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第弐拾話
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次々と運び出されていく本を眺めながら、佳朗は不死川の手際の良さを素晴らしいと思っていた。不死川が本の一部を運び出したお陰で、部屋に望みが見えてくる。
それからも丁寧に確実に書類を束ねていく。
柊はとんでもなく緊急の書類を発見し、大慌てで提出しに行った。間に合ったとは言わなかったが、出せてよかったと二人で胸を撫で下ろす。他にも、先月末提出の経理書類が発見され、経理所属の不死川が小さく舌打ちしたのを佳朗は聞き逃さなかった。
そうやって進めていた時。
佳朗が重なった本の一部を持ち上げた。
そこで姿を見せた本は、ただ一言で表すなら『異様』だった。
その異様さ故に「ああこれか」と無性に納得させられる程、たしかに『異様』なものだった。
表面は皮のようにも金属のようにも見える深い墨色の物質で作られており、少し黒ずんだ赤がまるで血が廻るように表紙に張り巡らされ、未知の文様を描いていた。
その文様を描く赤は、規則的に色を深くし明滅しているように見えた。その様はまるで鼓動のようで、やがて自分の胸を打つ音と重なっていき、体中の血が心臓に集まり末端がどんどん冷えていくのを佳朗はそこはかとなく感じ取っていた。唾液がうまく飲み込めず、喉が微かに鳴る。
実際に見えているわけではないが、まるで禍々しいオーラのようなものを放っているような気がして、佳朗は息を潜めてそれをじっと見つめた。
次の瞬間――本の小口が勝手に開かれ、パララララっと捲られていくページの内容が佳朗の視界に入りそうになった時、叩きつけるように不死川が表紙を抑え込んだ。それと同時に本がひとりでに暴れ出す。
十数秒のもみ合いの後、不死川が柊の名を呼んだ。それに応えるように、柊が何かを手に本を抑え込む。そして言い聞かせるように叫んだ。
「おまえ、いい加減にしろ! 今度は禁書庫行きだぞ!」
二人がかりでこれでもかと押さえつけ、表紙を押さえて持ち上げる頃には、本は大人しくなっていた。よく見ると何かの札が表紙の中央部にべたりと貼り付けられており、どうやら柊がそうしたもののようだった。
柊が「こいつ、ほんと大人しくしてないな」と嫌そうに呟いて、ジャケットから組紐を取り出した。そうして、あっという間に本をぐるぐる巻きにしてしまった。
「ページは視認したか」
不死川が静かな声音で、佳朗に尋ねた。鋭い視線が探るように佳朗を見つめている。
佳朗は無言で首を振った。
「ならよかった。見ていたらどうなっていたか分からない」
そう言いながら、ぐるぐる巻きにされた黒い本を小脇に抱えて、部屋を出ていった。
佳朗の心臓はうるさいくらいに鳴っていて、背は冷や汗でじっとりしていた。全身に冷たい血が駆け巡っているようだ。鼓動が一向に収まらない。
あの禍々しい本のページが開こうとした時、佳朗は何故か「これは見てはいけないものだ」と思い、ぎゅうと目を瞑ったのだった。それとほぼ同時に不死川が本を抑え込んでくれた。もしかすると、どちらかが少しでも遅れていたらページを視認していたかもしれない。何故かは分からないが、佳朗はそう思った。
そして、言いしれぬ恐怖というのはこういうものなのだろうと、袖口で額の汗を拭った。
それから、遅まきながら自分の迂闊さを後悔した。
「平坂さん、大丈夫ですか?」
柊の声で我に返る。心配そうに顔を覗き込んでいた。二人のお陰で、佳朗はなんともない。大丈夫だった。
「ありがとうございます、大丈夫、大丈夫です」
そう答えて佳朗は努めて笑う。軽く頭を振って、気を取り直した。
その後は、捨てても袋に詰めても箱にしまっても何度も何度も戻って来る、ちょっと可愛さが足りなくて何を彫ったのか分からない木彫りの人形があったが、佳朗のお陰で解決した。
佳朗が休憩スペースで休んでいる時に招き猫が置いてあるのを発見し、ふと思いついて人形を隣に並べてあげた。そうしたら、それ以降社長室には戻ってこなくなったのだ。何となくだが、瑞樹の近くにいたかったのかもしれないと、佳朗は感じていた。
佳朗は、あの人形は寂しがり屋なのだろうと思い、招き猫と一緒に居れてよかったねと次の機会に頭を撫でてやった。
少々のアクシデントはあったものの、なんとか三日かけて――午後からの作業なので正味二日足らずで、社長室はきれいになった。
やはり発掘された靴下やよれよれのシャツは、まとめて秘書課でクリーニングに出してくれた。寝袋は汚れものと一緒に没収されていった。それ以外は一見量が多かったものの、何年も溜め込んだ研究室のデスクとは比べ物にはならなかった。
届け先に迷う書類の必要不必要確認は、総務部全体で引き受けてくれることに決まった。あと見てはいけなさそうな報告書が、電子データのあるものばかりのため一気にシュレッダー行きになったことも大きかった。瑞樹の手を煩わせることはなかったので、佳朗は嬉しく思った。
ヤバそうなものは何点か見つかったが、柊と不死川が手早く対応してくれた。そのお陰で、それらが一体何を起こし得るものなのか、佳朗は知らずに済んだ。
ただあの墨色の本ほど何かを感じるものはもう出てこなかった。
柊も不死川も、まさかあれが三日で片付くとは思っていなかったらしく、佳朗の手に己の手を重ねて喜んだ。
聖は、佳朗に大層感謝した。他にも秘書課の人たちがやって来て、三日で片付けたことに感動し佳朗たちに礼を言った。
「やっぱり佳朗くんは頼りになるね、ありがとう」
当の瑞樹もそのように礼を言ってくれた。佳朗はとても喜んだが、佳朗以外の大多数は「瑞樹は絶対に反省していない」という判断をしていた。
佳朗は「瑞樹さんが物を集めてしまうのは、情の深さなんじゃないかと思っています」と訴えてみた。あの人形のこともあったし、佳朗は本当にそう思っていた。
佳朗は、瑞樹の性質を不満に思っていないのだ。特に瑞樹は誰に対しても情に厚い。
ものに対してだってそう思ってしまうのは、なんとも瑞樹さんらしいんじゃないか。
物を集めてしまうのも、なかなか捨てられないのも、怠惰だけではないのだと佳朗は感じている。もちろん、掃除洗濯ができないのは別として、だ。
その思いを皆に伝える。
佳朗の一生懸命さを受けて、何故か多くの人が佳朗の頭を撫でた。
子供扱い――社会人からすれば学生の佳朗は十分子どもなのだろうけれど――をちょっと不服に思いつつも、きれいになった社長室を見回して、自分でも瑞樹さんの役に立てたんだなと佳朗は誇らしかった。
こうして無事に、佳朗の仕事は終わった。
『永原――』改め『瑞樹さんのお世話係』の面目躍如は果たされた。
それからも丁寧に確実に書類を束ねていく。
柊はとんでもなく緊急の書類を発見し、大慌てで提出しに行った。間に合ったとは言わなかったが、出せてよかったと二人で胸を撫で下ろす。他にも、先月末提出の経理書類が発見され、経理所属の不死川が小さく舌打ちしたのを佳朗は聞き逃さなかった。
そうやって進めていた時。
佳朗が重なった本の一部を持ち上げた。
そこで姿を見せた本は、ただ一言で表すなら『異様』だった。
その異様さ故に「ああこれか」と無性に納得させられる程、たしかに『異様』なものだった。
表面は皮のようにも金属のようにも見える深い墨色の物質で作られており、少し黒ずんだ赤がまるで血が廻るように表紙に張り巡らされ、未知の文様を描いていた。
その文様を描く赤は、規則的に色を深くし明滅しているように見えた。その様はまるで鼓動のようで、やがて自分の胸を打つ音と重なっていき、体中の血が心臓に集まり末端がどんどん冷えていくのを佳朗はそこはかとなく感じ取っていた。唾液がうまく飲み込めず、喉が微かに鳴る。
実際に見えているわけではないが、まるで禍々しいオーラのようなものを放っているような気がして、佳朗は息を潜めてそれをじっと見つめた。
次の瞬間――本の小口が勝手に開かれ、パララララっと捲られていくページの内容が佳朗の視界に入りそうになった時、叩きつけるように不死川が表紙を抑え込んだ。それと同時に本がひとりでに暴れ出す。
十数秒のもみ合いの後、不死川が柊の名を呼んだ。それに応えるように、柊が何かを手に本を抑え込む。そして言い聞かせるように叫んだ。
「おまえ、いい加減にしろ! 今度は禁書庫行きだぞ!」
二人がかりでこれでもかと押さえつけ、表紙を押さえて持ち上げる頃には、本は大人しくなっていた。よく見ると何かの札が表紙の中央部にべたりと貼り付けられており、どうやら柊がそうしたもののようだった。
柊が「こいつ、ほんと大人しくしてないな」と嫌そうに呟いて、ジャケットから組紐を取り出した。そうして、あっという間に本をぐるぐる巻きにしてしまった。
「ページは視認したか」
不死川が静かな声音で、佳朗に尋ねた。鋭い視線が探るように佳朗を見つめている。
佳朗は無言で首を振った。
「ならよかった。見ていたらどうなっていたか分からない」
そう言いながら、ぐるぐる巻きにされた黒い本を小脇に抱えて、部屋を出ていった。
佳朗の心臓はうるさいくらいに鳴っていて、背は冷や汗でじっとりしていた。全身に冷たい血が駆け巡っているようだ。鼓動が一向に収まらない。
あの禍々しい本のページが開こうとした時、佳朗は何故か「これは見てはいけないものだ」と思い、ぎゅうと目を瞑ったのだった。それとほぼ同時に不死川が本を抑え込んでくれた。もしかすると、どちらかが少しでも遅れていたらページを視認していたかもしれない。何故かは分からないが、佳朗はそう思った。
そして、言いしれぬ恐怖というのはこういうものなのだろうと、袖口で額の汗を拭った。
それから、遅まきながら自分の迂闊さを後悔した。
「平坂さん、大丈夫ですか?」
柊の声で我に返る。心配そうに顔を覗き込んでいた。二人のお陰で、佳朗はなんともない。大丈夫だった。
「ありがとうございます、大丈夫、大丈夫です」
そう答えて佳朗は努めて笑う。軽く頭を振って、気を取り直した。
その後は、捨てても袋に詰めても箱にしまっても何度も何度も戻って来る、ちょっと可愛さが足りなくて何を彫ったのか分からない木彫りの人形があったが、佳朗のお陰で解決した。
佳朗が休憩スペースで休んでいる時に招き猫が置いてあるのを発見し、ふと思いついて人形を隣に並べてあげた。そうしたら、それ以降社長室には戻ってこなくなったのだ。何となくだが、瑞樹の近くにいたかったのかもしれないと、佳朗は感じていた。
佳朗は、あの人形は寂しがり屋なのだろうと思い、招き猫と一緒に居れてよかったねと次の機会に頭を撫でてやった。
少々のアクシデントはあったものの、なんとか三日かけて――午後からの作業なので正味二日足らずで、社長室はきれいになった。
やはり発掘された靴下やよれよれのシャツは、まとめて秘書課でクリーニングに出してくれた。寝袋は汚れものと一緒に没収されていった。それ以外は一見量が多かったものの、何年も溜め込んだ研究室のデスクとは比べ物にはならなかった。
届け先に迷う書類の必要不必要確認は、総務部全体で引き受けてくれることに決まった。あと見てはいけなさそうな報告書が、電子データのあるものばかりのため一気にシュレッダー行きになったことも大きかった。瑞樹の手を煩わせることはなかったので、佳朗は嬉しく思った。
ヤバそうなものは何点か見つかったが、柊と不死川が手早く対応してくれた。そのお陰で、それらが一体何を起こし得るものなのか、佳朗は知らずに済んだ。
ただあの墨色の本ほど何かを感じるものはもう出てこなかった。
柊も不死川も、まさかあれが三日で片付くとは思っていなかったらしく、佳朗の手に己の手を重ねて喜んだ。
聖は、佳朗に大層感謝した。他にも秘書課の人たちがやって来て、三日で片付けたことに感動し佳朗たちに礼を言った。
「やっぱり佳朗くんは頼りになるね、ありがとう」
当の瑞樹もそのように礼を言ってくれた。佳朗はとても喜んだが、佳朗以外の大多数は「瑞樹は絶対に反省していない」という判断をしていた。
佳朗は「瑞樹さんが物を集めてしまうのは、情の深さなんじゃないかと思っています」と訴えてみた。あの人形のこともあったし、佳朗は本当にそう思っていた。
佳朗は、瑞樹の性質を不満に思っていないのだ。特に瑞樹は誰に対しても情に厚い。
ものに対してだってそう思ってしまうのは、なんとも瑞樹さんらしいんじゃないか。
物を集めてしまうのも、なかなか捨てられないのも、怠惰だけではないのだと佳朗は感じている。もちろん、掃除洗濯ができないのは別として、だ。
その思いを皆に伝える。
佳朗の一生懸命さを受けて、何故か多くの人が佳朗の頭を撫でた。
子供扱い――社会人からすれば学生の佳朗は十分子どもなのだろうけれど――をちょっと不服に思いつつも、きれいになった社長室を見回して、自分でも瑞樹さんの役に立てたんだなと佳朗は誇らしかった。
こうして無事に、佳朗の仕事は終わった。
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