詩集 夜空

父

今朝、僕は自分宛に、一通の手紙が届いているのを見つけた。

母からだった。僕は、その手紙を読まずに捨てた。

違う朝、また僕は自分宛に、一通の手紙が届いているのを見つけた。

父からのその手紙を僕は読んでみた。内容は、僕を諌めることだった。

僕は腹が立ったが、その手紙を保存しておいた。

少したった後、僕は父宛に手紙を書いた。
「拝啓　元気にしていますか？僕は元気です。お父さんは僕が意固地だと言っていましたね。確かに僕は意固地です。けれども人は、どんどん日進月歩で進化していくもので、僕もどんどん変わっていきます。お母さんは意固地です。何度も僕に、金を返せ、その一点ばりです。お父さんも変わると思います。変わって、少しずつ良くなると思います。一つの約束をします。僕は、決して約束を裏切りません。人と嘘をつかないと約束したら、それを守ります。人と深酒をしないと約束をしたら、それを遵守します。お父さんは小さい頃から僕を見てきましたね。僕もずっとお父さん、お母さんに愛され、育ちました······またお酒でも飲みましょう」
僕はそう書いて、その手紙を父に送った。


ずっと一緒にいるのかもしれない。ずっと一緒に酒でも飲んで、また仲良くするのだろう。


2024.8.19