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第3章 ミラーレ姫とクラーケン
3-2 ミラーレ姫
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じぃさんが何かの呪文を唱えると、じぃさんの隣りに、大きな鏡が現れた。
「姫君も一度、お前達に会ってみたいと、言い出したんじゃ。何と言っても、顔面偏差値952ptのクラスじゃからの。じゃが、姫君のおられる王都とここは、500キロ以上離れておるんじゃ。簡単には来れんし、行けん」
「は? じぃさんは昼飯にティータイムで、二回も行ったり来たりしてんだろ? 500キロって! じぃさん、嘘付きなのか?」
ミラーレ姫には興味ないだろうけど、それまで黙っていたカイトが口を開いた。
「何を言っておる。わしは魔導師の中でも、王室お抱え、トップクラスの魔導師じゃ。たかだか500キロの距離を瞬間移動するなんて事は屁でもないわい!」
カイトはそれ以上、何も言わなかった。じぃさんを突っ込んだところで、能力を自慢され、じぃさんの崇拝者を増やすだけだ。
「カイトのせいで、話が逸れたがの。ミラーレ姫の準備が整えば、この鏡にお映りになられる。……この鏡は今、王宮と繋がっておるからの」
姫君になんか全く興味はないけど、今、一番レベルが高いのは俺だ。もしかしたら本当に婿入りさせられるかもしれない。
顔くらいは見ておこう。
コタロウ達はさっき以上に前のめりだ。何だか生唾を飲み込む音が聞こえそうだ。それにライトやソラ達も、無視は出来ない存在に、鏡に目を向けている。
目を向けた大きな鏡一面が、黄色で覆いつくされる。
「姫君よ。もう少し、お下がりください。それでは、ドレスしか映ませんよ」
じぃさんの声は、王宮にも届いているんだろう。黄色のドレスが鏡の幅に収まって、少しずつ小さくなっていく……、ん? ドレス全体、首から下が映っているけど、何だかサイズ感がおかしい。
「姫君よ。もう少し、お下がりいただかないと、麗しいお顔が拝見出来ません」
その時だ。
「ひぃーーー!」
じぃさんのすぐ近くにいたリョウが、奇声を発して卒倒した。パタン。椅子に座ったまま、リョウが後ろに倒れる。
「何だ! この、ブ◯で、デ◯のバ◯ァ! 早く姫君出せよ!」
コタロウが叫んだ。
確かにコタロウが言うように、鏡に映る姿は、事前に聞かされた情報とは、違いすぎる。国で一番の美女はどこだ? 正にブ◯で、デ◯のバ◯ァだ。
「何を言う。わらわがアシュナイト王国、第一姫君のミラーレであるぞ」
「いやー、どこが? 国で一番の美女って聞いてたんですけど? 何? 何? ブ◯で、デ◯のバ◯ァじゃないですかー」
フウマは壊れたようだった。
「期待はしてなかったけど、これは酷いな。ブ◯で、デ◯のバ◯ァとしか、言いようがない」
「ああ、誰がこんなブ◯で、デ◯のバ◯ァに婿入りすんだよ。あり得ねぇ」
タイガとリクも、前のめりだったはずが、今はのけぞっていり。
「ないわー、絶対ない!」
「無理、無理、無理、絶対無理!」
シュウトとルイも全否定だ。
「お前達、この姫の美しさが分からんのか?」
「じぃさん、それマジで言ってる? ブ◯で、デ◯でバ◯ァじゃん!」
ショウがキレていた。ショウも姫君に前のめりになった一人だから、仕方ない。
「何を言う。ミラーレ様はこの国一番の美女じゃ! お体もナイスプロポーションではないか! 148センチの身長に、体重は110キロ! こんなにグラマーなお方は、この国にはおらんぞ! お年も39歳で今が女盛りじゃ!」
じぃさんの感覚がおかしいのか、この国の感覚がおかしいのかは分からない。でも、一つ言える事は、俺達の世界では、ブ◯で、デ◯でバ◯ァって事だ。
「なぁ、じぃさん。目が腐るから、そのブ◯で、デ◯のバ◯ァ、さっさと消してくれよ!」
「そうだ! そうだ! カイトの言う通りだ」
皆んながカイトに加勢を始めた。
ん? 今、気づいてしまったけど。姫君を狙っていたコタロウ達が、狙わなくなったら。一番、婿入りに近いのは、俺だ。……最悪だ。最悪過ぎる。
「姫君も一度、お前達に会ってみたいと、言い出したんじゃ。何と言っても、顔面偏差値952ptのクラスじゃからの。じゃが、姫君のおられる王都とここは、500キロ以上離れておるんじゃ。簡単には来れんし、行けん」
「は? じぃさんは昼飯にティータイムで、二回も行ったり来たりしてんだろ? 500キロって! じぃさん、嘘付きなのか?」
ミラーレ姫には興味ないだろうけど、それまで黙っていたカイトが口を開いた。
「何を言っておる。わしは魔導師の中でも、王室お抱え、トップクラスの魔導師じゃ。たかだか500キロの距離を瞬間移動するなんて事は屁でもないわい!」
カイトはそれ以上、何も言わなかった。じぃさんを突っ込んだところで、能力を自慢され、じぃさんの崇拝者を増やすだけだ。
「カイトのせいで、話が逸れたがの。ミラーレ姫の準備が整えば、この鏡にお映りになられる。……この鏡は今、王宮と繋がっておるからの」
姫君になんか全く興味はないけど、今、一番レベルが高いのは俺だ。もしかしたら本当に婿入りさせられるかもしれない。
顔くらいは見ておこう。
コタロウ達はさっき以上に前のめりだ。何だか生唾を飲み込む音が聞こえそうだ。それにライトやソラ達も、無視は出来ない存在に、鏡に目を向けている。
目を向けた大きな鏡一面が、黄色で覆いつくされる。
「姫君よ。もう少し、お下がりください。それでは、ドレスしか映ませんよ」
じぃさんの声は、王宮にも届いているんだろう。黄色のドレスが鏡の幅に収まって、少しずつ小さくなっていく……、ん? ドレス全体、首から下が映っているけど、何だかサイズ感がおかしい。
「姫君よ。もう少し、お下がりいただかないと、麗しいお顔が拝見出来ません」
その時だ。
「ひぃーーー!」
じぃさんのすぐ近くにいたリョウが、奇声を発して卒倒した。パタン。椅子に座ったまま、リョウが後ろに倒れる。
「何だ! この、ブ◯で、デ◯のバ◯ァ! 早く姫君出せよ!」
コタロウが叫んだ。
確かにコタロウが言うように、鏡に映る姿は、事前に聞かされた情報とは、違いすぎる。国で一番の美女はどこだ? 正にブ◯で、デ◯のバ◯ァだ。
「何を言う。わらわがアシュナイト王国、第一姫君のミラーレであるぞ」
「いやー、どこが? 国で一番の美女って聞いてたんですけど? 何? 何? ブ◯で、デ◯のバ◯ァじゃないですかー」
フウマは壊れたようだった。
「期待はしてなかったけど、これは酷いな。ブ◯で、デ◯のバ◯ァとしか、言いようがない」
「ああ、誰がこんなブ◯で、デ◯のバ◯ァに婿入りすんだよ。あり得ねぇ」
タイガとリクも、前のめりだったはずが、今はのけぞっていり。
「ないわー、絶対ない!」
「無理、無理、無理、絶対無理!」
シュウトとルイも全否定だ。
「お前達、この姫の美しさが分からんのか?」
「じぃさん、それマジで言ってる? ブ◯で、デ◯でバ◯ァじゃん!」
ショウがキレていた。ショウも姫君に前のめりになった一人だから、仕方ない。
「何を言う。ミラーレ様はこの国一番の美女じゃ! お体もナイスプロポーションではないか! 148センチの身長に、体重は110キロ! こんなにグラマーなお方は、この国にはおらんぞ! お年も39歳で今が女盛りじゃ!」
じぃさんの感覚がおかしいのか、この国の感覚がおかしいのかは分からない。でも、一つ言える事は、俺達の世界では、ブ◯で、デ◯でバ◯ァって事だ。
「なぁ、じぃさん。目が腐るから、そのブ◯で、デ◯のバ◯ァ、さっさと消してくれよ!」
「そうだ! そうだ! カイトの言う通りだ」
皆んながカイトに加勢を始めた。
ん? 今、気づいてしまったけど。姫君を狙っていたコタロウ達が、狙わなくなったら。一番、婿入りに近いのは、俺だ。……最悪だ。最悪過ぎる。
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***
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心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
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めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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