聖女追放?むしろ魔王様に溺愛されて幸せなんですが

私は王国の『聖女』だった。

いや、正確に言えば、つい先ほどまで“だった”。

「――この国に、もはやお前の居場所はない」

金色の髪を揺らす第一王子・ユリウス殿下が、冷たい声でそう言い放ったとき、私はすべてを察した。

聖女の力が弱まっている。
聖女の資格がない。
新たな聖女が現れた。
……そして、お前は用済みだ。

どれもこれも、ここ数週間、私が耳にしてきた言葉だった。
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