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第1章 幼なじみの転生は気付けない(18) SIDE マリー
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SIDE マリー
こ、怖かった……。
まさか、こちらの世界で初めての外出だってのに、魔法で捕縛されるとは思わなかった。
魔法ってほんとにあるんだなあとワクワク……してる場合じゃない!
助けるつもりが助けられちゃったよ!
まずは恩を売って、好感度を稼ごうという作戦が台無しだ!
でもここであきらめる私じゃないよ。
なんせ自分の命がかかってるからね。
ドジを踏んだ私を逆に助けてくれたような人に出会えたのだ。
しかもこんなこ汚い格好なのに。
何より、足音がケンに似てるしね。
大事にしたい、この出会い!
「助けてくれてありがとうございました」
誠心誠意、真心をこめて礼を述べる。
「オレはケイン。こちらこそ、助けようとしてくれてありがとう」
むしろ邪魔をした上に助けられた私にお礼を言ってくれるとは、なんていい人なんだろう。
「私はマ……リです」
あっぶな!
マリーって言うところだったよ!
うっかり転生前の名前を名乗ってしまったけど、呼ばれた時に反応しやすいからヨシとしよう。
「良い名前ですね」
彼の微妙な表情が、「マリー様と似てるけど大丈夫か?」と物語っている気がする。
「あの……助けていただいたお礼をしたいのですが……一杯どうですか?」
次に会えるのがいつになるかわからない。
逆ナンみたいで恥ずかしいけど、そんなことを言っている場合ではないのだ。
「え……でも……悪いですよ」
遠慮なんていらないよ!
こっちは命がかかってんだから受けてくれなきゃ困るの!
「私の気がおさまりませんから。安いお酒一杯だけになってしまいますが……」
「それでは一杯だけ……」
「はい!」
よし!
予定とは違うけど、第一関門突破だよ。
考えてみれば、男性とサシで飲むのって初めてだった。
緊張をまぎらわすために、体が変わったことも忘れてお酒を飲んだのが全ての間違いだ。
アルコール度数はそこまで高くなさそうな葡萄酒なのに、まさかジョッキ半分でべろんべろんになるとは思わにゃかった。
こにょかりゃだ、アルコールよわしゅぎぃ。
んにゅ……? ゆうしゃしゃん、じぶんでおかにぇはりゃおうとしてりゅ?
「らめぇ!」
おんをうりゅんだからぁ!
おかにぇはもってきちゃんりゃけど、ぎんかってどれくらいのかちにゃのかなぁ?
とりあえじゅだしてみよー!
そしてこのゆうしゃしゃん。
おうちまでおくってくりぇりゅらしい。
しょこまでしてもりゃうつもりはなかったけれろ、にゃかよくにゃっておきたいしにぇ。
「私のおうちは――」
ありぇ?
おやしきまでおくっれもらっらら、わらしのしょうたばれりゅんじゃ……。
「おうちは?」
「ええと……」
あれ? もしかして、これってマズい?
「やっば……おうちなんてありません!」
酔いが一気に覚めたよ!
どうしよう。
まだマリーだってことは隠しておきたいのに!
「どういうこと!?」
そりゃ疑わしい顔するよね!
「ないったらないんです!」
このまま押し切るしか!
「えっと……それじゃあ、近くまでお送りしますよ。さすがに心配ですから」
「いい人ですね……じゃなくて、おかまいなく!」
なんとか協力をとりつけたいところだったけど、ここは逃げの一手だよね。
彼に背を向けて駆け出すと、すぐに足がふらついた。
頭は覚めても体がついてきてない。
「あぶないっ」
抱き留めてくれた彼の腕に少しだけどきりとしつつも、なんとか自分の足で立とうとする。
そんな私の顔を彼はじっと見つめてくる。
惚れたか?
なんてね。
汚い服を着て、帽子で顔も隠してるしそんな……帽子、地面に落ちてるなあ。
「あわわわわ……」
慌てて顔を隠してみるが、もう遅かった。
「まさか、マリー様……?」
バレたぁ!
こ、怖かった……。
まさか、こちらの世界で初めての外出だってのに、魔法で捕縛されるとは思わなかった。
魔法ってほんとにあるんだなあとワクワク……してる場合じゃない!
助けるつもりが助けられちゃったよ!
まずは恩を売って、好感度を稼ごうという作戦が台無しだ!
でもここであきらめる私じゃないよ。
なんせ自分の命がかかってるからね。
ドジを踏んだ私を逆に助けてくれたような人に出会えたのだ。
しかもこんなこ汚い格好なのに。
何より、足音がケンに似てるしね。
大事にしたい、この出会い!
「助けてくれてありがとうございました」
誠心誠意、真心をこめて礼を述べる。
「オレはケイン。こちらこそ、助けようとしてくれてありがとう」
むしろ邪魔をした上に助けられた私にお礼を言ってくれるとは、なんていい人なんだろう。
「私はマ……リです」
あっぶな!
マリーって言うところだったよ!
うっかり転生前の名前を名乗ってしまったけど、呼ばれた時に反応しやすいからヨシとしよう。
「良い名前ですね」
彼の微妙な表情が、「マリー様と似てるけど大丈夫か?」と物語っている気がする。
「あの……助けていただいたお礼をしたいのですが……一杯どうですか?」
次に会えるのがいつになるかわからない。
逆ナンみたいで恥ずかしいけど、そんなことを言っている場合ではないのだ。
「え……でも……悪いですよ」
遠慮なんていらないよ!
こっちは命がかかってんだから受けてくれなきゃ困るの!
「私の気がおさまりませんから。安いお酒一杯だけになってしまいますが……」
「それでは一杯だけ……」
「はい!」
よし!
予定とは違うけど、第一関門突破だよ。
考えてみれば、男性とサシで飲むのって初めてだった。
緊張をまぎらわすために、体が変わったことも忘れてお酒を飲んだのが全ての間違いだ。
アルコール度数はそこまで高くなさそうな葡萄酒なのに、まさかジョッキ半分でべろんべろんになるとは思わにゃかった。
こにょかりゃだ、アルコールよわしゅぎぃ。
んにゅ……? ゆうしゃしゃん、じぶんでおかにぇはりゃおうとしてりゅ?
「らめぇ!」
おんをうりゅんだからぁ!
おかにぇはもってきちゃんりゃけど、ぎんかってどれくらいのかちにゃのかなぁ?
とりあえじゅだしてみよー!
そしてこのゆうしゃしゃん。
おうちまでおくってくりぇりゅらしい。
しょこまでしてもりゃうつもりはなかったけれろ、にゃかよくにゃっておきたいしにぇ。
「私のおうちは――」
ありぇ?
おやしきまでおくっれもらっらら、わらしのしょうたばれりゅんじゃ……。
「おうちは?」
「ええと……」
あれ? もしかして、これってマズい?
「やっば……おうちなんてありません!」
酔いが一気に覚めたよ!
どうしよう。
まだマリーだってことは隠しておきたいのに!
「どういうこと!?」
そりゃ疑わしい顔するよね!
「ないったらないんです!」
このまま押し切るしか!
「えっと……それじゃあ、近くまでお送りしますよ。さすがに心配ですから」
「いい人ですね……じゃなくて、おかまいなく!」
なんとか協力をとりつけたいところだったけど、ここは逃げの一手だよね。
彼に背を向けて駆け出すと、すぐに足がふらついた。
頭は覚めても体がついてきてない。
「あぶないっ」
抱き留めてくれた彼の腕に少しだけどきりとしつつも、なんとか自分の足で立とうとする。
そんな私の顔を彼はじっと見つめてくる。
惚れたか?
なんてね。
汚い服を着て、帽子で顔も隠してるしそんな……帽子、地面に落ちてるなあ。
「あわわわわ……」
慌てて顔を隠してみるが、もう遅かった。
「まさか、マリー様……?」
バレたぁ!
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