44 / 150
第10章:賭博都市と嘘喰いの道化師
第44話:自由都市カジノ・ロワイヤル
しおりを挟む
俺たち《アケボシ》の、本当の戦い。
その最初の舞台の幕が、今まさに上がろうとしていた。
◇ ◇ ◇
賭博都市、カジノ・ロワイヤル。
その巨大な城門は、まるで全てを飲み込む獣の顎のように、俺たちの前に口を開けていた。
門の上にはサイコロとコインをかたどった奇妙な紋章が掲げられ、その奥からは欲望と熱気が渦巻く生々しい人間の匂いが、むわりと流れ出してくる。
「……ひどい匂い……」
隣で、ルナが鼻をつまんで顔をしかめた。
獣人である彼女の鋭い嗅覚には、この街が放つ酒と汗、香水と金が混じり合った匂いは耐え難いものなのだろう。
「……空気が、揺らいでおる」
エルゴもまた、その手に持つ古びた傘を杖代わりに突きながら、険しい表情で街の空を見上げている。
「無数の魂の渇望が、陽炎のように立ち上っておるわい。帝国とは、全く違う意味で危険な場所じゃな……」
二人の言う通りだった。
神聖ロゴス帝国の管理された清潔さとも、奈落の谷のよどんだ絶望とも違う。
ここは、人間の欲望というものが一切の枷を外され、剥き出しのまま渦巻いている場所だ。
前世で俺が歩いた、眠らない繁華街の空気に似ている。
だが、その濃度が尋常ではなかった。
「行くぞ」
俺は、二人に短く告げた。
「ここが、俺たちの最初の戦場だ」
俺たちは、覚悟を決めて門をくぐった。
その瞬間、音の洪水が俺たちを襲った。
けたたましく鳴り響く音楽。
人々の熱狂的な歓声と、絶叫にも似た悲鳴。
絶え間なく鳴り続ける、スロットマシンのような機械のベルの音。
その全てがごちゃ混ぜになって、脳を直接揺さぶってくる。
目の前に広がるのは、昼夜の感覚を狂わせる狂乱の光景だった。
空は、色とりどりの魔晶石でできた看板の光で、夜だというのに真昼のように明るい。
道という道は人で埋め尽くされ、誰もが熱に浮かされたような顔で、一攫千金を夢見ていた。
「おい、そこの兄ちゃん!
一杯どうだい!
今日の勝負運が上がる、幸運の酒だぜ!」
「そこのお嬢さん、綺麗な毛皮だねぇ!
今日の勝負に負けたのかい?
俺が慰めてやるよ、一晩中な!」
すれ違う人々から、品のない声が次々と飛んでくる。
ルナが、獣の唸り声を上げて威嚇した。
その鋭い眼光に、声をかけてきた男たちは慌てて逃げていく。
「……秩序が、ない」
エルゴが、呆れたように呟いた。
彼の言う通り、この街には帝国の治安維持部隊のような、法を守らせる者の姿がどこにも見当たらない。
代わりに闊歩しているのは、賭場の用心棒らしき屈強な男たちだけだ。
ここでは、法や秩序よりも腕力と金が全てを支配しているのだ。
「まずは、情報収集と……
今夜の寝床の確保だな」
俺は、人混みをかき分けながら二人に言った。
「それから、資金稼ぎもしないといけない」
奈落の谷から持ってきたものなど、着の身着のまま。
俺たちの懐には、銅貨一枚すら入っていない。
俺たちは、比較的規模の大きい路上の賭場へと足を運んだ。
円形に作られた闘技場のような場所で、中央のテーブルを大勢の客が取り囲んでいる。
どうやら、カードゲームが行われているらしい。
「張った、張った!
さあ、次の一枚で全てが決まる!
勝つのは赤か、黒か!」
ディーラーらしき男の威勢のいい声が響き渡る。
俺たちが人垣の後ろからその様子をうかがっていると、信じられない光景が目の前で繰り広げられた。
テーブルの上には、赤と黒の二枚のカードが伏せられている。
客たちが、どちらかにコインを賭けていく。
赤に賭ける者が、やや多いようだ。
ディーラーはニヤリと笑うと、おもむろに黒のカードを指さした。
「――勝負あり!
勝ちは、黒だ!」
その言葉と同時に、彼が指さした黒のカードが淡い光を放ち、その数字が『9』から『10』へと変化したのだ。
赤のカードは『9』のまま。
わずかな差で、黒の勝ち。
「うおおおおおっ!」
「やったぜ!
大儲けだ!」
黒に賭けていた者たちから、歓声が上がる。
赤に賭けていた者たちは、悔しそうに舌打ちしながら賭け金を没収されていく。
「……今のは……」
ルナが、不審そうな声を上げる。
「……イカサマ、じゃないのか?」
「ああ、間違いない」
俺は、静かに頷いた。
「天賦を使った、あからさまなイカサマだ」
俺は、ディーラーの男に意識を集中させる。
《物語の観測者》――発動。
(ケントの思考:こいつの物語を、丸裸にしてやる――《物語の観測者》!)
(脳内に、冷たい情報の奔流が流れ込む。)
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
名前:ザック
状態:高揚、優越感
魂の物語:
【過去】:何をやっても中途半端だった、平凡な人生。
【渇望】:勝ちたい。誰かに認められたい。この街で一番の勝者になりたい。
【信条】:勝てば官軍。どんな手を使おうと、最後に立っていた者が正義だ。
天賦:
《不完全な模倣画》
能力概要:視認した物体の表面的な情報を、別の物体に上書きして模倣する。ただし、完璧には模倣できず、必ず一つの「欠陥」が生じる。(例:カードの数字を1だけ変える、コインの裏表を逆にする、など限定的な操作しかできない)。
攻略の糸口:
【精神】:彼の力は「勝ちたい」という強い渇望に支えられている。彼の自信を打ち砕き、敗北の可能性を突きつけることで、能力の精度を著しく落とすことができる。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「……ひどいな」
俺の口から、乾いた笑いが漏れた。
この街は、イカサマ師の天国だ。
だが、もっと驚くべきは周囲の客たちの反応だった。
何人かは、今のイカサマに気づいているはずだ。
だが、誰もそれを非難しようとはしない。
それどころか、勝者であるディーラーを称賛の目で見つめている。
「……どうなってんだ、この街は」
ルナが、吐き捨てるように言った。
「イカサマが、まかり通ってるのかよ」
「ああ、そうらしい」
俺は、この街の異常なルールを理解し始めていた。
「ここでは、『勝つこと』が全てなんだ。
どんな手段を使おうと、最後に勝った者が正義。
天賦は、そのための武器でしかない。
……リュウガの帝国とは、真逆の価値観だな」
その最初の舞台の幕が、今まさに上がろうとしていた。
◇ ◇ ◇
賭博都市、カジノ・ロワイヤル。
その巨大な城門は、まるで全てを飲み込む獣の顎のように、俺たちの前に口を開けていた。
門の上にはサイコロとコインをかたどった奇妙な紋章が掲げられ、その奥からは欲望と熱気が渦巻く生々しい人間の匂いが、むわりと流れ出してくる。
「……ひどい匂い……」
隣で、ルナが鼻をつまんで顔をしかめた。
獣人である彼女の鋭い嗅覚には、この街が放つ酒と汗、香水と金が混じり合った匂いは耐え難いものなのだろう。
「……空気が、揺らいでおる」
エルゴもまた、その手に持つ古びた傘を杖代わりに突きながら、険しい表情で街の空を見上げている。
「無数の魂の渇望が、陽炎のように立ち上っておるわい。帝国とは、全く違う意味で危険な場所じゃな……」
二人の言う通りだった。
神聖ロゴス帝国の管理された清潔さとも、奈落の谷のよどんだ絶望とも違う。
ここは、人間の欲望というものが一切の枷を外され、剥き出しのまま渦巻いている場所だ。
前世で俺が歩いた、眠らない繁華街の空気に似ている。
だが、その濃度が尋常ではなかった。
「行くぞ」
俺は、二人に短く告げた。
「ここが、俺たちの最初の戦場だ」
俺たちは、覚悟を決めて門をくぐった。
その瞬間、音の洪水が俺たちを襲った。
けたたましく鳴り響く音楽。
人々の熱狂的な歓声と、絶叫にも似た悲鳴。
絶え間なく鳴り続ける、スロットマシンのような機械のベルの音。
その全てがごちゃ混ぜになって、脳を直接揺さぶってくる。
目の前に広がるのは、昼夜の感覚を狂わせる狂乱の光景だった。
空は、色とりどりの魔晶石でできた看板の光で、夜だというのに真昼のように明るい。
道という道は人で埋め尽くされ、誰もが熱に浮かされたような顔で、一攫千金を夢見ていた。
「おい、そこの兄ちゃん!
一杯どうだい!
今日の勝負運が上がる、幸運の酒だぜ!」
「そこのお嬢さん、綺麗な毛皮だねぇ!
今日の勝負に負けたのかい?
俺が慰めてやるよ、一晩中な!」
すれ違う人々から、品のない声が次々と飛んでくる。
ルナが、獣の唸り声を上げて威嚇した。
その鋭い眼光に、声をかけてきた男たちは慌てて逃げていく。
「……秩序が、ない」
エルゴが、呆れたように呟いた。
彼の言う通り、この街には帝国の治安維持部隊のような、法を守らせる者の姿がどこにも見当たらない。
代わりに闊歩しているのは、賭場の用心棒らしき屈強な男たちだけだ。
ここでは、法や秩序よりも腕力と金が全てを支配しているのだ。
「まずは、情報収集と……
今夜の寝床の確保だな」
俺は、人混みをかき分けながら二人に言った。
「それから、資金稼ぎもしないといけない」
奈落の谷から持ってきたものなど、着の身着のまま。
俺たちの懐には、銅貨一枚すら入っていない。
俺たちは、比較的規模の大きい路上の賭場へと足を運んだ。
円形に作られた闘技場のような場所で、中央のテーブルを大勢の客が取り囲んでいる。
どうやら、カードゲームが行われているらしい。
「張った、張った!
さあ、次の一枚で全てが決まる!
勝つのは赤か、黒か!」
ディーラーらしき男の威勢のいい声が響き渡る。
俺たちが人垣の後ろからその様子をうかがっていると、信じられない光景が目の前で繰り広げられた。
テーブルの上には、赤と黒の二枚のカードが伏せられている。
客たちが、どちらかにコインを賭けていく。
赤に賭ける者が、やや多いようだ。
ディーラーはニヤリと笑うと、おもむろに黒のカードを指さした。
「――勝負あり!
勝ちは、黒だ!」
その言葉と同時に、彼が指さした黒のカードが淡い光を放ち、その数字が『9』から『10』へと変化したのだ。
赤のカードは『9』のまま。
わずかな差で、黒の勝ち。
「うおおおおおっ!」
「やったぜ!
大儲けだ!」
黒に賭けていた者たちから、歓声が上がる。
赤に賭けていた者たちは、悔しそうに舌打ちしながら賭け金を没収されていく。
「……今のは……」
ルナが、不審そうな声を上げる。
「……イカサマ、じゃないのか?」
「ああ、間違いない」
俺は、静かに頷いた。
「天賦を使った、あからさまなイカサマだ」
俺は、ディーラーの男に意識を集中させる。
《物語の観測者》――発動。
(ケントの思考:こいつの物語を、丸裸にしてやる――《物語の観測者》!)
(脳内に、冷たい情報の奔流が流れ込む。)
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
名前:ザック
状態:高揚、優越感
魂の物語:
【過去】:何をやっても中途半端だった、平凡な人生。
【渇望】:勝ちたい。誰かに認められたい。この街で一番の勝者になりたい。
【信条】:勝てば官軍。どんな手を使おうと、最後に立っていた者が正義だ。
天賦:
《不完全な模倣画》
能力概要:視認した物体の表面的な情報を、別の物体に上書きして模倣する。ただし、完璧には模倣できず、必ず一つの「欠陥」が生じる。(例:カードの数字を1だけ変える、コインの裏表を逆にする、など限定的な操作しかできない)。
攻略の糸口:
【精神】:彼の力は「勝ちたい」という強い渇望に支えられている。彼の自信を打ち砕き、敗北の可能性を突きつけることで、能力の精度を著しく落とすことができる。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「……ひどいな」
俺の口から、乾いた笑いが漏れた。
この街は、イカサマ師の天国だ。
だが、もっと驚くべきは周囲の客たちの反応だった。
何人かは、今のイカサマに気づいているはずだ。
だが、誰もそれを非難しようとはしない。
それどころか、勝者であるディーラーを称賛の目で見つめている。
「……どうなってんだ、この街は」
ルナが、吐き捨てるように言った。
「イカサマが、まかり通ってるのかよ」
「ああ、そうらしい」
俺は、この街の異常なルールを理解し始めていた。
「ここでは、『勝つこと』が全てなんだ。
どんな手段を使おうと、最後に勝った者が正義。
天賦は、そのための武器でしかない。
……リュウガの帝国とは、真逆の価値観だな」
20
あなたにおすすめの小説
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
家族と魔法と異世界ライフ!〜お父さん、転生したら無職だったよ〜
三瀬夕
ファンタジー
「俺は加藤陽介、36歳。普通のサラリーマンだ。日本のある町で、家族5人、慎ましく暮らしている。どこにでいる一般家庭…のはずだったんだけど……ある朝、玄関を開けたら、そこは異世界だった。一体、何が起きたんだ?転生?転移?てか、タイトル何これ?誰が考えたの?」
「えー、可愛いし、いいじゃん!ぴったりじゃない?私は楽しいし」
「あなたはね、魔導師だもん。異世界満喫できるじゃん。俺の職業が何か言える?」
「………無職」
「サブタイトルで傷、えぐらないでよ」
「だって、哀愁すごかったから。それに、私のことだけだと、寂しいし…」
「あれ?理沙が考えてくれたの?」
「そうだよ、一生懸命考えました」
「ありがとな……気持ちは嬉しいんだけど、タイトルで俺のキャリア終わっちゃってる気がするんだよな」
「陽介の分まで、私が頑張るね」
「いや、絶対、“職業”を手に入れてみせる」
突然、異世界に放り込まれた加藤家。
これから先、一体、何が待ち受けているのか。
無職になっちゃったお父さんとその家族が織りなす、異世界コメディー?
愛する妻、まだ幼い子どもたち…みんなの笑顔を守れるのは俺しかいない。
──家族は俺が、守る!
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
「元」面倒くさがりの異世界無双
空里
ファンタジー
死んでもっと努力すればと後悔していた俺は妖精みたいなやつに転生させられた。話しているうちに名前を忘れてしまったことに気付き、その妖精みたいなやつに名付けられた。
「カイ=マールス」と。
よく分からないまま取りあえず強くなれとのことで訓練を始めるのだった。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界おっさん一人飯
SILVER・BACK(アマゴリオ)
ファンタジー
サラリーマンのおっさんが事故に遭って異世界転生。
秀でた才能もチートもないが、出世欲もなく虚栄心もない。安全第一で冒険者として過ごし生き残る日々。
それは前世からの趣味である美味しいご飯を異世界でも食べ歩くためだった。
推しがラスボスなので救いたい〜ゲーマーニートは勇者になる
ケイちゃん
ファンタジー
ゲームに熱中していた彼は、シナリオで現れたラスボスを好きになってしまう。
彼はその好意にラスボスを倒さず何度もリトライを重ねて会いに行くという狂気の推し活をしていた。
だがある日、ストーリーのエンディングが気になりラスボスを倒してしまう。
結果、ラスボスのいない平和な世界というエンドで幕を閉じ、推しのいない世界の悲しみから倒れて死んでしまう。
そんな彼が次に目を開けるとゲームの中の主人公に転生していた!
主人公となれば必ず最後にはラスボスに辿り着く、ラスボスを倒すという未来を変えて救いだす事を目的に彼は冒険者達と旅に出る。
ラスボスを倒し世界を救うという定められたストーリーをねじ曲げ、彼はラスボスを救う事が出来るのか…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる