58 / 100
第18章:異国の脅威
第58話:異国の港、潜む暗闇
しおりを挟む
漆黒の闇夜を切り裂き、鋼丸たちが乗り込んだ古びた交易船は、静かに異国の港へと滑り込んだ。
長い航海と、テラ・ノヴァの追撃を振り切った安堵が、彼らの顔に浮かぶ。しかし、その安堵は長くは続かなかった。港町に降り立った彼らの目に飛び込んできたのは、江戸とは全く異なる、異様な光景だった。
港は、古びた石造りの建物が立ち並び、空気は湿気を帯びて重く、どこか澱んでいた。石畳の道は、湿気と汚れで滑りやすく、行き交う人々の顔には、疲弊と諦めのような感情が浮かんでいる。
そして、何よりも鋼丸たちの注意を引いたのは、町の至るところに設置された、奇妙なからくり仕掛けの装置だった。
それは、日本のからくりとは異なり、無骨で実用的、しかしどこか禍々しい雰囲気を纏っていた。街灯代わりのからくり灯篭は、不自然な青白い光を放ち、港に停泊している船には、見たこともない形状のからくりクレーンがうなりを上げていた。人々の生活に溶け込んでいるはずのからくりが、この町ではまるで、人々に重くのしかかる鎖のように感じられた。
「これは……」
紅が、からくり灯篭の青白い光に照らされた人々の顔を見つめ、眉をひそめた。
「人々の表情が、どこか曇っているわ。からくりの脈動(波動)が、この町全体を覆っているかのようだわ……」
彼女の言葉に、鋼丸は頷いた。確かに、江戸城で感じたからくりの脈動(波動)の残滓が、この町ではもっと広範囲に、そして深く人々の生活に浸透しているような感覚があった。それは、空気を伝い、石畳を震わせ、人々の心に直接語りかけてくるかのようだった。
黒羽は、早速情報収集に取り掛かった。町の酒場へと足を踏み入れ、現地の言葉を巧みに操り、人々に紛れて情報を集め始めた。彼の耳には、人々の囁きが聞こえてくる。
「また、誰かが連れて行かれた」「からくり闘技場では、毎晩血が流れている」「テラ・ノヴァの奴らが、俺たちの生活を全て支配している」
黒羽の顔から、いつものお調子者な表情が消え去り、厳しい現実を直視する真剣な眼差しが宿った。彼は、酒場の片隅で、からくり仕掛けの義手でグラスを傾ける男を見つけた。その男の顔には、深い疲労と諦めが刻まれていた。黒羽は、さりげなく男に近づき、話しかけた。
「兄さん、この町は、随分とからくりが普及しているようだが、皆、あまり楽しそうではないな」
男は、黒羽の言葉に顔を上げた。その目は、からくりの光を失ったかのように濁っていた。
「楽しむだと? ここはテラ・ノヴァの支配下だ。奴らは、俺たちのからくり技術を奪い、俺たちを奴隷のようにこき使っている。逆らえば、からくり兵器で……」
男は言葉を濁し、周囲を警戒するように視線を走らせた。その様子から、この町がテラ・ノヴァの恐怖に怯えていることが見て取れた。
鋼丸と轟は、町の外れにある市場へと向かった。そこでは、からくり仕掛けの運搬機が大量の荷物を運び、からくり人形が商品を並べていた。しかし、その動きはどこかぎこちなく、生命力が感じられない。市場の人々もまた、からくりの便利さに依存しながらも、その陰で何かを恐れているようだった。
「これでは、からくりが人々を幸せにしているとは言えないな……」
鋼丸が静かに呟いた。彼の言葉には、深い悲しみが込められていた。江戸でからくりは、人々を助け、生活を豊かにする存在だった。しかし、この異国の地では、からくりは支配の道具として悪用されていた。
その時、市場の一角で、異様な光景が目に飛び込んできた。巨大なからくり兵が、粗暴な動きで人々に命令を下し、それに逆らおうとする者をからくり仕掛けの腕で容赦なく打ち据えていた。
兵の装甲には、はっきりとテラ・ノヴァの紋様が刻まれている。人々は、恐れおののき、からくり兵の命令に従うしかなかった。
轟は、その光景を目にし、全身から怒りのオーラを放った。彼の拳が、静かに、しかし力強く握り締められた。
「奴ら……人間の尊厳を、からくりで踏みにじるのか……!」
鋼丸は、轟の肩に手を置いた。
「轟、今はまだだ。この町で何が起きているのか、もっと詳しく知る必要がある」
彼らは、テラ・ノヴァがこの港町を拠点とし、からくり技術を完全に掌握していることを肌で感じた。町全体が、巨大なからくりの檻の中に閉じ込められているかのようだった。そして、そのからくりの脈動(波動)は、人々の心までも蝕んでいる。
黒羽が、酒場から戻ってきた。彼の顔は、怒りと焦燥で歪んでいた。
「鋼丸、紅、轟。この町には『からくり闘技場』がある。テラ・ノヴァは、そこで人々を強制的に戦わせ、からくり兵器の性能を試しているらしい。しかも、そこで負けた人間は……二度と日の目を見ることがないそうだ」
黒羽の言葉に、轟の顔に怒りの表情がさらに深く刻まれた。
鋼丸もまた、その事実に言葉を失った。日本のからくり技術とは真逆の、人の命を軽んじる行為。それが、テラ・ノヴァの正体なのだと、彼らはこの異国の港町で痛感した。
彼らの新たな旅路は、想像以上に過酷な現実を突きつけてきた。江戸の平和とはかけ離れた、からくりに支配された異国の闇。鋼丸たちは、この町で、からくり技術の悪用がもたらす悲劇を目の当たりにする。そして、その闇の奥には、彼らが立ち向かうべきテラ・ノヴァの真の目的が、より深く潜んでいることを予感させるのだった。
彼らの心には、怒りと共に、この町の闇を晴らさなければならないという、強い使命感が芽生えていた。
長い航海と、テラ・ノヴァの追撃を振り切った安堵が、彼らの顔に浮かぶ。しかし、その安堵は長くは続かなかった。港町に降り立った彼らの目に飛び込んできたのは、江戸とは全く異なる、異様な光景だった。
港は、古びた石造りの建物が立ち並び、空気は湿気を帯びて重く、どこか澱んでいた。石畳の道は、湿気と汚れで滑りやすく、行き交う人々の顔には、疲弊と諦めのような感情が浮かんでいる。
そして、何よりも鋼丸たちの注意を引いたのは、町の至るところに設置された、奇妙なからくり仕掛けの装置だった。
それは、日本のからくりとは異なり、無骨で実用的、しかしどこか禍々しい雰囲気を纏っていた。街灯代わりのからくり灯篭は、不自然な青白い光を放ち、港に停泊している船には、見たこともない形状のからくりクレーンがうなりを上げていた。人々の生活に溶け込んでいるはずのからくりが、この町ではまるで、人々に重くのしかかる鎖のように感じられた。
「これは……」
紅が、からくり灯篭の青白い光に照らされた人々の顔を見つめ、眉をひそめた。
「人々の表情が、どこか曇っているわ。からくりの脈動(波動)が、この町全体を覆っているかのようだわ……」
彼女の言葉に、鋼丸は頷いた。確かに、江戸城で感じたからくりの脈動(波動)の残滓が、この町ではもっと広範囲に、そして深く人々の生活に浸透しているような感覚があった。それは、空気を伝い、石畳を震わせ、人々の心に直接語りかけてくるかのようだった。
黒羽は、早速情報収集に取り掛かった。町の酒場へと足を踏み入れ、現地の言葉を巧みに操り、人々に紛れて情報を集め始めた。彼の耳には、人々の囁きが聞こえてくる。
「また、誰かが連れて行かれた」「からくり闘技場では、毎晩血が流れている」「テラ・ノヴァの奴らが、俺たちの生活を全て支配している」
黒羽の顔から、いつものお調子者な表情が消え去り、厳しい現実を直視する真剣な眼差しが宿った。彼は、酒場の片隅で、からくり仕掛けの義手でグラスを傾ける男を見つけた。その男の顔には、深い疲労と諦めが刻まれていた。黒羽は、さりげなく男に近づき、話しかけた。
「兄さん、この町は、随分とからくりが普及しているようだが、皆、あまり楽しそうではないな」
男は、黒羽の言葉に顔を上げた。その目は、からくりの光を失ったかのように濁っていた。
「楽しむだと? ここはテラ・ノヴァの支配下だ。奴らは、俺たちのからくり技術を奪い、俺たちを奴隷のようにこき使っている。逆らえば、からくり兵器で……」
男は言葉を濁し、周囲を警戒するように視線を走らせた。その様子から、この町がテラ・ノヴァの恐怖に怯えていることが見て取れた。
鋼丸と轟は、町の外れにある市場へと向かった。そこでは、からくり仕掛けの運搬機が大量の荷物を運び、からくり人形が商品を並べていた。しかし、その動きはどこかぎこちなく、生命力が感じられない。市場の人々もまた、からくりの便利さに依存しながらも、その陰で何かを恐れているようだった。
「これでは、からくりが人々を幸せにしているとは言えないな……」
鋼丸が静かに呟いた。彼の言葉には、深い悲しみが込められていた。江戸でからくりは、人々を助け、生活を豊かにする存在だった。しかし、この異国の地では、からくりは支配の道具として悪用されていた。
その時、市場の一角で、異様な光景が目に飛び込んできた。巨大なからくり兵が、粗暴な動きで人々に命令を下し、それに逆らおうとする者をからくり仕掛けの腕で容赦なく打ち据えていた。
兵の装甲には、はっきりとテラ・ノヴァの紋様が刻まれている。人々は、恐れおののき、からくり兵の命令に従うしかなかった。
轟は、その光景を目にし、全身から怒りのオーラを放った。彼の拳が、静かに、しかし力強く握り締められた。
「奴ら……人間の尊厳を、からくりで踏みにじるのか……!」
鋼丸は、轟の肩に手を置いた。
「轟、今はまだだ。この町で何が起きているのか、もっと詳しく知る必要がある」
彼らは、テラ・ノヴァがこの港町を拠点とし、からくり技術を完全に掌握していることを肌で感じた。町全体が、巨大なからくりの檻の中に閉じ込められているかのようだった。そして、そのからくりの脈動(波動)は、人々の心までも蝕んでいる。
黒羽が、酒場から戻ってきた。彼の顔は、怒りと焦燥で歪んでいた。
「鋼丸、紅、轟。この町には『からくり闘技場』がある。テラ・ノヴァは、そこで人々を強制的に戦わせ、からくり兵器の性能を試しているらしい。しかも、そこで負けた人間は……二度と日の目を見ることがないそうだ」
黒羽の言葉に、轟の顔に怒りの表情がさらに深く刻まれた。
鋼丸もまた、その事実に言葉を失った。日本のからくり技術とは真逆の、人の命を軽んじる行為。それが、テラ・ノヴァの正体なのだと、彼らはこの異国の港町で痛感した。
彼らの新たな旅路は、想像以上に過酷な現実を突きつけてきた。江戸の平和とはかけ離れた、からくりに支配された異国の闇。鋼丸たちは、この町で、からくり技術の悪用がもたらす悲劇を目の当たりにする。そして、その闇の奥には、彼らが立ち向かうべきテラ・ノヴァの真の目的が、より深く潜んでいることを予感させるのだった。
彼らの心には、怒りと共に、この町の闇を晴らさなければならないという、強い使命感が芽生えていた。
0
あなたにおすすめの小説
『刃紋の証言 ~江戸刀剣鑑定控・一葉~』
月影 朔
歴史・時代
刃紋は語る、鉄は記憶する――。江戸随一の女鑑定士が、刀に秘められた真実を暴く!
ここは江戸。武士にとって刀は、魂であり、歴史そのもの。だが、その真の価値、そして刀が秘めた過去を知る者は少ない。そんな江戸の闇に、異彩を放つ女がいる。
その名は、桐谷一葉。若き女性ながら、刀剣鑑定の世界で並ぶ者なしと謳われる存在だ。しかし、彼女の鑑定は、単なる真贋や価値を見極めるだけではない。彼女は、刀身に残る微細な傷、錆の色、研ぎの跡、茎に刻まれた銘の癖…その全てを読み解き、まるで刀そのものが語り出すかのように、持ち主の癖、使われた状況、隠された感情、そして葬られた事件の真相をも鮮やかに描き出すのだ。
人々は彼女の能力を「刀の声を聞く」と評する。だが、それは神秘の力ではない。幼少からの徹底した教育で培われた膨大な知識、常人では決して見逃すことのない鋭敏な観察眼、そして刀剣が歩んだ歴史と、それを取り巻く人間の情念への深い洞察力――その全てが、刀という「鉄の履歴書」に刻まれた真実を解き明かす。
この物語は、そんな一葉が、江戸に持ち込まれる様々な曰くつきの刀にまつわる謎を解き明かす、「刀剣考証録」である。
消えたはずの名脇差に隠された血生臭い過去、触れた者を狂わせる「呪われた」短刀の正体、そして無残に折れた忠義の刀が語る壮絶な最期…。
一葉は、科学的知見と人間洞察を駆使し、鉄に刻まれた微細な「証拠」から、論理的な推理を積み重ねていく。
しかし、彼女の前に立ちはだかるのは、単なる事件だけではない。物語の底流には、「五龍の剣」と呼ばれる伝説の五振りの刀を巡る、古くから続く因縁と謎が横たわる。「風を呼ぶ青龍、水を制す玄武、炎を纏う朱雀、持ち主を狂わす白虎、天下を治める黄龍」…その力は真実か、それとも…。
一葉が伝説の片鱗に触れるとき、物語は新たな局面を迎える。曰くつきの刀を影で集める謎の存在「影追」。彼らの目的は? そして、「五龍の剣」に隠された真実とは一体何なのか?
研ぎ澄まされた刃のように鋭い一葉の推理と、刀に刻まれた真実が交錯する、歴史ミステリー巨編。
刀剣に込められた人々の情念、時代に翻弄された運命が、今、明らかになる!
あなたも、一葉と共に、江戸の闇に隠された、鉄が記憶する真実を探る旅に出ませんか?
この一冊を開けば、刀の見方が、そして歴史の見方が変わるはず。
江戸随一の女鑑定士が、刀の「声」を読み解き、事件の真相と歴史の闇を照らし出す。
『五感の調べ〜女按摩師異聞帖〜』
月影 朔
歴史・時代
江戸。盲目の女按摩師・市には、音、匂い、感触、全てが真実を語りかける。
失われた視覚と引き換えに得た、驚異の五感。
その力が、江戸の闇に起きた難事件の扉をこじ開ける。
裏社会に潜む謎の敵、視覚を欺く巧妙な罠。
市は「聴く」「嗅ぐ」「触れる」独自の捜査で、事件の核心に迫る。
癒やしの薬膳、そして人情の機微も鮮やかに、『この五感が、江戸を変える』
――新感覚時代ミステリー開幕!
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
【完結】「大家さんは名探偵!~江戸人情長屋と七不思議の謎~」
月影 朔
歴史・時代
江戸下町の「あやかし横丁」にある、賑やかな福寿長屋。
ここの大家、おふくは涼やかな美貌と温かい人情を持つ、皆の太陽だ。
長屋に伝わる「七不思議」や日常の騒動を、彼女は持ち前の知恵で見事に解決。「大家さんは名探偵!」と評判になる。
しかし、おふくには誰にも言えない秘密の過去があり、それがやがて長屋全体を巻き込む危機を招く。
絶体絶命のピンチに、おふくを救うのは、血縁を超えた長屋の「家族」の絆だった。
江戸情緒あふれる人情と、手に汗握る謎解き、そして絆の力が光る、感動の物語。
福寿長屋の七不思議に隠された真実、そして大家おふくの秘密とは――?
【完結】ふたつ星、輝いて 〜あやし兄弟と町娘の江戸捕物抄〜
上杉
歴史・時代
■歴史小説大賞奨励賞受賞しました!■
おりんは江戸のとある武家屋敷で下女として働く14歳の少女。ある日、突然屋敷で母の急死を告げられ、自分が花街へ売られることを知った彼女はその場から逃げだした。
母は殺されたのかもしれない――そんな絶望のどん底にいたおりんに声をかけたのは、奉行所で同心として働く有島惣次郎だった。
今も刺客の手が迫る彼女を守るため、彼の屋敷で住み込みで働くことが決まる。そこで彼の兄――有島清之進とともに生活を始めるのだが、病弱という噂とはかけ離れた腕っぷしのよさに、おりんは驚きを隠せない。
そうしてともに生活しながら少しづつ心を開いていった――その矢先のことだった。
母の命を奪った犯人が発覚すると同時に、何故か兄清之進に凶刃が迫り――。
とある秘密を抱えた兄弟と町娘おりんの紡ぐ江戸捕物抄です!お楽しみください!
※フィクションです。
※周辺の歴史事件などは、史実を踏んでいます。
皆さまご評価頂きありがとうございました。大変嬉しいです!
今後も精進してまいります!
半蔵門の守護者
裏耕記
歴史・時代
半蔵門。
江戸城の搦手門に当たる門の名称である。
由来は服部半蔵の屋敷が門の側に配されていた事による。
それは蔑まれてきた忍びへの無上の褒美。
しかし、時を経て忍びは大手門の番守に落ちぶれる。
既に忍びが忍びである必要性を失っていた。
忍家の次男坊として生まれ育った本田修二郎は、心形刀流の道場に通いながらも、発散できないジレンマを抱える。
彼は武士らしく生きたいという青臭い信条に突き動かされ、行動を起こしていく。
武士らしさとは何なのか、当人さえ、それを理解出来ずに藻掻き続ける日々。
奇しくも時は八代将軍吉宗の時代。
時代が変革の兆しを見せる頃である。
そしてこの時代に高い次元で忍術を維持していた存在、御庭番。
修二郎は、その御庭番に見出され、半蔵門の守護者になるべく奮闘する物語。
《連作短編となります。一話四~五万文字程度になります》
【完結】『宵闇ノ祓人~明治東京妖奇譚~』
月影 朔
歴史・時代
文明開化の光が射す明治の東京。
その賑わいの裏では、人々の負の感情が「穢れ」となり、この世に現れ始めていた。
妹の奇病を救うため、青年・東雲悠真は、抗う術もなく穢れと向き合う。
しかし、絶望の淵で彼の中に眠っていた力が覚醒する。それは、穢れの正体である「魂の形(ココ)」を視る眼と、それを打ち砕く異能。古の血を引く者として、悠真は穢れを祓う「祓人衆」と出会い、自身の宿命を知る。
仲間との絆、秘められた血脈の真実、そして穢れを操ろうとする者たちの暗躍。
幾度も困難に直面しながらも、悠真は自らの力を開花させ、成長を遂げていく。
これは、激動の時代を舞台に、人々の心の闇に光を灯す、魂を巡る明治活劇。
あなたは、この物語の行く末を目撃する覚悟があるか?
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる