【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

第2章：出会いと冒険

第12話：二人の愛の形、森の中の争い

俺は、シグルドとルカの熱い視線に、再び恐怖を感じていた。俺のフェロモンが、またしても彼らの理性を奪おうとしている。

「君は、何者だ？」

シグルドが、俺にゆっくりと近づいてくる。その瞳は、獲物を狙う狩人のように鋭い。

「俺は……旅人のユウマです。あなた方は？」

俺がそう答えると、シグルドは俺の体に手を伸ばした。

「旅人？　こんな危険な森で、一人でいるのか？　君のような、か弱い存在が」

シグルドの言葉に、ルカが低い声で唸った。

「そいつから離れろ、人間。そいつは、俺の運命の番（つがい）だ」

ルカは、シグルドの前に立ちはだかり、俺を守ろうとする。

「運命の番？　馬鹿なことを言うな。俺は、この男を保護する。この男は、俺が守るべき存在だ」

シグルドが、ルカを睨みつける。二人の間に、火花が散る。

「グルルル……！」

ルカは、獣のように唸り、シグルドに飛びかかった。シグルドは、剣を抜いて応戦する。
俺は、二人の争いを止めようと、間に割って入った。

「やめてください！　二人とも、争わないで！」

俺の声に、二人は動きを止めた。だが、その瞳は、まだ俺を巡って燃え盛っていた。
なんだか俺を取りあってるみたいだな。実際に俺のせいで喧嘩してるんだけども…

「ユウマ、君は……どうして、そんなに美しい匂いを放つんだ？」

シグルドが、俺の頬にそっと触れた。

「ユウマ……お前は、俺だけのものだ。誰にも渡さない」

ルカが、俺の首筋に顔を埋め、甘く囁く。
二人の愛と欲望が、俺を押しつぶしそうだった。俺は、このままではいけないと思った。

「落ち着いてください。俺は……」

俺がそう言うと、ルカは俺の体を抱きしめ、俺の唇に熱いキスを落とした。

「お前は、俺の番だ。何も言わなくていい」

ルカの言葉に、シグルドの瞳が、怒りに燃え上がった。

「獣が……！　その汚い唇で、ユウマに触れるな！」

シグルドが、ルカに剣を突きつける。
二人の間に、再び緊張が走った。俺は、この争いを止めるために、創造魔法で、あるものを創り出した。
それは、シグルドとルカ、二人を鎮めるための、あるものだった。