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第七章 もう一度
第八十八話 知らないハズのこと
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俺はロディアの前へ走り出し、二振りの刀から風車を繰り出す体勢へ入る。
「よし。ファーリちゃんのいう通り、お前を友達だと思うのはやめることにした」
「えぇ?そういうの慣れてなさそうに見えるけどね。ジィン?」
それに合わせてロディアは身を翻し、風に闇の魔力を乗せて爆風を引き起こす。
こちらの体勢を崩そうとしたのだろうが、しかし俺は、その程度で構えを解いてしまう程に生半可な武士であった覚えは無い。
「実際に殺されてる訳だからなぁ。努めてみるさ。はァァァ……!【風車・双】!」
構えから繰り出されるは、通常の「風車」と比べて倍はあるだろう数の「飛ぶ斬撃」。
一振りの刀では刃に無理をさせてしまう可能性があるため、考えすらもしなかったが……刀が両手に握られている今なら、その負荷を分散させることができると思い発明した、俺の新たな剣技である。
刀の本数が倍なら強さも倍。
ついでに消費魔力も倍である以上、あまり魔力を貯めることができない俺がポンポン撃つことは難しいだろう。
しかし、隠していた力を見せたロディアを相手にしている以上は、そう魔力をケチっている場合でもない。
「うおおお、おお、おおお!?ジィン……!な、るほど、また、新しい剣技を……!」
「俺だって、お前に殺される器のままじゃあないってこと」
勿論ハッタリである。
なんなら半分は嘘になってしまう。
今のは実質的に「ただの風車」であり、言わば「持ち歩いている弾丸の数は変わらないが、一丁だった銃が二丁になったから二丁で撃っただけ」の話なのだ。
「なら……こっちの新技も見せちゃおうかな!」
「来い!」
「いや、後ろで控えている、君のご主人様にね!」
「なっ……ガラテヤ様!警戒を!」
「【デモンセスタス・ミサイル】!」
「み、ミサイル!?」
どうしてロディアが、この世界に存在しないハズの「ミサイル」を知っているのだろうか。
そして、それを問い詰める間も無く、ガラテヤ様めがけて、従来のものよりも小型のデモンセスタスが数十発ほど飛んで行った。
「中々にハードね……!マーズ、手伝ってもらえる?」
「ああ、任せろ!」
「はっ!やっ!たあああああああっ!」
ガラテヤ様は風を手に集め、衝撃波を正拳突きに乗せて放つ。
これは「刹抜」を使う際に本来は「余波」として発生する風を使うものであろう。
本来の使い方とは違うものの、デモンセスタスを吹き飛ばすには十分過ぎる威力であった。
「あとは私が狩る!【オーガー・エッジ】!」
そして、タイミングをずらして突っ込んできたデモンセスタスを、マーズさんが「オーガー・エッジ」で薙ぎ払う。
「おお。一発くらい喰らってくれても良かったのに」
「喰らってたまるものか、裏切り者め」
「まあまあ落ち着いてって。さっきまで怒りに任せて突っ込んでこようとしていたところを、ガラテヤ様に止められてたじゃないか。君の太刀筋くらいなら、簡単に読めちゃうよ?」
「き、貴様ァァァァァッ!」
マーズさんは大剣を構え、ガラテヤ様の元を離れて全然へ飛び出す。
「待ちなさい、前線に行くのはもう少し落ち着きを……!」
「止めてくれるなッ!」
ガラテヤ様の静止も聞かず、俺達よりも前へ出るマーズさん。
怒りに任せて剣を振り回す止めるマーズさんを、ロディアは不敵な笑みを浮かべて迎え撃とうと杖を構える。
射程距離もスピードも、ロディアの方が上。
勝ち筋は薄いが、それでも怒りを爆発させるマーズさんを止める術を、俺達は持っていなかった。
「よし。ファーリちゃんのいう通り、お前を友達だと思うのはやめることにした」
「えぇ?そういうの慣れてなさそうに見えるけどね。ジィン?」
それに合わせてロディアは身を翻し、風に闇の魔力を乗せて爆風を引き起こす。
こちらの体勢を崩そうとしたのだろうが、しかし俺は、その程度で構えを解いてしまう程に生半可な武士であった覚えは無い。
「実際に殺されてる訳だからなぁ。努めてみるさ。はァァァ……!【風車・双】!」
構えから繰り出されるは、通常の「風車」と比べて倍はあるだろう数の「飛ぶ斬撃」。
一振りの刀では刃に無理をさせてしまう可能性があるため、考えすらもしなかったが……刀が両手に握られている今なら、その負荷を分散させることができると思い発明した、俺の新たな剣技である。
刀の本数が倍なら強さも倍。
ついでに消費魔力も倍である以上、あまり魔力を貯めることができない俺がポンポン撃つことは難しいだろう。
しかし、隠していた力を見せたロディアを相手にしている以上は、そう魔力をケチっている場合でもない。
「うおおお、おお、おおお!?ジィン……!な、るほど、また、新しい剣技を……!」
「俺だって、お前に殺される器のままじゃあないってこと」
勿論ハッタリである。
なんなら半分は嘘になってしまう。
今のは実質的に「ただの風車」であり、言わば「持ち歩いている弾丸の数は変わらないが、一丁だった銃が二丁になったから二丁で撃っただけ」の話なのだ。
「なら……こっちの新技も見せちゃおうかな!」
「来い!」
「いや、後ろで控えている、君のご主人様にね!」
「なっ……ガラテヤ様!警戒を!」
「【デモンセスタス・ミサイル】!」
「み、ミサイル!?」
どうしてロディアが、この世界に存在しないハズの「ミサイル」を知っているのだろうか。
そして、それを問い詰める間も無く、ガラテヤ様めがけて、従来のものよりも小型のデモンセスタスが数十発ほど飛んで行った。
「中々にハードね……!マーズ、手伝ってもらえる?」
「ああ、任せろ!」
「はっ!やっ!たあああああああっ!」
ガラテヤ様は風を手に集め、衝撃波を正拳突きに乗せて放つ。
これは「刹抜」を使う際に本来は「余波」として発生する風を使うものであろう。
本来の使い方とは違うものの、デモンセスタスを吹き飛ばすには十分過ぎる威力であった。
「あとは私が狩る!【オーガー・エッジ】!」
そして、タイミングをずらして突っ込んできたデモンセスタスを、マーズさんが「オーガー・エッジ」で薙ぎ払う。
「おお。一発くらい喰らってくれても良かったのに」
「喰らってたまるものか、裏切り者め」
「まあまあ落ち着いてって。さっきまで怒りに任せて突っ込んでこようとしていたところを、ガラテヤ様に止められてたじゃないか。君の太刀筋くらいなら、簡単に読めちゃうよ?」
「き、貴様ァァァァァッ!」
マーズさんは大剣を構え、ガラテヤ様の元を離れて全然へ飛び出す。
「待ちなさい、前線に行くのはもう少し落ち着きを……!」
「止めてくれるなッ!」
ガラテヤ様の静止も聞かず、俺達よりも前へ出るマーズさん。
怒りに任せて剣を振り回す止めるマーズさんを、ロディアは不敵な笑みを浮かべて迎え撃とうと杖を構える。
射程距離もスピードも、ロディアの方が上。
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