも魔道士という姿の美少女が逆さ吊りになっていた。
狩猟用の罠にひっかかったらしい。
「氷結柱(フリーズピラー)!」
少女の杖が輝くと同時に、魔獣の足下から3メートルはありそうな氷のつららが生えた。
おお! 魔法だ!
この世界に魔法が存在することは聞いたが、攻撃魔法を使える者は稀らしい。
オレが見た同系統の魔法だと、拳ほどの氷を撃ち出す程度だった。
それでも人間に当たれば重傷を負わせられるが。
この娘、もしかしてすごい魔道士なんじゃ?
しかし魔獣は、完全に不意打ちだったはずの一撃をステップでかわして見せる。
「うそ!? 今のをよけられた!? やば……長旅でもう魔力が……」
少女の顔から生気が抜けていく。
まずいぞ。
予備の剣なんてものは持っていない。
オレはとりあえず持ってきていた折れた剣を魔獣に投げつけた。
「グルルル……」
魔獣がこちらに向き直る。
やば……この先のことは考えてなかった。
大型の獣は動きが遅いなんてのは嘘だ。
圧倒的筋肉量と、長い四肢から繰り出される攻撃は、恐ろしい速度を誇る。
「ガアァゥァッ!!」
魔獣がひと吠えして突っ込んで来た。
捉えられた獲物よりも優先されたか!?
時速にして100kmを超えているのではないか。
それも瞬間的にトップスピードになるのだ。
だが今のオレには見える!
オレは真上に跳び、宙返りをしながら魔獣に馬乗りになった。
首にまたがるが、当然鞍などないので不安定だ。
それでもオレは、両足で首をがっちりホールドする。
このまま締め落としたいところだが、首が太すぎて不可能だ。
ならば!
オレは手に持っていた折れた剣の柄を、魔獣の頭部目がけて全力で振り下ろした。
――ドゴオッ!
派手な音をたてた一撃は、魔獣の頭蓋骨を粉砕。
倒れ伏す魔獣の体から、オレはひょいと飛び降りた。
魔獣の体が赤い光の粒子に変わり、オレの体に吸い込まれていく。
これまでの比ではないほど、力が湧いてくる。
「その反応……まさか勇者様!?」
逆さ吊りの少女は必死でスカートを押さえつつ、キラキラした目をオレに向けてきた。
「そ、そうみたいだけど」
「あたしをお供にしてください!」
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思わずつっこんでしまったが、まずは彼女を下ろすのが先だろう。
ロープを切ってやると、彼女は意外にも軽やかに着地した。
しかし、ふらついたあとぐったりと横になってしまう。
「すいません、魔力が……もう……すやぁ……」
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頬をぺちぺち叩いてみるが、まったく起きる気配はない。
どうすんだこれ?
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