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知られて困ること
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幾つかの罠は気付かずに起動させてしまうが、自分が避けて何も言わなくても、奏もちゃんと避けているだけでだいぶん楽だった。
「ボス部屋だな」
「8階とか中途半端な階にボスがいるんだね」
「定期的にボス部屋のある階層は変わるし、そのボスも強さもランダム。決まってるのは最下層のボスだけだな」
8階層まで降りてきて少し歩くとボス部屋らしき入り口にたどり着いた。中を覗くとアンガーグリズリーが闘志を剥き出しにしている。鑑定が使えたらボスの強さなんかもわかるんだけど……こんな低層でそこまで強いボスが出てくる事はないとは思うし、強そうな気配は感じないが、なんとなく奏の様子を伺ってみる。
「なぁに?」
「ボスの強さ、どんなもんかと思って」
鑑定というのが、どういう風にどこまで見えているのかというのは個人差があるようで奏の鑑定でどこまでの情報が見えるのか聞いたことがなかった。クロードの鑑定では物質の名前と特徴がわかるが人や魔物などをみる事はできない。父さんの鑑定は物質だけでなく生き物も鑑定できて、強さも数値化されているらしい。
奏の様子から俺のスキルまで見えている事はなんとなくでわかっているが、魔物に対してはどうなんだろう。前にレッドサモンを鑑定で生食がどうとか言ってたから……きっと魔物の情報も見えていると思う。
「余裕だよ。レベル11だってルカちゃんからしたらその辺の虫と一緒だよ」
レベルまで見られるのか。レベルが見えるなんて王宮に使えるレベルの鑑定士だけなのに……奏という存在はつくづく危うい存在だな。
「アンガーグリズリー美味しいんだって。ルカちゃんも鑑定使えたらいいのにね……あ、クロードに鑑定用の眼鏡とか作って貰えば良かった。眼鏡ルカちゃん見たいな」
「そんな物が出来上がったらお前もクロードも王宮行きだな」
「え~もう『王族』って人種には関わりたくない。クロードなら内緒で作ってくれるでしょ。ルカちゃんのお父さんは、宮廷仕えなら無理だよねぇ」
宮廷にいれば珍しい素材が集まってくるからってだけで忠誠心は皆無なので、父さんなら珍しい魔導具さえ作れたら王族への報告も気にしないと思うけど、それは黙っていよう。
「奏は俺のレベルも見えるのか?」
レベルなんて数年前に一度高い金を払って見てもらったきりだ。その時はレベル54だったはず。
レベル50~がAランク冒険者の目安、Sランク冒険者ならレベル70~と言われてがむしゃらにダンジョンに篭っていた時期の思い出が蘇る。
「見えるよ。知りたい?鑑定内容は聞かれなきゃ深くまでは見ないんだけど、知りたいなら何でも聞いてね。他人のことはあんまり教えたくないけどね」
「……知りたい」
けど、『何でも』が気になる。どこまで何が見えてるんだ。
「レベルは91だよ。あとは?病気はないね。体重はあった時から落ちてるからちょっと心配」
健康状態までわかるのか……身長や体重なんかの情報を鑑定する必要があるのかわからないが、随分と細かく見られているらしい。レベル91か結構上がっていたな。限界値が99と言われているから俺の力はそろそろ限界値を迎える……あと8レベル上がったところで奏に敵う気がしない……その辺の上がり幅は人それぞれだというし、俺の限界がその程度というだけのこと。
「……いやだよね。他人に勝手に見られるのって普段はそんな深く見ないようにしてるから……」
俺が考え込んだのを違う方向に解釈したらしく奏が珍しくしおらしい。
「別に、いまさらお前に隠しておきたい事はない」
ステータスなんかより見られたくない姿を散々見られてきているのだ、気にするならそっちを気にしてほしい。
「じゃあじゃあ、公平に俺のステータスも教えちゃおうかな!!ルカちゃんになら全部知ってもらいたい」
「いや、いい。とりあえずボス倒すぞ」
剣を構えてボス部屋に飛び込んだ。
ーーーーーー
「俺にもっと興味持ってくれてもいいのに……」
ボスを解体する俺の後ろで解体用ナイフが吸った血を販売用に瓶詰めしながら奏がいじけている。
奏のレベルやスキルに興味がないわけじゃないが、知ったところで桁違いさに自分が気落ちするだけの未来しか見えない。
しかしこの解体用ナイフはいいなぁ。脂で切れ味が落ちることもないし、そもそもの切れ味が気持ち良すぎる。血も邪魔してこないし本当にサクサク解体が進む。他の冒険者が来る気配がなかったので、ボスだけでなくここに来るまでに討伐してそのまま入れておいた魔物もついでに解体しておく。
「あ、俺のアイテムボックスの中の魔物も解体してもらっても良い?少しづつ整理してく」
ついでに……というサイズではない魔物の死体が目の前に現れた。
「これは?」
「デヴォルペガサスとファルシュフェニックス。似た様なのはいないの?」
翼の生えた巨大な馬と大きな体に長い尾を持つ赤い鳥。
「まだ未踏破のダンジョンの深層まで行けば会えるかもしれないが、俺は知らない。必要な素材は?」
馬と鳥だから同じように解体すれば良いのだろうか?
「一応、羽と血は取っておこうかな。肉は両方とも美味しいって書いてあるから、ルカちゃんの料理が楽しみ」
俺がこの未知の魔物の肉を料理する事になるのか。
解体ナイフを突き刺して血抜きしながら羽をむしっていくが、血と羽だけでも相当な量だ。むしった羽は奏が集めてくれているが、このファルシュフェニックスの羽は即死回避の魔導具の素材に使えるらしい。羽毛布団にしようかななどと勿体無い使い道を口にしているが……。
体の作りはほぼ同じで、大きさのせいで時間が少々かかりはしたが問題なく解体はできた。食材は管理してほしいとのことで、大量の肉と骨とが俺のアイテムバッグに入れられた。この肉の価値はわからないが、ひと財産であろうことは想像に容易い。
「骨も持っていくの?」
「アイテムバッグに余裕もできたし……何よりこんな特殊そうな魔物の残骸をダンジョンに吸わせて起こる影響が想像できなくて怖い。ダンジョンは魔物や人の死体を吸収して成長する」
こんな異世界の奏が狩るような魔物を吸収したダンジョンがどうなるか……魔人出現だけでも大問題なのにこれ以上の問題を起こされてたまるか。
普段は容量問題から捨てていく骨だが、スープを煮出して使えば良いだろう。
奏も素材をアイテムボックスにしまっていて再出発の準備は大丈夫なようだ。
「解体も出来たし次の階層へ向かうか。セーフエリアが見つかったら今日はそこまで」
ボス部屋から続く下の階層への階段を降りるとすぐに右側にポッカリと空いたセーフエリアの入り口。
「……セーフエリアだね」
本当にこのダンジョンは読めない。
セーフエリアの中を覗くと2組の冒険者たちが休んでいた。
「ボス3連続とか普通にあるし、次は何階先かわからない。休める時に休む?」
別に寝ずに最下層まで突っ切ってもいいが、その決定権は奏に託そう。
「休もう。疲れてはないけどお腹空いた」
「だな」
疲労はともかく空腹は良くない。歩きながら食べられる携帯食もあるし、何ならセーフエリアでない場所での寝泊まりも問題ないが、食事はのんびり楽しみたいものだ。
「ボス部屋だな」
「8階とか中途半端な階にボスがいるんだね」
「定期的にボス部屋のある階層は変わるし、そのボスも強さもランダム。決まってるのは最下層のボスだけだな」
8階層まで降りてきて少し歩くとボス部屋らしき入り口にたどり着いた。中を覗くとアンガーグリズリーが闘志を剥き出しにしている。鑑定が使えたらボスの強さなんかもわかるんだけど……こんな低層でそこまで強いボスが出てくる事はないとは思うし、強そうな気配は感じないが、なんとなく奏の様子を伺ってみる。
「なぁに?」
「ボスの強さ、どんなもんかと思って」
鑑定というのが、どういう風にどこまで見えているのかというのは個人差があるようで奏の鑑定でどこまでの情報が見えるのか聞いたことがなかった。クロードの鑑定では物質の名前と特徴がわかるが人や魔物などをみる事はできない。父さんの鑑定は物質だけでなく生き物も鑑定できて、強さも数値化されているらしい。
奏の様子から俺のスキルまで見えている事はなんとなくでわかっているが、魔物に対してはどうなんだろう。前にレッドサモンを鑑定で生食がどうとか言ってたから……きっと魔物の情報も見えていると思う。
「余裕だよ。レベル11だってルカちゃんからしたらその辺の虫と一緒だよ」
レベルまで見られるのか。レベルが見えるなんて王宮に使えるレベルの鑑定士だけなのに……奏という存在はつくづく危うい存在だな。
「アンガーグリズリー美味しいんだって。ルカちゃんも鑑定使えたらいいのにね……あ、クロードに鑑定用の眼鏡とか作って貰えば良かった。眼鏡ルカちゃん見たいな」
「そんな物が出来上がったらお前もクロードも王宮行きだな」
「え~もう『王族』って人種には関わりたくない。クロードなら内緒で作ってくれるでしょ。ルカちゃんのお父さんは、宮廷仕えなら無理だよねぇ」
宮廷にいれば珍しい素材が集まってくるからってだけで忠誠心は皆無なので、父さんなら珍しい魔導具さえ作れたら王族への報告も気にしないと思うけど、それは黙っていよう。
「奏は俺のレベルも見えるのか?」
レベルなんて数年前に一度高い金を払って見てもらったきりだ。その時はレベル54だったはず。
レベル50~がAランク冒険者の目安、Sランク冒険者ならレベル70~と言われてがむしゃらにダンジョンに篭っていた時期の思い出が蘇る。
「見えるよ。知りたい?鑑定内容は聞かれなきゃ深くまでは見ないんだけど、知りたいなら何でも聞いてね。他人のことはあんまり教えたくないけどね」
「……知りたい」
けど、『何でも』が気になる。どこまで何が見えてるんだ。
「レベルは91だよ。あとは?病気はないね。体重はあった時から落ちてるからちょっと心配」
健康状態までわかるのか……身長や体重なんかの情報を鑑定する必要があるのかわからないが、随分と細かく見られているらしい。レベル91か結構上がっていたな。限界値が99と言われているから俺の力はそろそろ限界値を迎える……あと8レベル上がったところで奏に敵う気がしない……その辺の上がり幅は人それぞれだというし、俺の限界がその程度というだけのこと。
「……いやだよね。他人に勝手に見られるのって普段はそんな深く見ないようにしてるから……」
俺が考え込んだのを違う方向に解釈したらしく奏が珍しくしおらしい。
「別に、いまさらお前に隠しておきたい事はない」
ステータスなんかより見られたくない姿を散々見られてきているのだ、気にするならそっちを気にしてほしい。
「じゃあじゃあ、公平に俺のステータスも教えちゃおうかな!!ルカちゃんになら全部知ってもらいたい」
「いや、いい。とりあえずボス倒すぞ」
剣を構えてボス部屋に飛び込んだ。
ーーーーーー
「俺にもっと興味持ってくれてもいいのに……」
ボスを解体する俺の後ろで解体用ナイフが吸った血を販売用に瓶詰めしながら奏がいじけている。
奏のレベルやスキルに興味がないわけじゃないが、知ったところで桁違いさに自分が気落ちするだけの未来しか見えない。
しかしこの解体用ナイフはいいなぁ。脂で切れ味が落ちることもないし、そもそもの切れ味が気持ち良すぎる。血も邪魔してこないし本当にサクサク解体が進む。他の冒険者が来る気配がなかったので、ボスだけでなくここに来るまでに討伐してそのまま入れておいた魔物もついでに解体しておく。
「あ、俺のアイテムボックスの中の魔物も解体してもらっても良い?少しづつ整理してく」
ついでに……というサイズではない魔物の死体が目の前に現れた。
「これは?」
「デヴォルペガサスとファルシュフェニックス。似た様なのはいないの?」
翼の生えた巨大な馬と大きな体に長い尾を持つ赤い鳥。
「まだ未踏破のダンジョンの深層まで行けば会えるかもしれないが、俺は知らない。必要な素材は?」
馬と鳥だから同じように解体すれば良いのだろうか?
「一応、羽と血は取っておこうかな。肉は両方とも美味しいって書いてあるから、ルカちゃんの料理が楽しみ」
俺がこの未知の魔物の肉を料理する事になるのか。
解体ナイフを突き刺して血抜きしながら羽をむしっていくが、血と羽だけでも相当な量だ。むしった羽は奏が集めてくれているが、このファルシュフェニックスの羽は即死回避の魔導具の素材に使えるらしい。羽毛布団にしようかななどと勿体無い使い道を口にしているが……。
体の作りはほぼ同じで、大きさのせいで時間が少々かかりはしたが問題なく解体はできた。食材は管理してほしいとのことで、大量の肉と骨とが俺のアイテムバッグに入れられた。この肉の価値はわからないが、ひと財産であろうことは想像に容易い。
「骨も持っていくの?」
「アイテムバッグに余裕もできたし……何よりこんな特殊そうな魔物の残骸をダンジョンに吸わせて起こる影響が想像できなくて怖い。ダンジョンは魔物や人の死体を吸収して成長する」
こんな異世界の奏が狩るような魔物を吸収したダンジョンがどうなるか……魔人出現だけでも大問題なのにこれ以上の問題を起こされてたまるか。
普段は容量問題から捨てていく骨だが、スープを煮出して使えば良いだろう。
奏も素材をアイテムボックスにしまっていて再出発の準備は大丈夫なようだ。
「解体も出来たし次の階層へ向かうか。セーフエリアが見つかったら今日はそこまで」
ボス部屋から続く下の階層への階段を降りるとすぐに右側にポッカリと空いたセーフエリアの入り口。
「……セーフエリアだね」
本当にこのダンジョンは読めない。
セーフエリアの中を覗くと2組の冒険者たちが休んでいた。
「ボス3連続とか普通にあるし、次は何階先かわからない。休める時に休む?」
別に寝ずに最下層まで突っ切ってもいいが、その決定権は奏に託そう。
「休もう。疲れてはないけどお腹空いた」
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