37 / 40
第37話 お家完成
しおりを挟む
豆腐型住居が3棟完成した。いや、完成したとはまだ言えないか。箱だけはできたが、窓と扉がまだない。
「窓と扉をどうやったら簡単に作れそうかなあ」
「窓は光を通し、風通しも確保できるものですよね」
「そうだなあ。扉も当たり前だが開くことができないといけない」
「扉も窓も湖の下から拾ってこれないかな」
正直自作できる気がしない。今の俺は木の板お工作さえ難しいのだ。真空刃の魔法でスパンと丸太を切ればいけなくはないだろうけど、そのあとカンナで削ったりといったことはできない。大工道具だったらペネロペの積み上げた山の中にありそうだけど、カンナをつかったことがないからさ。
「勝手ながらペネロペ殿が集めた道具の中から大工道具を拝借した」
ペネロペとお悩み相談をしていたら、料理を終えたラージャが手招きしながら話に入ってきた。
んー。いい香りだ。いつもながら彼女の作るごはんは香りだけでも食欲を誘う。
「大工道具って、大工道具を使えるの?」
「多少だが。窓枠くらいなら作ることはできる」
「おお、そいつはすげえ。扉はやっぱ難しいのかな」
「引き戸でいいならば可能だ。溝をどうするか応相談だな」
溝って何だろう? ああ、扉をスライドさせるレール部分ってことか。石材の床を削って溝にする? もしくは支える板を置くのもいいかも。
「料理に加え大工仕事までできるなんて、なんでもござれだな」
「私が眠っていた場所は村ではなく、周囲に住んでいる者はいなかった」
「そうだった。だから何でも作らなきゃいけなかったんだっけ」
「何でもというわけでもないが、外から仕入れるにしてもなかなか大変でな。できるものは作る」
魔道具を掘り返して快適生活を、とか安易に考えていた俺とは根本からして違う。そうだよな、生きていくためにはなんでも自分でやらなきゃならない。
おいしい食事を諦め、できないことはやらず生きていくだけなら魔道車を住処に魔法陣魔法を使えば俺だけでもここで暮らすこともできる。
しかし、家やら快適な生活を求めたいってのが人の性というものだ。
何が言いたいかよくわからなくなってきた。つまり――。
「扉や窓枠は木製のつもりだよな?」
出てきた言葉がそれかよってやつである。
「そのつもりだ。二人の魔法で木を乾燥させることはできるか?」
「できなくはないけど、急激に乾燥させるから割れてしまうかも。やってみようか」
その前にご飯だ、ご飯。
食事の後、さっそく木を魔法陣魔法でスパンと根本の方で横に切り、適当に枝を落として丸太を真っ二つにした。
真空の刃でこの辺りはお手軽一発である。
「そんじゃ、試すぞ。術式構築 ドライ」
ドライはまんまの意味で乾燥させる効果を持つ魔法である。ご想像の通り、ドライヤーに仕込まれた魔術回路を拝借した。
自分で魔法陣魔法をかけるときは規模の調整もできる。
ゴオオオオオ。
真っ二つにした丸太全体に温風が降り注ぎ、水分を飛ばしていく。温風だけじゃ中の水分を蒸発させることなんてできないのだけど、そこは魔法、不思議パワーがある。
パキキキ。
「あ……」
派手にひび割れしてしまった。じわじわいくと行けるのかもしれないけど、ドライヤーのように風量調節なんてできないんだよな。
魔法陣の作りからして、魔力の出力調整を行っても風量は変わらない。
魔道具のドライヤーは風量調節ができる。ええと、魔術回路はどうなっていたっけ。
あ、単純なことだった。魔術回路……魔法陣が三つあるだけだ。それぞれ出力される風量が異なるから、スイッチで風量の切り替えができる仕組みである。
「加減を調整しながらならいけるのかなあ」
「いや、乾燥させずにしよう。様子を見るに一息に乾かすとどこかしらひび割れするはずだ」
「分かった。何本か丸太を用意するよ」
「二本でお願いできるか? 枝も落としてくれるとありがたい」
ラージャに言われるがままに作業を行い、この後は彼女に任せることにした。
俺たちは俺たちでできることをやろう。
「お、これも使えそうだな」
「そうですね。魔法で加工した素材は劣化しないのでしょうか」
「しているのかもしれないけど、使用するに支障はないよな」
「そうですね」
などと会話しつつ、ガラスをさがすついでに使えそうなものを振り分けている。
布製品であっても魔法が付与されていれば劣化していないから、ものによっては布団なんかも使えそうだ。
魔法が付与されている布製品に使われている糸は地球で言うところのレーヨンみたいな合成繊維に近い。
「ガラスは溶かして伸ばせばいいんだったか」
「単に溶かすだけでは、整える技術が私たちにはありません」
「そうだ。プレスの魔法を使えばいいんじゃないか?」
「試してみる価値はありそうです」
ペネロペの言葉になるほどと膝を打つ。プレスの魔法陣魔法は服のしわを伸ばすアイロンのような効果を持つものだ。俺の中ではアイロンという発想しかなかったから、熱したガラスを均一に伸ばすためとは浮かばなかったよ。
「よっし、やってみよう」
大理石のテーブルの上へ集めたガラスを置き、魔法で熱し溶かす。
続いて、プレスの魔法で圧縮してみたら見事、均一な板ガラスになった!
「問題なさそうですね」
「うん! これで窓ガラスも解決だな」
大きな板ガラスを何枚か作っておいて、窓枠に合わせて魔法で板ガラスをカットすれば窓の完成だ。
四日後、ついに家が完成した! 家具も運び込み、窓も扉もバッチリになったぞ。
「これで今日から家に住むことができるな」
「これほどの短期間で堅牢な家が完成するとは魔法の力とは偉大だな」
小さめの豆腐型住居はラージャの個室にして、大き目の豆腐型住居のうち一つは俺とペネロペが使う。ペネロペが石材を切り出すのが超速だったから、もう一棟作ろうかとの話もあったんだけど、まずは最低限だけ作ろうと彼女が申し出たので追加の住居は作らなかったんだ。
残り一つはダイニングキッチンと風呂、トイレにした。この住居のみ仕切りの壁を備えていて、トイレ、風呂、ダイニングキッチンはそれぞれ部屋になっている。
ペネロペが湖の底から引き揚げてくれた家具類で全ての部屋の家具をそろえることもできた。
洗濯機、トイレ、冷蔵庫、大型キッチン、と必須の生活型家電も修理し設置完了している。
「それじゃあ、最後、魔道車から荷物を各々運んで終わりにしよう」
「お持ちしました」
いないなと思っていたペネロペが魔道車から荷物を抱えて出てきたではないか。
「窓と扉をどうやったら簡単に作れそうかなあ」
「窓は光を通し、風通しも確保できるものですよね」
「そうだなあ。扉も当たり前だが開くことができないといけない」
「扉も窓も湖の下から拾ってこれないかな」
正直自作できる気がしない。今の俺は木の板お工作さえ難しいのだ。真空刃の魔法でスパンと丸太を切ればいけなくはないだろうけど、そのあとカンナで削ったりといったことはできない。大工道具だったらペネロペの積み上げた山の中にありそうだけど、カンナをつかったことがないからさ。
「勝手ながらペネロペ殿が集めた道具の中から大工道具を拝借した」
ペネロペとお悩み相談をしていたら、料理を終えたラージャが手招きしながら話に入ってきた。
んー。いい香りだ。いつもながら彼女の作るごはんは香りだけでも食欲を誘う。
「大工道具って、大工道具を使えるの?」
「多少だが。窓枠くらいなら作ることはできる」
「おお、そいつはすげえ。扉はやっぱ難しいのかな」
「引き戸でいいならば可能だ。溝をどうするか応相談だな」
溝って何だろう? ああ、扉をスライドさせるレール部分ってことか。石材の床を削って溝にする? もしくは支える板を置くのもいいかも。
「料理に加え大工仕事までできるなんて、なんでもござれだな」
「私が眠っていた場所は村ではなく、周囲に住んでいる者はいなかった」
「そうだった。だから何でも作らなきゃいけなかったんだっけ」
「何でもというわけでもないが、外から仕入れるにしてもなかなか大変でな。できるものは作る」
魔道具を掘り返して快適生活を、とか安易に考えていた俺とは根本からして違う。そうだよな、生きていくためにはなんでも自分でやらなきゃならない。
おいしい食事を諦め、できないことはやらず生きていくだけなら魔道車を住処に魔法陣魔法を使えば俺だけでもここで暮らすこともできる。
しかし、家やら快適な生活を求めたいってのが人の性というものだ。
何が言いたいかよくわからなくなってきた。つまり――。
「扉や窓枠は木製のつもりだよな?」
出てきた言葉がそれかよってやつである。
「そのつもりだ。二人の魔法で木を乾燥させることはできるか?」
「できなくはないけど、急激に乾燥させるから割れてしまうかも。やってみようか」
その前にご飯だ、ご飯。
食事の後、さっそく木を魔法陣魔法でスパンと根本の方で横に切り、適当に枝を落として丸太を真っ二つにした。
真空の刃でこの辺りはお手軽一発である。
「そんじゃ、試すぞ。術式構築 ドライ」
ドライはまんまの意味で乾燥させる効果を持つ魔法である。ご想像の通り、ドライヤーに仕込まれた魔術回路を拝借した。
自分で魔法陣魔法をかけるときは規模の調整もできる。
ゴオオオオオ。
真っ二つにした丸太全体に温風が降り注ぎ、水分を飛ばしていく。温風だけじゃ中の水分を蒸発させることなんてできないのだけど、そこは魔法、不思議パワーがある。
パキキキ。
「あ……」
派手にひび割れしてしまった。じわじわいくと行けるのかもしれないけど、ドライヤーのように風量調節なんてできないんだよな。
魔法陣の作りからして、魔力の出力調整を行っても風量は変わらない。
魔道具のドライヤーは風量調節ができる。ええと、魔術回路はどうなっていたっけ。
あ、単純なことだった。魔術回路……魔法陣が三つあるだけだ。それぞれ出力される風量が異なるから、スイッチで風量の切り替えができる仕組みである。
「加減を調整しながらならいけるのかなあ」
「いや、乾燥させずにしよう。様子を見るに一息に乾かすとどこかしらひび割れするはずだ」
「分かった。何本か丸太を用意するよ」
「二本でお願いできるか? 枝も落としてくれるとありがたい」
ラージャに言われるがままに作業を行い、この後は彼女に任せることにした。
俺たちは俺たちでできることをやろう。
「お、これも使えそうだな」
「そうですね。魔法で加工した素材は劣化しないのでしょうか」
「しているのかもしれないけど、使用するに支障はないよな」
「そうですね」
などと会話しつつ、ガラスをさがすついでに使えそうなものを振り分けている。
布製品であっても魔法が付与されていれば劣化していないから、ものによっては布団なんかも使えそうだ。
魔法が付与されている布製品に使われている糸は地球で言うところのレーヨンみたいな合成繊維に近い。
「ガラスは溶かして伸ばせばいいんだったか」
「単に溶かすだけでは、整える技術が私たちにはありません」
「そうだ。プレスの魔法を使えばいいんじゃないか?」
「試してみる価値はありそうです」
ペネロペの言葉になるほどと膝を打つ。プレスの魔法陣魔法は服のしわを伸ばすアイロンのような効果を持つものだ。俺の中ではアイロンという発想しかなかったから、熱したガラスを均一に伸ばすためとは浮かばなかったよ。
「よっし、やってみよう」
大理石のテーブルの上へ集めたガラスを置き、魔法で熱し溶かす。
続いて、プレスの魔法で圧縮してみたら見事、均一な板ガラスになった!
「問題なさそうですね」
「うん! これで窓ガラスも解決だな」
大きな板ガラスを何枚か作っておいて、窓枠に合わせて魔法で板ガラスをカットすれば窓の完成だ。
四日後、ついに家が完成した! 家具も運び込み、窓も扉もバッチリになったぞ。
「これで今日から家に住むことができるな」
「これほどの短期間で堅牢な家が完成するとは魔法の力とは偉大だな」
小さめの豆腐型住居はラージャの個室にして、大き目の豆腐型住居のうち一つは俺とペネロペが使う。ペネロペが石材を切り出すのが超速だったから、もう一棟作ろうかとの話もあったんだけど、まずは最低限だけ作ろうと彼女が申し出たので追加の住居は作らなかったんだ。
残り一つはダイニングキッチンと風呂、トイレにした。この住居のみ仕切りの壁を備えていて、トイレ、風呂、ダイニングキッチンはそれぞれ部屋になっている。
ペネロペが湖の底から引き揚げてくれた家具類で全ての部屋の家具をそろえることもできた。
洗濯機、トイレ、冷蔵庫、大型キッチン、と必須の生活型家電も修理し設置完了している。
「それじゃあ、最後、魔道車から荷物を各々運んで終わりにしよう」
「お持ちしました」
いないなと思っていたペネロペが魔道車から荷物を抱えて出てきたではないか。
11
あなたにおすすめの小説
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
嫁に来た転生悪役令嬢「破滅します!」 俺「大丈夫だ、問題ない(ドラゴン殴りながら)」~ゲームの常識が通用しない辺境領主の無自覚成り上がり~
ちくでん
ファンタジー
「なぜあなたは、私のゲーム知識をことごとく上回ってしまうのですか!?」
魔物だらけの辺境で暮らす主人公ギリアムのもとに、公爵家令嬢ミューゼアが嫁として追放されてきた。実はこのお嫁さん、ゲーム世界に転生してきた転生悪役令嬢だったのです。
本来のゲームでは外道の悪役貴族だったはずのギリアム。ミューゼアは外道貴族に蹂躙される破滅エンドだったはずなのに、なぜかこの世界線では彼ギリアムは想定外に頑張り屋の好青年。彼はミューゼアのゲーム知識をことごとく超えて彼女を仰天させるイレギュラー、『ゲーム世界のルールブレイカー』でした。
ギリアムとミューゼアは、破滅回避のために力を合わせて領地開拓をしていきます。
スローライフ+悪役転生+領地開拓。これは、ゆったりと生活しながらもだんだんと世の中に(意図せず)影響力を発揮していってしまう二人の物語です。
神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる