72 / 95
変わる想い
しおりを挟む
夜中にふと目を覚ますと目の前にずっと、ずっと瞼の裏に焼き付いて離れなかった人の姿があった。
「母さん……」
思わず手を伸ばしその体に触れて、魔導人形だという気が付く。
「母さんは生きてる?」
答えなんて返ってくるはずはないけれど、声をかけてしまう。
「母さん……俺がやってきたこと、全部無駄だったんだって……」
母親殺し、メンバー殺し、死神と言われながらも冒険者を続け、ダンジョンに潜り続けてきた時間。それは全て無駄だった。
「無駄だったけど……なんでか悔しくないんだ」
その旅の果てに奏と出会って「母さんは生きて別の世界で暮らしている」という答えに辿り着けたからだろうか。
奏が父さんとの蟠りも解してくれたからだろうか?
「母さん、ずっと大好き」
忘れない。母さんの事はずっと忘れない。
でも、俺も俺の人生を生きるから……母さんもそっちの世界で楽しんで……。
冷たい魔導人形だけど、握離続ける手は次第に俺の体温と同じになってきた。
ーーーーーー
「……おはよう」
一階に降りるとヴァレリーが朝食の準備をしていて、席には奏だけが座っていた。
「おはよう。ルカさん」
「ルカ様おはようございます。久しぶりの我が家は寛げましたか?」
「うん……父さんとクロードは?」
どんな顔をしたら良いのかドキドキしながら起きてきたので、ホッとした様なガッカリした様な複雑な気持ちで奏の隣に座る。
「昨日遅くまでっていうか、朝まで飲みすぎちゃって。ルカちゃんが戻ってきてくれたのがよっぽど嬉しかったんだろうね。ゆっくり寝かせてあげよう。さすがに昼には起きてくると思うから」
「朝食すまされたら街を見て回られたらどうですか?今は建国祭の期間なので市場も各国から商人が集まってきていて賑やかですよ」
「それは面白そうですね。あとでルカさんと一緒に行ってみます」
ヴァレリーの用意してくれた朝食を食べて、奏と王都観光をする事となったがもう何年も立ち寄ることのなかった街はすっかり様変わりをしていて、俺にとっても新鮮だった。
「奏、調味料を扱ってる店がある。あれだけあればお前の知っている物に近い物もあるんじゃないか?」
奏はよくウスターソースとか味噌とかマヨネーズとかを口にするのだが、奏がそのソースの作り方を知らないし俺はその味を知らないしで、再現のしようがないのだ。
「味見とかさせてもらえるのかな。名前だけ聞いてもわかんないよね」
商品を覗いてみると様々なソースが並んでいる。
「確かにそうだな……一通り全部買ってあとで試してみてもいいが……」
「贅沢な大人買いだね。でもここで一つ一つ確かめさせてもらうのも悪いし他も見て回りたいもんね。すみません、ここに並んである物一つづつ全種をいただけますか?」
「全部かい?兄さんたち羽振りが良いねぇ。ちょいと待ってくれよ」
商品を用意してもらいアイテムバッグにしまうと次の店へ、そうしてお互い気になる店を周りながら気がつけばもう昼過ぎだった。
「お昼はせっかくだし街で食べてくるかもとヴァレリーさんには伝えてあるから大丈夫だよ。せっかくだし屋台メシ堪能しようよ。さっきから気になる匂いの漂ってくるお店があったんだよね」
奏に手を引かれて一つの屋台の列に並ぶ。
「ミルタリか……メソカウィ諸島には最近行ってなかったから久しぶりだ」
ミルタリと一言に言っても店によって味が全く違うので初見の店に寄るのは賭けに近い。気に入った店を探すのも楽しみの一つなのだろうが。
広場の中央には休憩用のテーブルがいくつも並んでいて、魔導具から明るい音楽が終始流れていて賑やかさに花を添えている。ちょうど空いたテーブルに座って買ってきたミルタリを広げる。俺の物が『甘口』で奏の物が『中辛』の持ったりとした香辛料たっぷりの辛めのスープを平パンで掬って食べる。
奏は嬉しそうにパンを千切った、よほど気になっていたのだろう。
「辛っ!!辛いけど、うまぁ……あーナンじゃなくてご飯にかけて食べてたい!!ルカちゃんの甘口の方も貰うね」
「これも食べたかった物か?」
「うん。やっぱりカレーだよね!!本格的っぽくって、俺には甘口の方が食べやすい辛さかな」
ミルタリは店によってはバカみたいな辛さの店もあるからな。ユルネドール王都に出店ということで辛さの種類を用意したのだろう。
「カレーか、これをご飯にかけて食べるのか?そうだ、ルリスの実も買っておかないとな」
「ルリスの実はユルネドール王都の特産なの?」
「特産というか……ユルネドール王国にだけ自生する雑草?茎の部分を干して家畜の餌にするんだが、その余った実が勿体無いからって程度の認識……値段なんてあって無いようなもんだし大量に買い込めるぞ」
自分の思い出の主食が雑草扱いだったのがショックだったのか、あんなに美味しいのにと落ち込んでいる。
市場を一周一通り巡り、ミルタリを自分で作って見ようと数種類の香辛料を買い込んだり、食器を買胃揃えたりなかなか充実した時間を過ごせ、そのまま農業ギルドへ向かった。
ルリスの実は普通の店で扱っている事はほとんどなく、農業ギルドで有り余っていた物のほとんどを買い取らせてもらって、奏もルリスの実の備蓄ができたと喜んでいて、お互い楽しい気分で家路に着いた。
「今日は楽しかったね。調味料、当たりがあると良いなぁ」
「奏……母さんは本当に生きてると思うか?」
奏の話ではここに来る前の世界は奏にとって辛い世界だったらしい。
「きっと、絶対生きてるよ。その為の力だってあると思うし、ルカちゃんのお母さんだしね。俺より絶対強い……俺がこの世界でルカちゃんと出会えてさ、楽しく生きてることが、お母さんも別の世界で楽しく生きているんだって証になったりしないかな?」
奏は初めて会った時からかなり変わったと思う。
楽しそうに笑う。あの頃の人を馬鹿にし見下して笑う姿とは違う。
生まれた世界、前の世界の事はわからないけれど、今この世界を楽しんで生きている感じがする。
それが俺に出会ってそうなってくれたというなら……。
「そうか……そうだな。それ、いいな」
母さんも、新しい世界で新しい仲間と出会って楽しんでくれてるといいな。
「母さん……」
思わず手を伸ばしその体に触れて、魔導人形だという気が付く。
「母さんは生きてる?」
答えなんて返ってくるはずはないけれど、声をかけてしまう。
「母さん……俺がやってきたこと、全部無駄だったんだって……」
母親殺し、メンバー殺し、死神と言われながらも冒険者を続け、ダンジョンに潜り続けてきた時間。それは全て無駄だった。
「無駄だったけど……なんでか悔しくないんだ」
その旅の果てに奏と出会って「母さんは生きて別の世界で暮らしている」という答えに辿り着けたからだろうか。
奏が父さんとの蟠りも解してくれたからだろうか?
「母さん、ずっと大好き」
忘れない。母さんの事はずっと忘れない。
でも、俺も俺の人生を生きるから……母さんもそっちの世界で楽しんで……。
冷たい魔導人形だけど、握離続ける手は次第に俺の体温と同じになってきた。
ーーーーーー
「……おはよう」
一階に降りるとヴァレリーが朝食の準備をしていて、席には奏だけが座っていた。
「おはよう。ルカさん」
「ルカ様おはようございます。久しぶりの我が家は寛げましたか?」
「うん……父さんとクロードは?」
どんな顔をしたら良いのかドキドキしながら起きてきたので、ホッとした様なガッカリした様な複雑な気持ちで奏の隣に座る。
「昨日遅くまでっていうか、朝まで飲みすぎちゃって。ルカちゃんが戻ってきてくれたのがよっぽど嬉しかったんだろうね。ゆっくり寝かせてあげよう。さすがに昼には起きてくると思うから」
「朝食すまされたら街を見て回られたらどうですか?今は建国祭の期間なので市場も各国から商人が集まってきていて賑やかですよ」
「それは面白そうですね。あとでルカさんと一緒に行ってみます」
ヴァレリーの用意してくれた朝食を食べて、奏と王都観光をする事となったがもう何年も立ち寄ることのなかった街はすっかり様変わりをしていて、俺にとっても新鮮だった。
「奏、調味料を扱ってる店がある。あれだけあればお前の知っている物に近い物もあるんじゃないか?」
奏はよくウスターソースとか味噌とかマヨネーズとかを口にするのだが、奏がそのソースの作り方を知らないし俺はその味を知らないしで、再現のしようがないのだ。
「味見とかさせてもらえるのかな。名前だけ聞いてもわかんないよね」
商品を覗いてみると様々なソースが並んでいる。
「確かにそうだな……一通り全部買ってあとで試してみてもいいが……」
「贅沢な大人買いだね。でもここで一つ一つ確かめさせてもらうのも悪いし他も見て回りたいもんね。すみません、ここに並んである物一つづつ全種をいただけますか?」
「全部かい?兄さんたち羽振りが良いねぇ。ちょいと待ってくれよ」
商品を用意してもらいアイテムバッグにしまうと次の店へ、そうしてお互い気になる店を周りながら気がつけばもう昼過ぎだった。
「お昼はせっかくだし街で食べてくるかもとヴァレリーさんには伝えてあるから大丈夫だよ。せっかくだし屋台メシ堪能しようよ。さっきから気になる匂いの漂ってくるお店があったんだよね」
奏に手を引かれて一つの屋台の列に並ぶ。
「ミルタリか……メソカウィ諸島には最近行ってなかったから久しぶりだ」
ミルタリと一言に言っても店によって味が全く違うので初見の店に寄るのは賭けに近い。気に入った店を探すのも楽しみの一つなのだろうが。
広場の中央には休憩用のテーブルがいくつも並んでいて、魔導具から明るい音楽が終始流れていて賑やかさに花を添えている。ちょうど空いたテーブルに座って買ってきたミルタリを広げる。俺の物が『甘口』で奏の物が『中辛』の持ったりとした香辛料たっぷりの辛めのスープを平パンで掬って食べる。
奏は嬉しそうにパンを千切った、よほど気になっていたのだろう。
「辛っ!!辛いけど、うまぁ……あーナンじゃなくてご飯にかけて食べてたい!!ルカちゃんの甘口の方も貰うね」
「これも食べたかった物か?」
「うん。やっぱりカレーだよね!!本格的っぽくって、俺には甘口の方が食べやすい辛さかな」
ミルタリは店によってはバカみたいな辛さの店もあるからな。ユルネドール王都に出店ということで辛さの種類を用意したのだろう。
「カレーか、これをご飯にかけて食べるのか?そうだ、ルリスの実も買っておかないとな」
「ルリスの実はユルネドール王都の特産なの?」
「特産というか……ユルネドール王国にだけ自生する雑草?茎の部分を干して家畜の餌にするんだが、その余った実が勿体無いからって程度の認識……値段なんてあって無いようなもんだし大量に買い込めるぞ」
自分の思い出の主食が雑草扱いだったのがショックだったのか、あんなに美味しいのにと落ち込んでいる。
市場を一周一通り巡り、ミルタリを自分で作って見ようと数種類の香辛料を買い込んだり、食器を買胃揃えたりなかなか充実した時間を過ごせ、そのまま農業ギルドへ向かった。
ルリスの実は普通の店で扱っている事はほとんどなく、農業ギルドで有り余っていた物のほとんどを買い取らせてもらって、奏もルリスの実の備蓄ができたと喜んでいて、お互い楽しい気分で家路に着いた。
「今日は楽しかったね。調味料、当たりがあると良いなぁ」
「奏……母さんは本当に生きてると思うか?」
奏の話ではここに来る前の世界は奏にとって辛い世界だったらしい。
「きっと、絶対生きてるよ。その為の力だってあると思うし、ルカちゃんのお母さんだしね。俺より絶対強い……俺がこの世界でルカちゃんと出会えてさ、楽しく生きてることが、お母さんも別の世界で楽しく生きているんだって証になったりしないかな?」
奏は初めて会った時からかなり変わったと思う。
楽しそうに笑う。あの頃の人を馬鹿にし見下して笑う姿とは違う。
生まれた世界、前の世界の事はわからないけれど、今この世界を楽しんで生きている感じがする。
それが俺に出会ってそうなってくれたというなら……。
「そうか……そうだな。それ、いいな」
母さんも、新しい世界で新しい仲間と出会って楽しんでくれてるといいな。
64
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
【完結】その少年は硝子の魔術士
鏑木 うりこ
BL
神の家でステンドグラスを作っていた俺は地上に落とされた。俺の出来る事は硝子細工だけなのに。
硝子じゃお腹も膨れない!硝子じゃ魔物は倒せない!どうする、俺?!
設定はふんわりしております。
少し痛々しい。
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
勃たなくなったアルファと魔力相性が良いらしいが、その方が僕には都合がいい【オメガバース】
さか【傘路さか】
BL
オメガバース、異世界ファンタジー、アルファ×オメガ、面倒見がよく料理好きなアルファ×自己管理が不得手な医療魔術師オメガ/
病院で研究職をしている医療魔術師のニッセは、オメガである。
自国の神殿は、アルファとオメガの関係を取り持つ役割を持つ。神が生み出した石に魔力を込めて預ければ、神殿の鑑定士が魔力相性の良いアルファを探してくれるのだ。
ある日、貴族である母方の親族経由で『雷管石を神殿に提出していない者は差し出すように』と連絡があった。
仕事の調整が面倒であるゆえ渋々差し出すと、相性の良いアルファが見つかってしまう。
気乗りしないまま神殿に向かうと、引き合わされたアルファ……レナードは、一年ほど前に馬車と事故に遭い、勃たなくなってしまった、と話す。
ニッセは、身体の関係を持たなくていい相手なら仕事の調整をせずに済む、と料理人である彼の料理につられて関わりはじめることにした。
--
※小説の文章をコピーして無断で使用したり、登場人物名を版権キャラクターに置き換えた二次創作小説への転用は一部分であってもお断りします。
無断使用を発見した場合には、警告をおこなった上で、悪質な場合は法的措置をとる場合があります。
自サイト:
https://sakkkkkkkkk.lsv.jp/
誤字脱字報告フォーム:
https://form1ssl.fc2.com/form/?id=fcdb8998a698847f
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
憎くて恋しい君にだけは、絶対会いたくなかったのに。
Q矢(Q.➽)
BL
愛する人達を守る為に、俺は戦いに出たのに。
満身創痍ながらも生き残り、帰還してみれば、とっくの昔に彼は俺を諦めていたらしい。
よし、じゃあ、もう死のうかな…から始まる転生物語。
愛しすぎて愛が枯渇してしまった俺は、もう誰も愛する気力は無い。
だから生まれ変わっても君には会いたく無いって願ったんだ。
それなのに転生先にはまんまと彼が。
でも、どっち?
判別のつかないままの二人の彼の愛と執着に溺死寸前の主人公君。
今世は幸せになりに来ました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる