馬蹄館

横浜出身の主人公、横(よこ)原(はら)花(か)音(のん)は、志望していた大学の薬学部の受験に失敗してしまった。同級生は見事に志望校に合格したことで、花音は自らを負け犬だと思うようになり、壁を作るようになってしまう。医師である姉の薦めで、後期日程で地方の大学の薬学部を受験し、広島の薬学部へ進学することになった。
姉が推薦した大学の近くには遠い親戚がおり、身寄りのない花音は、祖母の従妹である一(いち)条(じょう)珠(たま)代(よ)の館(やかた)に住まわせてもらうことにした。
その館には、花音を館に迎え入れる前から、血縁関係の無い同居人がいた。
彼らには、それぞれの理由があり、この館に住み始めたのだった。

大学の入学式の前日、花音は乙(おと)嶋(しま)麻(ま)也(や)(女性)と、大学の裏庭のベンチで出会う。広島という地にまだ慣れない花音は、言葉のイントネーションが自分と似ているマヤに興味を持った。共通点を持つ彼女たちは、急激に距離を縮め、親しくなった。

同級生からの噂で、花音が間借りしている屋敷は、且つては近所でも名の通った豪華な館(やかた)だったのだが、老朽化が進み、近所では「お化け屋敷」と呼ばれていることを、花音は知るのだった。
 花音は自分の住む館に不信感を募らせている頃、血縁関係の無い人々がこの館に住むようになった理由を知ることになる。

「何故この館に集うのか…?」花音はその秘密に迫ると共に、自分の大学生活を見つめなおすようになる。
24hポイント 0pt
小説 65,925 位 / 65,925件 ライト文芸 2,509 位 / 2,509件