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実「とりあえず、行けるとこ全部周ったけど」
櫻「特に気になるものはなかったわね」
見つけたのは、古ぼけたお屋敷だけだった。
草原以外の場所もあったにはあったんだけど、行こうとすると、謎の力が働いて押し返されてしまう。
かといって、お屋敷の中を探索しようとすると、門は閉まっているし、外壁も登れそうにない。
櫻さんは「うふふ、いわく付き~」とか言って笑ってたけど、笑えないくらい雰囲気が怖い。
櫻「ねえ、そろそろ休憩しましょう」
実「こんな場所で休憩なんてできないって。脱出もしないといけないし」
櫻「でも仮に、脱出の糸口が見つかったとしても、体調を崩したらそこで終わりよ。回復するまで待たなきゃいけない」
実「そ、それはそうだけど…」
俺としては、一刻も早く帰りたい。
でも、櫻さんの言っていることも間違ってない。
櫻「さあ、どうするの?」
実「わ、分かったよ。休む…」
櫻「やった~!さあ、休憩タイムよ、遊びましょう?」
実「えっ、遊ぶの!?」
櫻「そうよ~。こんな場所に来て、負の感情が出るのだから、遊んで気持ちを紛らわせるのよ」
櫻さんはルンルンと、スキップをしてみせる。
実「俺は遊ぶ気分じゃないし、櫻さんだけで遊びなよ」
櫻「どれだけ歳をとっても、遊ぶ時は童心に帰る。どれだけ嫌な事があっても、遊んでいる最中は我を忘れて、その時を楽しむ。実君は今、理性と本能の境目を彷徨っているの」
急に意味の分からない話をされる。
理性と本能の境目?
彷徨う?
馬鹿馬鹿しい。
俺は正常。
俺が情緒不安定みたいな言い方をされて、俺はとてもムカついた。
実「俺を馬鹿にすんなよ!櫻さんだって、彷徨ってるくせに…!」
櫻「あら、怒っちゃった。ふふ」
俺の怒りのボルテージはどんどん上がっていく。
実「そんなこと言うんだったら、遊ばない。勝手に遊んでろよ」
そして俺は、櫻さんに背を向けて歩き出した。
櫻「…へえ、逃げるんだ」
実「ああそうだよ。静かに休憩出来ないからな」
俺は振り返らずに、櫻さんに返答する。
櫻「あ、分かったわ。怖いんでしょ」
は…?
いや、意味が分からない。
怖いって?
一体何に怯えてるんだか。
櫻「私と遊んでも勝ち目がないから、遊びたくないんでしょ~」
そんなわけない。
そんなわけないのに。
ただ単に遊びたくないだけなのに。
実「そんなわけないだろ、怖いなんて…」
自然と足を止める。
櫻「なら、別に遊んでもいいでしょ?それとも…」
櫻さんが意地悪な笑みで俺に近寄る。
何をする気なんだ…!
櫻「…チキンなの、貴方」
実「っ!!!」
チキン、チキンだと…!
実「俺はチキンじゃない!」
櫻「なら遊びましょう。貴方が本当にチキンじゃないか試してあげる」
実「望むところだ」
ここで気付いた。
俺は櫻さんにハメられたんだ。
まったく駄目だな、俺は。
実「それで、何して遊ぶんだ?」
櫻「それはね…」
櫻「特に気になるものはなかったわね」
見つけたのは、古ぼけたお屋敷だけだった。
草原以外の場所もあったにはあったんだけど、行こうとすると、謎の力が働いて押し返されてしまう。
かといって、お屋敷の中を探索しようとすると、門は閉まっているし、外壁も登れそうにない。
櫻さんは「うふふ、いわく付き~」とか言って笑ってたけど、笑えないくらい雰囲気が怖い。
櫻「ねえ、そろそろ休憩しましょう」
実「こんな場所で休憩なんてできないって。脱出もしないといけないし」
櫻「でも仮に、脱出の糸口が見つかったとしても、体調を崩したらそこで終わりよ。回復するまで待たなきゃいけない」
実「そ、それはそうだけど…」
俺としては、一刻も早く帰りたい。
でも、櫻さんの言っていることも間違ってない。
櫻「さあ、どうするの?」
実「わ、分かったよ。休む…」
櫻「やった~!さあ、休憩タイムよ、遊びましょう?」
実「えっ、遊ぶの!?」
櫻「そうよ~。こんな場所に来て、負の感情が出るのだから、遊んで気持ちを紛らわせるのよ」
櫻さんはルンルンと、スキップをしてみせる。
実「俺は遊ぶ気分じゃないし、櫻さんだけで遊びなよ」
櫻「どれだけ歳をとっても、遊ぶ時は童心に帰る。どれだけ嫌な事があっても、遊んでいる最中は我を忘れて、その時を楽しむ。実君は今、理性と本能の境目を彷徨っているの」
急に意味の分からない話をされる。
理性と本能の境目?
彷徨う?
馬鹿馬鹿しい。
俺は正常。
俺が情緒不安定みたいな言い方をされて、俺はとてもムカついた。
実「俺を馬鹿にすんなよ!櫻さんだって、彷徨ってるくせに…!」
櫻「あら、怒っちゃった。ふふ」
俺の怒りのボルテージはどんどん上がっていく。
実「そんなこと言うんだったら、遊ばない。勝手に遊んでろよ」
そして俺は、櫻さんに背を向けて歩き出した。
櫻「…へえ、逃げるんだ」
実「ああそうだよ。静かに休憩出来ないからな」
俺は振り返らずに、櫻さんに返答する。
櫻「あ、分かったわ。怖いんでしょ」
は…?
いや、意味が分からない。
怖いって?
一体何に怯えてるんだか。
櫻「私と遊んでも勝ち目がないから、遊びたくないんでしょ~」
そんなわけない。
そんなわけないのに。
ただ単に遊びたくないだけなのに。
実「そんなわけないだろ、怖いなんて…」
自然と足を止める。
櫻「なら、別に遊んでもいいでしょ?それとも…」
櫻さんが意地悪な笑みで俺に近寄る。
何をする気なんだ…!
櫻「…チキンなの、貴方」
実「っ!!!」
チキン、チキンだと…!
実「俺はチキンじゃない!」
櫻「なら遊びましょう。貴方が本当にチキンじゃないか試してあげる」
実「望むところだ」
ここで気付いた。
俺は櫻さんにハメられたんだ。
まったく駄目だな、俺は。
実「それで、何して遊ぶんだ?」
櫻「それはね…」
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