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Episode 5
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悠が本邸に戻ったのは、発情を迎えてから二週間後のことだった。
抑制剤の服用でヒートが落ち着いたあと、数日で体調は落ち着いたのだが、弓弦が貴文と共にずっと本邸に滞在し続けていたせいでなかなか戻れずにいたのだ。
そして、本邸で静かな日常を取り戻した数日後──。
朝食を終えてテラスのベンチでコーヒーを飲んでいた悠の元に、わずかに顔を曇らせた宮澄がやってきた。
「悠様。おくつろぎのところ申し訳ございません。先ほど、恭一様の秘書の方から連絡が入りまして……」
「恭一さん? ……って、旦那様の一人息子の?」
「はい」
「その恭一さんが、どうかしたの?」
「それが、事業トラブルで急遽帰国され、今朝から本社にいらっしゃるそうです」
『藤堂恭一』──藤堂財閥の御曹司である貴文の一人息子だ。
貴文はその素行から何人もの子供を作ったが、みな金でケリをつけ、認知すらしていない。そのため前妻との間に生まれた恭一だけが、藤堂家の正式な後継者だった。
立場上悠の息子になる彼は、悠より五歳年上の三十一歳で、アルファの中にあってもエリート中のエリートと評される人物だ。
悠は藤堂家に入った時に、宮澄から恭一の生活拠点がアメリカであることだけを教えられていて、その後は特に恭一のことに触れられなかったため、これまでその存在について意識したこともなかった。
(なんでわざわざ、僕にその報告を……?)
いまいち宮澄の真意が図りきれず、悠は当たり障りなく言葉を返してみる。
「日本に戻ってるなら、しばらくはここに? 部屋はどこを使ってもらえばいいのかな?」
「いえ、それが……。恭一様はお仕事の都合上、本社近くのご自身のマンションに滞在されるそうで、こちらへの挨拶は難しいだろう……とのことでございます」
そう告げて申し訳なさそうに頭を下げる宮澄を見て、悠はやっと納得した。
どうやら藤堂の御曹司は、悠を『義母』と認める気はないらしい。その意思表示のために、わざわざ回りくどく秘書とやらに帰国の連絡をさせたのだろう。
宮澄は使用人の鑑ともいうべきか、悠のことを藤堂家当主の伴侶として正式に認め敬ってくれているため、悠が見て取れるほどに表情を曇らせているのだ。
(まったく、律儀だなぁ、宮澄は……)
「そう。お仕事じゃ仕方ないよ。じゃあ僕は、今夜も自由に動いていいのかな?」
悠が宮澄の気持ちを晴らすようにと穏やかな笑みで問いかける。
正直なところ、彼にしてみれば藤堂の人間と関わらずにいられるのなら、そのほうがありがたかった。
「はい、もちろんでございます。今夜もSOSに?」
「うん。よかったら宮澄も一度聴きに来てよ」
「はい、いずれぜひ」
「うん」
だいぶ表情が晴れた宮澄がその場を辞すと、徳永が冷めてしまったコーヒーを淹れ直すため、静かにカップを下げていく。
(……藤堂恭一、ね……)
面倒ごとは避けて通りたい──悠はそう願いつつ、テラスから雲の多い空を仰いでいた。
◇◇◇
木曜日二十時──。
悠は【Sheets of Sounds】で、ただのハルカになれた。
悠がSOSで働き始めたのは高校に入学してすぐのこと。縁あって掃除のアルバイトをさせてもらえることになったのだ。
夕方の開店前。フロアのモップ掛けをしながら、ある一人のピアニストのリハーサルを聴くのが悠の楽しみだった。
いつも濃灰色の中折れ帽を深く被っていて、彼の顔はなかなか記憶には刻まれずにいた。その代わり、必ずピアノの上に置いていたカクテルの青さと、鍵盤の上で踊る彼の節ばった長い指が、その音色と共に悠の記憶の中で深く色づいていく。
気づくとただ彼とピアノだけを見つめて掃除を忘れてしまい、マスターからお叱りの声が飛んでくるのだ。
「開店までにまだまだやることはあるんだよ? ほらほら、手を動かして」
「ごめんなさい! すぐやります!」
「うん。丁寧にお願いね?」
「は、はいっ」
そんなやり取りが何度目かとなってしまったある日──。
ピアノの前でたまらずに小さくふき出した彼が、優しいバリトンで悠に声をかけてきた。
「そんなに気になるなら、ちょっと弾いてみるか?」
「え? あの、でも……」
「マスター? 少し借りてい?」
カウンター内でグラスを磨いていた瀬谷野は、肩をすくめながら「仕方ないな」と笑みをこぼす。
「ほら、お許しが出たぞ。ここ座れ」
彼はぶっきらぼうにみせた優しい声でそう言い、自身の椅子を右にずらした。
フロアの椅子を一つ借りて悠が隣に座ると、彼は血管の浮き出た男らしい大きな手を鍵盤に乗せる。
いつもオープニングに奏でるスタンダード。悠はピアノを弾いた経験など皆無だった。
それでも彼の指を真似するうちに、繊細な指先が初めてのメロディーを紡いでいく。
「へぇ。初めてなんだろ? すごいじゃないか」
悠のさらりとした黒髪の上に乗せられた大きな手の重み。ほのかに香ってきた爽やかで、それでいて切なくなるほどに甘く感じた花の香り……。
(うわ、褒められちゃった……)
みるみる頬を火照らせていく初心な悠に、彼は自然と口元を緩めていたのだった。
だが、それからわずか十日後──。
大学生だったらしい彼が、急に留学が決まったと瀬谷野に辞表を渡しにきたのだ。
カウンターで話している二人に背を向け掃除をつづけながら、悠は床を見つめて奥歯を噛みしめる。
(そっか……。もう、来ないんだ、ここには……)
どうしてここまで胸が苦しいのか。
悠は向き合うことを避けていた自分の心を、否応なく突きつけられた気がしていた。
彼は間違いなくアルファだ。それも上流社会で暮らす、良家の子息だろう。そうはっきりとわかるほどに、彼の立ち居振る舞いは優美だった。
それに加えて、マスターである瀬谷野も彼自身も多くを語らず、名前すら呼ばない様子を見ていれば、普通に雇われているわけではないことも、容易く想像できた。
だから悠も、何も聞かず、何も語らず……何かを抱えている彼が自分を映し出しているようなピアノに、いつの間にか恋をしていた。
真っ直ぐに力強く、けれど時々泣きそうになる、その音色……。
悠は両親を亡くし、歳の離れた兄と二人で暮らしている。懸命に働き悠を育ててくれている、大好きな兄には心の底から感謝しているし、少しでも役に立ちたくてこうしてアルバイトも始めた。
それでも十五歳で自身のバースを知ってから、悠はどうしようもない不安と寂しさを一人きりで抱えてしまっている。
これ以上兄の負担になりたくなかった。オメガでさえなければ、それでよかったのに……。
自分のバースとどう向き合っていけばいいのかすらわからず、もう少しで抱えきれなくなりそうだったその不安と寂しさを、彼の音色はフッと軽くしてくれた。一人じゃないと、そう、思わせてくれたのだった。
(……あの人のピアノも、もう……)
悠が床に落としていた視線を上げる。その先にある黒いピアノは、情けなくぼやけて見えていた。
抑制剤の服用でヒートが落ち着いたあと、数日で体調は落ち着いたのだが、弓弦が貴文と共にずっと本邸に滞在し続けていたせいでなかなか戻れずにいたのだ。
そして、本邸で静かな日常を取り戻した数日後──。
朝食を終えてテラスのベンチでコーヒーを飲んでいた悠の元に、わずかに顔を曇らせた宮澄がやってきた。
「悠様。おくつろぎのところ申し訳ございません。先ほど、恭一様の秘書の方から連絡が入りまして……」
「恭一さん? ……って、旦那様の一人息子の?」
「はい」
「その恭一さんが、どうかしたの?」
「それが、事業トラブルで急遽帰国され、今朝から本社にいらっしゃるそうです」
『藤堂恭一』──藤堂財閥の御曹司である貴文の一人息子だ。
貴文はその素行から何人もの子供を作ったが、みな金でケリをつけ、認知すらしていない。そのため前妻との間に生まれた恭一だけが、藤堂家の正式な後継者だった。
立場上悠の息子になる彼は、悠より五歳年上の三十一歳で、アルファの中にあってもエリート中のエリートと評される人物だ。
悠は藤堂家に入った時に、宮澄から恭一の生活拠点がアメリカであることだけを教えられていて、その後は特に恭一のことに触れられなかったため、これまでその存在について意識したこともなかった。
(なんでわざわざ、僕にその報告を……?)
いまいち宮澄の真意が図りきれず、悠は当たり障りなく言葉を返してみる。
「日本に戻ってるなら、しばらくはここに? 部屋はどこを使ってもらえばいいのかな?」
「いえ、それが……。恭一様はお仕事の都合上、本社近くのご自身のマンションに滞在されるそうで、こちらへの挨拶は難しいだろう……とのことでございます」
そう告げて申し訳なさそうに頭を下げる宮澄を見て、悠はやっと納得した。
どうやら藤堂の御曹司は、悠を『義母』と認める気はないらしい。その意思表示のために、わざわざ回りくどく秘書とやらに帰国の連絡をさせたのだろう。
宮澄は使用人の鑑ともいうべきか、悠のことを藤堂家当主の伴侶として正式に認め敬ってくれているため、悠が見て取れるほどに表情を曇らせているのだ。
(まったく、律儀だなぁ、宮澄は……)
「そう。お仕事じゃ仕方ないよ。じゃあ僕は、今夜も自由に動いていいのかな?」
悠が宮澄の気持ちを晴らすようにと穏やかな笑みで問いかける。
正直なところ、彼にしてみれば藤堂の人間と関わらずにいられるのなら、そのほうがありがたかった。
「はい、もちろんでございます。今夜もSOSに?」
「うん。よかったら宮澄も一度聴きに来てよ」
「はい、いずれぜひ」
「うん」
だいぶ表情が晴れた宮澄がその場を辞すと、徳永が冷めてしまったコーヒーを淹れ直すため、静かにカップを下げていく。
(……藤堂恭一、ね……)
面倒ごとは避けて通りたい──悠はそう願いつつ、テラスから雲の多い空を仰いでいた。
◇◇◇
木曜日二十時──。
悠は【Sheets of Sounds】で、ただのハルカになれた。
悠がSOSで働き始めたのは高校に入学してすぐのこと。縁あって掃除のアルバイトをさせてもらえることになったのだ。
夕方の開店前。フロアのモップ掛けをしながら、ある一人のピアニストのリハーサルを聴くのが悠の楽しみだった。
いつも濃灰色の中折れ帽を深く被っていて、彼の顔はなかなか記憶には刻まれずにいた。その代わり、必ずピアノの上に置いていたカクテルの青さと、鍵盤の上で踊る彼の節ばった長い指が、その音色と共に悠の記憶の中で深く色づいていく。
気づくとただ彼とピアノだけを見つめて掃除を忘れてしまい、マスターからお叱りの声が飛んでくるのだ。
「開店までにまだまだやることはあるんだよ? ほらほら、手を動かして」
「ごめんなさい! すぐやります!」
「うん。丁寧にお願いね?」
「は、はいっ」
そんなやり取りが何度目かとなってしまったある日──。
ピアノの前でたまらずに小さくふき出した彼が、優しいバリトンで悠に声をかけてきた。
「そんなに気になるなら、ちょっと弾いてみるか?」
「え? あの、でも……」
「マスター? 少し借りてい?」
カウンター内でグラスを磨いていた瀬谷野は、肩をすくめながら「仕方ないな」と笑みをこぼす。
「ほら、お許しが出たぞ。ここ座れ」
彼はぶっきらぼうにみせた優しい声でそう言い、自身の椅子を右にずらした。
フロアの椅子を一つ借りて悠が隣に座ると、彼は血管の浮き出た男らしい大きな手を鍵盤に乗せる。
いつもオープニングに奏でるスタンダード。悠はピアノを弾いた経験など皆無だった。
それでも彼の指を真似するうちに、繊細な指先が初めてのメロディーを紡いでいく。
「へぇ。初めてなんだろ? すごいじゃないか」
悠のさらりとした黒髪の上に乗せられた大きな手の重み。ほのかに香ってきた爽やかで、それでいて切なくなるほどに甘く感じた花の香り……。
(うわ、褒められちゃった……)
みるみる頬を火照らせていく初心な悠に、彼は自然と口元を緩めていたのだった。
だが、それからわずか十日後──。
大学生だったらしい彼が、急に留学が決まったと瀬谷野に辞表を渡しにきたのだ。
カウンターで話している二人に背を向け掃除をつづけながら、悠は床を見つめて奥歯を噛みしめる。
(そっか……。もう、来ないんだ、ここには……)
どうしてここまで胸が苦しいのか。
悠は向き合うことを避けていた自分の心を、否応なく突きつけられた気がしていた。
彼は間違いなくアルファだ。それも上流社会で暮らす、良家の子息だろう。そうはっきりとわかるほどに、彼の立ち居振る舞いは優美だった。
それに加えて、マスターである瀬谷野も彼自身も多くを語らず、名前すら呼ばない様子を見ていれば、普通に雇われているわけではないことも、容易く想像できた。
だから悠も、何も聞かず、何も語らず……何かを抱えている彼が自分を映し出しているようなピアノに、いつの間にか恋をしていた。
真っ直ぐに力強く、けれど時々泣きそうになる、その音色……。
悠は両親を亡くし、歳の離れた兄と二人で暮らしている。懸命に働き悠を育ててくれている、大好きな兄には心の底から感謝しているし、少しでも役に立ちたくてこうしてアルバイトも始めた。
それでも十五歳で自身のバースを知ってから、悠はどうしようもない不安と寂しさを一人きりで抱えてしまっている。
これ以上兄の負担になりたくなかった。オメガでさえなければ、それでよかったのに……。
自分のバースとどう向き合っていけばいいのかすらわからず、もう少しで抱えきれなくなりそうだったその不安と寂しさを、彼の音色はフッと軽くしてくれた。一人じゃないと、そう、思わせてくれたのだった。
(……あの人のピアノも、もう……)
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