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第1章 婚約破棄フラグ
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常々俺は思っていた。
世の中馬鹿な奴が多すぎると。
ちょっと我慢したり、ちょっと諦めたり、ちょっと黙っていれば、面倒なく事は進むというのに。
そんなちょっとのことが出来ないために、ちょっとじゃ済まない、えらい目に合うのだ!
社交界において、大概の連中はそのちょっとを少しずつ我慢しながら、なんとかその場をやり過ごしている。
それなのに、どこにでもそれが出来ず、考え無しに、人の迷惑を考えず、己れの感情や欲望のままに発言し、行動をする輩がいる。主に高位貴族の連中に。
客観的に見てこのままでは、皇太子殿下とその婚約者である公爵令嬢の間に、破滅フラグが立つことは必須だ。
何故なら皇太子殿下が自分の誕生日パーティーで、ファーストのダンスの相手として、男爵令嬢の手を取ろうとしたからである。
彼には公爵家令嬢という立派な婚約者がいるのにも関わらずだ。
そしてこの二人が破滅したら、なし崩し的に、将来このコーンビニア皇国も破滅の道をたどるだろう。
何故なら、大国に囲まれたこの国は、皇家の偉大な攻撃魔力と、公爵家の癒し回復魔力のおかげで、どうにかこうにか保たれているのだから。
そんな事は市井の子供でもわかるというのに、国のトップにいて、頭がいいと自惚れている連中が、さっぱり忘れている。
実際のところ俺は、この国がどうなろうが知った事じゃない。
というか、どうこうできる立場じゃない。ただのしがない伯爵家の二男坊なんだから。
しかし家族にも話した事はないが、俺は攻撃魔力と、癒しの魔力の両方を持っている。
そう、自慢じゃないが、ハイブリッドのハイスペックホルダーなのだ。
故にたとえこの国がなくなったとしても、引き受け先はいくらでもあるだろう。仮にもしなかったとしても、冒険者にでもなれば、最低どこででも生きてはいけると思う。
まあそれほど生に執着しているわけでもないが、俺には大切で守りたい人がいるから、それなりにこの世界で頑張るつもりではいる。
しかし、俺みたいに生に執着しない人間なんて、この世界では希少な存在なんだろうな。
何故俺がこんな感じなのかと言うと、俺には一度あっさり命を落とした前世の記憶があるからだろう。
✽✽✽✽✽✽✽
話の構成上、第1章は短めです。
続けて第2章を投稿します。
全く架空の世界の話です。王太子ではなく、皇太子としたのも、単に字面がいいからであって深い意味はありません。
社会制度もヨーロッパ風かも知れませんが、ただ似通っているだけですので、そのへんはよろしくお願いします!
世の中馬鹿な奴が多すぎると。
ちょっと我慢したり、ちょっと諦めたり、ちょっと黙っていれば、面倒なく事は進むというのに。
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社交界において、大概の連中はそのちょっとを少しずつ我慢しながら、なんとかその場をやり過ごしている。
それなのに、どこにでもそれが出来ず、考え無しに、人の迷惑を考えず、己れの感情や欲望のままに発言し、行動をする輩がいる。主に高位貴族の連中に。
客観的に見てこのままでは、皇太子殿下とその婚約者である公爵令嬢の間に、破滅フラグが立つことは必須だ。
何故なら皇太子殿下が自分の誕生日パーティーで、ファーストのダンスの相手として、男爵令嬢の手を取ろうとしたからである。
彼には公爵家令嬢という立派な婚約者がいるのにも関わらずだ。
そしてこの二人が破滅したら、なし崩し的に、将来このコーンビニア皇国も破滅の道をたどるだろう。
何故なら、大国に囲まれたこの国は、皇家の偉大な攻撃魔力と、公爵家の癒し回復魔力のおかげで、どうにかこうにか保たれているのだから。
そんな事は市井の子供でもわかるというのに、国のトップにいて、頭がいいと自惚れている連中が、さっぱり忘れている。
実際のところ俺は、この国がどうなろうが知った事じゃない。
というか、どうこうできる立場じゃない。ただのしがない伯爵家の二男坊なんだから。
しかし家族にも話した事はないが、俺は攻撃魔力と、癒しの魔力の両方を持っている。
そう、自慢じゃないが、ハイブリッドのハイスペックホルダーなのだ。
故にたとえこの国がなくなったとしても、引き受け先はいくらでもあるだろう。仮にもしなかったとしても、冒険者にでもなれば、最低どこででも生きてはいけると思う。
まあそれほど生に執着しているわけでもないが、俺には大切で守りたい人がいるから、それなりにこの世界で頑張るつもりではいる。
しかし、俺みたいに生に執着しない人間なんて、この世界では希少な存在なんだろうな。
何故俺がこんな感じなのかと言うと、俺には一度あっさり命を落とした前世の記憶があるからだろう。
✽✽✽✽✽✽✽
話の構成上、第1章は短めです。
続けて第2章を投稿します。
全く架空の世界の話です。王太子ではなく、皇太子としたのも、単に字面がいいからであって深い意味はありません。
社会制度もヨーロッパ風かも知れませんが、ただ似通っているだけですので、そのへんはよろしくお願いします!
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