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番外編【ファンが増えました】5恋愛の形は様々
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「さて、どうしたものか」
自分の部屋に駆け込んだ私は、パソコンの前に座り、悩んでいた。大鷹さんの前から逃げてきたわけだが、それからのことは考えていなかった。とはいえ、入浴の時間まではまだ時間がある。大鷹さんも私が当分、部屋から出てこないことはわかっているだろう。
そうなると、やることは一つだけだ。しかし、それには問題があった。
「私はネタが思いついていないんだよなあ」
小説を執筆するためにパソコンの電源は入れたものの、執筆画面に移動はしていない。小説のフォルダが詰まったホーム画面が私の前にあった。大鷹さんは私の今日の退勤後の話しと、先ほどまでの会話が「小説みたい」だと言っていた。本当にそうだろうか。
「まあ、修羅場みたいな感じではあったの、か?」
大鷹さんに話したことをパソコンに入力しようと執筆画面を開く。そして、自分が大鷹さんに話したことを簡潔にまとめて入力していく。
【退勤後、当間が河合さんを呼び留めて話しかけていた。しかし、河合さんは梨々花さんを理由に二人きりになるのを避けていた。そこへ当間の恋人である梨々花さんがやってきた。そのことを大鷹さんに話したら、大鷹さんは河合さんを元カノだと改めて宣言した。私は大鷹さんが、河合さんが他の男性に取られることを危惧したと思い込み、離婚したいのだと思い込んだが、誤解だった。しかし、大鷹さんが河合さんと趣味や好みが似ていることにモヤモヤを感じた。】
改めて言葉にしてみると、確かに修羅場に見えなくもない。しかし、私には彼らの事をどうしても小説のネタにすることができなかった。
「だって、当間だしなあ」
好きでもない相手、むしろ嫌いな人間の事を小説のネタにするのは正直嫌だ。だからこそ、大鷹さんのように小説のネタとして見ることができなかった。だから、大鷹さんに先を越されようと、今回の件に関しては仕方ない。
「違うネタで書くか、それとも」
河合さんと私、大鷹さんの三人で書くか。
口にしてみたら、案外、面白そうだった。
自分が体験した気持ちを言葉にするのは割と簡単だ。未知なる感情を言葉にする時よりよっぽど楽だ。自分のありのままの気持ちをパソコンにぶつけるだけでいい。
「決まった。そもそも、大鷹さんと私のネタは前から結構使っているし、そこに河合さんが混ざったところで問題はないでしょ」
当間が混ざるのはごめんだが、河合さんなら問題ない。私は、退勤後のことは触れずに、私と大鷹さんの会話を元に小説のあらすじをパソコンに入力することにした。
・主人公にはすでに恋人がいたが、親友の事もとても大切にしていた
・ある日、親友が私も恋人を作ると宣言した
・主人公はてっきり、親友はもう、恋愛をしないと思っていた
・主人公の恋人は親友の元恋人だったが、彼と親友はすでに別れていて、お互いに未練はない
・親友は彼との恋愛を最後に恋人は作っていなかったので、勝手に自分との関係が一番だと思い込んでいた
・恋人を作る宣言後、親友は主人公と過ごす時間を減らすようになった
・主人公はそれが寂しいと感じ、恋人にそのことを話すと、真剣な表情である提案をされた
・「僕と親友、二人同時に付き合うことにすれば、解決すると思います」
・今の状態は恋人である彼との時間がどうしても優先される
・それが親友にとって苦痛なのかもしれない
・あるいは僕たちの関係が羨ましくあるのかもしれない
・親友と恋人は趣味が似ていて、好きな人のタイプがよく似ている
・そして、今現在好きな人は主人公。親友もきっとそうだろう
・主人公は親友にかなり残酷なことをしていた
・恋人は親友と主人公を共有することに異論はなかった
・親友に新たな恋人ができることが望ましいが、下手に変な人を見つけて傷つくのは見たくない。別れてどうでも良いというわけにはいかなかった
・主人公は恋人の提案を飲むことにした
・親友にそのことを正直に話すと、苦笑される
・今までは元彼を主人公の恋人だということで、遠慮していた
・それがいらないとなったら、大変なのは主人公と恋人だよ
・親友が他の誰かとくっつくのを想像するだけで胸が痛いので大変でも大丈夫
・自分は欲深い人間だと思うがそれでも好きでいてくれるだろうか
・親友も恋人も笑顔で「私たちは趣味が似ているから、覚悟しておくように」と言う
・こうして、三人での奇妙な関係(恋人関係)が始まるのだった
「こんなものか」
ざっとあらすじをパソコンに入力してみたが、なるほど、これは新たな扉を開きそうな話だ。私は今までBL(ボーイズラブ)を中心に執筆してきた。大抵は2人の男性同士の恋愛が主だった。大鷹さんと河合さん、私を元にあらすじを作ってみたが、性別は決めていない。男三人にしてもいいし、元の三人の性別を使ってもいい。いや、性別を同じにしてしまうと、フィクションにならない。やはり、男三人でBLにしよう。
「三人での恋愛は、自分では書いたことがないけど、意外と書いてみたら面白いかも」
そうと決まれば、このあらすじからキャラクターの名前や人物設定をもっと詳しく考える必要がある。
「頑張ってみますか」
この時、私は大鷹さんと河合さんを元に書いていた。個人の特定されるようなことは書いていないが、彼らには自分たちの事だとわかるだろう。そのことが頭から抜けていた。
自分の部屋に駆け込んだ私は、パソコンの前に座り、悩んでいた。大鷹さんの前から逃げてきたわけだが、それからのことは考えていなかった。とはいえ、入浴の時間まではまだ時間がある。大鷹さんも私が当分、部屋から出てこないことはわかっているだろう。
そうなると、やることは一つだけだ。しかし、それには問題があった。
「私はネタが思いついていないんだよなあ」
小説を執筆するためにパソコンの電源は入れたものの、執筆画面に移動はしていない。小説のフォルダが詰まったホーム画面が私の前にあった。大鷹さんは私の今日の退勤後の話しと、先ほどまでの会話が「小説みたい」だと言っていた。本当にそうだろうか。
「まあ、修羅場みたいな感じではあったの、か?」
大鷹さんに話したことをパソコンに入力しようと執筆画面を開く。そして、自分が大鷹さんに話したことを簡潔にまとめて入力していく。
【退勤後、当間が河合さんを呼び留めて話しかけていた。しかし、河合さんは梨々花さんを理由に二人きりになるのを避けていた。そこへ当間の恋人である梨々花さんがやってきた。そのことを大鷹さんに話したら、大鷹さんは河合さんを元カノだと改めて宣言した。私は大鷹さんが、河合さんが他の男性に取られることを危惧したと思い込み、離婚したいのだと思い込んだが、誤解だった。しかし、大鷹さんが河合さんと趣味や好みが似ていることにモヤモヤを感じた。】
改めて言葉にしてみると、確かに修羅場に見えなくもない。しかし、私には彼らの事をどうしても小説のネタにすることができなかった。
「だって、当間だしなあ」
好きでもない相手、むしろ嫌いな人間の事を小説のネタにするのは正直嫌だ。だからこそ、大鷹さんのように小説のネタとして見ることができなかった。だから、大鷹さんに先を越されようと、今回の件に関しては仕方ない。
「違うネタで書くか、それとも」
河合さんと私、大鷹さんの三人で書くか。
口にしてみたら、案外、面白そうだった。
自分が体験した気持ちを言葉にするのは割と簡単だ。未知なる感情を言葉にする時よりよっぽど楽だ。自分のありのままの気持ちをパソコンにぶつけるだけでいい。
「決まった。そもそも、大鷹さんと私のネタは前から結構使っているし、そこに河合さんが混ざったところで問題はないでしょ」
当間が混ざるのはごめんだが、河合さんなら問題ない。私は、退勤後のことは触れずに、私と大鷹さんの会話を元に小説のあらすじをパソコンに入力することにした。
・主人公にはすでに恋人がいたが、親友の事もとても大切にしていた
・ある日、親友が私も恋人を作ると宣言した
・主人公はてっきり、親友はもう、恋愛をしないと思っていた
・主人公の恋人は親友の元恋人だったが、彼と親友はすでに別れていて、お互いに未練はない
・親友は彼との恋愛を最後に恋人は作っていなかったので、勝手に自分との関係が一番だと思い込んでいた
・恋人を作る宣言後、親友は主人公と過ごす時間を減らすようになった
・主人公はそれが寂しいと感じ、恋人にそのことを話すと、真剣な表情である提案をされた
・「僕と親友、二人同時に付き合うことにすれば、解決すると思います」
・今の状態は恋人である彼との時間がどうしても優先される
・それが親友にとって苦痛なのかもしれない
・あるいは僕たちの関係が羨ましくあるのかもしれない
・親友と恋人は趣味が似ていて、好きな人のタイプがよく似ている
・そして、今現在好きな人は主人公。親友もきっとそうだろう
・主人公は親友にかなり残酷なことをしていた
・恋人は親友と主人公を共有することに異論はなかった
・親友に新たな恋人ができることが望ましいが、下手に変な人を見つけて傷つくのは見たくない。別れてどうでも良いというわけにはいかなかった
・主人公は恋人の提案を飲むことにした
・親友にそのことを正直に話すと、苦笑される
・今までは元彼を主人公の恋人だということで、遠慮していた
・それがいらないとなったら、大変なのは主人公と恋人だよ
・親友が他の誰かとくっつくのを想像するだけで胸が痛いので大変でも大丈夫
・自分は欲深い人間だと思うがそれでも好きでいてくれるだろうか
・親友も恋人も笑顔で「私たちは趣味が似ているから、覚悟しておくように」と言う
・こうして、三人での奇妙な関係(恋人関係)が始まるのだった
「こんなものか」
ざっとあらすじをパソコンに入力してみたが、なるほど、これは新たな扉を開きそうな話だ。私は今までBL(ボーイズラブ)を中心に執筆してきた。大抵は2人の男性同士の恋愛が主だった。大鷹さんと河合さん、私を元にあらすじを作ってみたが、性別は決めていない。男三人にしてもいいし、元の三人の性別を使ってもいい。いや、性別を同じにしてしまうと、フィクションにならない。やはり、男三人でBLにしよう。
「三人での恋愛は、自分では書いたことがないけど、意外と書いてみたら面白いかも」
そうと決まれば、このあらすじからキャラクターの名前や人物設定をもっと詳しく考える必要がある。
「頑張ってみますか」
この時、私は大鷹さんと河合さんを元に書いていた。個人の特定されるようなことは書いていないが、彼らには自分たちの事だとわかるだろう。そのことが頭から抜けていた。
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