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最終章 孫を追いかけ最後の追い込みで御座います。
8-5 国王在位10周年7の日前半で御座います。
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「探偵さんよぅ。ばぁばは優勝できると思うかい?」
「どうでしょう? ですが、光江さんの料理は最高ですからね」
じぃじ、そして探偵さん。お二人の会話しかと耳に届いておりますわよ。
「光江さん。ニョッキが煮えました」
「ウーグルさん。ありがとう。……そうしましたら、そのニョッキをこの保温ジャーに入れてくださるかしら?」
「ばぁばさん。お肉に焼き色が付きました」
「ルラちゃん。……そうしましたら、このビーツのソースの中に入れて、じっくり煮込みましょう」
お料理コンテストには、ウーグルさんとルラちゃんと一緒に参加する事になりました。そして今、予選に持って行く一品を作っているところで御座います。
「探偵さんよぅ。何でコンテストの前に、ばぁばは料理をしてるんじゃ?」
「それが参加者が100組を超えているそうなんです。コンテストに参加するには、自慢の一品を持って予選になるそうです。予選で10組にしぼるそうです」
じぃじ、探偵さん。その会話も耳に届いておりますわよ。私、何が何でも優勝致します。なので予選に持って行く物は、見た目も鮮やかで美味しい一品を作らせていただきました。
「さぁ、準備が整いました。ウーグルさん、ルラちゃん。まいりましょう。探偵さんも、じぃじも準備はよろしいですか?」
「ええ。私達はいつでも。……それで何を作られたんですか?」
「ビーツでピンク色にしたビーフシチューで御座います。ニョッキと一緒に召し上がって戴きます」
「美味しそうですね」
「ええ。間違いなく、美味しゅう御座います。……今度、探偵さんにもお作り致しますね」
「それは、それは。楽しみが出来ました」
そんな話をしながら、到着した王宮前広場には長い行列が出来ておりました。最後尾と書かれたプラカードを持った係の方に、声を掛けてみます。
「……お料理コンテストの予選は、ここで待っていればよろしいでしょうか?」
「そうですよ。ここが受付の最後尾です。受付で持参した料理と引き換えに番号札をもらってください」
あまりにも長すぎる行列に、何だか少し緊張してまいりました。参加者は100組以上、それが10組にまで絞られるのですから、狭き門だと言う事で御座います。
「……はい。次の方」
20分ほど待ったでしょうか? ようやく順番が回ってまいりました。
「荒井光江と申します。それとウーグルさんと、ルラちゃんで御座います」
「今は名前はいいです。その箱に料理を入れて、番号札を持って行ってください。113番ね」
何だか受付の係の方に、軽くあしらわれてしまいました。113番と書かれた箱に、保温ジャーを置きはしましたが心配で御座います。
それから広場の前で、どれくらい待った事でしょうか? 1時間くらいは待ったでしょうか? 周りの参加者の方々も、何だかお疲れの様子です。地面に座り込む人もいれば、まぁ! 横になっている人もいるじゃありませんか! ……あら? よく見てみると、横になっている人は、じぃじで御座いましたね。待ちくたびれたので御座いますね。……そんなじぃじに目を落としていると、ようやく先程の受付の方が出てまいりました。
「……それでは、これから予選通過者を番号で呼びます。呼ばれた人は会場に進んでください。ただし会場に入れるのは、付き添いの者を入れて5人までです」
あら? 5人だけで御座いますか。私、ウーグルさん、ルラちゃん、探偵さん、レオンさん。ちょうどで御座いますね。見回し確認したのですが、横になっているじぃじを忘れておりました。
「5人と言っていたので、私はここでお待ちしております」
レオンさんで御座います。私が悩むまでもなかったですわね。
「……では、発表します」
いよいよで御座います。ドキドキ、ドキドキで御座います。
「……えーっ。8番、31番、34番、50番号、67番、71番、96番、102番、112番」
まだ呼ばれません。ドキドキ、ドキドキで御座います。
「えーっ、最後が113番。今、呼んだ10組は速やかに会場に移動してください。呼ばれなかった人は、残念ですがここでお帰りいただきます」
「……じぃじ。起きてください。会場へ移動致しますわよ」
まずは第一関門突破で御座います。ですが、ここからが本番で御座います。予選を突破したと言う事は、皆さん強者揃いと言う事ですもの。……私、荒井光江、齢64。ここからが腕の見せ所で御座います。
「どうでしょう? ですが、光江さんの料理は最高ですからね」
じぃじ、そして探偵さん。お二人の会話しかと耳に届いておりますわよ。
「光江さん。ニョッキが煮えました」
「ウーグルさん。ありがとう。……そうしましたら、そのニョッキをこの保温ジャーに入れてくださるかしら?」
「ばぁばさん。お肉に焼き色が付きました」
「ルラちゃん。……そうしましたら、このビーツのソースの中に入れて、じっくり煮込みましょう」
お料理コンテストには、ウーグルさんとルラちゃんと一緒に参加する事になりました。そして今、予選に持って行く一品を作っているところで御座います。
「探偵さんよぅ。何でコンテストの前に、ばぁばは料理をしてるんじゃ?」
「それが参加者が100組を超えているそうなんです。コンテストに参加するには、自慢の一品を持って予選になるそうです。予選で10組にしぼるそうです」
じぃじ、探偵さん。その会話も耳に届いておりますわよ。私、何が何でも優勝致します。なので予選に持って行く物は、見た目も鮮やかで美味しい一品を作らせていただきました。
「さぁ、準備が整いました。ウーグルさん、ルラちゃん。まいりましょう。探偵さんも、じぃじも準備はよろしいですか?」
「ええ。私達はいつでも。……それで何を作られたんですか?」
「ビーツでピンク色にしたビーフシチューで御座います。ニョッキと一緒に召し上がって戴きます」
「美味しそうですね」
「ええ。間違いなく、美味しゅう御座います。……今度、探偵さんにもお作り致しますね」
「それは、それは。楽しみが出来ました」
そんな話をしながら、到着した王宮前広場には長い行列が出来ておりました。最後尾と書かれたプラカードを持った係の方に、声を掛けてみます。
「……お料理コンテストの予選は、ここで待っていればよろしいでしょうか?」
「そうですよ。ここが受付の最後尾です。受付で持参した料理と引き換えに番号札をもらってください」
あまりにも長すぎる行列に、何だか少し緊張してまいりました。参加者は100組以上、それが10組にまで絞られるのですから、狭き門だと言う事で御座います。
「……はい。次の方」
20分ほど待ったでしょうか? ようやく順番が回ってまいりました。
「荒井光江と申します。それとウーグルさんと、ルラちゃんで御座います」
「今は名前はいいです。その箱に料理を入れて、番号札を持って行ってください。113番ね」
何だか受付の係の方に、軽くあしらわれてしまいました。113番と書かれた箱に、保温ジャーを置きはしましたが心配で御座います。
それから広場の前で、どれくらい待った事でしょうか? 1時間くらいは待ったでしょうか? 周りの参加者の方々も、何だかお疲れの様子です。地面に座り込む人もいれば、まぁ! 横になっている人もいるじゃありませんか! ……あら? よく見てみると、横になっている人は、じぃじで御座いましたね。待ちくたびれたので御座いますね。……そんなじぃじに目を落としていると、ようやく先程の受付の方が出てまいりました。
「……それでは、これから予選通過者を番号で呼びます。呼ばれた人は会場に進んでください。ただし会場に入れるのは、付き添いの者を入れて5人までです」
あら? 5人だけで御座いますか。私、ウーグルさん、ルラちゃん、探偵さん、レオンさん。ちょうどで御座いますね。見回し確認したのですが、横になっているじぃじを忘れておりました。
「5人と言っていたので、私はここでお待ちしております」
レオンさんで御座います。私が悩むまでもなかったですわね。
「……では、発表します」
いよいよで御座います。ドキドキ、ドキドキで御座います。
「……えーっ。8番、31番、34番、50番号、67番、71番、96番、102番、112番」
まだ呼ばれません。ドキドキ、ドキドキで御座います。
「えーっ、最後が113番。今、呼んだ10組は速やかに会場に移動してください。呼ばれなかった人は、残念ですがここでお帰りいただきます」
「……じぃじ。起きてください。会場へ移動致しますわよ」
まずは第一関門突破で御座います。ですが、ここからが本番で御座います。予選を突破したと言う事は、皆さん強者揃いと言う事ですもの。……私、荒井光江、齢64。ここからが腕の見せ所で御座います。
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