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第四章 孫を追いかけタターニャの町で御座います。
4-2 別れの朝と大きな卵で御座います。
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「探偵さんよぅ。早く出発せんと、今日中に次の町に着けんのじゃないかのぅ」
じぃじが聞こえよがしに、探偵さんにボヤいている声は、聞こえておりましたが、ミーナさんとのお別れは、どうにも辛う御座います。何度も何度も手を握り合って、お別れを言い合ってはいるのですが、なかなか手を離す事は難しいのです。
じぃじや探偵さん。それにレオンさんにパンさんと、殿方に囲まれた旅で御座います。そんな中で出会ったミーナさんです。別れ難いのは当然だと、私は思っております。
「……あたいの妹が王都で、人鷲カフェの2号店をやっているから、よかったら寄ってやっておくれよ」
あら? 人鷲カフェ2号店だそうです。ミーナさんの妹さんなら、きっとお優しい方に間違いありませんね。
「ええ、ええ。勿論寄らせていただきます。……もし宜しければ、妹さんのお名前教えていただけますか?」
「ああ、マーナって言うんだ。あたいと違って、気立ての良い優しい子でね、美人なんだよ」
「あら。ミーナさんもお優しいし、美人ですわよ」
いつまでもお話をしていたいのですが、そうはいかないようです。
「んっ、んー」
探偵さんが咳払いをしていらっしゃいます。
「お待たせして申し訳御座いません。……では、ミーナさん。私達はこれで失礼させていただきますね。どうぞお元気でお過ごしください」
「ああ、達者でな」
ミーナさんに見送られ、いざ出発で御座います。本当は振り返って、見えなくなるまで手を振っていたいのですが、じぃじとパンさんは、随分と先を歩いておいでです。
「探偵さん、レオンさん。大変お待たせ致しました」
「いえ、大丈夫ですよ。私も光江さんに、ミーナさんのようなお友達が出来て、嬉しいです」
「……お友達? そうですね。お友達で御座いますね」
この世界に参りまして、じぃじと探偵さんが居るので安心で御座いますし、レオンさんやパンさんとご一緒できて、本当に心強いのですが、やはり友達と言うものは、また別の喜びが御座います。
「何事もなければ、今日も明るいうちにタターニャの町に着けるはずですから、心配されなくて大丈夫ですよ」
「ええ、ありがとうございます」
探偵さんのご配慮に感謝で御座います。……で、さて? 何事もなければとは、どう言う意味で御座いましょう? さて? ああ、そうそう。そうです。思い出しました。
「……何事もなければとは、ドラゴンさんにお会いしなければ。と、言う事ですね」
「はい。昨日、この道中でドラゴンが出没したと言う話を聞いたものですから」
「ドラゴンさんと言うのは、それ程、恐ろしいものなのでしょうか? 探偵さんでも太刀打ちできないと、おっしゃっていましたよね?」
「ドラゴンは魔物の中でも、とても高尚な生き物なんです。なのでこちらが何もしない限り、襲っては来ないんです。ただ……」
「ただ。……何でしょうか?」
「近頃ではドラゴンを乱獲する悪い輩も大勢います。なので威嚇のつもりでしょうが、何もこちらから仕掛けなくても、襲ってくるドラゴンがいるんです」
「何だか不憫なお話ですね。ドラゴンさんは襲いたくて、襲っている訳ではないんですものね」
きっと本来のドラゴンさんは、お優しい方に違いありませんね。それなのに乱獲だなんて、酷い話では御座いませんか。もしそんな悪い輩がいれば、私が懲らしめたいと思います。
その時です。先を歩いていた、じぃじとパンさんが、道の真ん中で足を止めておりました。
「……何かありましたか?」
探偵さんが声をかけました。
「上からコロコロ、コロコロ、転がってきたにゃー!」
パンさんが崖の上を、指差していらっしゃいます。
「あら! 大きな卵で御座いますね」
薄い緑色に茶色の模様が入った、大きな卵が道端に転がっているじゃありませんか。ダチョウの卵は見た事が御座いますが、5、6倍の大きさはありそうな、大きな卵です。
パンさんが、崖の上からコロコロと。と、おっしゃっていましたので、崖の上を見上げてみましたが、特に何もない様子で御座います。……さて? どう言う事でしょうか?
じぃじが聞こえよがしに、探偵さんにボヤいている声は、聞こえておりましたが、ミーナさんとのお別れは、どうにも辛う御座います。何度も何度も手を握り合って、お別れを言い合ってはいるのですが、なかなか手を離す事は難しいのです。
じぃじや探偵さん。それにレオンさんにパンさんと、殿方に囲まれた旅で御座います。そんな中で出会ったミーナさんです。別れ難いのは当然だと、私は思っております。
「……あたいの妹が王都で、人鷲カフェの2号店をやっているから、よかったら寄ってやっておくれよ」
あら? 人鷲カフェ2号店だそうです。ミーナさんの妹さんなら、きっとお優しい方に間違いありませんね。
「ええ、ええ。勿論寄らせていただきます。……もし宜しければ、妹さんのお名前教えていただけますか?」
「ああ、マーナって言うんだ。あたいと違って、気立ての良い優しい子でね、美人なんだよ」
「あら。ミーナさんもお優しいし、美人ですわよ」
いつまでもお話をしていたいのですが、そうはいかないようです。
「んっ、んー」
探偵さんが咳払いをしていらっしゃいます。
「お待たせして申し訳御座いません。……では、ミーナさん。私達はこれで失礼させていただきますね。どうぞお元気でお過ごしください」
「ああ、達者でな」
ミーナさんに見送られ、いざ出発で御座います。本当は振り返って、見えなくなるまで手を振っていたいのですが、じぃじとパンさんは、随分と先を歩いておいでです。
「探偵さん、レオンさん。大変お待たせ致しました」
「いえ、大丈夫ですよ。私も光江さんに、ミーナさんのようなお友達が出来て、嬉しいです」
「……お友達? そうですね。お友達で御座いますね」
この世界に参りまして、じぃじと探偵さんが居るので安心で御座いますし、レオンさんやパンさんとご一緒できて、本当に心強いのですが、やはり友達と言うものは、また別の喜びが御座います。
「何事もなければ、今日も明るいうちにタターニャの町に着けるはずですから、心配されなくて大丈夫ですよ」
「ええ、ありがとうございます」
探偵さんのご配慮に感謝で御座います。……で、さて? 何事もなければとは、どう言う意味で御座いましょう? さて? ああ、そうそう。そうです。思い出しました。
「……何事もなければとは、ドラゴンさんにお会いしなければ。と、言う事ですね」
「はい。昨日、この道中でドラゴンが出没したと言う話を聞いたものですから」
「ドラゴンさんと言うのは、それ程、恐ろしいものなのでしょうか? 探偵さんでも太刀打ちできないと、おっしゃっていましたよね?」
「ドラゴンは魔物の中でも、とても高尚な生き物なんです。なのでこちらが何もしない限り、襲っては来ないんです。ただ……」
「ただ。……何でしょうか?」
「近頃ではドラゴンを乱獲する悪い輩も大勢います。なので威嚇のつもりでしょうが、何もこちらから仕掛けなくても、襲ってくるドラゴンがいるんです」
「何だか不憫なお話ですね。ドラゴンさんは襲いたくて、襲っている訳ではないんですものね」
きっと本来のドラゴンさんは、お優しい方に違いありませんね。それなのに乱獲だなんて、酷い話では御座いませんか。もしそんな悪い輩がいれば、私が懲らしめたいと思います。
その時です。先を歩いていた、じぃじとパンさんが、道の真ん中で足を止めておりました。
「……何かありましたか?」
探偵さんが声をかけました。
「上からコロコロ、コロコロ、転がってきたにゃー!」
パンさんが崖の上を、指差していらっしゃいます。
「あら! 大きな卵で御座いますね」
薄い緑色に茶色の模様が入った、大きな卵が道端に転がっているじゃありませんか。ダチョウの卵は見た事が御座いますが、5、6倍の大きさはありそうな、大きな卵です。
パンさんが、崖の上からコロコロと。と、おっしゃっていましたので、崖の上を見上げてみましたが、特に何もない様子で御座います。……さて? どう言う事でしょうか?
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