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大魔王
049・天界の勇者
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ジャスたちが扉を押すと、すっと扉が開き、中から聞き覚えのある嫌な声が聞こえてくる。
「おやおや、大魔王ロロノアに魔王マダム・オカミ。
貴様たちから来てくれるとは、好都合だわい。」
扉の先にいたのは、天使長官ベルゼブイその人であった。
その背後には、巨大な水晶と、その中に封印されるように閉じ込められた神々しい炎の火種があり、
ベルゼブイの手の中には、美しく光輝く光の球と、禍々しい黒い球が持たれていた。
魔王マダム・オカミはベルゼブイの手に握られた黒い球をみると、睨み付けるように身構えた。
「ほほう、魔王マダム・オカミは、この球を知っているのか?」
「ええ、嫌な思い出だけどね。」
「すると、貴様、エイルシッドの配下・・・使い魔モモだな。」
「やっぱりな。
・
・
・
テメー、その玉を使って何しようってんだ。返答によっちゃ、跡形もなくぶっ飛ばすぞ!!」
「ぐふふっ、相変わらず威勢だけはいいな。
だが、もう遅い。貴様に わしを吹き飛ばすほどの力などないわ。」
「クソヤローが!
使わせるか!」
間髪入れず、天使長ベルゼブイに飛びかかるマダム・オカミの放った拳は、完全にベルゼブイをとらえる。
ドゴス!
拳の衝撃が周囲に衝撃波となって伝播する。
それだけの一撃を顔面で受けながらも、ベルゼブイはビクともしない。
「ぐふぐふぐふっ、世界樹の魔力を宿した天使に、魔王風情が勝てるとでも思ったのか。
天使は本来、魔力をやり取りする能力に長ける種族。同性同士で身籠ることができるだけの ひ弱な種族だと思ったのか。」
「そんなこと、知らないし興味ないわ。
それに、まだまだ本気はコレからよ!」
マダム・オカミは更に踏み込み、全身の力を込め2発目をベルゼブイの腹部にねじ込む。
ドゴォ!
先ほどとは比べ物にならないほどの衝撃波がジャスたちを襲うが、ベルゼブイは何食わぬ顔をしている。
「無駄だと理解しろ。」
ベルゼブイが虫を追い払うように軽く手を振ると、激しい灼熱がマダム・オカミを襲う。
「ぎゃー!!!」
炎の直撃を受け、マダム・オカミは全身を炎に包まれる。
ジャスやノーサたちは、慌ててマダム・オカミの炎を消化する。
なんとか消化し終わると、ノーサは治療の為に水の魔法を詠唱し始める。
その炎を見ていた、大魔王ロロノアとハンは、動けずにいた。
「ま、まさか、いまの炎は・・・。」
「その、まさかッス。
・
・
・
エイルシッド王の炎ッス。」
「ぐふふっ、ご名答。
此度、無事に世界樹を回収できたことで、わしの魔力を大幅に強化することに成功した。
さらに!
この魔力をもって、エイルシッドの炎を取り込むことに成功したのだ。認めたくないが、奴が天魔界最強であったことは事実。
しかし、その炎も今では、わしの支配下にある。
つまり、
・
・
・
わしが、天魔界最強の天使、、、いや、大魔王、、、いや。
・
・
・
神である!」
「邪神め!」
大魔王ロロノアは、恐怖に震える心を気迫で押さえつけ、神を名乗るベルゼブイに正義の牙で襲い掛かる。
「ぐ、ぐぅぅ!」
ロロノアの正義の牙は、ベルゼブイの肩に深くめりこんでいる。
のだが・・・。
「無駄だと学習しろ。
我が肉体は、世界樹とエイルシッドの魔力を含んでおる。並大抵の攻撃ではビクともせんわ!」
ベルゼブイは、ロロノアの喉元を鷲掴みにすると、肉に食い込む牙を折り、まるで子犬の人形を振り回すかのように必要以上に乱暴に振り回し壁に向かって投げつける。
「ぐはぁぁああ!」
「死ね。」
ベルゼブイの放った炎が、倒れこみ気を失っているロロノアに向けて放たれた。
「獣王!」
魔戦長ベッチは、ロロノアを庇うように炎の前に、たちふさがった。
死を覚悟したベッチと気を失っているロロノアを、蒼き狼と化したハンが飛び出して行き 二人を咥えて投げ飛ばし、なんとか直撃を免れた。
「アオォォン。」
ハンが何か吠えると、ベッチはロロノアにしがみ付き指標玉を起動する。
「ハンの兄貴、すまねえ。」
二人の姿が消え、我に帰ったノーサがジャスに声をかける。
「ジャス、マダム・オカミは任せてほしいの。
ジャスも指標玉を起動して早く逃げ帰るの!」
「あ、で、でも・・・。」
「でも、じゃないの!
あれは危険なの、私たちで敵う敵ではないの!」
ノーサは、一命をとりとめたマダム・オカミに触れ、指標玉を起動した。
「は、はい。わかりました。
ハンさん、魔王城で会いましょうね!」
ジャスも指標玉を起動する。
「おのれ、逃がすか!
悪魔も天使も、生きとし生けるもの全てが わしの糧だー!」
狂気にとりかれたベルゼブイは、3人の方に向けて炎を召喚し始める。
それに気づいたハンが、ベルゼブイに襲い掛かる!
「ハンさーん!!!」
ノーサとマダム・オカミ、ジャスは揃って魔王城へと帰還した。
しかし、その後 ハンは帰還することはなかった・・・。
→050へ
「おやおや、大魔王ロロノアに魔王マダム・オカミ。
貴様たちから来てくれるとは、好都合だわい。」
扉の先にいたのは、天使長官ベルゼブイその人であった。
その背後には、巨大な水晶と、その中に封印されるように閉じ込められた神々しい炎の火種があり、
ベルゼブイの手の中には、美しく光輝く光の球と、禍々しい黒い球が持たれていた。
魔王マダム・オカミはベルゼブイの手に握られた黒い球をみると、睨み付けるように身構えた。
「ほほう、魔王マダム・オカミは、この球を知っているのか?」
「ええ、嫌な思い出だけどね。」
「すると、貴様、エイルシッドの配下・・・使い魔モモだな。」
「やっぱりな。
・
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・
テメー、その玉を使って何しようってんだ。返答によっちゃ、跡形もなくぶっ飛ばすぞ!!」
「ぐふふっ、相変わらず威勢だけはいいな。
だが、もう遅い。貴様に わしを吹き飛ばすほどの力などないわ。」
「クソヤローが!
使わせるか!」
間髪入れず、天使長ベルゼブイに飛びかかるマダム・オカミの放った拳は、完全にベルゼブイをとらえる。
ドゴス!
拳の衝撃が周囲に衝撃波となって伝播する。
それだけの一撃を顔面で受けながらも、ベルゼブイはビクともしない。
「ぐふぐふぐふっ、世界樹の魔力を宿した天使に、魔王風情が勝てるとでも思ったのか。
天使は本来、魔力をやり取りする能力に長ける種族。同性同士で身籠ることができるだけの ひ弱な種族だと思ったのか。」
「そんなこと、知らないし興味ないわ。
それに、まだまだ本気はコレからよ!」
マダム・オカミは更に踏み込み、全身の力を込め2発目をベルゼブイの腹部にねじ込む。
ドゴォ!
先ほどとは比べ物にならないほどの衝撃波がジャスたちを襲うが、ベルゼブイは何食わぬ顔をしている。
「無駄だと理解しろ。」
ベルゼブイが虫を追い払うように軽く手を振ると、激しい灼熱がマダム・オカミを襲う。
「ぎゃー!!!」
炎の直撃を受け、マダム・オカミは全身を炎に包まれる。
ジャスやノーサたちは、慌ててマダム・オカミの炎を消化する。
なんとか消化し終わると、ノーサは治療の為に水の魔法を詠唱し始める。
その炎を見ていた、大魔王ロロノアとハンは、動けずにいた。
「ま、まさか、いまの炎は・・・。」
「その、まさかッス。
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エイルシッド王の炎ッス。」
「ぐふふっ、ご名答。
此度、無事に世界樹を回収できたことで、わしの魔力を大幅に強化することに成功した。
さらに!
この魔力をもって、エイルシッドの炎を取り込むことに成功したのだ。認めたくないが、奴が天魔界最強であったことは事実。
しかし、その炎も今では、わしの支配下にある。
つまり、
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わしが、天魔界最強の天使、、、いや、大魔王、、、いや。
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神である!」
「邪神め!」
大魔王ロロノアは、恐怖に震える心を気迫で押さえつけ、神を名乗るベルゼブイに正義の牙で襲い掛かる。
「ぐ、ぐぅぅ!」
ロロノアの正義の牙は、ベルゼブイの肩に深くめりこんでいる。
のだが・・・。
「無駄だと学習しろ。
我が肉体は、世界樹とエイルシッドの魔力を含んでおる。並大抵の攻撃ではビクともせんわ!」
ベルゼブイは、ロロノアの喉元を鷲掴みにすると、肉に食い込む牙を折り、まるで子犬の人形を振り回すかのように必要以上に乱暴に振り回し壁に向かって投げつける。
「ぐはぁぁああ!」
「死ね。」
ベルゼブイの放った炎が、倒れこみ気を失っているロロノアに向けて放たれた。
「獣王!」
魔戦長ベッチは、ロロノアを庇うように炎の前に、たちふさがった。
死を覚悟したベッチと気を失っているロロノアを、蒼き狼と化したハンが飛び出して行き 二人を咥えて投げ飛ばし、なんとか直撃を免れた。
「アオォォン。」
ハンが何か吠えると、ベッチはロロノアにしがみ付き指標玉を起動する。
「ハンの兄貴、すまねえ。」
二人の姿が消え、我に帰ったノーサがジャスに声をかける。
「ジャス、マダム・オカミは任せてほしいの。
ジャスも指標玉を起動して早く逃げ帰るの!」
「あ、で、でも・・・。」
「でも、じゃないの!
あれは危険なの、私たちで敵う敵ではないの!」
ノーサは、一命をとりとめたマダム・オカミに触れ、指標玉を起動した。
「は、はい。わかりました。
ハンさん、魔王城で会いましょうね!」
ジャスも指標玉を起動する。
「おのれ、逃がすか!
悪魔も天使も、生きとし生けるもの全てが わしの糧だー!」
狂気にとりかれたベルゼブイは、3人の方に向けて炎を召喚し始める。
それに気づいたハンが、ベルゼブイに襲い掛かる!
「ハンさーん!!!」
ノーサとマダム・オカミ、ジャスは揃って魔王城へと帰還した。
しかし、その後 ハンは帰還することはなかった・・・。
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