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第27話
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実り豊かな秋がその姿を消し始める頃。
冬も近付き、冬支度をするためにいつもより獲物を多く仕留める必要があった。
ここに雪が降ることは滅多にないが、それでも水が凍るほどの寒さが襲いかかる。
今のうちに、少しでも多く蓄えをしておかなければならない。
とはいえ、自分がやるのはいつも通りの狩りだった。
男の役割は力仕事と狩りしかないのだ。
狩りは複数で行うが、獲物を探すときはある程度散り散りになるため一人で森を歩く。
昼間でも霧に覆われ薄暗い森は、嫌でも冬の気配を嗅ぎとるに相応しいだけの寒さを肌に伝えてくる。
周囲に不自然に動くものがないか気を配りながら、思考は自然とあることに及ぶ。
母のことだ。
母が未だに父の死を受け入れていないのである。
父が狼に食われて死んで以来、母はおかしくなってしまった。
どうにも、ぼう、としている。
世話を手伝ってくれる女が話しかけても、それにもろくに答えていなかった。
あれほど愛していた父が死んだのだから、塞ぎこむのも無理はない。
自分を含めて誰もがそう思っていた。
――あの人は帰ってこないの?
自分が留守にしている間、母はそう言って村にいる全員に尋ねて回ったのだという。
村の人間は再三父は死んだのだと説得した。
だが、母は頑としてそれを認めようとはしなかった。
今では食事もろくに食べず、床に臥せっている。
もう十七で結婚の話も持ち上がる歳だが、そんな場合ではない。
このままずっと母の面倒を見ながら生きていく覚悟はできていた。
ただ、母にもう一度笑ってほしかった。
優しい声で、自分の名を呼んでほしかった。
そんな願いすら叶う望みがない今に、ただただ絶望しながら毎日を送っていた。
いつの間にか足は歩くのを止めていた。
気がつけば陽も落ちかけている。
微かに息が白い。
早く戻らないと。
そう踵を返そうとした時、がさ、と近くの茂みが音を立てた。
風が吹いた時のような葉擦れの音ではなかった。
茂みに兎か何かがいるのか。
そう思って茂みの裏に回りこみ、時間が止まった。
「母さ、ん……」
母がいた。
母が、地面に座り込んでいた。
「……あ」
母は信じられない、とでも言うように目を見開いて驚いている。
「あなた……」
その響きには、違和感を覚える。それは。
「かえって、きたのね」
自分ではなく、父に対しての。
「おかしいのよ、みんな、あなたはしんだっていうの」
ただ立ち尽くすしかできない自分に、縋りつくようにして母は言った。
「よかった、ぶじでよかった」
母は何回も同じ言葉を繰り返す。まるで、自分に言い聞かせるように。
何も言えなかった。
何か言わなければいけないと思ったが、母がかけてほしいのは自分の言葉ではないのだ。
父の言葉を、母は何よりも欲している。
しばらくすると、母は慌てたように自分から離れた。
「ごめんなさい。わたしもはやくかえらないといけないのに、あしが……」
示す先、確かに怪我をしている。
履物の上からでも分かるほど血が流れている。
この傷では歩けないだろう。
母は無理を押して痛みに耐え、声を押し殺して立ち上がろうとしている。
何も言わずに母を背負い、村に向けて歩いた。
母は背負われながら、あれこれと楽しそうに何かを言っている。
母はいつもこうして楽しそうに父と話していた。
ああ、とか、うん、しか言えなかったが、そんなそっけない相槌にも嬉しそうに言葉を返した。
母が喜ぶのであれば、自分にできることならなんでもしてやりたかった。
たとえそれが、自分の存在を母の中から消すことになろうとも。
家に帰り、久しぶりに母は料理を作った。
その横顔は笑顔に溢れていた。
これでよかったのだと、自分に言い聞かせた。
その夜、床板が軋む音に目を覚ますと、母がすぐそばにいた。
体が触れる。
女の体が触れている。
幾分痩せているものの、それは確かに女の体だった。
両頬に手を添えられ、否が応にも視線が合う。
どこか焦点のあっていない目をした、ただの女がそこにいた。
ただの、男を忘れられなかった哀れな女だ。
「あなた……」
こんなものは、母ではない。
愛おしそうな目で自分を見つめているのは母ではない。
愛する者にするように抱擁を交わしているのも母ではない。
こうして唇を触れ合わせているのも、母ではない。
これは自分の女だ。
これは自分の妻だ。
これは自分の愛した女だ――。
それ以降自分は父として、母は女として何度も体を重ねた。
冬の寒さも、肌が触れあう時だけは感じなかった。
少しずつ削れていく何かに気付かないふりをしながら、母の体を味わうことだけを考えた。
母の体に刻まれた狼の刺青が、頭から離れなかった。
長い、長い冬だった。
その年は久しぶりに冬の間に死者が出なかった。
無事冬を越せると誰もが思っていたし、自分だってそう思っていた。
ある日突然長老に呼び出され、村の洞窟に連れて行かれた。
そこには沈痛な面持ちをした村の長老たちが集まっていた。
体調が悪いと薬師の元に行った母の姿もあった。下を向いていて表情はよくわからない。
長老たちが車座になっている中に突き出された。
「自分が何をしたかわかっているのか! 自分の母を孕ませるなど!」
目の前に母が連れてこられる。その腹は、わずかに膨らんでいるように見えた。
「お前の父は誰より勇敢で、仲間を守るために命を落とした。その息子であるお前は何をした。畜生ですら犯さぬ愚を犯すことでしか報いることができなかったのか!」
何も、何も言えなかった。
それでも母だけは守らなければいけない。
「どんな罰でも受けます、でも母は、母だけは見逃してやってください!」
「ならん。二人まとめて極刑とする」
その言葉に体が冷えた。自分はどうなってもいい、ただ、母と子供だけは助けなければ。
「待ってください、子供は、子供はどうなります!」
子供に罪はないはずだ。
まだ世に生まれ出でていないものが、罪を犯せるはずもない。
長老は普段から言っていた。
この世に良いも悪いもないのだと。
人が結果を見て良い悪いを決めつけているだけなのだと。
存在すること自体が悪いものなど、ないのだと。
「産んではならん。間違った行いで成した子だ。その道も間違ったものになる。世に落ちる前に死ぬことが何よりの救いとなる」
「生まれる前に何をするかわかっているのなら、なぜ俺は生まれてきたのですか。なぜ俺が腹にいるとき、罪を犯すから殺せと言わなかったのですか!」
「黙れ! 痴れ者が一端の口を聞きおって!」
その言葉を聞いた瞬間、母の手を取って駆け出していた。
止めようとする人間を手当たり次第に殴り、森の中に逃げた。
もう何も信じられない。
自分はどうなっても構わない、母とその子供だけ助かればいいと思った。
そのとき、放たれた矢が母の体を貫いた。
「母さん!」
体勢を崩し、地に伏した母の体を抱き寄せる。
母の背中に突き立った矢は体を貫通して腹から飛び出していた。
鏃についた赤い血がてらてらと光っている。
母が口を動かしているのを見て、口元に耳を寄せる。
「あなた……、い、きて……」
口から血が溢れて激しく咳き込む母を抱きしめながら、激しい後悔と絶望に襲われた。
こんな、こんな結末を迎えるためにあんなにおぞましいことをしたのではない。
ただ、母に笑っていてほしかっただけなのに。
「ごめん、母さん……」
体温を失いつつある母の唇にもう一度口づけをする。
もう一度名前を呼んでもらうことは叶わなかったけれど、せめて母の最後の願いだけは叶えよう。
生きるのだ。
もはやこの世に何の望みもありはしないが、この命を長らえることが安らぎになるのならば、生きてみせよう。
誰もそばにいなくても、俺は一人で生きていける。
冬も近付き、冬支度をするためにいつもより獲物を多く仕留める必要があった。
ここに雪が降ることは滅多にないが、それでも水が凍るほどの寒さが襲いかかる。
今のうちに、少しでも多く蓄えをしておかなければならない。
とはいえ、自分がやるのはいつも通りの狩りだった。
男の役割は力仕事と狩りしかないのだ。
狩りは複数で行うが、獲物を探すときはある程度散り散りになるため一人で森を歩く。
昼間でも霧に覆われ薄暗い森は、嫌でも冬の気配を嗅ぎとるに相応しいだけの寒さを肌に伝えてくる。
周囲に不自然に動くものがないか気を配りながら、思考は自然とあることに及ぶ。
母のことだ。
母が未だに父の死を受け入れていないのである。
父が狼に食われて死んで以来、母はおかしくなってしまった。
どうにも、ぼう、としている。
世話を手伝ってくれる女が話しかけても、それにもろくに答えていなかった。
あれほど愛していた父が死んだのだから、塞ぎこむのも無理はない。
自分を含めて誰もがそう思っていた。
――あの人は帰ってこないの?
自分が留守にしている間、母はそう言って村にいる全員に尋ねて回ったのだという。
村の人間は再三父は死んだのだと説得した。
だが、母は頑としてそれを認めようとはしなかった。
今では食事もろくに食べず、床に臥せっている。
もう十七で結婚の話も持ち上がる歳だが、そんな場合ではない。
このままずっと母の面倒を見ながら生きていく覚悟はできていた。
ただ、母にもう一度笑ってほしかった。
優しい声で、自分の名を呼んでほしかった。
そんな願いすら叶う望みがない今に、ただただ絶望しながら毎日を送っていた。
いつの間にか足は歩くのを止めていた。
気がつけば陽も落ちかけている。
微かに息が白い。
早く戻らないと。
そう踵を返そうとした時、がさ、と近くの茂みが音を立てた。
風が吹いた時のような葉擦れの音ではなかった。
茂みに兎か何かがいるのか。
そう思って茂みの裏に回りこみ、時間が止まった。
「母さ、ん……」
母がいた。
母が、地面に座り込んでいた。
「……あ」
母は信じられない、とでも言うように目を見開いて驚いている。
「あなた……」
その響きには、違和感を覚える。それは。
「かえって、きたのね」
自分ではなく、父に対しての。
「おかしいのよ、みんな、あなたはしんだっていうの」
ただ立ち尽くすしかできない自分に、縋りつくようにして母は言った。
「よかった、ぶじでよかった」
母は何回も同じ言葉を繰り返す。まるで、自分に言い聞かせるように。
何も言えなかった。
何か言わなければいけないと思ったが、母がかけてほしいのは自分の言葉ではないのだ。
父の言葉を、母は何よりも欲している。
しばらくすると、母は慌てたように自分から離れた。
「ごめんなさい。わたしもはやくかえらないといけないのに、あしが……」
示す先、確かに怪我をしている。
履物の上からでも分かるほど血が流れている。
この傷では歩けないだろう。
母は無理を押して痛みに耐え、声を押し殺して立ち上がろうとしている。
何も言わずに母を背負い、村に向けて歩いた。
母は背負われながら、あれこれと楽しそうに何かを言っている。
母はいつもこうして楽しそうに父と話していた。
ああ、とか、うん、しか言えなかったが、そんなそっけない相槌にも嬉しそうに言葉を返した。
母が喜ぶのであれば、自分にできることならなんでもしてやりたかった。
たとえそれが、自分の存在を母の中から消すことになろうとも。
家に帰り、久しぶりに母は料理を作った。
その横顔は笑顔に溢れていた。
これでよかったのだと、自分に言い聞かせた。
その夜、床板が軋む音に目を覚ますと、母がすぐそばにいた。
体が触れる。
女の体が触れている。
幾分痩せているものの、それは確かに女の体だった。
両頬に手を添えられ、否が応にも視線が合う。
どこか焦点のあっていない目をした、ただの女がそこにいた。
ただの、男を忘れられなかった哀れな女だ。
「あなた……」
こんなものは、母ではない。
愛おしそうな目で自分を見つめているのは母ではない。
愛する者にするように抱擁を交わしているのも母ではない。
こうして唇を触れ合わせているのも、母ではない。
これは自分の女だ。
これは自分の妻だ。
これは自分の愛した女だ――。
それ以降自分は父として、母は女として何度も体を重ねた。
冬の寒さも、肌が触れあう時だけは感じなかった。
少しずつ削れていく何かに気付かないふりをしながら、母の体を味わうことだけを考えた。
母の体に刻まれた狼の刺青が、頭から離れなかった。
長い、長い冬だった。
その年は久しぶりに冬の間に死者が出なかった。
無事冬を越せると誰もが思っていたし、自分だってそう思っていた。
ある日突然長老に呼び出され、村の洞窟に連れて行かれた。
そこには沈痛な面持ちをした村の長老たちが集まっていた。
体調が悪いと薬師の元に行った母の姿もあった。下を向いていて表情はよくわからない。
長老たちが車座になっている中に突き出された。
「自分が何をしたかわかっているのか! 自分の母を孕ませるなど!」
目の前に母が連れてこられる。その腹は、わずかに膨らんでいるように見えた。
「お前の父は誰より勇敢で、仲間を守るために命を落とした。その息子であるお前は何をした。畜生ですら犯さぬ愚を犯すことでしか報いることができなかったのか!」
何も、何も言えなかった。
それでも母だけは守らなければいけない。
「どんな罰でも受けます、でも母は、母だけは見逃してやってください!」
「ならん。二人まとめて極刑とする」
その言葉に体が冷えた。自分はどうなってもいい、ただ、母と子供だけは助けなければ。
「待ってください、子供は、子供はどうなります!」
子供に罪はないはずだ。
まだ世に生まれ出でていないものが、罪を犯せるはずもない。
長老は普段から言っていた。
この世に良いも悪いもないのだと。
人が結果を見て良い悪いを決めつけているだけなのだと。
存在すること自体が悪いものなど、ないのだと。
「産んではならん。間違った行いで成した子だ。その道も間違ったものになる。世に落ちる前に死ぬことが何よりの救いとなる」
「生まれる前に何をするかわかっているのなら、なぜ俺は生まれてきたのですか。なぜ俺が腹にいるとき、罪を犯すから殺せと言わなかったのですか!」
「黙れ! 痴れ者が一端の口を聞きおって!」
その言葉を聞いた瞬間、母の手を取って駆け出していた。
止めようとする人間を手当たり次第に殴り、森の中に逃げた。
もう何も信じられない。
自分はどうなっても構わない、母とその子供だけ助かればいいと思った。
そのとき、放たれた矢が母の体を貫いた。
「母さん!」
体勢を崩し、地に伏した母の体を抱き寄せる。
母の背中に突き立った矢は体を貫通して腹から飛び出していた。
鏃についた赤い血がてらてらと光っている。
母が口を動かしているのを見て、口元に耳を寄せる。
「あなた……、い、きて……」
口から血が溢れて激しく咳き込む母を抱きしめながら、激しい後悔と絶望に襲われた。
こんな、こんな結末を迎えるためにあんなにおぞましいことをしたのではない。
ただ、母に笑っていてほしかっただけなのに。
「ごめん、母さん……」
体温を失いつつある母の唇にもう一度口づけをする。
もう一度名前を呼んでもらうことは叶わなかったけれど、せめて母の最後の願いだけは叶えよう。
生きるのだ。
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