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第九話『檻重ねワンダーランド』
その5 おれたちハッピージャンキー
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★熱血豪傑ビッグバンダー!
第九話『檻重ねワンダーランド』
その5 おれたちハッピージャンキー
teller:バッカス=リュボフ
◆
模擬戦後の、休憩時間。
おれはデータ上の存在なんかじゃない、本物のハンバーガーやらお菓子の山を腕いっぱいに抱えて走っていた。
ばたばたどたどたと騒がしい足音を立てて、おれはオリーヴ氏の元に馳せ参じる。
「オリーヴ氏~!! 改めて! トドメの必殺技めっちゃかっこよかったし悔しかった! ってことで! オリーヴ氏の勝利を祝してご馳走をどーぞ!」
「ああ。ありがとうバッカス」
オリーヴ氏はいつもの平然とした顔のまま、おれの腕からお菓子の袋を一つひょいと取り、バリバリとワイルドに袋を開けていく。
さすがオリーヴ氏、いちいちクッソ雑なとこが男前でかっちょいーね。
お菓子をつまみ始めるオリーヴ氏を見下ろす。
一番に勝ったからかな。
何となく雰囲気がいつもより、やわっこい気がする。
期間限定のお味のチップスもお気に召したようだ。
「……おまえの愛する『必殺技』とやらで、勝たせてもらったぞ」
「……んん?」
なんのこっちゃ、と首を傾げるおれに、オリーヴ氏は言葉を重ねる。
「忘れたか。俺に『必殺技』というものを教えたのは、おまえだ」
オリーヴ氏の言葉を聞いて。
相変わらずあんまりよろしくない頭で、オリーヴ氏との今までをちらほら思い出していく。
あれ、確か――オリーヴ氏と初めて、アンノウン相手に共闘した時に。
◆
『……何だ、さっきのは』
『さっきの?』
『アンノウンを殴る時、何か叫んでいただろう』
『え? ああ、必殺技だよ必殺技! 男のロマンじゃん?』
『そうなのか?』
『そうそう! オリーヴ氏も自分の必殺技の名前とか考えときなよ、楽しいから!』
『……考えておく』
◆
「え、あ、あーっ!? 言った言った話した!! オリーヴ氏マジか、あれからずっと必殺技名考えてた感じ!?」
「まあな。披露するのは遅くなったが。それにまだまだ完成形には程遠い」
「四つ巴に見事なトップの勝利かましといて殊勝なことを言ってらっしゃる……お祝いにこの骨付き肉をお食べ」
「うむ」
寮近くの出店で買いたてホヤホヤのお肉を手渡すと、がぶしゃりと凄い音を立ててオリーヴ氏がお肉にかぶりつく。
さすがオリーヴ氏、顔は良いから野性的な感じでサマになってる。
おれが同じ噛みつき方したら『食べ方が美しくない』ってピアスに蹴りを入れられるイメージがすっと湧く。
おれも何か食べよう、と腕の中のご馳走の山を吟味していると、片手に菓子袋、もう片手に骨付き肉と欲張りセット状態のオリーヴ氏が声を掛けてきた。
「……負けて、悔しくないのか」
そう問うたオリーヴ氏の真紅の瞳は、おれを真っ直ぐに映し出している。
赤。
昔のココロの傷がきっかけで、色々カラダが壊れた今のおれが、この特殊な眼鏡抜きでも唯一認識できる色。
血液の色。
――生きる為に、流れる色。
「そりゃ、悔しいっちゃ悔しいよ? 優勝するぜ! って誓ったばっかなのに、いきなり愁ちゃんには狙われるしカエちゃんからの扱い雑だったし、オリーヴ氏にはしてやられたし。うん、完敗の気分!」
「……明るく言うことか?」
「明るく言うことだよ。次がある、未来があるってわかってるうちはさ。次バトる時はどう戦おう、どう勝とう? って考えんのが今から楽しい! 明日のごはんは何食べよーって考えてる時とおんなじくらい楽しいね!」
「……それは同じなのか?」
「おれにとってはおんなじだよ。未来のこと考えて楽しい気分になれるのは、おれにとっては素晴らしいコトよ?」
「……そうか」
オリーヴ氏が目を伏せる。
その姿に、少しの哀愁を感じる。
きっとこのおじーちゃんは、未来への希望とか、自分には理解できないことだって思い込んでるんだろうけど。
おれは、気付いてしまっている。
おれがオリーヴ氏に必殺技の名前を考えることを勧めたのは、それが、楽しいことだから。
死にたい死にたい、永い間そればっかり考えてたオリーヴ氏が、楽しいことを探し始めている。
沢山のごはんも、おれの愛するロマネスクの曲だって。
オリーヴ氏が、好きなものを少しずつ増やしてくれている。
ヒーロー、だっけ。
オリーヴ氏の最近の目標。
その夢を志したきっかけはわからないけど、夢を得た最近のオリーヴ氏はとても活き活きしてて。
前よりずっと、かっくいーんだ。
ちゃらんぽらんだし大人としての威厳がない自覚はあるけど、おれはもういい歳で。
いやまあ、おれはギリギリおにーさんだけど……おれたちメシトモ4人、カエちゃん以外はまあまあいい大人なこともあって、あんまりお互いの事情を完全に知らない。
個人的に一番心配なのはカエちゃんだけど、カエちゃんに関しては愁ちゃんが誰よりほっとかない筈だし――今はまあ、とりあえず。
片手を伸ばし、オリーヴ氏の肩を引き寄せる。
その拍子に菓子袋がばらばらと落ちたけど、あと数分後には拾って全部食べるから許して。
「オリーヴ氏、今夜さ。愁ちゃんも誘って飲み会しようよ。カエちゃんが寝た後にでも!」
「……花楓が拗ねるぞ」
「まあまあ、そこは――あれ、オリーヴ氏の身体ってアルコールOKなんだっけ? 肉体年齢16歳くらいじゃなかった?」
「…………まあ、問題はないだろう」
「おっと、意味深な間があったぞ~? ま、いいや! 初の模擬戦記念に、せっかくだし今夜は語り明かそうぜい! なんかテキトーな話題で!」
「食事もつくか?」
「もっちろんお酒のお供にはごはんっしょ! たらふく食べよ、フィーバーしよう!」
おれがオリーヴ氏に望むことは、初めてじっくり話したあの日から。
二人一緒に列車に閉じ込められた時からあんまり変わってない。
仲良くしよう。
仲良く楽しいことしよう、末永く。
おれの人生に、楽しいことをもっとちょうだい
おれ自身がまだ囚われている過去を、ぼんやり思い出しかけて、でも顔を上げて。
今この瞬間ここに在る景色を、ぽんこつの両目に焼き付ける。
きっとオリーヴ氏もおれも、もしかしたら、カエちゃんも。
一回ひどい絶望を経験してるからこそ、楽しいことや幸せに飢えてて。
愛や夢や希望を謳ってないと、生きてすらいけないんだ。
――うっし。
いっぱい食べて、飲んで、エネルギー源の愛と希望その他諸々を充填しよう。
そんでおれは、目指すぜ優勝!
おれの人生で一番の夢の為に、目標の為に、頑張ってやる。
全部、全部に食らいついてやる!
まずはいつものメシトモ三人、完膚なきまでに倒すのが最初の目標!
あ。
愁ちゃんは……おれらとはちょい違うタイプだけど、まあ、おれらみたいな厄介なヤツらに好かれるタイプではあるから、諦めてほしい。
――そんなわけでオリーヴ氏を連れて愁ちゃんを飲みに誘ったら、見慣れたゲンナリ顔の愁ちゃん蹴り飛ばされて、愁ちゃんと一緒にいたカエちゃんにも飲み会企画がバレて『ずるいずるい』と足を蹴られた。
全部おれオンリーに攻撃集中してるのひどくない?
みんなオリーヴ氏には優しいね?
おふたりさん、ガラ悪い性格なのにご老人には優しいの?
そこはモラルあるんだ、やさしい!
願わくばおれにもやさしくしてほしい。
おれは優しさにも飢えてるのよ。欲は深いけど蹴りは2回も要らんのよ。
あ、だからと言って殴ったらいいって話でもないんよ。暴力よくない!
いま、切にラブ&ピースを謳いたい! 切に! 切実に!
第九話『檻重ねワンダーランド』
その5 おれたちハッピージャンキー
teller:バッカス=リュボフ
◆
模擬戦後の、休憩時間。
おれはデータ上の存在なんかじゃない、本物のハンバーガーやらお菓子の山を腕いっぱいに抱えて走っていた。
ばたばたどたどたと騒がしい足音を立てて、おれはオリーヴ氏の元に馳せ参じる。
「オリーヴ氏~!! 改めて! トドメの必殺技めっちゃかっこよかったし悔しかった! ってことで! オリーヴ氏の勝利を祝してご馳走をどーぞ!」
「ああ。ありがとうバッカス」
オリーヴ氏はいつもの平然とした顔のまま、おれの腕からお菓子の袋を一つひょいと取り、バリバリとワイルドに袋を開けていく。
さすがオリーヴ氏、いちいちクッソ雑なとこが男前でかっちょいーね。
お菓子をつまみ始めるオリーヴ氏を見下ろす。
一番に勝ったからかな。
何となく雰囲気がいつもより、やわっこい気がする。
期間限定のお味のチップスもお気に召したようだ。
「……おまえの愛する『必殺技』とやらで、勝たせてもらったぞ」
「……んん?」
なんのこっちゃ、と首を傾げるおれに、オリーヴ氏は言葉を重ねる。
「忘れたか。俺に『必殺技』というものを教えたのは、おまえだ」
オリーヴ氏の言葉を聞いて。
相変わらずあんまりよろしくない頭で、オリーヴ氏との今までをちらほら思い出していく。
あれ、確か――オリーヴ氏と初めて、アンノウン相手に共闘した時に。
◆
『……何だ、さっきのは』
『さっきの?』
『アンノウンを殴る時、何か叫んでいただろう』
『え? ああ、必殺技だよ必殺技! 男のロマンじゃん?』
『そうなのか?』
『そうそう! オリーヴ氏も自分の必殺技の名前とか考えときなよ、楽しいから!』
『……考えておく』
◆
「え、あ、あーっ!? 言った言った話した!! オリーヴ氏マジか、あれからずっと必殺技名考えてた感じ!?」
「まあな。披露するのは遅くなったが。それにまだまだ完成形には程遠い」
「四つ巴に見事なトップの勝利かましといて殊勝なことを言ってらっしゃる……お祝いにこの骨付き肉をお食べ」
「うむ」
寮近くの出店で買いたてホヤホヤのお肉を手渡すと、がぶしゃりと凄い音を立ててオリーヴ氏がお肉にかぶりつく。
さすがオリーヴ氏、顔は良いから野性的な感じでサマになってる。
おれが同じ噛みつき方したら『食べ方が美しくない』ってピアスに蹴りを入れられるイメージがすっと湧く。
おれも何か食べよう、と腕の中のご馳走の山を吟味していると、片手に菓子袋、もう片手に骨付き肉と欲張りセット状態のオリーヴ氏が声を掛けてきた。
「……負けて、悔しくないのか」
そう問うたオリーヴ氏の真紅の瞳は、おれを真っ直ぐに映し出している。
赤。
昔のココロの傷がきっかけで、色々カラダが壊れた今のおれが、この特殊な眼鏡抜きでも唯一認識できる色。
血液の色。
――生きる為に、流れる色。
「そりゃ、悔しいっちゃ悔しいよ? 優勝するぜ! って誓ったばっかなのに、いきなり愁ちゃんには狙われるしカエちゃんからの扱い雑だったし、オリーヴ氏にはしてやられたし。うん、完敗の気分!」
「……明るく言うことか?」
「明るく言うことだよ。次がある、未来があるってわかってるうちはさ。次バトる時はどう戦おう、どう勝とう? って考えんのが今から楽しい! 明日のごはんは何食べよーって考えてる時とおんなじくらい楽しいね!」
「……それは同じなのか?」
「おれにとってはおんなじだよ。未来のこと考えて楽しい気分になれるのは、おれにとっては素晴らしいコトよ?」
「……そうか」
オリーヴ氏が目を伏せる。
その姿に、少しの哀愁を感じる。
きっとこのおじーちゃんは、未来への希望とか、自分には理解できないことだって思い込んでるんだろうけど。
おれは、気付いてしまっている。
おれがオリーヴ氏に必殺技の名前を考えることを勧めたのは、それが、楽しいことだから。
死にたい死にたい、永い間そればっかり考えてたオリーヴ氏が、楽しいことを探し始めている。
沢山のごはんも、おれの愛するロマネスクの曲だって。
オリーヴ氏が、好きなものを少しずつ増やしてくれている。
ヒーロー、だっけ。
オリーヴ氏の最近の目標。
その夢を志したきっかけはわからないけど、夢を得た最近のオリーヴ氏はとても活き活きしてて。
前よりずっと、かっくいーんだ。
ちゃらんぽらんだし大人としての威厳がない自覚はあるけど、おれはもういい歳で。
いやまあ、おれはギリギリおにーさんだけど……おれたちメシトモ4人、カエちゃん以外はまあまあいい大人なこともあって、あんまりお互いの事情を完全に知らない。
個人的に一番心配なのはカエちゃんだけど、カエちゃんに関しては愁ちゃんが誰よりほっとかない筈だし――今はまあ、とりあえず。
片手を伸ばし、オリーヴ氏の肩を引き寄せる。
その拍子に菓子袋がばらばらと落ちたけど、あと数分後には拾って全部食べるから許して。
「オリーヴ氏、今夜さ。愁ちゃんも誘って飲み会しようよ。カエちゃんが寝た後にでも!」
「……花楓が拗ねるぞ」
「まあまあ、そこは――あれ、オリーヴ氏の身体ってアルコールOKなんだっけ? 肉体年齢16歳くらいじゃなかった?」
「…………まあ、問題はないだろう」
「おっと、意味深な間があったぞ~? ま、いいや! 初の模擬戦記念に、せっかくだし今夜は語り明かそうぜい! なんかテキトーな話題で!」
「食事もつくか?」
「もっちろんお酒のお供にはごはんっしょ! たらふく食べよ、フィーバーしよう!」
おれがオリーヴ氏に望むことは、初めてじっくり話したあの日から。
二人一緒に列車に閉じ込められた時からあんまり変わってない。
仲良くしよう。
仲良く楽しいことしよう、末永く。
おれの人生に、楽しいことをもっとちょうだい
おれ自身がまだ囚われている過去を、ぼんやり思い出しかけて、でも顔を上げて。
今この瞬間ここに在る景色を、ぽんこつの両目に焼き付ける。
きっとオリーヴ氏もおれも、もしかしたら、カエちゃんも。
一回ひどい絶望を経験してるからこそ、楽しいことや幸せに飢えてて。
愛や夢や希望を謳ってないと、生きてすらいけないんだ。
――うっし。
いっぱい食べて、飲んで、エネルギー源の愛と希望その他諸々を充填しよう。
そんでおれは、目指すぜ優勝!
おれの人生で一番の夢の為に、目標の為に、頑張ってやる。
全部、全部に食らいついてやる!
まずはいつものメシトモ三人、完膚なきまでに倒すのが最初の目標!
あ。
愁ちゃんは……おれらとはちょい違うタイプだけど、まあ、おれらみたいな厄介なヤツらに好かれるタイプではあるから、諦めてほしい。
――そんなわけでオリーヴ氏を連れて愁ちゃんを飲みに誘ったら、見慣れたゲンナリ顔の愁ちゃん蹴り飛ばされて、愁ちゃんと一緒にいたカエちゃんにも飲み会企画がバレて『ずるいずるい』と足を蹴られた。
全部おれオンリーに攻撃集中してるのひどくない?
みんなオリーヴ氏には優しいね?
おふたりさん、ガラ悪い性格なのにご老人には優しいの?
そこはモラルあるんだ、やさしい!
願わくばおれにもやさしくしてほしい。
おれは優しさにも飢えてるのよ。欲は深いけど蹴りは2回も要らんのよ。
あ、だからと言って殴ったらいいって話でもないんよ。暴力よくない!
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