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38☆グイード・アジュールの苦悩③
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☆
「……っは……!!」
朝、だ。
朝―――これは、現実なのか? 夢なのか?
夢の中よりも、大きな自分の手を見て、「あぁ、そうだ。俺は《グイード・アジュール》だ」と再認識する。
全身は汗でびっしょりと濡れていて、動悸が治まらない。
夢とはとても思えないほど、生々しい夢。最後はいつも、苦悩と後悔で終わる夢。
「俺は………」
ちらりと横を見ると、台座に立てかけた蒼剣。
騎士団長として、代々アジュール家に受け継がれる聖なる剣。
それを、落としてしまった。
稀代の悪女の手刀で。
『どうか……どうかベアトリーチェ様をお助けください……そのためなら、なんでもいたします』
エミリーの涙と重なる、記憶の中の姉の涙。
『逮捕するならすればいい。わたくしは逃げも隠れもしませんわ』
『そう焦らんでもわしは逃げも隠れもせんわい』
肩にかかる紅い髪をはらいながら堂々と胸を張る悪女と、銀色の髪に杖をつ大聖女の老婆。
どこにも共通点はないはずなのに、どうして脳はこんなに混乱しているのだろうか。
この既視感はなんなんだ? この焦燥はどこからくるんだ?
俺は、とんでもない過ちを犯してしまったのか?
動悸と息切れが止まらない。
記憶よりも大きな両手で己の顔面を覆いながら、ぐるぐるとまとまらない頭のまま唸っていると、執事が扉を叩いた。
「グイード様。エミリー様が朝食をご一緒したいと申しておりますが、いかがなされますか?」
☆
数十分後、グイードはエミリーのいる別邸に訪れていた。
すでに朝食の席についていたらしいエミリーは、グイードの姿を見るなり立ち上がり「この度は、招待に応じてくださりありがとうございます」と覚えたてのカーテシーで、他人行儀に挨拶してきた。
今日は一段とシックなワンピースに身を包んでいる。好きなドレスを選んで買っていいと言ったのに、彼女は困ったように笑うだけで、こうしてシンプルなワンピースばかり選んで着ているようだ。
グイードが席に着くと、次々に朝食が運ばれきた。
それらをエミリーは眼鏡越しのキラキラした瞳で見つめている。腹を空かせていただろうに、自分がくるまで待ってくれていたのか、と思うと申し訳なく思う反面、そういうところが姉らしいなと―――姉?
「グイード様。その……昨日は取り乱してしまい、申し訳ありませんでした」
「あ? ああ……」
他所事を考えていた。
とりえあず「気にするな」と返してみたが、夢見が悪かったせいか顔色がすぐれないグイードの顔を見て、エミリーが気まずそうに顔を伏せる。
かと思うと、意を決したように立ち上がり、グイードの座る席の隣まで移動すると、手のひらに収まるサイズの小袋に青いリボンを装飾したモノのを、ずいっと両手で差し出してきた。
「あの! もしよかったら、こちらをお詫びに!」
「………これは?」
エミリーから渡された小袋。青いリボンを解いて中身を見ると、《何らかの茶葉》のようだ。聞くと「安眠を促してくれるハーブです」と微笑んでいた。
「私、よく悪夢に悩まされてて。その時によく飲んでいたのですが……ベアトリーチェ様にお会いしてから、不思議と怖い夢を見なくなって。グイード様もお疲れのようなので、ぜひ」
あ、毒見が必要ならこの場で煎じて飲みますが、と慌てるエミリーに「いや、いいんだ」と返す。
「……ありがとう」
夢の中の姉も、よく自作の茶葉で作ったお茶を寝る前に飲ませてくれていた。その姿とエミリーが重なって見えて、自然と胸が温かくなる。
「いえ……私も、グイード様が他人とは思えなくて……それで、昨日はつい甘え過ぎてしまいました、お恥ずかしいところをおみせしてしまって、すみません」
「腹違いの兄弟なのだから、他人ではないだろう」
「そうかも……ですね……」
でも、もっと深い何かが《同じ》ような気がして。
そう困ったようにはにかむエミリーに、「俺もそうだ」と返してやりたかった。
初めてエミリーを見た時。
腕いっぱいに薬草を抱えた小さなエミリーを見て「お姉ちゃん」と言いたくなったなんて、とても恥ずかしくて言えやしないが。
「――ベアトリーチェ・スカーレットの件だが、もう一度《捜査資料》を見直してみようと思う。現場もな」
穏やかなエミリーを見つめながら、思わず言ってしまった言葉に自分でも驚いた。
あんなに悪女だなんだと、決めつけていたのに。
「……ありがとうござます!!」
エミリーは頬を紅潮し、飛び跳ねるように何度もぺこぺこと頭を下げて「ありがとうございます!!」と連呼した。
「おい、お前はじきに公爵令嬢になるかもしれないんだぞ。そんなに頭を下げるな」
「それでも、本当にありがとうございます!!」
喜びのあまりか、目じりに浮かんだ涙を指先で拭いながらほほ笑むエミリー。その顔を見ただけで、救われたような気がした。
穏やかな気持ちでエミリーを見つめていると、騎士団の一人が広間に「お食事中失礼します!」と入ってきた。
「どうした、騒々しい」
「それがッ、その……!!」
騎士団の男はエミリーを見ると、報告を躊躇した。ということは、ベアトリーチェ・スカーレットに関連する事で間違いないだろう。
ベアトリーチェの事になると人が変わったようにムキになるエミリー。エミリーが取り乱すからと、彼女の前でベアトリーチェの話題は避けるようにと箝口令をしいていたのだ。
「あの、グイード様。お仕事の話でしたら席を外しましょうか?」
「―――いや、大丈夫だ」
エミリーが遠慮したように部屋から出ていこうとするが、それを引き留める。
今のエミリーなら知っても問題ない、と判断したわけではない。公私混同していると思われても仕方ないが、ベアトリーチェ関連の事を、これ以上、エミリーに隠したくなかった。
自分は、彼女を悪女だと決めつけて疑ってみていた。かたや、エミリーはそうではない、ちゃんと彼女を見てほしいと訴える。ならば同じ情報を共有して、彼女の忌憚のない意見を聞こうと思ったのだ。
少なくとも、ベアトリーチェと出会って話した時間は、自分よりエミリーの方が長いだろうから。
「かまわん、報告しろ」
「はいっ! ……その、……」
報告しろ、というのに、騎士団の男はなぜか目線をさまよわせ、そわそわしだす。
しかも、徐々に頬を赤らめだした。
「おい、早くしろ」
「はっ! ……その、本日朝の見回りで、ベアトリーチェ・スカーレットが牢獄内におらず……」
「なに?」
ガタリと席を立つ。
脳裏に《脱獄》の二文字が浮かぶ。
いや、あの牢獄は厳重に管理されていて、スキルももたない彼女が脱獄などできるわけがない。
そうわかっているのに、なぜか脳内で銀色の老婆が意地悪く笑っているのだ。
ベアトリーチェならば、脱獄は不可能だ。
しかし、もし、あの大聖女なら―――?
そんなわけがないのに、なぜかグイードは「脱獄したのか?!」と確信をもって詰問してしまった。
ちなみに、エミリーは目の端で期待に胸を膨らませた瞳で、両手を祈る様に握りしめていた。これで本当に脱獄していたなら「ベアトリーチェ様バンザイ!」とでも叫び出しそうな顔だ。
「い、いえ、それが……脱獄ではなく………」
「はっきり報告しろ!!」
「はいッッ!! 《皇帝陛下》が!!!!」
「陛下が?」
勢いをつけすぎて敬礼をしながら背筋をビィンとバネのように伸ばし、騎士団の男がほぼ天井に向かって叫ぶ。
それを聞いたグイードは「何言ってんだお前」という顔を隠さずにオウム返しする。
「はっ!! 皇帝陛下がッ……その!! 昨晩、自室に……ベアトリーチェ・スカーレットを……つれっ、連れ込んだようです!!!!」
顔を真っ赤にして報告する騎士。
言葉の意味が理解できず、これ以上ないほど顔をしかめるグイード。
なんとなく察してしまい、首元まで紅潮してあわあわと動揺する乙女エミリー。
「―――――は????????」
三者三様の反応の中、数秒固まって長考した結果。
《解釈違い》だったらしいグイードはとんでもなく凶悪な顔で、立ち上がった際に手にしていた椅子の背もたれをへし折った。
「……っは……!!」
朝、だ。
朝―――これは、現実なのか? 夢なのか?
夢の中よりも、大きな自分の手を見て、「あぁ、そうだ。俺は《グイード・アジュール》だ」と再認識する。
全身は汗でびっしょりと濡れていて、動悸が治まらない。
夢とはとても思えないほど、生々しい夢。最後はいつも、苦悩と後悔で終わる夢。
「俺は………」
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騎士団長として、代々アジュール家に受け継がれる聖なる剣。
それを、落としてしまった。
稀代の悪女の手刀で。
『どうか……どうかベアトリーチェ様をお助けください……そのためなら、なんでもいたします』
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『逮捕するならすればいい。わたくしは逃げも隠れもしませんわ』
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俺は、とんでもない過ちを犯してしまったのか?
動悸と息切れが止まらない。
記憶よりも大きな両手で己の顔面を覆いながら、ぐるぐるとまとまらない頭のまま唸っていると、執事が扉を叩いた。
「グイード様。エミリー様が朝食をご一緒したいと申しておりますが、いかがなされますか?」
☆
数十分後、グイードはエミリーのいる別邸に訪れていた。
すでに朝食の席についていたらしいエミリーは、グイードの姿を見るなり立ち上がり「この度は、招待に応じてくださりありがとうございます」と覚えたてのカーテシーで、他人行儀に挨拶してきた。
今日は一段とシックなワンピースに身を包んでいる。好きなドレスを選んで買っていいと言ったのに、彼女は困ったように笑うだけで、こうしてシンプルなワンピースばかり選んで着ているようだ。
グイードが席に着くと、次々に朝食が運ばれきた。
それらをエミリーは眼鏡越しのキラキラした瞳で見つめている。腹を空かせていただろうに、自分がくるまで待ってくれていたのか、と思うと申し訳なく思う反面、そういうところが姉らしいなと―――姉?
「グイード様。その……昨日は取り乱してしまい、申し訳ありませんでした」
「あ? ああ……」
他所事を考えていた。
とりえあず「気にするな」と返してみたが、夢見が悪かったせいか顔色がすぐれないグイードの顔を見て、エミリーが気まずそうに顔を伏せる。
かと思うと、意を決したように立ち上がり、グイードの座る席の隣まで移動すると、手のひらに収まるサイズの小袋に青いリボンを装飾したモノのを、ずいっと両手で差し出してきた。
「あの! もしよかったら、こちらをお詫びに!」
「………これは?」
エミリーから渡された小袋。青いリボンを解いて中身を見ると、《何らかの茶葉》のようだ。聞くと「安眠を促してくれるハーブです」と微笑んでいた。
「私、よく悪夢に悩まされてて。その時によく飲んでいたのですが……ベアトリーチェ様にお会いしてから、不思議と怖い夢を見なくなって。グイード様もお疲れのようなので、ぜひ」
あ、毒見が必要ならこの場で煎じて飲みますが、と慌てるエミリーに「いや、いいんだ」と返す。
「……ありがとう」
夢の中の姉も、よく自作の茶葉で作ったお茶を寝る前に飲ませてくれていた。その姿とエミリーが重なって見えて、自然と胸が温かくなる。
「いえ……私も、グイード様が他人とは思えなくて……それで、昨日はつい甘え過ぎてしまいました、お恥ずかしいところをおみせしてしまって、すみません」
「腹違いの兄弟なのだから、他人ではないだろう」
「そうかも……ですね……」
でも、もっと深い何かが《同じ》ような気がして。
そう困ったようにはにかむエミリーに、「俺もそうだ」と返してやりたかった。
初めてエミリーを見た時。
腕いっぱいに薬草を抱えた小さなエミリーを見て「お姉ちゃん」と言いたくなったなんて、とても恥ずかしくて言えやしないが。
「――ベアトリーチェ・スカーレットの件だが、もう一度《捜査資料》を見直してみようと思う。現場もな」
穏やかなエミリーを見つめながら、思わず言ってしまった言葉に自分でも驚いた。
あんなに悪女だなんだと、決めつけていたのに。
「……ありがとうござます!!」
エミリーは頬を紅潮し、飛び跳ねるように何度もぺこぺこと頭を下げて「ありがとうございます!!」と連呼した。
「おい、お前はじきに公爵令嬢になるかもしれないんだぞ。そんなに頭を下げるな」
「それでも、本当にありがとうございます!!」
喜びのあまりか、目じりに浮かんだ涙を指先で拭いながらほほ笑むエミリー。その顔を見ただけで、救われたような気がした。
穏やかな気持ちでエミリーを見つめていると、騎士団の一人が広間に「お食事中失礼します!」と入ってきた。
「どうした、騒々しい」
「それがッ、その……!!」
騎士団の男はエミリーを見ると、報告を躊躇した。ということは、ベアトリーチェ・スカーレットに関連する事で間違いないだろう。
ベアトリーチェの事になると人が変わったようにムキになるエミリー。エミリーが取り乱すからと、彼女の前でベアトリーチェの話題は避けるようにと箝口令をしいていたのだ。
「あの、グイード様。お仕事の話でしたら席を外しましょうか?」
「―――いや、大丈夫だ」
エミリーが遠慮したように部屋から出ていこうとするが、それを引き留める。
今のエミリーなら知っても問題ない、と判断したわけではない。公私混同していると思われても仕方ないが、ベアトリーチェ関連の事を、これ以上、エミリーに隠したくなかった。
自分は、彼女を悪女だと決めつけて疑ってみていた。かたや、エミリーはそうではない、ちゃんと彼女を見てほしいと訴える。ならば同じ情報を共有して、彼女の忌憚のない意見を聞こうと思ったのだ。
少なくとも、ベアトリーチェと出会って話した時間は、自分よりエミリーの方が長いだろうから。
「かまわん、報告しろ」
「はいっ! ……その、……」
報告しろ、というのに、騎士団の男はなぜか目線をさまよわせ、そわそわしだす。
しかも、徐々に頬を赤らめだした。
「おい、早くしろ」
「はっ! ……その、本日朝の見回りで、ベアトリーチェ・スカーレットが牢獄内におらず……」
「なに?」
ガタリと席を立つ。
脳裏に《脱獄》の二文字が浮かぶ。
いや、あの牢獄は厳重に管理されていて、スキルももたない彼女が脱獄などできるわけがない。
そうわかっているのに、なぜか脳内で銀色の老婆が意地悪く笑っているのだ。
ベアトリーチェならば、脱獄は不可能だ。
しかし、もし、あの大聖女なら―――?
そんなわけがないのに、なぜかグイードは「脱獄したのか?!」と確信をもって詰問してしまった。
ちなみに、エミリーは目の端で期待に胸を膨らませた瞳で、両手を祈る様に握りしめていた。これで本当に脱獄していたなら「ベアトリーチェ様バンザイ!」とでも叫び出しそうな顔だ。
「い、いえ、それが……脱獄ではなく………」
「はっきり報告しろ!!」
「はいッッ!! 《皇帝陛下》が!!!!」
「陛下が?」
勢いをつけすぎて敬礼をしながら背筋をビィンとバネのように伸ばし、騎士団の男がほぼ天井に向かって叫ぶ。
それを聞いたグイードは「何言ってんだお前」という顔を隠さずにオウム返しする。
「はっ!! 皇帝陛下がッ……その!! 昨晩、自室に……ベアトリーチェ・スカーレットを……つれっ、連れ込んだようです!!!!」
顔を真っ赤にして報告する騎士。
言葉の意味が理解できず、これ以上ないほど顔をしかめるグイード。
なんとなく察してしまい、首元まで紅潮してあわあわと動揺する乙女エミリー。
「―――――は????????」
三者三様の反応の中、数秒固まって長考した結果。
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