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夜会の後
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夜会という宴の熱が冷め止まない中、ひとりの着飾った女が牢獄に入れられていた。
ミハエルが目の前のマリアを見つめる。
「ミハエル殿下、あんな警護のものを意見を聞くんですか?」
わざとなのかマリアはわざと胸元が大きく開いたドレスに着替えていた。
そこから、まだ十七歳という年齢にもかかわらず、成熟したような二つの美味しそうな山が覗いていた。
どうやって警護人を連れてあの会場から、ここに連れられてきたはずなのに、なぜ着替えられることができたのか、ミハエルはその姿に目を見張る。
これは、根本的な改革が必要だなと思う。
大きく開かれた胸元をちらっと見ながら、ミハエルが呟く。
「君、それ、ぼくを誘っているつもり?」
ええ?っとすこし顔を赤らめて、マリアが答える。
本当はそうだ。
色仕掛けでこのミハエルと懇ろになってしまえば、すべて問題が解決されると思っていた。
マリアの今までの経験から、こういう行為は男を刺激し、交渉を彼女にたいして、有利にさせるからだ。
「ええ、ち、違います」
「そう………」
「殿下だって、最近は全く、私に気を向けてくださらずに、あのさっきの女に、もしかしてご執心だったのではないのですか?」
「……そうだね。そうだったかもね」
なぜかいままでの思っていた殿下と違った。
その憂いが見える顔が、部屋に灯されている蝋燭の灯りで、ぞくっとするような美しさを見せた。
これが、あのミハエル殿下?
こんな牢獄に自分が入れられるだけでも、大きな何かの間違えだと思っている。
ミハエルはまだ夜会から帰ってきたばかりで、その白い正装の服の胸元の赤い薔薇を取り出した。
匂いを嗅いでいる。
その仕草が最高になにか甘美で妖しいものに見えた。
これが今まで自分が知っていた殿下だろうかと思えるぐらいだった。
「私は美しいものは好きだよ……」
その金髪のゆるいカーブがかかった前髪の間から、ギデオンよりは薄い青い色の目が見えた。
「でもね、もっと好きなのは美しいうえに、儚いものだ……」
「……」
「君はね、まあそこそこ見られる見た目だし、ある意味かなり欲が強いだろう?だから、まあぼくの婚約者ってことはしばらくいいと思っていたよ。でもね、まさかこんな失態……。受け付けられないね……」
ドキッとしながらもその仕草から目が離せない自分がいた。
「もうちょっと上手くやってくれたら、良かったんだよね……」
「……え、もしかして、殿下、気がついていらっしゃったの?」
ミハエルは答えずに、ただニヤっと微笑しただけだった。
ミハエルが目の前のマリアを見つめる。
「ミハエル殿下、あんな警護のものを意見を聞くんですか?」
わざとなのかマリアはわざと胸元が大きく開いたドレスに着替えていた。
そこから、まだ十七歳という年齢にもかかわらず、成熟したような二つの美味しそうな山が覗いていた。
どうやって警護人を連れてあの会場から、ここに連れられてきたはずなのに、なぜ着替えられることができたのか、ミハエルはその姿に目を見張る。
これは、根本的な改革が必要だなと思う。
大きく開かれた胸元をちらっと見ながら、ミハエルが呟く。
「君、それ、ぼくを誘っているつもり?」
ええ?っとすこし顔を赤らめて、マリアが答える。
本当はそうだ。
色仕掛けでこのミハエルと懇ろになってしまえば、すべて問題が解決されると思っていた。
マリアの今までの経験から、こういう行為は男を刺激し、交渉を彼女にたいして、有利にさせるからだ。
「ええ、ち、違います」
「そう………」
「殿下だって、最近は全く、私に気を向けてくださらずに、あのさっきの女に、もしかしてご執心だったのではないのですか?」
「……そうだね。そうだったかもね」
なぜかいままでの思っていた殿下と違った。
その憂いが見える顔が、部屋に灯されている蝋燭の灯りで、ぞくっとするような美しさを見せた。
これが、あのミハエル殿下?
こんな牢獄に自分が入れられるだけでも、大きな何かの間違えだと思っている。
ミハエルはまだ夜会から帰ってきたばかりで、その白い正装の服の胸元の赤い薔薇を取り出した。
匂いを嗅いでいる。
その仕草が最高になにか甘美で妖しいものに見えた。
これが今まで自分が知っていた殿下だろうかと思えるぐらいだった。
「私は美しいものは好きだよ……」
その金髪のゆるいカーブがかかった前髪の間から、ギデオンよりは薄い青い色の目が見えた。
「でもね、もっと好きなのは美しいうえに、儚いものだ……」
「……」
「君はね、まあそこそこ見られる見た目だし、ある意味かなり欲が強いだろう?だから、まあぼくの婚約者ってことはしばらくいいと思っていたよ。でもね、まさかこんな失態……。受け付けられないね……」
ドキッとしながらもその仕草から目が離せない自分がいた。
「もうちょっと上手くやってくれたら、良かったんだよね……」
「……え、もしかして、殿下、気がついていらっしゃったの?」
ミハエルは答えずに、ただニヤっと微笑しただけだった。
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