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あの屈辱的な卒業パーティーの翌日。
わたくしは自室で謹慎を命じられ プンプンしながらベッドの上で足をばたつかせていた。
「きーっ!屈辱だわ!
わたくしの完璧な悪役令嬢ムーブが まさかあんな形で幕を閉じるとは!」
コンコン。控えめなノックの音。
「お嬢様。旦那様がお呼びです」
セシリオの無感情な声。
「なんですって?お父様が?
フン!どうせ叱責でしょう。あのスキャンダルの後始末でもさせられるのね!」
わたくしは(悪役令嬢らしく)ふんぞり返って お父様…ヴォルフ公爵の執務室へと向かった。
「カタリナ」
お父様はわたくしの顔を見るなり 深いため息をついた。
「お前のしでかしたことは聞いている。
パーティーでの醜態…公爵家の名に泥を塗りおって」
「泥ですって?
わたくしは被害者ですわ!あの婚約破棄は王子が一方的に…!」
「お前が『破棄し返す』と言わなければ 王家もまだ体面を保てたものを!
よりにもよって目薬で転ぶとは…!」
(やっぱりバレてた!)
「陛下もご立腹だ。
エドワード王子の婚約破棄は王子の落ち度。だが カタリナ お前のその後の行動は公爵令嬢としてあるまじきこと」
「それで?わたくしはどうなるのです?
修道院にでも幽閉されますの?」
(それはそれで『悲劇の令嬢』としてアリだわ…!)
わたくしが少しワクワクしていると お父様が苦虫を噛み潰したような顔で言った。
「…王家からの沙汰だ。
カタリナ・フォン・ヴォルフは 王都を離れ 辺境のヴォルフ領にて謹慎すべし」
「へんきょう…」
「そうだ。叔父上が治めている あの何もない土地だ。
頭が冷えるまで 王都には戻るな とのことだ」
(へんきょう…きんしん…)
わたくしは頭の中でその言葉を反芻する。
(婚約破棄されて…辺境に追放…)
(……それって)
「悪役令嬢のテンプレだわ!!」
わたくしは思わず叫んでいた。
「は?」
お父様が怪訝な顔でわたくしを見る。
「やったわ!やったのよお父様!
わたくし ついに悪役令嬢として完璧なルートに乗ったわ!」
「カタリナ お前何を言っているんだ。頭でも打ったのか」
「違いますわ!
辺境追放こそ 悪役令嬢が真の力を覚醒させる舞台!
わたくし 辺境で軍隊を作って 必ずや王都に攻め入って見せますわ!」
「馬鹿者!反逆罪で一族郎党処刑されるわ!」
お父様が血相を変えて叫ぶ。
いけない。本音が早すぎたわ。
「じょ 冗談ですわよお父様!
わたくしはただ 頭を冷やしてまいります と言いたかっただけですわ!」
「……本当か?」
「本当ですとも!」
わたくしは完璧な淑女の笑み(のつもり)を浮かべる。
「分かりましたわ。謹んで辺境へ参りましょう。
ついては セシリオも連れて行ってよろしいですわよね?」
「…あぁ。セシリオがいれば お前がこれ以上馬鹿なことをするのも防げるだろう」
(失礼しちゃうわ!)
こうして わたくしの辺境行きは正式に決定した。
わたくしはスキップせんばかりの勢いで自室に戻る。
「セシリオ!聞いたわね!辺境よ 辺境!」
「はい。扉の外で全て」
「荷造りを手伝いなさい!悪役令嬢の新たなる門出よ!」
わたくしはクローゼットを全開にし ドレスを次々と引っ張り出す。
「まずはこの真紅のドレス!悪役と言えば赤よ!」
「お嬢様。辺境は土埃がすごいです。赤は汚れが目立ちます」
「じゃあこっちの漆黒のドレス!闇に紛れるのに最適よ!」
「…夜会でも?」
「うるさいわね!雰囲気よ 雰囲気!」
わたくしはドレスをトランクに詰め込みながら 次なる「必需品」を探す。
「あったわ!これよこれ!」
わたくしが取り出したのは 埃をかぶった怪しげな仮面。
黒い羽と紫の宝石(偽物)があしらわれた いかにもなデザインだ。
「『呪いの仮面』よ!これをつけた者はわたくしの言いなりになる…はず!」
「お嬢様。それは先日 アカデミーの学園祭の演劇で使った小道具では」
「ち 違うわよ!これは本物の呪いの…!」
「裏に『演劇部 備品』と書いてありますが」
「……」
わたくしは仮面をそっとトランクの底に隠した。
「こっちよ こっちが本命!」
わたくしがベッドの下から引きずり出したのは 分厚い革張りの本。
「『禁断の黒魔術大全』よ!これで辺境の魔物を呼び出して…」
「お嬢様。それは中身が白紙のスケッチブックだったかと。
以前 わたくしの似顔絵(デフォルメしすぎた怪物)を描いていたのを拝見しました」
「なっ!見てたの!?」
「ええ。芸術的センスは皆無かと」
「朴念仁!騎士のくせに口が減らないわね!」
わたくしはスケッチブックもトランクに叩き込む。
「いいのよ!形から入るのが大事なの!
悪役令嬢は アイテムが揃ってこそだわ!」
わたくしはさらに棚を漁り 怪しげな小瓶をいくつも取り出す。
「『一瞬で相手を眠らせる秘薬』!」
「それはお嬢様が寝付けない時に飲んでいる蜂蜜水かと」
「『真実を白状する薬』!」
「ただのハーブティーですね」
「『飲むと一日中笑いが止まらなくなる薬』!」
「…それはただの砂糖水です」
「なによ!わたくしだって命に関わる毒物とかは持ちたくないのよ!」
「でしたら なぜ持っていこうと?」
「悪役令嬢のたしなみよ!」
わたくしが荷造り(という名のガラクタ集め)を続けていると
セシリオがため息交じりに 必要な日用品や簡素なドレスを選別し始めた。
「あ!セシリオ!それはダメよ!」
「お嬢様。これは?」
セシリオが手に取ったのは 簡素な乗馬服だった。
「辺境に行くのでしょう?ドレスよりこちらの方が実用的です」
「わたくしは馬になんて乗りませんわ!
悪役令嬢は 優雅な馬車でふんぞり返っているものよ!」
「辺境の道は整備されておりません。馬車では馬が先に参ってしまいます」
「む…」
「それに お嬢様は辺境で軍隊を作ると仰っていたのでは?」
「そ そうよ!」
「でしたら 馬くらい乗れなくては兵士に示しがつきません」
「…た 確かにそうだわ!」
わたくしはセシリオの言葉に(不本意ながら)納得した。
「いいでしょう!その乗馬服も入れておきなさい!
辺境に着いたら まずは馬を乗り回して わたくしの権力を見せつけてやるわ!」
「(…また転ばなければいいが)」
「今 何か言った?」
「いいえ。何も」
セシリオは無表情のまま 黙々と荷造りを続ける。
その手際があまりに良いため わたくしの「悪のアイテム」はことごとくトランクから弾き出されていく。
「ちょっと!それも必要よ!わたくしの『暗黒マント』!」
「ただの黒いカーテンです」
「キーッ!」
こうして わたくしの(ズレた)辺境追放ライフの準備は
セシリオの冷徹な仕分けによって 着々と進んでいくのだった。
わたくしは自室で謹慎を命じられ プンプンしながらベッドの上で足をばたつかせていた。
「きーっ!屈辱だわ!
わたくしの完璧な悪役令嬢ムーブが まさかあんな形で幕を閉じるとは!」
コンコン。控えめなノックの音。
「お嬢様。旦那様がお呼びです」
セシリオの無感情な声。
「なんですって?お父様が?
フン!どうせ叱責でしょう。あのスキャンダルの後始末でもさせられるのね!」
わたくしは(悪役令嬢らしく)ふんぞり返って お父様…ヴォルフ公爵の執務室へと向かった。
「カタリナ」
お父様はわたくしの顔を見るなり 深いため息をついた。
「お前のしでかしたことは聞いている。
パーティーでの醜態…公爵家の名に泥を塗りおって」
「泥ですって?
わたくしは被害者ですわ!あの婚約破棄は王子が一方的に…!」
「お前が『破棄し返す』と言わなければ 王家もまだ体面を保てたものを!
よりにもよって目薬で転ぶとは…!」
(やっぱりバレてた!)
「陛下もご立腹だ。
エドワード王子の婚約破棄は王子の落ち度。だが カタリナ お前のその後の行動は公爵令嬢としてあるまじきこと」
「それで?わたくしはどうなるのです?
修道院にでも幽閉されますの?」
(それはそれで『悲劇の令嬢』としてアリだわ…!)
わたくしが少しワクワクしていると お父様が苦虫を噛み潰したような顔で言った。
「…王家からの沙汰だ。
カタリナ・フォン・ヴォルフは 王都を離れ 辺境のヴォルフ領にて謹慎すべし」
「へんきょう…」
「そうだ。叔父上が治めている あの何もない土地だ。
頭が冷えるまで 王都には戻るな とのことだ」
(へんきょう…きんしん…)
わたくしは頭の中でその言葉を反芻する。
(婚約破棄されて…辺境に追放…)
(……それって)
「悪役令嬢のテンプレだわ!!」
わたくしは思わず叫んでいた。
「は?」
お父様が怪訝な顔でわたくしを見る。
「やったわ!やったのよお父様!
わたくし ついに悪役令嬢として完璧なルートに乗ったわ!」
「カタリナ お前何を言っているんだ。頭でも打ったのか」
「違いますわ!
辺境追放こそ 悪役令嬢が真の力を覚醒させる舞台!
わたくし 辺境で軍隊を作って 必ずや王都に攻め入って見せますわ!」
「馬鹿者!反逆罪で一族郎党処刑されるわ!」
お父様が血相を変えて叫ぶ。
いけない。本音が早すぎたわ。
「じょ 冗談ですわよお父様!
わたくしはただ 頭を冷やしてまいります と言いたかっただけですわ!」
「……本当か?」
「本当ですとも!」
わたくしは完璧な淑女の笑み(のつもり)を浮かべる。
「分かりましたわ。謹んで辺境へ参りましょう。
ついては セシリオも連れて行ってよろしいですわよね?」
「…あぁ。セシリオがいれば お前がこれ以上馬鹿なことをするのも防げるだろう」
(失礼しちゃうわ!)
こうして わたくしの辺境行きは正式に決定した。
わたくしはスキップせんばかりの勢いで自室に戻る。
「セシリオ!聞いたわね!辺境よ 辺境!」
「はい。扉の外で全て」
「荷造りを手伝いなさい!悪役令嬢の新たなる門出よ!」
わたくしはクローゼットを全開にし ドレスを次々と引っ張り出す。
「まずはこの真紅のドレス!悪役と言えば赤よ!」
「お嬢様。辺境は土埃がすごいです。赤は汚れが目立ちます」
「じゃあこっちの漆黒のドレス!闇に紛れるのに最適よ!」
「…夜会でも?」
「うるさいわね!雰囲気よ 雰囲気!」
わたくしはドレスをトランクに詰め込みながら 次なる「必需品」を探す。
「あったわ!これよこれ!」
わたくしが取り出したのは 埃をかぶった怪しげな仮面。
黒い羽と紫の宝石(偽物)があしらわれた いかにもなデザインだ。
「『呪いの仮面』よ!これをつけた者はわたくしの言いなりになる…はず!」
「お嬢様。それは先日 アカデミーの学園祭の演劇で使った小道具では」
「ち 違うわよ!これは本物の呪いの…!」
「裏に『演劇部 備品』と書いてありますが」
「……」
わたくしは仮面をそっとトランクの底に隠した。
「こっちよ こっちが本命!」
わたくしがベッドの下から引きずり出したのは 分厚い革張りの本。
「『禁断の黒魔術大全』よ!これで辺境の魔物を呼び出して…」
「お嬢様。それは中身が白紙のスケッチブックだったかと。
以前 わたくしの似顔絵(デフォルメしすぎた怪物)を描いていたのを拝見しました」
「なっ!見てたの!?」
「ええ。芸術的センスは皆無かと」
「朴念仁!騎士のくせに口が減らないわね!」
わたくしはスケッチブックもトランクに叩き込む。
「いいのよ!形から入るのが大事なの!
悪役令嬢は アイテムが揃ってこそだわ!」
わたくしはさらに棚を漁り 怪しげな小瓶をいくつも取り出す。
「『一瞬で相手を眠らせる秘薬』!」
「それはお嬢様が寝付けない時に飲んでいる蜂蜜水かと」
「『真実を白状する薬』!」
「ただのハーブティーですね」
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「…それはただの砂糖水です」
「なによ!わたくしだって命に関わる毒物とかは持ちたくないのよ!」
「でしたら なぜ持っていこうと?」
「悪役令嬢のたしなみよ!」
わたくしが荷造り(という名のガラクタ集め)を続けていると
セシリオがため息交じりに 必要な日用品や簡素なドレスを選別し始めた。
「あ!セシリオ!それはダメよ!」
「お嬢様。これは?」
セシリオが手に取ったのは 簡素な乗馬服だった。
「辺境に行くのでしょう?ドレスよりこちらの方が実用的です」
「わたくしは馬になんて乗りませんわ!
悪役令嬢は 優雅な馬車でふんぞり返っているものよ!」
「辺境の道は整備されておりません。馬車では馬が先に参ってしまいます」
「む…」
「それに お嬢様は辺境で軍隊を作ると仰っていたのでは?」
「そ そうよ!」
「でしたら 馬くらい乗れなくては兵士に示しがつきません」
「…た 確かにそうだわ!」
わたくしはセシリオの言葉に(不本意ながら)納得した。
「いいでしょう!その乗馬服も入れておきなさい!
辺境に着いたら まずは馬を乗り回して わたくしの権力を見せつけてやるわ!」
「(…また転ばなければいいが)」
「今 何か言った?」
「いいえ。何も」
セシリオは無表情のまま 黙々と荷造りを続ける。
その手際があまりに良いため わたくしの「悪のアイテム」はことごとくトランクから弾き出されていく。
「ちょっと!それも必要よ!わたくしの『暗黒マント』!」
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