バツイチになりましたが、元彼とヨリは戻しません

鳴宮鶉子

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バレンタイン飲み会

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2月14日水曜日
海外のクライアントとのリモート会議は深夜だからと、バレンタインの日に凛花ちゃんがうち飲み会を開いてくれた。

「伽音ちゃん、俺に手作りチョコ、くれるの!!」

フードボックスに詰め込まれた失敗作の私が作った生チョコタルトを伽音ちゃんから貰って、嬉しそうな相葉社長。

「土曜日に凛花ちゃんとチョコ作りをした時に出た失敗作。見てわかると思うけど、義理チョコだから」

もちろん、ラッピングなんてされてない。

「翔兄にはこれっ!!」

買ってきたと思われる小さなチョコを伽音ちゃんは翔兄に渡す。
相葉社長に奪われ、包装紙を開けると、“いつもお世話になってます 義理チョコ”というメッセージが書かれた市販の丸い板チョコが出てきた。

「ホワイトデーは百倍返しで、五大シャトーを持ってきてね!!」

翔真と相葉社長は、義理チョコ返しに1本10万円以上もする高級ワインを要求されてしまった。

平日の夜だからと、ビールに合うヘルシーなつまみを用意してくれた伽音ちゃん。
焼き鳥に枝豆、明太だし巻き卵、ネギ塩牛タンに、ホットプレートで焼く手作り餃子。

19時から23時までという時間制限を設け、平日うち飲み会が行われた。



「マッズィイーー!!」

ホットプレートで焼かれた60個の餃子。

「相葉社長、チョコ入り餃子を引き当てましたね!!」

定番の肉餃子だけだと面白くないと、伽音ちゃんがロシアンルーレット式に変わり種を入れて作った。

じゃがいもベーコンに海老枝豆チーズ、納豆アボカド、干し椎茸春雨、キムチチーズにチョコレート。

バレンタイン飲み会はかなり盛り上がった。
伽音ちゃんの仕事の都合で4時間しか滞在できない。

「2次会は凛花ちゃんの家で!!余った料理、持ってって!!ビールも私、飲まないし、持ってて」

余った料理を伽音ちゃんが大皿に移しサランラップをする。

「……凛花ちゃん、頑張ってね」

その大皿を私に渡す時に、伽音ちゃんが私の耳元で囁いた。

生ビールの入った箱は相葉社長に押しつけ、23時ぴったしに伽音ちゃんの部屋を出る。

「俺、明日出張だから、帰るわ!!」

伽音ちゃんの部屋を出ると、相葉社長が生ビールの入った箱を翔真に渡し、早速と帰っていった。

「……入っていい?」

2人きりになるからか、翔真が私に聞いてきた。
伽音ちゃんの計らいで、翔真と2人きりになってしまった。

「どうぞ」

一緒に部屋に入る。
2次会を私の部屋でする予定なかったから、かなり戸惑う。

翔真なやチョコを渡して、告白の返事をしないといけない。



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