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第20章:帝都への道
第150話:奪われた言葉
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俺は、この絶望的な状況の中で最後の武器を行使した。
(言葉に呪いを乗せる天賦……その物語、こじ開けてやる――《物語の観測者》!)
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
名前:ポイズン
状態:冷静、知的優越感、サディスティックな愉悦
魂の物語:
【起源】:言葉の力を信じ、弁論術を極めた学者だった過去。
【絶望】:その言葉の力が、リュウガの絶対的な支配力の前では無力だと知ったこと。
【信条】:言葉は、人を救うものではない。人を、じわじわと追い詰めるための毒だ。
天賦:
《遅効性の毒の言葉(ディレイド・ポイズン)》
能力概要:相手に特定の「キーワード」を告げ、相手がその言葉を口にした瞬間にあらかじめ設定した効果を発動させる。
[制約・ルール]:効果はすぐには現れない。キーワードが繰り返されるたびに、毒のようにじわじわと蓄積されていく。
攻略の糸口:
【論理】:能力の発動条件は、対象が「キーワード」を口にすること。ならば、その言葉を一切発しなければ、能力は発動しようがない。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「…………」
情報を得た俺は、静かに目を開けた。
そして、奥歯を強く噛み締める。
(……なんて、陰湿な能力だ……)
戦闘を避け、ただ言葉だけで俺たちの絆そのものを内側から腐らせていく。
これこそが、リュウガが放った次なる一手。
俺たちの、心を折るための罠だ。
「さあ、そして最後はあなたですな。軍師殿」
ポイズンが、俺に向き直った。
その瞳は、心底楽しそうに輝いている。
「あなたへのキーワードは、そうですね……『リュウガ』というのはどうでしょう?
あなたが、その憎むべき男の名を口にするたびに、あなたの魂の最も大切な部分……仲間との『絆』が、一つずつ、また一つずつ腐り落ちていくというのは」
その言葉は、悪魔のささやきそのものだった。
俺の復讐心そのものを、俺たちの絆を破壊するための武器に変えるというのか。
「さあ、伝言は以上です」
ポイズンは、満足そうに頷いた。
「この先、あなた方がどんな会話をし、どんな物語を紡いでいくのか。
高みの見物をさせていただきますぞ」
彼はそう言うと、まるで最初からそこにいなかったかのように、すっとその場から姿を消した。
後に残されたのは、重い沈黙と、互いの顔を見合わせることしかできない俺たちだけだった。
言葉を、奪われた。
俺たちの、魂の物語を紡ぐための最も大切な道具を。
俺たちの進軍は、たった一人の男によって、完全にその足を止められてしまったのだ。
(言葉に呪いを乗せる天賦……その物語、こじ開けてやる――《物語の観測者》!)
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名前:ポイズン
状態:冷静、知的優越感、サディスティックな愉悦
魂の物語:
【起源】:言葉の力を信じ、弁論術を極めた学者だった過去。
【絶望】:その言葉の力が、リュウガの絶対的な支配力の前では無力だと知ったこと。
【信条】:言葉は、人を救うものではない。人を、じわじわと追い詰めるための毒だ。
天賦:
《遅効性の毒の言葉(ディレイド・ポイズン)》
能力概要:相手に特定の「キーワード」を告げ、相手がその言葉を口にした瞬間にあらかじめ設定した効果を発動させる。
[制約・ルール]:効果はすぐには現れない。キーワードが繰り返されるたびに、毒のようにじわじわと蓄積されていく。
攻略の糸口:
【論理】:能力の発動条件は、対象が「キーワード」を口にすること。ならば、その言葉を一切発しなければ、能力は発動しようがない。
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「…………」
情報を得た俺は、静かに目を開けた。
そして、奥歯を強く噛み締める。
(……なんて、陰湿な能力だ……)
戦闘を避け、ただ言葉だけで俺たちの絆そのものを内側から腐らせていく。
これこそが、リュウガが放った次なる一手。
俺たちの、心を折るための罠だ。
「さあ、そして最後はあなたですな。軍師殿」
ポイズンが、俺に向き直った。
その瞳は、心底楽しそうに輝いている。
「あなたへのキーワードは、そうですね……『リュウガ』というのはどうでしょう?
あなたが、その憎むべき男の名を口にするたびに、あなたの魂の最も大切な部分……仲間との『絆』が、一つずつ、また一つずつ腐り落ちていくというのは」
その言葉は、悪魔のささやきそのものだった。
俺の復讐心そのものを、俺たちの絆を破壊するための武器に変えるというのか。
「さあ、伝言は以上です」
ポイズンは、満足そうに頷いた。
「この先、あなた方がどんな会話をし、どんな物語を紡いでいくのか。
高みの見物をさせていただきますぞ」
彼はそう言うと、まるで最初からそこにいなかったかのように、すっとその場から姿を消した。
後に残されたのは、重い沈黙と、互いの顔を見合わせることしかできない俺たちだけだった。
言葉を、奪われた。
俺たちの、魂の物語を紡ぐための最も大切な道具を。
俺たちの進軍は、たった一人の男によって、完全にその足を止められてしまったのだ。
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