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第三十三話(最終話):星降る夜の誓い
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月の祭壇での出来事から、数年の歳月が流れた。
異世界での生活にもすっかり慣れた私は、かつての頼りなげな少女の面影はなく、心身ともに成長を遂げていた。……と、自分では思っている。
あの日、祭壇で託された『星読みの腕輪』は、今も私の左手首で、静かな輝きを放っている。
そして、私の内に眠っていた『星詠みの力』も、カイ様との厳しい訓練と、腕輪の補助によって、少しずつだけれど、確実に制御できるようになってきていた。
その力は、決して万能ではない。
未来の全てが見えるわけでも、どんな願いも叶えられるわけでもない。
でも、時折、星々の囁きのように、未来の危機の断片を垣間見せたり、瘴気の流れや、魔力の淀みを感知したりすることができた。
私は、その力を、この国のために使うことを選んだ。
カイ様や、国王陛下、そして、かつては私を警戒していた神官たちとも協力し、瘴気が溜まりやすい場所を特定して浄化の手助けをしたり、魔物の異常発生を事前に察知して騎士団に伝えたり……。
大きなことはできないけれど、私にできる精一杯のことで、この世界に貢献したいと思ったのだ。
最初は「外れ」と呼ばれた私が、いつしか「星の乙女」とか、「希望の光」なんて、少し照れくさい呼び名で呼ばれるようになったのは、そんな日々の積み重ねの結果だったのかもしれない。
もちろん、私一人の力ではない。
いつもそばで支え、的確な助言をくれるカイ様、献身的に私をサポートしてくれるリリアさん、そして、私の力を信じ、協力してくれる多くの人々がいたからこそ、今の私があるのだ。
ちなみに、聖女様を追放し、国を混乱に陥れた元宰相親子は、その罪を償うべく、今は辺境の鉱山で厳しい労働に従事していると聞く。
自らが撒いた種とはいえ、その末路は厳しいものだったようだ。
そして、追放された聖女様の消息は、杳(よう)として知れない。
どこかで、新しい人生を歩んでいるのだろうか……。そうであればいいな、と時々思う。
私の生活は、穏やかで、そして、満たされていた。
昼間は、カイ様との訓練や、神官たちとの打ち合わせ、時には、城下に出て、人々の暮らしぶりを見たりもする。
図書室で、異世界の歴史や魔法について、さらに知識を深めるのも、大切な日課だ。
そして、夜。
訓練や公務を終えたカイ様と、二人きりで過ごす時間が、私にとっては何よりも、かけがえのない宝物だった。
私たちは、恋人同士になっていた。
あの、忘却の森からの帰り道、「カイ様と一緒に生きていきます」と告げた私の言葉に、彼は、不器用ながらも、真っ直ぐな言葉で応えてくれたのだ。
「俺も、君のそばにいたい」と。
あの時の、彼の照れたような、それでいて真剣な表情を、私は一生忘れないだろう。
「……また、難しい本を読んでいるのか?」
その夜も、私は自分の部屋の書斎スペース(いつの間にか、そんな場所まで用意されていた)で、古代魔法に関する文献を読んでいた。
すると、背後から、愛しい声がかかる。
「あ、カイ様。お帰りなさい」
振り向くと、そこには、騎士服を脱ぎ、少しラフな格好をしたカイ様が、穏やかな表情で立っていた。
「ただいま。……あまり、根を詰めすぎるなよ」
そう言って、彼は私の隣に座り、私の肩を優しく抱き寄せた。
彼の腕の中は、いつも温かくて、安心できる、私の特別な場所だ。
「だって、まだまだ知らないことばかりなんですもの。それに、カイ様にも、早く追いつかないと」
「……もう、十分すぎるほどだ。君は、本当に強くなった」
彼の言葉は、お世辞ではないと分かっている。
私は、確かに、この世界で、自分の力で立つことができるようになった。
「……それは、カイ様が、ずっとそばで支えてくれたからです」
素直な気持ちを伝えると、彼は、少し照れたように視線を逸らし、そして、私の髪に、優しく口づけた。
「……これからも、ずっと、そばにいる」
その言葉だけで、私の心は、幸せでいっぱいになる。
私たちは、しばらくの間、言葉もなく、ただ寄り添っていた。
窓の外には、銀色と青色の二つの月が、美しく輝いている。
あの、運命の双月食の夜を思い出す。
あの時、もし、私が違う選択をしていたら……。
「……後悔は、していないか?」
私の心を見透かしたように、カイ様が尋ねた。
「元の世界へ、帰らなかったことを」
私は、静かに首を振った。
「……後悔なんて、していません。
もちろん、故郷のことは、今でも大切に思っています。家族や友達に、会いたいと思うこともあります。
でも……」
私は、カイ様の胸に顔を埋め、続けた。
「私の居場所は、ここです。
カイ様や、リリアさん……大切な人たちがいる、この場所が。
ここで得た、この温かい幸せを、手放したいなんて、思いません」
「……ユキ……」
彼が、私の名前を、愛おしそうに呼ぶ。
「ここに来て、よかった。
カイ様に出会えて、本当によかった」
心からの言葉だった。
異世界への突然の転移は、確かに不幸な出来事だったかもしれない。
でも、その先で、私は、かけがえのない宝物を見つけることができたのだから。
カイ様は、私を抱きしめる腕に、さらに力を込めた。
「……俺もだ。
君に出会えて、よかった」
彼の温かい言葉が、私の心に、深く、深く、染み渡っていく。
私たちは、そのまま、静かに、窓の外の美しい星空を見上げていた。
二つの月が、まるで私たちを祝福するかのように、優しく輝いている。
この先、どんな未来が待っているのか、まだ分からない。
もしかしたら、また新たな困難が訪れるかもしれない。
でも、もう、私は一人ではない。
愛する人と共に、この世界で、しっかりと生きていく。
そう、心に誓った。
こうして、異世界に迷い込んだ一人の少女は、多くの困難と試練を乗り越え、自らの力で運命を切り開き、かけがえのない絆と、最高の幸せを手に入れたのだった。
彼女の物語は、まだこれからも続いていく。
星々の輝きと共に、どこまでも、どこまでも――。
異世界での生活にもすっかり慣れた私は、かつての頼りなげな少女の面影はなく、心身ともに成長を遂げていた。……と、自分では思っている。
あの日、祭壇で託された『星読みの腕輪』は、今も私の左手首で、静かな輝きを放っている。
そして、私の内に眠っていた『星詠みの力』も、カイ様との厳しい訓練と、腕輪の補助によって、少しずつだけれど、確実に制御できるようになってきていた。
その力は、決して万能ではない。
未来の全てが見えるわけでも、どんな願いも叶えられるわけでもない。
でも、時折、星々の囁きのように、未来の危機の断片を垣間見せたり、瘴気の流れや、魔力の淀みを感知したりすることができた。
私は、その力を、この国のために使うことを選んだ。
カイ様や、国王陛下、そして、かつては私を警戒していた神官たちとも協力し、瘴気が溜まりやすい場所を特定して浄化の手助けをしたり、魔物の異常発生を事前に察知して騎士団に伝えたり……。
大きなことはできないけれど、私にできる精一杯のことで、この世界に貢献したいと思ったのだ。
最初は「外れ」と呼ばれた私が、いつしか「星の乙女」とか、「希望の光」なんて、少し照れくさい呼び名で呼ばれるようになったのは、そんな日々の積み重ねの結果だったのかもしれない。
もちろん、私一人の力ではない。
いつもそばで支え、的確な助言をくれるカイ様、献身的に私をサポートしてくれるリリアさん、そして、私の力を信じ、協力してくれる多くの人々がいたからこそ、今の私があるのだ。
ちなみに、聖女様を追放し、国を混乱に陥れた元宰相親子は、その罪を償うべく、今は辺境の鉱山で厳しい労働に従事していると聞く。
自らが撒いた種とはいえ、その末路は厳しいものだったようだ。
そして、追放された聖女様の消息は、杳(よう)として知れない。
どこかで、新しい人生を歩んでいるのだろうか……。そうであればいいな、と時々思う。
私の生活は、穏やかで、そして、満たされていた。
昼間は、カイ様との訓練や、神官たちとの打ち合わせ、時には、城下に出て、人々の暮らしぶりを見たりもする。
図書室で、異世界の歴史や魔法について、さらに知識を深めるのも、大切な日課だ。
そして、夜。
訓練や公務を終えたカイ様と、二人きりで過ごす時間が、私にとっては何よりも、かけがえのない宝物だった。
私たちは、恋人同士になっていた。
あの、忘却の森からの帰り道、「カイ様と一緒に生きていきます」と告げた私の言葉に、彼は、不器用ながらも、真っ直ぐな言葉で応えてくれたのだ。
「俺も、君のそばにいたい」と。
あの時の、彼の照れたような、それでいて真剣な表情を、私は一生忘れないだろう。
「……また、難しい本を読んでいるのか?」
その夜も、私は自分の部屋の書斎スペース(いつの間にか、そんな場所まで用意されていた)で、古代魔法に関する文献を読んでいた。
すると、背後から、愛しい声がかかる。
「あ、カイ様。お帰りなさい」
振り向くと、そこには、騎士服を脱ぎ、少しラフな格好をしたカイ様が、穏やかな表情で立っていた。
「ただいま。……あまり、根を詰めすぎるなよ」
そう言って、彼は私の隣に座り、私の肩を優しく抱き寄せた。
彼の腕の中は、いつも温かくて、安心できる、私の特別な場所だ。
「だって、まだまだ知らないことばかりなんですもの。それに、カイ様にも、早く追いつかないと」
「……もう、十分すぎるほどだ。君は、本当に強くなった」
彼の言葉は、お世辞ではないと分かっている。
私は、確かに、この世界で、自分の力で立つことができるようになった。
「……それは、カイ様が、ずっとそばで支えてくれたからです」
素直な気持ちを伝えると、彼は、少し照れたように視線を逸らし、そして、私の髪に、優しく口づけた。
「……これからも、ずっと、そばにいる」
その言葉だけで、私の心は、幸せでいっぱいになる。
私たちは、しばらくの間、言葉もなく、ただ寄り添っていた。
窓の外には、銀色と青色の二つの月が、美しく輝いている。
あの、運命の双月食の夜を思い出す。
あの時、もし、私が違う選択をしていたら……。
「……後悔は、していないか?」
私の心を見透かしたように、カイ様が尋ねた。
「元の世界へ、帰らなかったことを」
私は、静かに首を振った。
「……後悔なんて、していません。
もちろん、故郷のことは、今でも大切に思っています。家族や友達に、会いたいと思うこともあります。
でも……」
私は、カイ様の胸に顔を埋め、続けた。
「私の居場所は、ここです。
カイ様や、リリアさん……大切な人たちがいる、この場所が。
ここで得た、この温かい幸せを、手放したいなんて、思いません」
「……ユキ……」
彼が、私の名前を、愛おしそうに呼ぶ。
「ここに来て、よかった。
カイ様に出会えて、本当によかった」
心からの言葉だった。
異世界への突然の転移は、確かに不幸な出来事だったかもしれない。
でも、その先で、私は、かけがえのない宝物を見つけることができたのだから。
カイ様は、私を抱きしめる腕に、さらに力を込めた。
「……俺もだ。
君に出会えて、よかった」
彼の温かい言葉が、私の心に、深く、深く、染み渡っていく。
私たちは、そのまま、静かに、窓の外の美しい星空を見上げていた。
二つの月が、まるで私たちを祝福するかのように、優しく輝いている。
この先、どんな未来が待っているのか、まだ分からない。
もしかしたら、また新たな困難が訪れるかもしれない。
でも、もう、私は一人ではない。
愛する人と共に、この世界で、しっかりと生きていく。
そう、心に誓った。
こうして、異世界に迷い込んだ一人の少女は、多くの困難と試練を乗り越え、自らの力で運命を切り開き、かけがえのない絆と、最高の幸せを手に入れたのだった。
彼女の物語は、まだこれからも続いていく。
星々の輝きと共に、どこまでも、どこまでも――。
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