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第35話 パワーが酷い
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「空調よりもっと大事なものを忘れていた。冷蔵庫より重要だ」
「どうしたんですか、突然」
時刻は太陽が昇り始めたばかりの早朝。むくりと起きた俺はハッとし朝に似つかわしくない大声を出す。
重要だ、重要なんだよ!
「喉が渇いたんですか? 湖の水を浄化すればいいだけじゃないですか」
「水回りは確かに重要だ。いちいち浄化するのが面倒だけど大きな器に入れて浄化すればいい」
全く、この人は……と言わんばかりの空気をまとい、けだるそうな声でペネロペが言い放つ。彼女にしては感情がこもっていて、余程俺の声が気に障ったのだろうとチクりと胸が痛くなった。
水は最も重視する問題で、場所決めをするときに水場の近くを選んだ。生きていくために必須の事項だからさすがの俺でも考慮しているさ。
実のところ初日にラージャが眠っていたところにあった大きな甕を持ってきて、そこに水をためて浄化している。
水を入れるのが手間だけど、甕の下部には水を出す栓があり使い勝手は悪くない。
「寝ぼけていたわけではないのですね、それで重要なものとは、トイレですか、それともお風呂ですか?」
「よ、よく分かったね。トイレが最優先だと思ってさ。できればお風呂も入りたいよね」
さ、察しが良い。冷蔵庫よりも先に考慮すべきはトイレだったよなあ。
「お風呂は浴槽があれば魔法でお湯は作れますし、まずは外を見てください」
「うん、見てみるよ。昨日は丸一日湖の底へ行ってくれてありがとう」
「いえ、マスターも冷蔵庫の修理をしてくださったじゃないですか」
「はは、お互い様ってことで」
昨日は冷蔵庫の修理で一日を費やし、ペネロペが水揚げしてくれた魔道具類を見ていなかったんだよね。
力持ちの彼女のことだ。俺が思った以上の魔道具が岸に置かれているかもしれない。
◇◇◇
「思ったよりとかそんなレベルじゃねえ!」
『みゅ?』
肩の上に乗るハリーがストンと地面に降り、とことこと眼前にそそり立つ山を登っていく。
なんだこれ……瓦礫で山ができていた。
澄ました顔のまま、ペネロペがくいっと顎を上げる。
「舗装に使われるとおっしゃっていたので」
「こ、これだけあれば足りるよ、ありがとう」
瓦礫は確かに必要だと言った。しかしだな、じわじわと運び込んで、って思っていたんだよ。
重要度的には最優先ではないし。
魔道具はどこなのだろうか。お、あったあった。瓦礫の山の裏側に隠れていたぞ。
お、トイレ用の浄化槽とか水栓など、トイレ回りの必要なものが一通り揃っているじゃないか!
「さすがペネロペ、愛してる!」
「唐突過ぎます」
「あ、いや、そういう意味では」
「別に構いませんが……」
なんだか黒いオーラを感じたような、気のせい、気のせいだよ。
……不用意は発言は控えないとな。ペネロペに怒りゲージを溜めてしまう。ゲージがマックスになり限界突破したらどうなってしまうのだろう?
想像しただけで背筋が寒くなるどころか、股間がキュッとしたぜ……。
その日もまた修理に一日を費やすことになったのである。
◇◇◇
トイレを修理した日から三日が経った。
いやあ、この三日間修理三昧だったよ。トイレ一式から始まり、風呂やら大き目のコンロなんかもあったから次から次へと修理をして……正直俺、調子に乗っておりました。
修理するのはよいのだが、肝心の置き場所がない。当たり前と言えば当たり前だよな。冷蔵庫を魔道車の中に置いて、既に圧迫感が酷かった。
それが家庭用のコンロとか、ましてや風呂なんて置くスペースなんぞないさ。
んで、急遽始まったのが家つくりである。
いっそラージャの眠っていた地下を仮住処として、毎日湖と往復するかってことも考えた。
しかしここでこういった何もないところからの生活を立ち上げた経験があるらしいラージャがアドバイスをくれたのだ。
屋根と壁さえあれば当面はしのげるってね。
家を建てるには基礎が必要になってくるのだが、専門的な知識のない俺には無理だ。やれるとしたらそもそもが丈夫で重たい岩をを切り出してブロックのように組み上げるとかならいける。
現代日本建築と異なり、電気・ガス・水道を通す必要なんてないから、穴を開けたりといった細かい作業無しで家が建つ。
「マスター、危ないです」
「うおお」
ズシイイン。
声をかけられて一歩引くと、今立っていたところに正方形に切り出された石材が落ちてきた。
「あ、危ないって!」
「どんどん行きますので、それ動かしていただけますか?」
「普通に無理っす」
「筋力強化してください」
「それでも無理っす」
「仕方ないですね」
ペネロペが左右の手の平の上に石材を乗せ、こちらに歩いてくる。
当初、木を切って丸太にして屋根を作ろうとしていたんだよ。するとペネロペが木材は乾燥させないと、とか難しいことを言っていて、石の方がいいと。
湖から運び出した瓦礫の方が魔法が付与されているので品質が遥かに良い。しかし、形が整っていないから使いどころが難しい。
そうしたら彼女、「崖もあるし岩は豊富です」とか言って、石材を切り出し始めたんだ。
「うお、岩が勝手に動いている」
「ハリーですよ」
ええええ、あのちっさいハリネズミのハリーが石材を背中に乗せててくてく歩いてるってのかよ。
『ここでいいかみゅ』
「う、うん」
石材が浮いて、ドシーンと音を立てて地面に落ちる。石材があった場所にはトゲトゲをピンとしたハリーが鼻をヒクヒクさせていた。
もう無茶苦茶だよ、ほんと。
パンパン。
背後で柏を打つ音がして、続いて俺たちに向け号令がかかる。この声はラージャか。
「さあ、テキパキと行こう。ペネロペ殿とハリーはそのまま石材運び。ケンイチ殿は石材を配置してほしいのだが」
なんでそう普通に指揮をとっているんだよ。この異常事態に何とも思わないのか?
「ケンイチ殿、私は決めたのだ。何があろうともありのまま受け止めると」
「あ、そうなったか……」
察したラージャが俺の疑問に先回りして回答し、深く頷いた後言葉を続ける。
「うむ。不可思議なものばかりでな。驚くのも麻痺した。再度聞くが、ケンイチ殿は石材を配置してほしいのだが」
「これを動かすとなると素手じゃあ無理だよ。何か手がないか考える」
「助力感謝する」
「う、うん……」
ラージャが配置を指示してくれるならありがたい。俺にはまるで家関連の知識はないからな。
どうやって運ぼうかなあ。材質変換か重量軽減をかけて、自分に筋力増加をすればいけるか?
「どうしたんですか、突然」
時刻は太陽が昇り始めたばかりの早朝。むくりと起きた俺はハッとし朝に似つかわしくない大声を出す。
重要だ、重要なんだよ!
「喉が渇いたんですか? 湖の水を浄化すればいいだけじゃないですか」
「水回りは確かに重要だ。いちいち浄化するのが面倒だけど大きな器に入れて浄化すればいい」
全く、この人は……と言わんばかりの空気をまとい、けだるそうな声でペネロペが言い放つ。彼女にしては感情がこもっていて、余程俺の声が気に障ったのだろうとチクりと胸が痛くなった。
水は最も重視する問題で、場所決めをするときに水場の近くを選んだ。生きていくために必須の事項だからさすがの俺でも考慮しているさ。
実のところ初日にラージャが眠っていたところにあった大きな甕を持ってきて、そこに水をためて浄化している。
水を入れるのが手間だけど、甕の下部には水を出す栓があり使い勝手は悪くない。
「寝ぼけていたわけではないのですね、それで重要なものとは、トイレですか、それともお風呂ですか?」
「よ、よく分かったね。トイレが最優先だと思ってさ。できればお風呂も入りたいよね」
さ、察しが良い。冷蔵庫よりも先に考慮すべきはトイレだったよなあ。
「お風呂は浴槽があれば魔法でお湯は作れますし、まずは外を見てください」
「うん、見てみるよ。昨日は丸一日湖の底へ行ってくれてありがとう」
「いえ、マスターも冷蔵庫の修理をしてくださったじゃないですか」
「はは、お互い様ってことで」
昨日は冷蔵庫の修理で一日を費やし、ペネロペが水揚げしてくれた魔道具類を見ていなかったんだよね。
力持ちの彼女のことだ。俺が思った以上の魔道具が岸に置かれているかもしれない。
◇◇◇
「思ったよりとかそんなレベルじゃねえ!」
『みゅ?』
肩の上に乗るハリーがストンと地面に降り、とことこと眼前にそそり立つ山を登っていく。
なんだこれ……瓦礫で山ができていた。
澄ました顔のまま、ペネロペがくいっと顎を上げる。
「舗装に使われるとおっしゃっていたので」
「こ、これだけあれば足りるよ、ありがとう」
瓦礫は確かに必要だと言った。しかしだな、じわじわと運び込んで、って思っていたんだよ。
重要度的には最優先ではないし。
魔道具はどこなのだろうか。お、あったあった。瓦礫の山の裏側に隠れていたぞ。
お、トイレ用の浄化槽とか水栓など、トイレ回りの必要なものが一通り揃っているじゃないか!
「さすがペネロペ、愛してる!」
「唐突過ぎます」
「あ、いや、そういう意味では」
「別に構いませんが……」
なんだか黒いオーラを感じたような、気のせい、気のせいだよ。
……不用意は発言は控えないとな。ペネロペに怒りゲージを溜めてしまう。ゲージがマックスになり限界突破したらどうなってしまうのだろう?
想像しただけで背筋が寒くなるどころか、股間がキュッとしたぜ……。
その日もまた修理に一日を費やすことになったのである。
◇◇◇
トイレを修理した日から三日が経った。
いやあ、この三日間修理三昧だったよ。トイレ一式から始まり、風呂やら大き目のコンロなんかもあったから次から次へと修理をして……正直俺、調子に乗っておりました。
修理するのはよいのだが、肝心の置き場所がない。当たり前と言えば当たり前だよな。冷蔵庫を魔道車の中に置いて、既に圧迫感が酷かった。
それが家庭用のコンロとか、ましてや風呂なんて置くスペースなんぞないさ。
んで、急遽始まったのが家つくりである。
いっそラージャの眠っていた地下を仮住処として、毎日湖と往復するかってことも考えた。
しかしここでこういった何もないところからの生活を立ち上げた経験があるらしいラージャがアドバイスをくれたのだ。
屋根と壁さえあれば当面はしのげるってね。
家を建てるには基礎が必要になってくるのだが、専門的な知識のない俺には無理だ。やれるとしたらそもそもが丈夫で重たい岩をを切り出してブロックのように組み上げるとかならいける。
現代日本建築と異なり、電気・ガス・水道を通す必要なんてないから、穴を開けたりといった細かい作業無しで家が建つ。
「マスター、危ないです」
「うおお」
ズシイイン。
声をかけられて一歩引くと、今立っていたところに正方形に切り出された石材が落ちてきた。
「あ、危ないって!」
「どんどん行きますので、それ動かしていただけますか?」
「普通に無理っす」
「筋力強化してください」
「それでも無理っす」
「仕方ないですね」
ペネロペが左右の手の平の上に石材を乗せ、こちらに歩いてくる。
当初、木を切って丸太にして屋根を作ろうとしていたんだよ。するとペネロペが木材は乾燥させないと、とか難しいことを言っていて、石の方がいいと。
湖から運び出した瓦礫の方が魔法が付与されているので品質が遥かに良い。しかし、形が整っていないから使いどころが難しい。
そうしたら彼女、「崖もあるし岩は豊富です」とか言って、石材を切り出し始めたんだ。
「うお、岩が勝手に動いている」
「ハリーですよ」
ええええ、あのちっさいハリネズミのハリーが石材を背中に乗せててくてく歩いてるってのかよ。
『ここでいいかみゅ』
「う、うん」
石材が浮いて、ドシーンと音を立てて地面に落ちる。石材があった場所にはトゲトゲをピンとしたハリーが鼻をヒクヒクさせていた。
もう無茶苦茶だよ、ほんと。
パンパン。
背後で柏を打つ音がして、続いて俺たちに向け号令がかかる。この声はラージャか。
「さあ、テキパキと行こう。ペネロペ殿とハリーはそのまま石材運び。ケンイチ殿は石材を配置してほしいのだが」
なんでそう普通に指揮をとっているんだよ。この異常事態に何とも思わないのか?
「ケンイチ殿、私は決めたのだ。何があろうともありのまま受け止めると」
「あ、そうなったか……」
察したラージャが俺の疑問に先回りして回答し、深く頷いた後言葉を続ける。
「うむ。不可思議なものばかりでな。驚くのも麻痺した。再度聞くが、ケンイチ殿は石材を配置してほしいのだが」
「これを動かすとなると素手じゃあ無理だよ。何か手がないか考える」
「助力感謝する」
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どうやって運ぼうかなあ。材質変換か重量軽減をかけて、自分に筋力増加をすればいけるか?
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