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リゾートホテル
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3日間のグラススキー体験が終わると、部員達は近くのリゾートホテルに移動した。午前9時にホテルに入り、支配人に挨拶をすると、
「S大スキー部のみんなね。よろしくね。とりあえず、いくつかのパートに分かれてもらうから。君と君、そして君は受付をお願いします。」
支配人の女性は、俺と雪哉、井村を差してそう言った。
「君と君は、エントランス担当ね。後のみんなは、レストランの方を担当してもらいます。」
鷲尾と牧谷がエントランス担当になった。
まずは着替えて、受付業務の内容を教えてもらい、午後からは本格的に仕事が始まった。宿泊客に対し、チェックイン業務を行う。
「君、接客業向いてるんじゃない?なかなかいいわよ。」
客が途切れた時に、支配人からそう言われた。隣にいた雪哉がふふふっと笑った。
夜の10時頃、やっと一日の仕事が終わった。レストラン係も夕食時はずいぶん忙しかったようだ。俺たちは寮へと向かう。とりあえずの置き場に置いておいた荷物を担ぎ、隣の建物へ。部屋は、基本的に仕事内容別に分かれると言われて、俺たち受付担当3人が同室となった。鷲尾と牧谷が羨ましそうに俺たちの方を見ていた。悪いな、お前たち。
シャワールームと3つのベッド。ホテルの客室ほどではないが、それなりに快適な部屋だった。
「あー、疲れた~。仕事ってやっぱり大変だね。」
井村がベッドに倒れながら言った。つまり、そのベッドを自分用にするらしい。3つのベッドは二つがほぼ並んでおり、一つはその二つのベッドの足下に横に置いてある。井村はその足下にあるベッドに寝そべったのである。
必然的に、俺と雪哉は隣同士のベッドになった。俺は手近な手前のベッドに腰を下ろした。
「意外と楽しかったな。俺、接客業が向いているのかもなあ。」
俺が言うと、
「そりゃあ、そのルックスだからね。ミッキーは接客をやるべきだよ。少なくとも若い内はね。」
井村が言う。
「そうそう。」
雪哉もそれに同調して、そう言った。言って、あははと笑う。
「その笑いは何だよぉ。」
ちょっと唇を尖らせて言うと、
「あはは、いや、ルックス抜きでも向いていると思うよ、涼介は。」
雪哉がそう言ってくれた。
それぞれシャワーを浴びて、寝ようとしたところで、井村が財布を手に取り、
「俺、ちょっと飲み物買ってくるわ。先に寝てて。」
と言って、部屋を出て行った。自販機はこの建物内にはなく、一度外に出ないとならない。この部屋は3階なので、それなりに時間がかかると思われる。つまり、その間俺と雪哉は部屋で二人きりというわけで・・・。
こんなチャンス滅多に無いし、あんまり時間もないし、俺はキッと雪哉の方を振り返った。びっくりして、荷物をまさぐっていた手を止めた雪哉。俺は雪哉のベッドに両手をつき、ずいっと雪哉に近づいた。
「な、なに?」
雪哉がちょっと身を引く。何って、決まってるだろう。
「ダメだよ。」
雪哉が言う。
「何が?」
俺は言いながらじりじりと近づいていく。雪哉は俺の両肩に手を置き、押し返してくる。それでも俺は止まらない。片方の膝もベッドに乗せ、体重を徐々に雪哉の上に乗せる。
「ちょ、ちょっと。涼介ってば。」
だんだん倒れていく雪哉に、覆い被さろうというその時、
「ただいま~。」
「ユッキーお疲れ!」
「飲み物買ってきたよ~」
ハッとして、その場で凍り付いた。入り口を振り返ると、入って来た3人も固まっている。
「な、に、をやって・・・?」
鷲尾がこっちを指さして震える声で言う。俺は雪哉をベッドに押し倒した状態だった。
「わっ!」
とにかく立ち上がった。
「いや、何もしてないよ。」
苦し紛れの言い訳。いや、言い訳にもなっていないか。
「まさか、ユッキーを襲ってたなんて事は・・・。」
牧谷も震える声で言う。
「ま、まさか。そんな事するわけないじゃん。あははは。やだなあ。すぐに井村が帰ってくるのに、変な事しないって。」
俺が空笑いをして言い訳すると、
「そうだよなぁ、俺はただ自販機へ飲み物を買いに行っただけなのに。」
井村が助け船を出してくれた。でも、ずいぶん早かったじゃないか?
「買ってきたの?」
雪哉が井村に聞くと、
「いや、それがさ。ワッシーとマッキーが俺たちの分まで買ってきてくれたんだって。階段の途中で会って、戻ってきたんだよ。」
あ~、だから早かったのか。ちぇっ、運が悪かったな。
「仕事の終わりには、一杯のビールでしょ!」
牧谷がビールの缶を掲げた。
「おー、いいね。」
俺は大袈裟に歓迎した。
「明日も仕事だから、1缶だけな。」
鷲尾もそう言って、袋からビールの缶を出してくれた。
「S大スキー部のみんなね。よろしくね。とりあえず、いくつかのパートに分かれてもらうから。君と君、そして君は受付をお願いします。」
支配人の女性は、俺と雪哉、井村を差してそう言った。
「君と君は、エントランス担当ね。後のみんなは、レストランの方を担当してもらいます。」
鷲尾と牧谷がエントランス担当になった。
まずは着替えて、受付業務の内容を教えてもらい、午後からは本格的に仕事が始まった。宿泊客に対し、チェックイン業務を行う。
「君、接客業向いてるんじゃない?なかなかいいわよ。」
客が途切れた時に、支配人からそう言われた。隣にいた雪哉がふふふっと笑った。
夜の10時頃、やっと一日の仕事が終わった。レストラン係も夕食時はずいぶん忙しかったようだ。俺たちは寮へと向かう。とりあえずの置き場に置いておいた荷物を担ぎ、隣の建物へ。部屋は、基本的に仕事内容別に分かれると言われて、俺たち受付担当3人が同室となった。鷲尾と牧谷が羨ましそうに俺たちの方を見ていた。悪いな、お前たち。
シャワールームと3つのベッド。ホテルの客室ほどではないが、それなりに快適な部屋だった。
「あー、疲れた~。仕事ってやっぱり大変だね。」
井村がベッドに倒れながら言った。つまり、そのベッドを自分用にするらしい。3つのベッドは二つがほぼ並んでおり、一つはその二つのベッドの足下に横に置いてある。井村はその足下にあるベッドに寝そべったのである。
必然的に、俺と雪哉は隣同士のベッドになった。俺は手近な手前のベッドに腰を下ろした。
「意外と楽しかったな。俺、接客業が向いているのかもなあ。」
俺が言うと、
「そりゃあ、そのルックスだからね。ミッキーは接客をやるべきだよ。少なくとも若い内はね。」
井村が言う。
「そうそう。」
雪哉もそれに同調して、そう言った。言って、あははと笑う。
「その笑いは何だよぉ。」
ちょっと唇を尖らせて言うと、
「あはは、いや、ルックス抜きでも向いていると思うよ、涼介は。」
雪哉がそう言ってくれた。
それぞれシャワーを浴びて、寝ようとしたところで、井村が財布を手に取り、
「俺、ちょっと飲み物買ってくるわ。先に寝てて。」
と言って、部屋を出て行った。自販機はこの建物内にはなく、一度外に出ないとならない。この部屋は3階なので、それなりに時間がかかると思われる。つまり、その間俺と雪哉は部屋で二人きりというわけで・・・。
こんなチャンス滅多に無いし、あんまり時間もないし、俺はキッと雪哉の方を振り返った。びっくりして、荷物をまさぐっていた手を止めた雪哉。俺は雪哉のベッドに両手をつき、ずいっと雪哉に近づいた。
「な、なに?」
雪哉がちょっと身を引く。何って、決まってるだろう。
「ダメだよ。」
雪哉が言う。
「何が?」
俺は言いながらじりじりと近づいていく。雪哉は俺の両肩に手を置き、押し返してくる。それでも俺は止まらない。片方の膝もベッドに乗せ、体重を徐々に雪哉の上に乗せる。
「ちょ、ちょっと。涼介ってば。」
だんだん倒れていく雪哉に、覆い被さろうというその時、
「ただいま~。」
「ユッキーお疲れ!」
「飲み物買ってきたよ~」
ハッとして、その場で凍り付いた。入り口を振り返ると、入って来た3人も固まっている。
「な、に、をやって・・・?」
鷲尾がこっちを指さして震える声で言う。俺は雪哉をベッドに押し倒した状態だった。
「わっ!」
とにかく立ち上がった。
「いや、何もしてないよ。」
苦し紛れの言い訳。いや、言い訳にもなっていないか。
「まさか、ユッキーを襲ってたなんて事は・・・。」
牧谷も震える声で言う。
「ま、まさか。そんな事するわけないじゃん。あははは。やだなあ。すぐに井村が帰ってくるのに、変な事しないって。」
俺が空笑いをして言い訳すると、
「そうだよなぁ、俺はただ自販機へ飲み物を買いに行っただけなのに。」
井村が助け船を出してくれた。でも、ずいぶん早かったじゃないか?
「買ってきたの?」
雪哉が井村に聞くと、
「いや、それがさ。ワッシーとマッキーが俺たちの分まで買ってきてくれたんだって。階段の途中で会って、戻ってきたんだよ。」
あ~、だから早かったのか。ちぇっ、運が悪かったな。
「仕事の終わりには、一杯のビールでしょ!」
牧谷がビールの缶を掲げた。
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