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第四話『さあ、手負いの獣とダンスを』
その6 花咲く笑顔をその病に
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★第四話『さあ、手負いの獣とダンスを』
その6 花咲く笑顔をその病に
teller:ホープ=ラッセル
ジャンク屋区域のゲームセンターに安澄を連れてきて、オレはまずふと思ったことを安澄に訊ねてみることにした。
「安澄って、好きなゲームとかあんの? RPG系? それとも格ゲーとか音ゲーとか、パズルゲームとか……あと、シューティングゲームとかか?」
だけど、オレの質問に安澄は思いっ切り眉を顰め、少し考え込む素振りをしてから吐き捨てるように素っ気なく言った。
「……ねえよ。っつーか、げーむ……? とか、良くわかってねえし。やったこともない」
「え、嘘」
「あ? バカにしてんのかテメェ」
「え。しとらんしとらん。ただ、カルチャーショックにびっくり半分ウキウキ半分ってとこ」
「どういう感情だよそれ……」
めんどくさそうに頭をガシガシと掻く安澄。
オレはそんな安澄の腕を引っ掴み、ずかずかと容赦なくゲーセンの中に足を踏み入れた。
安澄を引きずりながら。
っていうか重いなこいつ。
ガタイ良いんだから当たり前か。
「んじゃ、まずは格ゲーする? バトろうゼ。男と男の真剣勝負で腹割って画面の中で殴り合って友情を深めようゼ」
「……ぜってー嫌だ」
「なんと。……くっ、致し方ない。ここはゲーセンの奥まった場所にある恋愛シミュレーションゲームで二次元美少女とイチャイチャしてお年頃の男子感を味わう遊びを……ぐはっ!」
ぶん殴られた。割とマジの力加減で。ひでえ。
ただ、オレはなんでか頻繁に友人を怒らせることが多いせいかこのくらいの物理的衝撃は慣れてしまっている。
すぐにピンピンとできる。さすがオレ。
安澄は未だに敵意通り越して殺意MAXの鬼の形相でこちらへの第二撃のお見舞いをスタンバイ中。
オレはそんな安澄の前に両手を突き出し、ふるふると首を横に振った。
「待て、安澄。これはオレの親愛なるパートナーことマブである胡桃が言ってたんだが、二次元の異性にときめくのは浮気にはならない。あくまで次元の違う相手を日常生活では絶対に得られない感情で愛でているだけの話だから、安澄はもっと気軽に萌えを体験しても……へぶっ!」
またぶん殴られた。
というかぶっ飛ばされた。ひでえ。
オレ今何メートルぶっ飛んだろう。
良かった生きてて。
さすがオレ。不死身じゃん。不屈の魂じゃん。我ながらかっけえ。
安澄はと言うと、それはそれは心底うんざりしたような苛立ったような顔をしていて、オレを見下ろしている。
それはそれでまあまあ男前な顔つきをしていたので、童顔気味のオレとしてはちょっと羨ましいなあ、なんて思ったりもした。
「安澄のパートナーってリーザちゃんとかいう子だよな? リーザ=ブルーム。あのプランチナブロンドっぽい髪色の儚げな美人さん」
「気安くちゃん付けで呼ぶんじゃねえダボ」
「え、すんません」
つい半ば敬語で謝ってしまった。
安澄の圧が物凄かったからだ。
波風はなるべく立てたくない。
安澄とはもっと仲良くなりたいし。
安澄のギャルゲーへの拒絶反応っぷりを見る限り、安澄ってリーザちゃんのこと好きなんかな? とも思ったが、そういうのは気軽に口にしちゃいけないのだと、昔胡桃がオレに懇切丁寧に言い聞かせてくれた。
オレはと言うとそれを上手に実践できた試しはないが。
「んー……じゃ、音ゲーからやってみっか。スコア競おうぜ! これ、オススメの曲沢山あってさ――」
色々脱線してしまったが、とりあえず本来の目的を果たそうとリズムゲームコーナーに安澄を引っ張っていこうとしたその時だった。
バチバチ、と火花が散るような音が聴こえたような気がして、違和感を感じて振り返る、と。
重たい爆発音と共に辺りが一瞬で灰色の煙に包まれた。
「え……」
思わず驚きの声を上げそうになったが、ああそうだ、こういう時は煙なんか吸い込んじゃ駄目なんだ。
あまりにも突然のことでオレが動けずにいると、安澄がオレの首根っこを引っ掴んでゲーセンの外に飛び出す。
ちょっ、首が苦しい苦しい苦しい。煙関係なくこれはこれで死んじゃう。
そうして外に出たら、街は異様な空気に包まれていた。
あちこちから、混乱したような、パニックに陥ったような悲鳴が聴こえてきたのだ。
火の海とまではいかないが、あちこちで小規模な爆発が起きているようで、かと思えばスパークが走り新しい被害が発生している。
右往左往する人々の近くを見ると、爆発源は電子端末、携帯ゲーム機、小型コンピュータなどの電子機器。
居住スペースの方からも煙が上がっているのを見るに、家電も対象に入るのだろうか。
何かが起きている。日常をぶち壊す、みんなから笑顔を奪う何かが。
もともとこの星の日常なんて治安が悪いけれど、それでもオレたちはオレたちなりに必死に生きて、オレ以外は笑える世界で日々を過ごしている筈なのに。
暴走した電子機器に翻弄されている街の様子をオレと安澄が呆然としながら立ち尽くして眺めていると、オレが首元から下げたホイッスルからふんわりとした声が聴こえた。
『やっほ、ホープくん。聴こえるかね~?』
「あ、胡桃! なあなあ、なんか街が明らかにヤバめな感じになってんだけど、なんかあった? っていうかこのホイッスルは爆発したりしない?」
声の主は、オレのパートナーである胡桃だった。
こんな時でもいつも通りのまったりとした胡桃の口調に、救われるような安心感を覚える。
『ホイッスルとかビッグバンダーは無事よん。爆発の発火源は電子機器。ビッグバンダーはファイターの生体データが深く関わっているから、軽く生き物判定されちゃってるみたいでセーフ。んで……街のこの騒ぎの原因は、アンノウンのせい。ウィルス型のね』
「ウィルス型……?」
『そ。人類の叡智の結晶とも言える電子機器に目をつけて、ウィルスで内部からデータを破壊して、しまいにはバグの積み重ねで本体を爆発させて、人類から情報と歴史を奪う特殊型アンノウン。厄介な病を人類に植え付けていってるようなもんさね』
病。
……病、かあ。
一瞬また別の思考に脱線して、オレはまたホイッスルに語り掛ける。
「……なーるほど。そんじゃさ、胡桃。オレちょっとやりたいことあんだけど、協力してくれる?」
『もちろーん。このままじゃ、わたしも大好きなゲームできなくなっちゃうからねえ。バックアップは特殊技術でとっといてるけど、ウィルスがこれ以上のさばるようならわたしもほら、生きてけないし』
「だよなあ。あ、死ぬなよ? オレが何とかするから」
『なんとかって?』
わかってるくせに。
付き合い長いから、オレの考えなんてわかってるくせに。
胡桃がくすくす笑ったのを機に、オレは高らかに言った。
「病と言えど、宇宙生物。命ある生き物だ。そしてオレの生き甲斐は、他人を笑わせるコト。……だとしたら、決まってんじゃん」
オレは手の平にガッと拳を打ち付けて、高らかに宣言した。
「ウィルスだかなんだか知らねーけど……全部、笑顔にさせてやる。そんで最後はみんなで笑ってハッピーエンド! バチバチ散る火花だらけのこの街を――今日は、オレが笑顔の花で咲かせてやる!!」
その6 花咲く笑顔をその病に
teller:ホープ=ラッセル
ジャンク屋区域のゲームセンターに安澄を連れてきて、オレはまずふと思ったことを安澄に訊ねてみることにした。
「安澄って、好きなゲームとかあんの? RPG系? それとも格ゲーとか音ゲーとか、パズルゲームとか……あと、シューティングゲームとかか?」
だけど、オレの質問に安澄は思いっ切り眉を顰め、少し考え込む素振りをしてから吐き捨てるように素っ気なく言った。
「……ねえよ。っつーか、げーむ……? とか、良くわかってねえし。やったこともない」
「え、嘘」
「あ? バカにしてんのかテメェ」
「え。しとらんしとらん。ただ、カルチャーショックにびっくり半分ウキウキ半分ってとこ」
「どういう感情だよそれ……」
めんどくさそうに頭をガシガシと掻く安澄。
オレはそんな安澄の腕を引っ掴み、ずかずかと容赦なくゲーセンの中に足を踏み入れた。
安澄を引きずりながら。
っていうか重いなこいつ。
ガタイ良いんだから当たり前か。
「んじゃ、まずは格ゲーする? バトろうゼ。男と男の真剣勝負で腹割って画面の中で殴り合って友情を深めようゼ」
「……ぜってー嫌だ」
「なんと。……くっ、致し方ない。ここはゲーセンの奥まった場所にある恋愛シミュレーションゲームで二次元美少女とイチャイチャしてお年頃の男子感を味わう遊びを……ぐはっ!」
ぶん殴られた。割とマジの力加減で。ひでえ。
ただ、オレはなんでか頻繁に友人を怒らせることが多いせいかこのくらいの物理的衝撃は慣れてしまっている。
すぐにピンピンとできる。さすがオレ。
安澄は未だに敵意通り越して殺意MAXの鬼の形相でこちらへの第二撃のお見舞いをスタンバイ中。
オレはそんな安澄の前に両手を突き出し、ふるふると首を横に振った。
「待て、安澄。これはオレの親愛なるパートナーことマブである胡桃が言ってたんだが、二次元の異性にときめくのは浮気にはならない。あくまで次元の違う相手を日常生活では絶対に得られない感情で愛でているだけの話だから、安澄はもっと気軽に萌えを体験しても……へぶっ!」
またぶん殴られた。
というかぶっ飛ばされた。ひでえ。
オレ今何メートルぶっ飛んだろう。
良かった生きてて。
さすがオレ。不死身じゃん。不屈の魂じゃん。我ながらかっけえ。
安澄はと言うと、それはそれは心底うんざりしたような苛立ったような顔をしていて、オレを見下ろしている。
それはそれでまあまあ男前な顔つきをしていたので、童顔気味のオレとしてはちょっと羨ましいなあ、なんて思ったりもした。
「安澄のパートナーってリーザちゃんとかいう子だよな? リーザ=ブルーム。あのプランチナブロンドっぽい髪色の儚げな美人さん」
「気安くちゃん付けで呼ぶんじゃねえダボ」
「え、すんません」
つい半ば敬語で謝ってしまった。
安澄の圧が物凄かったからだ。
波風はなるべく立てたくない。
安澄とはもっと仲良くなりたいし。
安澄のギャルゲーへの拒絶反応っぷりを見る限り、安澄ってリーザちゃんのこと好きなんかな? とも思ったが、そういうのは気軽に口にしちゃいけないのだと、昔胡桃がオレに懇切丁寧に言い聞かせてくれた。
オレはと言うとそれを上手に実践できた試しはないが。
「んー……じゃ、音ゲーからやってみっか。スコア競おうぜ! これ、オススメの曲沢山あってさ――」
色々脱線してしまったが、とりあえず本来の目的を果たそうとリズムゲームコーナーに安澄を引っ張っていこうとしたその時だった。
バチバチ、と火花が散るような音が聴こえたような気がして、違和感を感じて振り返る、と。
重たい爆発音と共に辺りが一瞬で灰色の煙に包まれた。
「え……」
思わず驚きの声を上げそうになったが、ああそうだ、こういう時は煙なんか吸い込んじゃ駄目なんだ。
あまりにも突然のことでオレが動けずにいると、安澄がオレの首根っこを引っ掴んでゲーセンの外に飛び出す。
ちょっ、首が苦しい苦しい苦しい。煙関係なくこれはこれで死んじゃう。
そうして外に出たら、街は異様な空気に包まれていた。
あちこちから、混乱したような、パニックに陥ったような悲鳴が聴こえてきたのだ。
火の海とまではいかないが、あちこちで小規模な爆発が起きているようで、かと思えばスパークが走り新しい被害が発生している。
右往左往する人々の近くを見ると、爆発源は電子端末、携帯ゲーム機、小型コンピュータなどの電子機器。
居住スペースの方からも煙が上がっているのを見るに、家電も対象に入るのだろうか。
何かが起きている。日常をぶち壊す、みんなから笑顔を奪う何かが。
もともとこの星の日常なんて治安が悪いけれど、それでもオレたちはオレたちなりに必死に生きて、オレ以外は笑える世界で日々を過ごしている筈なのに。
暴走した電子機器に翻弄されている街の様子をオレと安澄が呆然としながら立ち尽くして眺めていると、オレが首元から下げたホイッスルからふんわりとした声が聴こえた。
『やっほ、ホープくん。聴こえるかね~?』
「あ、胡桃! なあなあ、なんか街が明らかにヤバめな感じになってんだけど、なんかあった? っていうかこのホイッスルは爆発したりしない?」
声の主は、オレのパートナーである胡桃だった。
こんな時でもいつも通りのまったりとした胡桃の口調に、救われるような安心感を覚える。
『ホイッスルとかビッグバンダーは無事よん。爆発の発火源は電子機器。ビッグバンダーはファイターの生体データが深く関わっているから、軽く生き物判定されちゃってるみたいでセーフ。んで……街のこの騒ぎの原因は、アンノウンのせい。ウィルス型のね』
「ウィルス型……?」
『そ。人類の叡智の結晶とも言える電子機器に目をつけて、ウィルスで内部からデータを破壊して、しまいにはバグの積み重ねで本体を爆発させて、人類から情報と歴史を奪う特殊型アンノウン。厄介な病を人類に植え付けていってるようなもんさね』
病。
……病、かあ。
一瞬また別の思考に脱線して、オレはまたホイッスルに語り掛ける。
「……なーるほど。そんじゃさ、胡桃。オレちょっとやりたいことあんだけど、協力してくれる?」
『もちろーん。このままじゃ、わたしも大好きなゲームできなくなっちゃうからねえ。バックアップは特殊技術でとっといてるけど、ウィルスがこれ以上のさばるようならわたしもほら、生きてけないし』
「だよなあ。あ、死ぬなよ? オレが何とかするから」
『なんとかって?』
わかってるくせに。
付き合い長いから、オレの考えなんてわかってるくせに。
胡桃がくすくす笑ったのを機に、オレは高らかに言った。
「病と言えど、宇宙生物。命ある生き物だ。そしてオレの生き甲斐は、他人を笑わせるコト。……だとしたら、決まってんじゃん」
オレは手の平にガッと拳を打ち付けて、高らかに宣言した。
「ウィルスだかなんだか知らねーけど……全部、笑顔にさせてやる。そんで最後はみんなで笑ってハッピーエンド! バチバチ散る火花だらけのこの街を――今日は、オレが笑顔の花で咲かせてやる!!」
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