転生したら第13皇子⁈〜構ってくれなくて結構です!蚊帳の外にいさせて下さい!!〜

白黒ニャン子(旧:白黒ニャンコ)

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第2章 タイムリミットは20歳なんて聞いてない!

2.知るかッッッッッ!!!!!

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最低。

最低最低最低。

最低最低最低最低最低最低最低最低最低(以下略)!!

ほんとに本気で最低の最悪、大最悪だ!
演武会場の王族貴族席。俺が座るのはそこで、眼下には闘技台が見下ろせる。
手合わせが終わり、今し方まで闘っていた者同士が話をしていた。
こちらからは声は聞こえないが、何やら親密でずいぶん楽しそうに見える。

「示し合わせてたんじゃねぇのか?あの二人…」
「カナデ様…お言葉使いが」

コソッとリリヤがたしなめてくるが無視だ、無視!
今はそれどころじゃない!
それに俺は、末端で引きこもり、人と交流がない(て事になってる)非継承権持ちの第13皇子だ。粗野な言葉遣いを敬遠けいえんして放って置いてくれるんならむしろありがたい。
だってぇのに……
何やらコソコソひそひそ話し声が聞こえるのは、明らか絶対気のせい……じゃないな。
ややうんざりしつつ、ちらっと視線を向けると、こちらをチラ見しながら話していた者たちがサッと視線を逸らした。
自然にできんのならやるな!!

「大注目されてんじゃねぇかよ……勘弁しろっての!」

一周回って怒りが沈む。
明らかスンとなった顔を自覚しつつ、闘技台を再び見下ろす。
こちらへ向けたユーグの顔に笑みが浮かぶ。
面白がるようなそれに、俺の苛立ちが治らない。
あの野郎、明らかにワザとだ!!
まったくもって冗談じゃない。まるで物のように扱われ、男(この場合は女だろうと!)に下げ渡されんのも真っ平御免だ!
断固拒否で抗議してやる!
再度怒りが沸点まで立ち昇る。
スクッと立ち上がり歩き出す俺を、リリヤが慌てて追いかけてきた。

「カナデ様、どちらへ参られます」
ユーグあの馬鹿ン所!文句、言ってやる!ついでにあの顔、ひっ叩いてやる!!やってられっか、突っ撥ねる!!」
「お待ち下さい!」
「退け!!リリヤ」

前を遮り止めてくるリリヤを睨みつけた。
理不尽な扱いを黙って受け入れるつもりはない。

「お腹立ちはごもっともなれど、御前演武に意を唱えれば、カナデ様のお立場が今以上に悪くなる恐れがあります!まだどうなるかは分からないのです。事は慎重におなり下さいませ」
「黙って見てろって?冗談ッ!!せっかくあっちで変態オヤジから逃げたってのに、こっちで男に捕まりゃ元の木阿弥もくあみじゃねぇかよ!」
「カナデ様?それは一体……」
「何でもない!こっちの話。とにかく!話つけ……」

わあ、と場が湧く歓声が上がり、俺の声が掻き消された。

「決勝は相手側の試合放棄により、近衛副官補佐ユーグ=ヴァランドの勝利とする!」

審判役の宣言が上がり、益々歓声が大きくなった。
内心、舌打ちだ。
ユーグの相手役だった奴、根性見せやがれとののしりたくなるが、文句をぶつける場所もない。
優勝が決まったとなると、ユーグが褒賞に望むものがいよいよもって気になってくるが、リリヤが止めたせいで、文句も言いに行けやしない!
ムカムカが治らないまま、深~く溜め息を吐く。
リリヤに背を向け、反対へと歩きだした俺に、リリヤが慌てて追いかけてきた。

「カナデ様?」
「帰る」
「お、お待ち下さいませ!まだ……」

優勝結果があるって?

クルッと振り返って、自分でも会心と言える笑みを浮かべた。
そんなの……………………

「知るかッッッッッ!!!!!」












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