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激しい緩急
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狭いけれども寝心地の良いテントの中……大きく足を広げさせられ体を折り曲げさせられた上から奏が激しく腰を打ち下ろしてくる。
「うっ、っく……ん、はあ……」
真っ直ぐに奥まで押し込まれる度に反射的に短く唸り声が漏れてしまう。
激しい挿入に逃げ出したくなるけど、上半身は奏の体に覆いかぶられていて逃げ出せない。
この荒々しさは魔王より。目の前に見えるのは奏の胸で、顔は見えないけれどきっと赤い瞳で俺を見てる。
俺に向けられた情欲の瞳。同じ欲を孕んだ瞳なのに他の奴らなミルボルのダンジョンのゴブリンたちとは全然違う。
「んん……もうイきそう、イくね」
さらに激しさとスピードを上げられて、体を串刺しにされるような痛みに唇を噛む。
何度か腰を打ち付けてきた末に抱き締められる腕の力が込められ、フルッと体をゆらした奏は深く息を吐き出した。
「ルカちゃんのナカ気持ち良すぎ……ルカちゃんもイこう」
「ん……」
離れていく体、熱。
それを追って伸ばした手は奏に届く前に力を失った。
奏の手のひらに包まれ、もう限界近くまで高められていた快感が爆発しそうで両腕で顔を隠したが、片手で容易く頭上に拘束される。
身を捩っても奏の視線から逃れられない……。
「見るな……」
「見せて……」
囁かれたその言葉だけで、気持ちが緩んで溢れ出しそうになる。実際、俺のモノを刺激し続ける奏の手が滑りを持って滑り始めた。
「か……なで……もう……」
「イきそう?イって良いよ」
くらくらと目眩を起こしそうな笑顔を向けられて、頭の中が真っ白に染まった。弾ける解放感。
「んっ……は…………あ………」
自分のお腹の上に吐き出したモノを感じながら深く息を吐き出した。射精なんていまさら奏に見られたところでなのだが……。
「顔真っ赤、可愛いね……どうする?もう一回お風呂入る?」
「…………入る」
別に魔法で綺麗にしてもらっても良いんだけど、お風呂に入りたい。出来るなら一人で……と、思ったけどまぁそうなるよな。
当然の様に奏に抱き上げられて、奏と共にお風呂へ。
「もう薄れてきた?ずっと顔を見てきてくれるね」
「ん~……多少?」
出して一緒に魅力の効果も薄れたのか、もしくは極限に眠いか。見られないように欠伸をして奏の肩に凭れた。少し首を伸ばせば届くところに奏の首がある……。
「ルカちゃん!?お腹空いてる!?」
無意識でカプッと奏の首に噛み付いていた。
別に攻撃しようとかそういうつもりは全然無かったんだけど、何故だか噛み付いていた。
奏にされる様に、歯を立てるのをやめて強く吸うと赤く痕が残る。奏がなんであんな事をするのか今まで理解出来なかったけど……なんか満足するな、これ。
奏の首筋に残った赤い痕を舌でチロッと舐めてから奏の首に腕を回した。
「眠い……あとよろしく……」
「え!?ちょっとルカちゃん!?こんなまた誘惑しといて寝るの?」
寝るさ、眠いもん。奏のせいじゃん……。
「頼ってくれるのも甘えてくれるのも嬉しいけども!!」
安心感と充足感と湧き出てくる愛情に満たされて、愛しい人の叫びを聞きながら、幸せの中で眠りに落ちた。
ーーーーーー
寝間着もしっかり着込んだ姿で目を覚ます。
あの後「よろしく」頼んだ奏は、しっかり俺の身体を拭いて寝間着まで着せてくれてテントの中へ運んでくれたみたいだ。
ここまでされて目を覚ますことが無いのは奏だからだな。うん、俺は凄い奏を信用して愛してると思う。目の前の奏の寝顔に好きだなって思いは込み上げてくるけど、キラキラして眩しくて直視出来ないとはならない。むしろずっと眺めてたいと思える。
「んー……ダンジョン入る前になんとかなったな」
あんな状態ではダンジョンどころじゃなかった。奏の腕から抜け出て体を起こすと、薄っすらと目を開けた奏の頬におはようのキスを。
満足そうに再び瞳を閉じたのを見届けてからテントを這い出た。
爽やかな朝日……絶好のダンジョン日和だなどと考えながら竈を用意して鍋に野菜を細かく切って入れてスープの用意をしながら、パンを焼きつつベーコンを焼いて奏の目覚めを待った。
「おはよ……う~ちょっと肌寒いか」
テントから寝間着のまま出てきた奏は体をブルっと震わせた。
「テントの中は温度管理されてるけど、雪の国だからな。朝飯出来てるから着替えてから出て来い」
もそもそとテントに戻っていく間に朝食をテーブルに並べておいた。
ーーーーーー
「……魔物がいない」
ゼノーリのダンジョンに足を踏み入れて、すぐに感じた違和感。猫耳フードの聴力を使っても生物のいる音が全く聞こえない。
「来るの遅かった?一度出口に戻る?」
ジュジュやホセのダンジョンと同じ状況……誰かがボスを撃破して、魔人が現れている可能性が高い。昨日までののんびりした気持ちは吹き飛んで緊張が脳を支配した。
「そうだな。報告の為にも出口から出られるかどうかを確認し……っ来る!!」
こちらへ向かって高速で階下から移動してくる足音。予想通りこのダンジョン全てが魔人部屋の認定となっているのだろう。
「あっちから来てくれるなら、サクッとやっちゃおっか」
緊張して身構えるが、奏の間延びした声が空気を台無しにしてくれる。まあ、そうだよな。お前にとっては緊張する相手じゃあないよな。
警戒は解かないまま、それでも体の強張りは消えた。奏に慣れすぎると緊張感なくして、もうソロダンジョン行けないかもしれないな。
「責任取れよ?」
「え?何の責任?」
こうやって無茶を出来るのも奏がいるって安心しきってるからだ……いまさら他の奴らと組んだら奏といるつもりで無茶して死にかけて、周囲を危険に晒すかもしれない。
そんな事にならないように、お前はもう俺から離れてはいけない。パーティー結成にそんな拘束力はないけれど……お前はもう俺の手を離してはいけない。
この階への階段を上がってきている魔人へ向けて駆け出した。
「うっ、っく……ん、はあ……」
真っ直ぐに奥まで押し込まれる度に反射的に短く唸り声が漏れてしまう。
激しい挿入に逃げ出したくなるけど、上半身は奏の体に覆いかぶられていて逃げ出せない。
この荒々しさは魔王より。目の前に見えるのは奏の胸で、顔は見えないけれどきっと赤い瞳で俺を見てる。
俺に向けられた情欲の瞳。同じ欲を孕んだ瞳なのに他の奴らなミルボルのダンジョンのゴブリンたちとは全然違う。
「んん……もうイきそう、イくね」
さらに激しさとスピードを上げられて、体を串刺しにされるような痛みに唇を噛む。
何度か腰を打ち付けてきた末に抱き締められる腕の力が込められ、フルッと体をゆらした奏は深く息を吐き出した。
「ルカちゃんのナカ気持ち良すぎ……ルカちゃんもイこう」
「ん……」
離れていく体、熱。
それを追って伸ばした手は奏に届く前に力を失った。
奏の手のひらに包まれ、もう限界近くまで高められていた快感が爆発しそうで両腕で顔を隠したが、片手で容易く頭上に拘束される。
身を捩っても奏の視線から逃れられない……。
「見るな……」
「見せて……」
囁かれたその言葉だけで、気持ちが緩んで溢れ出しそうになる。実際、俺のモノを刺激し続ける奏の手が滑りを持って滑り始めた。
「か……なで……もう……」
「イきそう?イって良いよ」
くらくらと目眩を起こしそうな笑顔を向けられて、頭の中が真っ白に染まった。弾ける解放感。
「んっ……は…………あ………」
自分のお腹の上に吐き出したモノを感じながら深く息を吐き出した。射精なんていまさら奏に見られたところでなのだが……。
「顔真っ赤、可愛いね……どうする?もう一回お風呂入る?」
「…………入る」
別に魔法で綺麗にしてもらっても良いんだけど、お風呂に入りたい。出来るなら一人で……と、思ったけどまぁそうなるよな。
当然の様に奏に抱き上げられて、奏と共にお風呂へ。
「もう薄れてきた?ずっと顔を見てきてくれるね」
「ん~……多少?」
出して一緒に魅力の効果も薄れたのか、もしくは極限に眠いか。見られないように欠伸をして奏の肩に凭れた。少し首を伸ばせば届くところに奏の首がある……。
「ルカちゃん!?お腹空いてる!?」
無意識でカプッと奏の首に噛み付いていた。
別に攻撃しようとかそういうつもりは全然無かったんだけど、何故だか噛み付いていた。
奏にされる様に、歯を立てるのをやめて強く吸うと赤く痕が残る。奏がなんであんな事をするのか今まで理解出来なかったけど……なんか満足するな、これ。
奏の首筋に残った赤い痕を舌でチロッと舐めてから奏の首に腕を回した。
「眠い……あとよろしく……」
「え!?ちょっとルカちゃん!?こんなまた誘惑しといて寝るの?」
寝るさ、眠いもん。奏のせいじゃん……。
「頼ってくれるのも甘えてくれるのも嬉しいけども!!」
安心感と充足感と湧き出てくる愛情に満たされて、愛しい人の叫びを聞きながら、幸せの中で眠りに落ちた。
ーーーーーー
寝間着もしっかり着込んだ姿で目を覚ます。
あの後「よろしく」頼んだ奏は、しっかり俺の身体を拭いて寝間着まで着せてくれてテントの中へ運んでくれたみたいだ。
ここまでされて目を覚ますことが無いのは奏だからだな。うん、俺は凄い奏を信用して愛してると思う。目の前の奏の寝顔に好きだなって思いは込み上げてくるけど、キラキラして眩しくて直視出来ないとはならない。むしろずっと眺めてたいと思える。
「んー……ダンジョン入る前になんとかなったな」
あんな状態ではダンジョンどころじゃなかった。奏の腕から抜け出て体を起こすと、薄っすらと目を開けた奏の頬におはようのキスを。
満足そうに再び瞳を閉じたのを見届けてからテントを這い出た。
爽やかな朝日……絶好のダンジョン日和だなどと考えながら竈を用意して鍋に野菜を細かく切って入れてスープの用意をしながら、パンを焼きつつベーコンを焼いて奏の目覚めを待った。
「おはよ……う~ちょっと肌寒いか」
テントから寝間着のまま出てきた奏は体をブルっと震わせた。
「テントの中は温度管理されてるけど、雪の国だからな。朝飯出来てるから着替えてから出て来い」
もそもそとテントに戻っていく間に朝食をテーブルに並べておいた。
ーーーーーー
「……魔物がいない」
ゼノーリのダンジョンに足を踏み入れて、すぐに感じた違和感。猫耳フードの聴力を使っても生物のいる音が全く聞こえない。
「来るの遅かった?一度出口に戻る?」
ジュジュやホセのダンジョンと同じ状況……誰かがボスを撃破して、魔人が現れている可能性が高い。昨日までののんびりした気持ちは吹き飛んで緊張が脳を支配した。
「そうだな。報告の為にも出口から出られるかどうかを確認し……っ来る!!」
こちらへ向かって高速で階下から移動してくる足音。予想通りこのダンジョン全てが魔人部屋の認定となっているのだろう。
「あっちから来てくれるなら、サクッとやっちゃおっか」
緊張して身構えるが、奏の間延びした声が空気を台無しにしてくれる。まあ、そうだよな。お前にとっては緊張する相手じゃあないよな。
警戒は解かないまま、それでも体の強張りは消えた。奏に慣れすぎると緊張感なくして、もうソロダンジョン行けないかもしれないな。
「責任取れよ?」
「え?何の責任?」
こうやって無茶を出来るのも奏がいるって安心しきってるからだ……いまさら他の奴らと組んだら奏といるつもりで無茶して死にかけて、周囲を危険に晒すかもしれない。
そんな事にならないように、お前はもう俺から離れてはいけない。パーティー結成にそんな拘束力はないけれど……お前はもう俺の手を離してはいけない。
この階への階段を上がってきている魔人へ向けて駆け出した。
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