やめて!お仕置きしないで!本命の身代わりなのに嫉妬するの?〜国から逃亡中の王子は変態悪魔に脅される!?〜

ゆきぶた

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一章 本命じゃないくせに嫉妬はやめて!

6、提案

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宿に着くまで、俺はずっとあの体勢で持ち運ばれていた。
ウルは屋根伝いに走るために誰にも会う事は無かったが、その間もひたすら尻を揉まれていた俺は恥ずかしくて色々と限界だった。

宿に窓から入ると、ウルはすぐに俺をベットに放り投げた。
俺が起き上がる隙もないまま、ウルが上にのっかかってきたのだ。そして、すぐに俺の両手を頭の上に片手で拘束してしまった。
俺が拘束から逃れようとしても全くびくともしない。この男、どれだけの力を隠し持っているんだ……。

「少しおとなしくしてね。魔法かけちゃうから」
「や、やめろ……」

ウルが怪しげに指で二、三回円をかくと、俺の両手首に紐が結ばれた感覚があった。

「よし、これをベットに固定してと……足は、まあいっか」
「なんでこんな……」
「あぁ、すっごくそそる格好だね」
「お前……変態だったのか……?」
「今更な質問ありがとう、褒め言葉として貰っておくよ~」

ウルはニヤニヤと楽しそうに俺を見ていた。
屈辱的な姿に顔を隠したいのに、手をまとめられているためそれもできない。

「それからお仕置きの前に少しだけ、話し合いをしようか?」
「こ、この体勢で?」
「もちろん。だって俺はデオの顔をじっくりと見たいからね」

よくわからないことを言うウルを睨みつける。
それなのに、ウルは嬉しそうにニヤリと口の端を上げただけだった。

「俺が、君の弟の事をなんで好きになったのか教えてあげる」

弟の事を思い出すと、また怒りでウルに殴りかかりそうになってしまう。
しかし手を謎の魔法でまとめられている俺は、ピクリとも動かすことはできない。

「俺が初めてイルレインに会った日にね、俺は一目惚れしちゃったんだよ」
「……一目惚れ?」
「そうだよ、その前までは女性にしか興味なかったのに、そんな俺が初めて男に一目惚れをした。そんな相手だったんだ。だからね、イルは特別なんだ~」

優しい顔で話すその姿に、こいつが弟に対して本気なんだとわかってしまう。
だけど、俺はそれを認めたくなかった。
その感情がどこから来るのか俺にはわからない。
しかし弟がこんな変態に酷い目にあわされるかもしれないと思ったら、俺は耐えられなかった。

そしてどうにかこいつをイルから引き剥がす方法はないかと考た俺は、一つのことに気がついた。
先程、ウルは一目惚れでイルの事を好きになったと言っていた。
それなら兄弟の中で一番イルレインに似ている俺を、今まで代わりとして見ていた可能性はある。
そのために、俺にあんな事をしてきたのかもしれないのだ。

でも、もしそうなら。
ひとつだけ俺にも出来ることがある。

本当に俺がイルレインの代わりになればいいのだ。

俺が代わることで弟を守れるのならば、俺は自分を差し出してでもウルを止めてみせる。
それに父を殺している俺には、もとより救いなんてないのだ。ならば、この体はイルを守るために使いたい。
そう決意して俺は口を開いた。

「お前が弟の事を好きなのはわかった。だから変な事を言うようで悪いんだが、弟の代わりに……俺にしないか?」
「んん?デオは自分が何をいってるのかわかってるのかな?」
「弟が傷つくなら、それを守るのも兄の仕事だ。だから弟に手を出さないでくれ!」

そう懇願する俺の顔を見て、ウルが悪魔のような笑みを浮かべたのを見てしまった。

「弟の代わりに自分を差し出すか~。いいね、いいよ。凄くいい!デオ、君は最高だね。じゃあ、本当に君が代わりを勤められるのか、お仕置きしながら確認してみようね」
「わ、わかった」

弟の代わりだと思えば俺はなんでも頑張れる。
そう思ったのに……。



今の俺は、何故かウルに服の上から胸を触られていた。

「うーん、デオは乳首あんまり感じないのかなぁ~?」
「や、やめろくすぐったい。そんなところに何が?」

乳首なんてそんなふうに触った事がない俺は、不思議な感覚に襲われていた。

「そのうちデオもわかるよ。それに、これはこれで俺は調教しがいがあっていいけどね~」
「ちょ、調教!?」
「んふふ~、楽しみだなぁ。デオはどんな声でよがってくれるようになるのかな?」

そういうとウルは俺の胸筋を指で撫ではじめ、謎の感想をこぼした。

「デオはおっぱい大きいよね」
「おっぱいじゃない……筋肉だ!それぐらいウルだってあるだろ?」
「俺はモテるためにスマートな体作りしてるから、こんなに揉めるぐらいないよ~。あ、そうだ俺良い物持ってるんだよね!」

そういながら、ポケットをゴソゴソしたと思ったらウルはピンク色の柔らかそうな物を取り出したのだった。

「ジャーンこれ見たことある?」
「それは、いったいなんだ……」
「これはねぇー」

そういうと、ウルはそのピンク色のプルプル揺れるそれを、俺の服を捲り上げてゆっくりと胸に近づけてきたのだった。
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