えっ?命がけで王国に奉仕したのに左遷&追放ですか!?悲しみの死霊術師は魔王の歓待を受けています!今更戻れなんて、甘えるのはまだ早いっ!!!

 

 宮廷死霊術師アーチャーが王国を守護する女神の神託を受け、勇者ライルのパーティーに参加してはや数年。
 仲間のレベルは低く、魔王討伐には向かうにはまだ早すぎた。

 魔導士の最高位である青の位階の死霊術師であることを隠したまま、アーチャーは戦闘の補助道具として魔道具を彼らに与えて支援する。
 しかし、それを知らない仲間たちからは馬鹿にされて、うとまれていた。

 死体を扱う以外に能がないからいつも役立たずとさげすまれる毎日。
 これでは戦闘には使えないと勇者ライルはメンバーの再編成を王に依頼する。
 そして、勇者パーティーに新たにやってきた聖女はこの国の第二王女だった。

「役立たずはいりませんわ、せいぜい魔界の植民地で働きなさい」

 彼女はアーチャーに植民地の領主という爵位を与えて勇者パーティーから追い出しまう。
 そこは、数千年前から王国の地下に存在する魔界の植民地だった。

 
「最悪で最低な左遷人事だ!」
 
 そう心で叫び植民地の領主となったアーチャーだが、魔界は意外にも別天地だった。 
 地下には数千年前からのダンジョンがあり、そこには膨大な鉱物や資源がわんさとあるのだ。
 これを地上世界に輸出してやれば、大儲けになる。
 アーチャーは地下の魔族たちと共謀して、魔界の復興をはかり徐々に信頼を勝ち取っていく。
 
 そんなある日、地上の王国を十数年前に襲撃した魔王がどこにいるのかが判明する。
 魔王が王都を襲撃したあの日、アーチャーは恩師でもあり義父でもあった人物を失い、いまは王国騎士となった幼馴染の少女に親を殺したと恨まれていた。
 王国は魔王討伐を勇者に命じるとアーチャーにも参加を要請するが彼はそれを蹴り飛ばす。

「今更戻れと?
 甘えるのもいい加減にしろ!」
 
 仇打ちのために単身、魔王城に乗り込んだアーチャーが見たものは、実力不足のくせに挑んで敗北した勇者たちと、魔王に殺されそうになっている幼馴染の王国騎士の姿だった。
 無能を装って生きてきた、青の死霊術師はその能力を解放し、魔王と一騎打ちを開始する。

 これは不遇に打ちのめされながらも己の器量と才覚で周囲の人望を勝ち取り、義父の復讐を果たすために生きた一人の死霊術師の物語。

 
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