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彼の父2
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ルクスが汗を流すのを待って、三人での食事となる。
久し振りに対面する父子と同席となり、クレハは緊張の極みだ。
上座にルクスが座り、ノアとクレハは向かい合う席で座っている。
思わずクレハは、フォークとナイフを握る手が震えてしまいそうになった。
だがこの屋敷へ来てからノアがテーブルマナーを教えてくれたので、無様なことにはならなかったと思う。
食事が終わったあとに紅茶が運ばれ、それを上品に飲みながらルクスはまず自分のことを話し出す。
「ノアから聞いているかと思いますが、私はこの国の外務大臣をしておりまして、今回も外交があって隣国へ行っていました。妻は病気で亡くし、イーサンにノアのことを任せている状態です」
「ご立派なお仕事です」
クレハは微笑み、自分のことも改めて簡単に話す。
「私は王立大学に通っています。一般家庭の人間なので、普通なら大学へ通うお金はありません。ですが、成績優秀者に許された特権を使って、なんとか学ばせて頂いています」
「ほう、クレハさんは勤勉な方なのですね」
感心したように言われるとどこか面映ゆく、クレハははにかんで視線を落とす。
「数年前から母子家庭になってしまいました。なので沢山学んでいい職に就いて、母を楽にさせてあげたいと思っています」
「あぁ、それもノアの手紙にありました。お父上を亡くされてさぞ寂しい思いをされているでしょう。お察し致します。それでも気落ちせず、前を向いて学び続けようという姿勢には、感服します」
「……ありがとうございます……」
どうにも上品なルクスに褒められると、未来のノアに褒められているような気持ちになってしまう。
テーブルの下でもじもじと指を絡めているクレハを、ノアはじっと見つめていた。
「教育課なら、仮教育制度などもありますよね。それがうちのノアに当たったりなどの関係なのですか?」
どうやらルクスは、クレハが屋敷にいる理由までは詳しくは聞いていないようだ。
クレハはチラッとノアを見てから返事をする。
「私の仮教育のお相手は、オーウェン王子ということになっています」
ルクスの方を見て話をしているが、視界の中でノアはまっすぐにこちらを見つめているのが分かる。
粘着と言ってもいいほどの強い視線に、クレハはオーウェンという名を口にするだけで申し訳なくなってしまう。
「あぁ、あなたは凄い運の持ち主ですね。もしかしたら勤勉なのが認められての結果かもしれない」
「いえ……」
謙遜したクレハは微笑するが、やはりノアの視線が気になってしかたがない。
「彼女は将来、すべての学びたい者が、平等に教育を受けられる場所を作りたいと思っているそうです。僕も微力ながらその手伝いができればと思っています」
この場に姿のないオーウェンに嫉妬しつつも、ノアが補足する。
ルクスは「ほう」と目を瞠って頷いた。
「本当に素晴らしい志をお持ちだ。やはりそれは、高等教育者として実績を積んでからの、未来のビジョンですか?」
「はい、いつか……の夢ですが」
照れて頬を緩めつつも、クレハはルクスの顔をちゃんと見て話をする。
と、そんなクレハの足にトンと当たるものがあった。
何だろう? と思うと、正面に座っているノアが薄っすらと笑っている。
そのままノアの爪先はツ……とクレハの足首から脛へ上がり、ドレスの裾をめくり上げて膝へと到達する。
(ノアさま……?)
ルクスもいる場なのに、とクレハが困惑していても、ノアのつま先はお構いなしにクレハの膝の間へ入ってくる。
「そうだ、隣国の銘菓をノアの土産に買って来たんです。ご一緒にどうです? 少し甘さの強い菓子なので、コーヒーと一緒だと楽しめるでしょう」
「ありがとうございます」
ルクスはまさか息子が、テーブルの下でクレハに悪戯をしているとは気付いていない。
志のある女性としてクレハを気に入り、菓子を勧めクレハもその好意に甘える。
いつルクスに気付かれるとも分からない。
そんなスリルに冷や汗をかきながら、クレハは精一杯上品に微笑んでみせた。
晩餐室に控えていたイーサンは、ルクスの言葉を聞いてすぐにメイドに耳打ちをした。
菓子とコーヒーの用意をするようにとのことだろう。
それが届くあいだも、三人の話は続く。
「それはそうと……ノア。随分とクレハさんに好意を寄せているということを、手紙に書いてあったが……」
琥珀色の目の奥に「これが本題だ」というような色を乗せ、父が息子を見る。
さすがにノアの足の動きは止まり、クレハも背筋を伸ばした。
「ええ、僕とクレハは恋人ですから」
直接的な言い方にクレハは一気に緊張し、視線すらもぎこちなくなってしまう。
ギギギッとクレハの視線が向けられた先で、ルクスは「ふむ」というように顎に手を当て、二人を見ていた。
「あの……」
不安そうに目を揺らして何か言いかけるクレハの膝を、ノアのつま先がトンと叩いた。
ハッと視線をノアに向けると、泰然自若という様子のノアはじっとクレハを見つめている。
まるで「何も言わず僕に任せるんだ」と言っているようだ。
そんな無言のやりとりを、ルクスはじっと見ている。
「恋人……というには、そう言うだけのことを何かしたということか?」
父が息子に問う。
ルクスの視線がノアに向けられているあいだ、クレハは顔を赤くして俯いていた。
「そうですね。僕も秋には大学に通う年齢になりますから。好きな女性ぐらい自分で選びたいです」
ノアの言葉はすでに自立しようとしているものだ。
ルクスはノアの言葉にも一理あると思ったのか、しばらく口を閉ざして二人を見ている。
痛いほどの沈黙がしばらく続いた。
クレハが耳を塞ぎたいと思ったころ、コーヒーの香りと共に先ほどルクスが言っていた菓子がテーブルに置かれる。
「クレハさん、甘い菓子が苦手でなければどうぞ」
「……いただきます」
ギュッと口を閉ざしていたからか、クレハの口の中は乾いてしまっていた。
目の前に出されたコーヒーを一口飲み、ほろ苦い香りを鼻から抜けさせるとホッと気持ちが安らいだ気がする。
小さな皿にはスライスされたヌガーのような物が数枚乗せられていて、ナッツらしきものが混じったそれを口に入れると、濃厚なカカオの味がした。
「……美味しい」
思わず呟くと、ルクスは目元を緩めた。
「やはり女性は甘いものがお好きなようだ。ノアは甘い物はあまり食べないので、良かったです」
「父上、僕が甘いものをあまり食べないと知っていたのなら、どうして僕にと土産を買ってくるんです」
呆れたようにノアは息をつき、コーヒーを一口飲む。
「……ノアさま。ルクスさまは、ほんの少しでもノアさまに旅先で食べた美味しいものを、分かち合いたいと思ったのではないでしょうか?」
ふとクレハは死んだ父のことを思い出し、そう言ってみる。
クレハの父も仲間の猟師と一緒に遠くまで猟をしに行くことがあった。
そこで見つけた木の実やキノコなど、他の荷物もあるだろうにわざわざ持って帰っていたのだ。
日に焼けた顔でニッと笑い、「重たかった~」と言いながら荷物を下ろす父を、クレハもかつては呆れた顔で見ていた。
だが父を亡くしてから、ようやくその行為が「子供に美味しいものを食べさせたい」という気持ちだったと気付いた。
けれど、父がいなくなった後に気付いても、遅すぎることだったのだが。
クレハの言葉にノアは考えてもみなかったという顔で父に視線をやった。
上品に微笑むルクスの顔を見てから、ノアは目の前の菓子を見る。
「……そうかもしれないね、クレハ」
そして、そう呟くとあまり得意ではない甘い菓子を一つ口に入れた。
カロン、と口の中で硬い菓子が歯にぶつかって音を立てる。
甘さと苦さが混じった味が広がり、ナッツの香ばしい風味がした。
確かにそれは、コーヒーと一緒に楽しむと美味しい甘さかもしれない。
「……美味しいです。父上」
ノアが呟くと、ルクスはホッと目元を緩めた。
「ありがとう、クレハさん」
「……いいえ。私の父もそうでしたから」
クレハは昔を懐かしむ笑みを浮かべて、緩く首を振る。
その僅かに所作に、彼女の父がもうこの世にはいないということを思い出したのだろうか。ルクスが納得した顔をし、それからなにか考えて穏やかに微笑した。
久し振りに対面する父子と同席となり、クレハは緊張の極みだ。
上座にルクスが座り、ノアとクレハは向かい合う席で座っている。
思わずクレハは、フォークとナイフを握る手が震えてしまいそうになった。
だがこの屋敷へ来てからノアがテーブルマナーを教えてくれたので、無様なことにはならなかったと思う。
食事が終わったあとに紅茶が運ばれ、それを上品に飲みながらルクスはまず自分のことを話し出す。
「ノアから聞いているかと思いますが、私はこの国の外務大臣をしておりまして、今回も外交があって隣国へ行っていました。妻は病気で亡くし、イーサンにノアのことを任せている状態です」
「ご立派なお仕事です」
クレハは微笑み、自分のことも改めて簡単に話す。
「私は王立大学に通っています。一般家庭の人間なので、普通なら大学へ通うお金はありません。ですが、成績優秀者に許された特権を使って、なんとか学ばせて頂いています」
「ほう、クレハさんは勤勉な方なのですね」
感心したように言われるとどこか面映ゆく、クレハははにかんで視線を落とす。
「数年前から母子家庭になってしまいました。なので沢山学んでいい職に就いて、母を楽にさせてあげたいと思っています」
「あぁ、それもノアの手紙にありました。お父上を亡くされてさぞ寂しい思いをされているでしょう。お察し致します。それでも気落ちせず、前を向いて学び続けようという姿勢には、感服します」
「……ありがとうございます……」
どうにも上品なルクスに褒められると、未来のノアに褒められているような気持ちになってしまう。
テーブルの下でもじもじと指を絡めているクレハを、ノアはじっと見つめていた。
「教育課なら、仮教育制度などもありますよね。それがうちのノアに当たったりなどの関係なのですか?」
どうやらルクスは、クレハが屋敷にいる理由までは詳しくは聞いていないようだ。
クレハはチラッとノアを見てから返事をする。
「私の仮教育のお相手は、オーウェン王子ということになっています」
ルクスの方を見て話をしているが、視界の中でノアはまっすぐにこちらを見つめているのが分かる。
粘着と言ってもいいほどの強い視線に、クレハはオーウェンという名を口にするだけで申し訳なくなってしまう。
「あぁ、あなたは凄い運の持ち主ですね。もしかしたら勤勉なのが認められての結果かもしれない」
「いえ……」
謙遜したクレハは微笑するが、やはりノアの視線が気になってしかたがない。
「彼女は将来、すべての学びたい者が、平等に教育を受けられる場所を作りたいと思っているそうです。僕も微力ながらその手伝いができればと思っています」
この場に姿のないオーウェンに嫉妬しつつも、ノアが補足する。
ルクスは「ほう」と目を瞠って頷いた。
「本当に素晴らしい志をお持ちだ。やはりそれは、高等教育者として実績を積んでからの、未来のビジョンですか?」
「はい、いつか……の夢ですが」
照れて頬を緩めつつも、クレハはルクスの顔をちゃんと見て話をする。
と、そんなクレハの足にトンと当たるものがあった。
何だろう? と思うと、正面に座っているノアが薄っすらと笑っている。
そのままノアの爪先はツ……とクレハの足首から脛へ上がり、ドレスの裾をめくり上げて膝へと到達する。
(ノアさま……?)
ルクスもいる場なのに、とクレハが困惑していても、ノアのつま先はお構いなしにクレハの膝の間へ入ってくる。
「そうだ、隣国の銘菓をノアの土産に買って来たんです。ご一緒にどうです? 少し甘さの強い菓子なので、コーヒーと一緒だと楽しめるでしょう」
「ありがとうございます」
ルクスはまさか息子が、テーブルの下でクレハに悪戯をしているとは気付いていない。
志のある女性としてクレハを気に入り、菓子を勧めクレハもその好意に甘える。
いつルクスに気付かれるとも分からない。
そんなスリルに冷や汗をかきながら、クレハは精一杯上品に微笑んでみせた。
晩餐室に控えていたイーサンは、ルクスの言葉を聞いてすぐにメイドに耳打ちをした。
菓子とコーヒーの用意をするようにとのことだろう。
それが届くあいだも、三人の話は続く。
「それはそうと……ノア。随分とクレハさんに好意を寄せているということを、手紙に書いてあったが……」
琥珀色の目の奥に「これが本題だ」というような色を乗せ、父が息子を見る。
さすがにノアの足の動きは止まり、クレハも背筋を伸ばした。
「ええ、僕とクレハは恋人ですから」
直接的な言い方にクレハは一気に緊張し、視線すらもぎこちなくなってしまう。
ギギギッとクレハの視線が向けられた先で、ルクスは「ふむ」というように顎に手を当て、二人を見ていた。
「あの……」
不安そうに目を揺らして何か言いかけるクレハの膝を、ノアのつま先がトンと叩いた。
ハッと視線をノアに向けると、泰然自若という様子のノアはじっとクレハを見つめている。
まるで「何も言わず僕に任せるんだ」と言っているようだ。
そんな無言のやりとりを、ルクスはじっと見ている。
「恋人……というには、そう言うだけのことを何かしたということか?」
父が息子に問う。
ルクスの視線がノアに向けられているあいだ、クレハは顔を赤くして俯いていた。
「そうですね。僕も秋には大学に通う年齢になりますから。好きな女性ぐらい自分で選びたいです」
ノアの言葉はすでに自立しようとしているものだ。
ルクスはノアの言葉にも一理あると思ったのか、しばらく口を閉ざして二人を見ている。
痛いほどの沈黙がしばらく続いた。
クレハが耳を塞ぎたいと思ったころ、コーヒーの香りと共に先ほどルクスが言っていた菓子がテーブルに置かれる。
「クレハさん、甘い菓子が苦手でなければどうぞ」
「……いただきます」
ギュッと口を閉ざしていたからか、クレハの口の中は乾いてしまっていた。
目の前に出されたコーヒーを一口飲み、ほろ苦い香りを鼻から抜けさせるとホッと気持ちが安らいだ気がする。
小さな皿にはスライスされたヌガーのような物が数枚乗せられていて、ナッツらしきものが混じったそれを口に入れると、濃厚なカカオの味がした。
「……美味しい」
思わず呟くと、ルクスは目元を緩めた。
「やはり女性は甘いものがお好きなようだ。ノアは甘い物はあまり食べないので、良かったです」
「父上、僕が甘いものをあまり食べないと知っていたのなら、どうして僕にと土産を買ってくるんです」
呆れたようにノアは息をつき、コーヒーを一口飲む。
「……ノアさま。ルクスさまは、ほんの少しでもノアさまに旅先で食べた美味しいものを、分かち合いたいと思ったのではないでしょうか?」
ふとクレハは死んだ父のことを思い出し、そう言ってみる。
クレハの父も仲間の猟師と一緒に遠くまで猟をしに行くことがあった。
そこで見つけた木の実やキノコなど、他の荷物もあるだろうにわざわざ持って帰っていたのだ。
日に焼けた顔でニッと笑い、「重たかった~」と言いながら荷物を下ろす父を、クレハもかつては呆れた顔で見ていた。
だが父を亡くしてから、ようやくその行為が「子供に美味しいものを食べさせたい」という気持ちだったと気付いた。
けれど、父がいなくなった後に気付いても、遅すぎることだったのだが。
クレハの言葉にノアは考えてもみなかったという顔で父に視線をやった。
上品に微笑むルクスの顔を見てから、ノアは目の前の菓子を見る。
「……そうかもしれないね、クレハ」
そして、そう呟くとあまり得意ではない甘い菓子を一つ口に入れた。
カロン、と口の中で硬い菓子が歯にぶつかって音を立てる。
甘さと苦さが混じった味が広がり、ナッツの香ばしい風味がした。
確かにそれは、コーヒーと一緒に楽しむと美味しい甘さかもしれない。
「……美味しいです。父上」
ノアが呟くと、ルクスはホッと目元を緩めた。
「ありがとう、クレハさん」
「……いいえ。私の父もそうでしたから」
クレハは昔を懐かしむ笑みを浮かべて、緩く首を振る。
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