【CHANGEL】魔界姫マリーと純粋な見習い天使ジャスの不思議な魔界記

黒山羊

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魔界姫

009・使い魔の進む道

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~魔王城・食堂~

食堂で昼食をとるマリーとジャスのところに、1匹の使い魔がやってきた。


「マリー様、ちょっといいですか?」

「ん?
 オコンね。どうしたの?」

「はい、実は徳が溜まったみたいなので、帰魂の儀をしてもらおうと思って。」

「そうなんだ・・・。
 おめでとう、やっと願いが叶うね。
 ・
 ・
 ・私も準備していくから、封霊山で待っててよ。」

「はい、ありがとうございます。」


オコンは寂しげな雰囲気で食堂を後にした。
寂しげなオコンを見送ってから、ジャスがマリーに話しかける。


「マリーさん、オコンさん寂しそうでしたね。」

「う、うん。
 そうだね、寂しくなるね。」

「ネロさんから、マリーさんは何千人も転生させてるって聞いたんですけど、やっぱり寂しいですよね。」

「うん。
 オコンは特別だから・・・。」

「オコンさんが特別?
 昔からの付き合いが長いとかですかね?
 確かに言われてみれば、ハンさんやオコンさんは、語尾にニャンってつけないですよね。
 それと関係があるんですか?」

「2人が語尾にニャンってつけない理由は、悪魔と契約したからよ。」

「悪魔と契約?」

「ええ、ハンは私と、オコンはエイルシッドと契約していたの。
 他の使い魔たちとも契約してあげたいんだけど、契約ができる使い魔は、悪魔1人につき1匹だけって決まってるから、全員と契約することはできないんだけどね。」

「それで話し方が他とは違うんですね。」
(きっとマリーさんも お父さんと契約していた使い魔さんが転生するのって、寂しいですよね。)


食後のデザートを食べ終わったマリーは、席を立ち、帰魂の儀の準備をするために食堂をあとにする。
ジャスもデザートを食べ終わり、ドン・キホーテの火傷の様子を見に病室へと向かった。





~魔王城・病室~

病室に入ると、ドン・キホーテと 治療を担当している使い魔が楽しそうに話をしていた。

「ドン・キホーテさん、火傷の具合はどうですか?」

「おお、天使様!
 マリー様が持ってきた薬を呑んだとたん、火傷の痛みも感じなくなりましたゾイ!」

「マリーさんがですか?」

「そうニャン。
 マリー様は、虹色に光る薬をドン・キホーテさんに飲ませたニャン。
 そしたら、ドン・キホーテさんの顔色が みるみるよくなって、かなり回復したニャン!」

「それはよかったですね。
 でも、そんな薬があるなら、栄養食品の開発なんてしなくてよかったのに・・・。」

「いやいや、天使様、あの薬は年に数滴しか取れない貴重な品と聞いております。
 それを そこの小瓶に1本くれたのですから、量産など無理な話だったと思いますゾイ!」

ドン・キホーテが指さす机の上に、小さめの小瓶が置いてあった。
その小瓶のそこには、わずかに虹色に美しく光る液体が残っていた。

「不思議な色の薬ですね。
 なんで虹色に光ってるんだろう?」

「たしかに不思議な液体ですな。
 ナオアキ殿は ご存知かな?」


ナオアキと呼ばれた治療を担当している使い魔も首をかしげながら答える。

「俺もまだ、ここにきて日が浅いから分からないニャン。
 マリー様に直接 聞いてみるのが早いと思うニャン。」

「そうですね。
 でも、マリーさんは帰魂の儀の準備で忙しそうだったから、それが終わってから聞いてみます。」

「帰魂の儀・・・。
 誰か消滅を選んだのかニャン?」

「消滅?」

「そうニャン。
 帰魂の儀は、徳を貯めた使い魔が、その魂を神に帰す儀式ニャン。
 ・・・ようするに、消滅するってことニャン。」

「そんな・・・。
 せっかく罪を償ったのに、消滅を選ぶなんて間違ってます!
 転生して新たな人生を歩むべきです!
 私、マリーさんにオコンさんを説得するように話してきます!」


ジャスは ドン・キホーテたちに軽く会釈すると、病室を飛び出し、マリーの部屋へと急いだ。
マリーの部屋に向かう途中、偶然にもオコンと遭遇した。
オコンは 魔王城にいる仲間たちに最後の別れをして回っていたようだった。

「あっ!
 オコンさん!
 探してました!」

「ジャスちゃん、どうしたんだい?」

「オコンさん、帰魂の儀のこと、他の使い魔さんに聞きました。
 どうして消滅なんて選ぶんですか!?」


「・・・そうさね。
 あたいの犯した罪が重すぎて、あたいが あたいを許せないからかね。」

「オコンさんは、徳を貯めて罪を償ったじゃないですか!
 何故それなのに、自分を責め続けるんですか!
 もう自分を許してあげればいいじゃないですか!
 それに、人間に転生すれば いままでの記憶を忘れて、一から再出発できるんですよ!」

「ジャスちゃん、それじゃダメなんだよ。
 あたいは幸せになったらダメな女なんだよ。」

「何がダメなんですか?
 幸せになったらいけない人なんていません!
 人間は親に愛され、家族に愛され、友に愛される。
 みんな平等に幸せになる権利があります。
 この世に愛されずに生まれる命はないんです!
 次、転生すれば、オコンさんだって幸せになれるはずです!」


「・・・ジャスちゃん。
 これが私の選んだ正義なんだ。
 ジャスちゃんとは違う正義。
 納得しておくれよ。」

「嫌です!
 誰も幸せにならない正義なんて納得できません!」


ジャスは熱くなり、声が大きくなる。
その声を聞き、マリーとハンが駆けつけた。
マリーは とっさに2人の間に割って入った。

「ジャスちゃん、少し落ち着いてよ。
 どうしちゃったの2人とも?」

「マリー様、何でもないです。
 お互いの信じる正義の違いで 少しだけ衝突しただけです。
 もう準備が出来たのであれば、一緒に封霊山に向かいませんか?
 最期にマリー様と話もしたいので。」


ジャスは 自分の考えと違う正義を貫くオコンに納得がいかない様子だ。
説得することが出来なかった悔しさからなのか、目に涙を浮かべ、唇を噛みしめている。
そんなジャスに気を掛けながらも、マリーは最期に話がしたいと言ったオコンに同行し、封霊山に一緒に向かうことにした。

残されたジャスに、ハンが声を掛ける。

「俺は 他の使い魔より耳がいいッス。
 さっきの話、聞こえてたッス。」

「ハンさん。
 なぜ、オコンさんは消滅を選ぶんでしょうか?
 なぜ、転生し生きようとしないんでしょうか?
 なぜ、生きることを辞めてしまうんでしょうか?
 そんなに人間の暮らしが辛いんでしょうか?
 なぜ・・・。」


「ジャスさん、それはオコンの考える事ッス。」

「でも・・・。」


ジャスも、頭では分かっていても、なかなか納得できずにいた。
そんなジャスに、しばらく考え事をしていたハンが口を開く。

「ジャスさん、あまり人の過去の罪を話すもんじゃないッスけど、
 ジャスさんには 知っておいてもらいたい話があるッス。」

「いったい何の話ですか?」

「いまから話すことは、忘れないでほしいッス。
 オコンが 人間だったころ、最初で最後に犯した、罪の話ッス。」


~・~・~・~・~

その昔、とある村に、若く美しい娘がいた。
その娘は長年連れ添った男性と結ばれ、美しい娘は 妻となった。
夫婦は 貧しいなりにも幸せに暮らしていた。
しかし、なかなか子宝に恵まれず、今年で最後だと諦めかけていたとき、無事に懐妊したそうだ。

その後、二人の間に赤子が生まれてからというもの、
夫は 仕事が終われば家に飛ぶように帰ってきて、家族で幸せな時間を過ごした。
妻は まだ生まれて間もない赤子の為に 自分の服を生地にし、赤子の為に服を縫う。
まさに幸せの絶頂だった。

だが、その幸せは徐々に崩れていくこととなる・・・。
天明3年7月6日、近くの山が噴火し、辺り一面に火山灰が降り注ぎ、農作物は枯れてしまい食料不足に陥った。
もともと不作が続いていた村だったので、夫婦たちも すぐに食べるものがなくなり、妻も ついに母乳がでなくなってしまった。
母乳がなければ、赤子は腹を空かせて死ぬ。
しかし、夫婦の食べるものもなく母乳は出ない。
苦しんで死ぬより、苦しまずに死ぬ方が幸せだと夫婦は死を決意する。
まだ幼い赤子に濡れた布をかぶせた。
顔を塞がれ泣くこともなく、赤子は妻の腕の中で静かに息を引き取った。
我が子の死を確認し、夫婦はお互いの胸を刃物で突き刺し、この世と別れを告げた・・・。

~・~・~・~・~

「母親に殺された子供は、霊魂となって魔界を彷徨い続けるッス。
 母親が罪を償い転生したとしても、母親に殺された子供の霊魂は 母親の愛を探して彷徨い、転生することはないッス。
 母親に殺された子供の霊魂を救う唯一の方法が、徳を溜めた使い魔が帰魂の儀で消滅するときに一つだけ叶えられるという最期の願いッス。
 最期の願いで、子供の霊魂の開放を願えば、彷徨える子供の霊魂を神様が救ってくれるッス。
 だから、オコンは帰魂の儀を選んだッス。
 これは、オコンの選んだ正義ッス。」




「・・・。
 私、オコンさんに酷いことを言ってしまいました。
 出来る事なら、オコンさんに謝りたいです。
 ハンさん、封霊山って何処にあるんですか!?」

「マリー様たちは、飛竜に乗っていったッス。
 走って追いかけても絶対に間に合わないッスよ。」

「私、自分の羽で飛びます!」

「無茶ッス!
 天使の羽では魔界の空は飛べないッス!」
【※天使の羽は、穏やかな天界を飛ぶのに適した 小さめの羽で、常に暴風の吹き荒れる魔界の空を飛ぶことは出来ない。
 魔界の空を飛ぶためには、神々や竜、堕天使など持つ強力な翼が必要である。】


「でも、私・・・。」

「・
 ・
 ・
 ジャスさん、俺が知り合いに頼んでみるッス。
 その知り合いに頼めば、もしかすると間に合うかもしれないッス。」

「本当ですか!
 ハンさん、是非お願いします!」


ハンは、ジャスの瞳をじっと見つめる。

「ただ、ひとつだけ約束してほしいッス。
 俺が紹介する知り合いのことは誰にも話さないでほしいッス。
 もちろん、マリー様や天界に帰った後でもッス。
 約束してもらえるッスか?」

「はい、約束します。」

「分かったッス。
 俺、すぐに頼んでくるッス。
 ジャスさんは城の裏門に急ぐッス。
 そこに青い狼が現れたら、背中に乗るッス。
 青い狼は 魔界の風より速いッスから振り落とされないように しっかりと首にしがみつくッス。」

「分かりました!」


ジャスは言われたとおり、魔王城の裏門に急ぐ。
裏門を出ると、ジャスの目の前に一匹の青い狼が現れた。
青い狼は普通の狼よりも大きく、ジャスが背にまたがってもビクともしない。
ジャスは ハンに言われた通り、青い狼の首にしがみつく。
青い狼は ジャスがしがみついたのを確認すると、風のように走り始め、空を飛ぶ飛竜さえも追い抜いてしまうほどの速度で、北に向かい走り出した。
10分ほど走ったろうか、青い狼は山を登りきり、山頂の神殿付近まで来ると走るのをやめ、その場に座り込む。
どうやら ここからはジャスが自分の足で歩くしかないようだ。

「オオカミさん、ありがとうございます。」


ジャスは 青い狼にお礼を述べ、山頂の神殿へと急いだ。
神殿の前につくと、そこに神殿を見つめるマリーの姿を見つける。


「マリーさーん!」


マリーはジャスの声に気づき、マリーの方へと振り向く。
ジャスはマリーの元へと駆けつけた。
周囲にオコンの姿は見当たらない。
どうやら先に神殿に入ってしまったようだ。

「マリーさん、私 オコンさんに謝りたくって。
 オコンさんは もう中に入ってしまったんですか?」

「ジャスちゃん。
 ・
 ・
 ・コレ、オコンから。」


マリーは手に持っていた古びた人形をジャスに手渡す。
人形は、小さな女の子を模してある人形で、オコンが大切にしていたのだろう。
古びているが、とても綺麗にしてあった。


「この人形は・・・。」


「オコンが大切に持っていた人形だよ。
 ・
 ・
 ・
 オコンが言ってたよ。
 もし娘の魂が転生して生まれ変わるときは、ジャスちゃんみたいに まっすぐで優しい母親の子として生まれ変わって、幸せになってほしいって。
 それから、ジャスちゃんに ありがとうって。」


ジャスの目から涙があふれてくる。


「私、オコンさんに酷いことを言ったのに。
 オコンさんに ちゃんと謝りたかったのに。
 マリーさん、私・・・。」

「ジャスちゃん・・・。」


マリーは、むせび泣くジャスを強く抱きしめた。

「マリーさん、私、私・・・。」



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