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file5:魔女と女王に従う転生者
第2節 転移と転生③
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PM 5:00 札幌市営地下鉄 南北線 平岸駅
改札を出で地上に上がり、美生を探す。彼女がまだ近辺にいないか、駅前の近辺を探し回る。
すると、人混みの中に黒のスーツを身に纏ってた白髪の少女が、銀行の前で立っていた。私は足早に彼女に接近する。
「美生。ここで何をしてるんだい? セシリア達が、君を心配していたよ」
「あんたか。そんなの知ってるっつうの。それで? あんたも私を連れ戻す気?」
白美生の反応に、私は首を傾げる。セシリア達が先んじてきたのだろうか。
「セシリアが来てたのか?」
「いや、あんたと顔が似てるやつよ。さっきあんたが言ってたこと同じことを言いやがったわ」
「まさか、明日香か?」
私は、先に来ていた来訪者が誰かが察し、驚きを隠せないでいる。どうやら、私が探している間に美生と接触していたらしい。しかしなぜ彼女が来ていたのか? でも、今は考えないでおこう。
「どうして、彼女がここに?」
「そんなの知るわけないでしょう? まぁ、今の私には関係のないことよ」
白美生はぶっきらぼうに言いながら、ラッキーストライクを吸い始める。彼女はスマホを見ながら、私の方に振り向く。
「詳しい話は、明日するわ。あんたが1人になるいつもの橋に朝イチで待ってる」
「――――――わかった。ただ、言ったからには必ず来い。私も、君には話しておきたいことが山ほどあるんだ」
私がそういうと、白美生はその場を去る。私は彼女を見送ってると、電話がかかって来た。
「もしもし」
『もしもし。アル、私よ』
「『仮面の魔女』か。何のよう?」
電話に相手は、『仮面の魔女』だった。どうやら、私に用があるらしい。
『今どこにいるかしら?』
「平岸だ。例の連中に襲われてね。戦っている内に、ここまで来てしまったよ」
『まぁ、それも込みで後で聞かせてもらうわ。それより、今から私の工房まで来られる? あなたに伝えておきたいことがあるわ』
『仮面の魔女』が、何かを伝えようと、私に来るようにいう。どうやら、何かわかったみたいだ。
「了解。今から引き返すよ」
『えぇ、頼むわね』
『仮面の魔女』は、そういうと電話を切る。私はそのまま美生を探した道を戻る形で、地下鉄に向かった。
そこから数分かけて移動し、私は『仮面の魔女』の待つ工房についた。
「待ってたわ、アル。もう少し遅いと思ったわ」
「それ良かったよ。退屈させちゃ、こっちが悪いものね」
『仮面の魔女』は、グラスを拭きながら、私をカウンターにまで案内する。いつもは何かしらの酒を出していたが、今回は珍しく紅茶のようだ。
「珍しいな。君が紅茶を淹れるなんて、英国文化は嫌いじゃなかったの?」
「もう1000年も前の話よ。あなたも『英仏百年』は知ってるでしょ?」
「学院にいた頃学んださ。それより、話って何?」
私は早速本題に移る。すると、『仮面の魔女』はタブレットを出す。
「これは?」
「前に見せたタブレットよ。面倒な事が起きそうでね。改めて見てほしいの」
「面倒な事? 一体、何が?」
『仮面の魔女』は、タブレットを開き、この間見せた資料を見せる。
「『転移術式』について、厄介なことが起きそうなのよ」
「どういうことだ?」
『仮面の魔女』は、転移者の項目を開く。
「転移者を呼び出して戦力を増強しているのは、もう知ってるわね?」
「あぁ、もうその辺のものは目に通してるよ」
「なら、説明は不要ね。実を言うと、相当面倒なことが起きかねないわ」
『仮面の魔女』は、『転移術式』の欄を開く。
「近いうちに、咎人と化した魔術師が一斉に放出される可能性が高いわ。そして、それに乗じて、『コノートの戦士』が攻めてくる事も考えられる」
「何だって!? 挟み撃ちを練っているのか!?」
「古い戦い方だけど、合理的な考えね。どちらに戦力を集中させても、こっちが力尽きて負けるわね。それに、件の転生者も中々強かったんでしょ?」
「そうだね。特に『フェルグス・マック・ロイ』は危険だ。彼女に助けてもらわなかったら、一溜りもなかったよ」
私はピースを吸い始める。そして、『仮面の魔女』はあることを立案する。
「そうなら、分散するのはそうかしら?」
「分散? 難しいだろう? リリィは極力動かれない。それができるなら、相当大事になっているはずだ」
「あなたが立案すればいいのよ。あれと縁があるあなたなら、簡単でしょ?」
私はため息を吐きながら、状況を理解した。リリィを動かすトリガーは、私にあるらしい。そう思いながら、紅茶を飲み干した。
「中々美味い茶葉だ。こんなのも持ってたの?」
「いいえ。『優越の魔女』からの貰い物よ。あなたにって貰ったのよ」
「なるほど。相変わらず、金遣いが荒いな」
「全てはあなたの為よ。来るべき日のためにね。正直言うけど、こんなことしている暇はないわ。でも、あなたは見逃さないんでしょうね」
「来るべき日か。なら、その為の潤いを消すしかないな」
私はピースを吸い切り、立ち上がる。
「『優越の魔女』にごちそうさまと伝えておいてくれ。それじゃ、またよろしくね。『仮面の魔女』」
「えぇ、また何かあったら連絡するわ。アル」
私は、『仮面の魔女』に見送られながら、工房を去る。工房を出ると、セシリア達に連絡をする。
「私だ。今時間ある?」
『あなたが連絡するなんて、珍しいわね。でも、今日は難しいわね。これから忙しいのよ』
「そう。明日ならどう?」
『そうね。明日なら問題ないわ。私だけ、事務所に向けばいい?』
「いや、リリィも連れて来てほしい。大事な話があるんだ」
『わかったわ。明日、議長も連れて行くわ。急用があるって言えば、彼女は行くわ』
私は要件をいい、そして電話も切る。解体されたラフィラの方を見上げながら、ピースを吸う。
こうして、私は事務所に帰るのだった。
改札を出で地上に上がり、美生を探す。彼女がまだ近辺にいないか、駅前の近辺を探し回る。
すると、人混みの中に黒のスーツを身に纏ってた白髪の少女が、銀行の前で立っていた。私は足早に彼女に接近する。
「美生。ここで何をしてるんだい? セシリア達が、君を心配していたよ」
「あんたか。そんなの知ってるっつうの。それで? あんたも私を連れ戻す気?」
白美生の反応に、私は首を傾げる。セシリア達が先んじてきたのだろうか。
「セシリアが来てたのか?」
「いや、あんたと顔が似てるやつよ。さっきあんたが言ってたこと同じことを言いやがったわ」
「まさか、明日香か?」
私は、先に来ていた来訪者が誰かが察し、驚きを隠せないでいる。どうやら、私が探している間に美生と接触していたらしい。しかしなぜ彼女が来ていたのか? でも、今は考えないでおこう。
「どうして、彼女がここに?」
「そんなの知るわけないでしょう? まぁ、今の私には関係のないことよ」
白美生はぶっきらぼうに言いながら、ラッキーストライクを吸い始める。彼女はスマホを見ながら、私の方に振り向く。
「詳しい話は、明日するわ。あんたが1人になるいつもの橋に朝イチで待ってる」
「――――――わかった。ただ、言ったからには必ず来い。私も、君には話しておきたいことが山ほどあるんだ」
私がそういうと、白美生はその場を去る。私は彼女を見送ってると、電話がかかって来た。
「もしもし」
『もしもし。アル、私よ』
「『仮面の魔女』か。何のよう?」
電話に相手は、『仮面の魔女』だった。どうやら、私に用があるらしい。
『今どこにいるかしら?』
「平岸だ。例の連中に襲われてね。戦っている内に、ここまで来てしまったよ」
『まぁ、それも込みで後で聞かせてもらうわ。それより、今から私の工房まで来られる? あなたに伝えておきたいことがあるわ』
『仮面の魔女』が、何かを伝えようと、私に来るようにいう。どうやら、何かわかったみたいだ。
「了解。今から引き返すよ」
『えぇ、頼むわね』
『仮面の魔女』は、そういうと電話を切る。私はそのまま美生を探した道を戻る形で、地下鉄に向かった。
そこから数分かけて移動し、私は『仮面の魔女』の待つ工房についた。
「待ってたわ、アル。もう少し遅いと思ったわ」
「それ良かったよ。退屈させちゃ、こっちが悪いものね」
『仮面の魔女』は、グラスを拭きながら、私をカウンターにまで案内する。いつもは何かしらの酒を出していたが、今回は珍しく紅茶のようだ。
「珍しいな。君が紅茶を淹れるなんて、英国文化は嫌いじゃなかったの?」
「もう1000年も前の話よ。あなたも『英仏百年』は知ってるでしょ?」
「学院にいた頃学んださ。それより、話って何?」
私は早速本題に移る。すると、『仮面の魔女』はタブレットを出す。
「これは?」
「前に見せたタブレットよ。面倒な事が起きそうでね。改めて見てほしいの」
「面倒な事? 一体、何が?」
『仮面の魔女』は、タブレットを開き、この間見せた資料を見せる。
「『転移術式』について、厄介なことが起きそうなのよ」
「どういうことだ?」
『仮面の魔女』は、転移者の項目を開く。
「転移者を呼び出して戦力を増強しているのは、もう知ってるわね?」
「あぁ、もうその辺のものは目に通してるよ」
「なら、説明は不要ね。実を言うと、相当面倒なことが起きかねないわ」
『仮面の魔女』は、『転移術式』の欄を開く。
「近いうちに、咎人と化した魔術師が一斉に放出される可能性が高いわ。そして、それに乗じて、『コノートの戦士』が攻めてくる事も考えられる」
「何だって!? 挟み撃ちを練っているのか!?」
「古い戦い方だけど、合理的な考えね。どちらに戦力を集中させても、こっちが力尽きて負けるわね。それに、件の転生者も中々強かったんでしょ?」
「そうだね。特に『フェルグス・マック・ロイ』は危険だ。彼女に助けてもらわなかったら、一溜りもなかったよ」
私はピースを吸い始める。そして、『仮面の魔女』はあることを立案する。
「そうなら、分散するのはそうかしら?」
「分散? 難しいだろう? リリィは極力動かれない。それができるなら、相当大事になっているはずだ」
「あなたが立案すればいいのよ。あれと縁があるあなたなら、簡単でしょ?」
私はため息を吐きながら、状況を理解した。リリィを動かすトリガーは、私にあるらしい。そう思いながら、紅茶を飲み干した。
「中々美味い茶葉だ。こんなのも持ってたの?」
「いいえ。『優越の魔女』からの貰い物よ。あなたにって貰ったのよ」
「なるほど。相変わらず、金遣いが荒いな」
「全てはあなたの為よ。来るべき日のためにね。正直言うけど、こんなことしている暇はないわ。でも、あなたは見逃さないんでしょうね」
「来るべき日か。なら、その為の潤いを消すしかないな」
私はピースを吸い切り、立ち上がる。
「『優越の魔女』にごちそうさまと伝えておいてくれ。それじゃ、またよろしくね。『仮面の魔女』」
「えぇ、また何かあったら連絡するわ。アル」
私は、『仮面の魔女』に見送られながら、工房を去る。工房を出ると、セシリア達に連絡をする。
「私だ。今時間ある?」
『あなたが連絡するなんて、珍しいわね。でも、今日は難しいわね。これから忙しいのよ』
「そう。明日ならどう?」
『そうね。明日なら問題ないわ。私だけ、事務所に向けばいい?』
「いや、リリィも連れて来てほしい。大事な話があるんだ」
『わかったわ。明日、議長も連れて行くわ。急用があるって言えば、彼女は行くわ』
私は要件をいい、そして電話も切る。解体されたラフィラの方を見上げながら、ピースを吸う。
こうして、私は事務所に帰るのだった。
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