なんちゃってチートな悪役令息〜イケメン達から逃げ切りたい〜

10.なんちゃってチート？いいえ、完璧チートです！！

今僕はパパの執務室に来ています。
パパはウ～ムとひっきりなしに唸っているし、ママとにぃにはなんだかとっても難しいお顔です。

「あなた、、。エルは、、大丈夫なんでしょうか？」

「望んだものを生み出せる魔法というのは聞いた事がなく、実際どんな能力なのかステータス解放の儀まで詳しくは分からない。だが、この様な異例の事態に関しては王に報告する義務がある。確かなのはこれで益々王宮が囲いたがるし、他国に知られれば誘拐などが今までと比にならないくらい増えるだろうな、、。」

重苦しい雰囲気に僕はもう涙目です…。

「エル。この魔法は今日初めて発動したんだよね？」

「うりゅっ…。はい。。レースがあれば良いなって思って、レースよ出てこいってふざけて考えたらポンッッって。僕、いけない事しちゃったの？」

「あー！違うよ、エル！エルの能力はとても素晴らしい！でもその能力が足枷となってエルから自由を奪わないかパパ達は心配なだけだよ。」

確かに、、。これって俗に言うチート？ってやつなのでは？？ヤバいヤバい！そう考えると良い事尽くめじゃない？魔力は使うけどお金要らずでドレス作る材料が出せるし、この世界にない物も生み出せる！となれば……

「パパ、ママ、にぃに！僕は絶対、自分のお店を開いてみせます！それにこの能力は僕の味方です！大丈夫！もし陛下が何か言ってきてもコッチはもう言質取ってるんだから！それにね、ﾓｼﾞﾓｼﾞ今ママのドレスを作ってるの。完成したら皆に見て欲しいな…？」

ダメっ？*･゜ﾟ･*:.*･'(*⁍̴̆ ω ⁍̴̆*)'･**･･*ｷﾗｷﾗｯ

「「「グッハッ、、！！も、もちろん(よ)！」」」

よかった～～！このままだったらその力は隠しなさいって言われるんじゃってヒヤヒヤしたよ、、。もう僕の中でこの力は僕の夢を叶えるための協力者ポジションにいる訳ですのでね((ヒャッハー！

「では、パパ、ママ、にぃに！ドレス作り途中なので戻りますね♪♪」

ルンルンで作業に戻った僕だけど3日後、王宮にすっ飛んで行く羽目になるのをまだ知らない。